【ビタミンD】ほぼ全ての細胞が必要とするビタミンDはほぼ全ての機能と関係している

2018/07/02/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ビタミンDの食物摂取基準

必要量は、1日に8.5μg以上です。そして、上限値は、1日100μg(4,000IU)です。

通常の食事から摂取する場合には、特に、問題はないと思いますが、サプリメントから摂取する場合には、くれぐれも上限値に気を付けてくださいね。

ビタミンDには2種類ある

ビタミンDは脂溶性のビタミンです。

ヒトが光合成するビタミンD

ヒトは紫外線を浴びることで、腸内細菌が体内でビタミンDを造ってくれる他、皮膚内でもコレステロールからビタミンDが合成されます。適切な光合成の仕方については『夏のお肌を守る食べるスキンケア』をご参照ください。

ヒトが自前で造るビタミンDは、D3です。

食品から得られるビタミンD

食事から栄養として用いることのできるビタミンDには、2種類あります。

  • キノコなどの植物から得られる植物性のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)
  • 魚や卵から得られる動物性のビタミンD3(コレカルシフェロール)

ビタミンD強化食品には、ビタミンD2が多く使用されています。

従来の栄養学においても、国が食品摂取基準として定められているビタミンDの量は、D2とD3を区別していません。なぜなら、従来の科学ではD2とD3の体内における具体的な機能の違いが判明されておらず、両方とも同じように機能すると考えられてきたからです。

しかしここ数年の間に、ビタミンD3に特化したヒトを対象する研究が進み、様々なことが判ってきています。病気治療目的での近年の臨床研究では、D3に限定した研究が多くなってきていることを鑑みても、やはり、型が違うということには意味があると思わざるを得ません。

例えば、ビタミンD2よりも、ビタミンD3の方が血中で活性された状態を長期間維持することなどが判明しています。具体的には夏に摂ったビタミンD3は秋冬でも活性を維持しているが、ビタミンD2の多くは活性を失っているとのことです。

ビタミンDはそのままでは利用できない

自前で造ったビタミンDも食事から摂ったビタミンDも、ビタミンD2とビタミンD3の両方共、生物学的に不活性な状態、つまり、そのままでは私達が体内利用できない状態で存在しています。

そのため、肝臓と腎臓で利用可能な形態に変換されなければなりません

食事から摂ったビタミンDも自前で造ったビタミンDも、一旦、トランスファータンパク質(運搬屋)と結合して、血流にのって肝臓に運ばれます。肝細胞でビタミンDは、活性化(ヒドロキシル化)されて 25-ヒドロキシビタミンD(25HVD)になります。

血液検査は、この状態のビタミンD、25HVD の量を測っています

25HVDは、その後、腎臓で1α25HVD(1α,25-ジヒドロキシビタミン D)に変換されます。この変換機能は、血清リン、カルシウム、副甲状腺ホルモン、線維芽細胞増殖因子-23、そして、1α25HVD自体によってコントロールされています。

そして、体内の様々な細胞で活用されるビタミンDは、この 1α25HVD の状態のビタミンDです。100 から1,250の遺伝子を直接および/または間接的にコントロールしていると考えられています。

ビタミンDの機能

体の細胞の大部分にはビタミンD受容体があります。ビタミンDはそうした細胞の受容体と結合することによって、各細胞の分化と成長をコントロールします。そのため、ビタミンDは大小様々な体の機能のほぼ全てと関係しています。詳しくは『ビタミンDが900以上の遺伝子のスイッチに影響しているから起こる稀な欠乏症のサイン』をご確認ください。

体内のカルシウム量の調整

血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。ビタミンDはカルシウム濃度を一定に保つ働きをしている遺伝子の発現に関与しています。

ビタミンDは、小腸でのカルシウムの吸収腎臓でのカルシウムの再吸収にとって不可欠なビタミンです。

また、血中のカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンは骨を溶かしたり、小腸でのカルシウムの吸収を増加させて血液中のカルシウム濃度を一定に保つよう働きます。この副甲状腺ホルモンの働きにとってもビタミンDは不可欠な存在です。

カルシウムの詳しい働きについては『ミネラルの精神安定剤・筋肉痛予防にもなるカルシウム』をご確認ください。

体内のリン量の調整

リンの体内濃度も一定に保たれています。カルシウムの濃度とリンの濃度は密接に関係していて、カルシウムの濃度を調整している副甲状腺ホルモンやビタミンDが、リンの濃度の調整にも関与しています。

ビタミンDは小腸でのリンの吸収を増やし、副甲状腺ホルモンは腎臓でのリンの再吸収を抑制して尿への排出を増やす様働きます。

細胞の分化を促し増殖を抑制

細胞が急速に分裂している状態を「増殖」と呼びます。細胞が成長して特定の機能に特化することは「分化」と呼びます。一般的に、細胞は分化すると増殖が低下します。

例えば、傷の治癒や体の成長には細胞増殖が必要です。皮膚なら皮膚に細胞が分化することで増殖が止まります。

一方で、分化しない増殖し続ける細胞は、がんになる可能性があります。

ビタミンDが、細胞の分化を促し、異常な増殖を抑制することが報告されています。

免疫調整

ビタミンDは、免疫力、特に自然免疫にとって重要な働きをしています。なぜなら、ほとんどの免疫細胞が、ビタミンDと結合するビタミンD受容体をもっているからです。

しかも、特殊な状況が起きると、免疫細胞の単球とマクロファージとT細胞は自前でビタミンDを造って、緊急避難的に局所の免疫反応をコントロールすることが判っています。

自前のビタミンD3が自己免疫の源かもしれないという科学的なエビデンスが数多く示されています。自前のビタミンD3の欠乏によって、免疫機能がコントロール不能となり、アレルギー反応や自己免疫疾患などが起こるのではないかと考えられています。

血糖値調整

すい臓のランゲルハンス島のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)はビタミンD受容体をもっています。

動物実験では、ビタミンDがインスリンの分泌に関与していることが観察され、ヒトを対象とした研究では、ビタミンDが不足していると、インスリンの分泌が減少し、II型糖尿病(生活習慣病)病状が悪化する可能性が示されています。

血圧調整

レニンとアンジオテンシンIIは、血圧を上昇させる働きのある酵素です。

アンジオテンシンIIは、動脈を圧縮してナトリウムと水を保持させることで血圧を上昇させるのですが、レニンが多いと増え、レニンが減れば減少します。ビタミンDはレニンを減らすことができます。

ビタミンDを不足させないことで、血圧が不必要に上昇することを予防できるのではないかと期待されています。

ビタミンD欠乏症

ビタミンDがカルシウム濃度を一定に保つ働きをしているということは、ビタミンDが不足すれば、カルシウム不足の症状が起こります。

カルシウムの詳しい働きについては『ミネラルの精神安定剤・筋肉痛予防にもなるカルシウム』をご確認ください。

くる病

骨の石灰化不全によって、骨が柔らかく、曲がりやすく、伸びにくくなる病気です。

幼児や乳児など、急速に成長する骨に深刻な影響を起こします。骨が適切に石灰化されないので、体重を支えきれず腕と脚が曲がってしまいます。

また、幼児では、頭蓋骨の泉門(柔らかい部分)の閉鎖が遅れたり、横隔膜に引っ張られて胸郭が変形したりすることがあります。

骨軟化症

骨は再生を繰り返す臓器ですが、その再生時に石灰化が不足し骨が柔らかく曲がりやすくなる病気です。骨に痛みがあることがあります。

もちろん、骨粗鬆症のリスクが上昇します。

筋力低下と筋肉痛

ビタミンD欠乏症は、筋力低下や筋肉痛を引き起こします。

筋力が低下すれば、転倒しやすくなり、更に骨折のリスクが高くなります。

ビタミンD不足と病気との関係

死亡率

15,099人が参加した第三回米国全国健康栄養調査(NHANES III)は、9年間の追跡調査の結果、血液中のビタミンD濃度が16ng/mL未満に減少すると死亡率が上昇する可能性を示しました。なお、ビタミンD濃度が16~40ng/mLであれば、死亡リスクは影響を受けないことも示しています。

他の研究では、ビタミンD濃度が30~39.99ng/mLの人の死亡リスクに比べて、濃度が12~15.99ng/mLだと死亡リスクが19%高くなり、12ng/mL未満だと56%高くなることが報告されています。

骨粗鬆症

骨粗鬆症の原因は多数ありますが、加齢による骨粗鬆症の主な原因のひとつにビタミンD不足があります。

北緯64度から南緯38度までの18ヶ国に住む2,600人以上の骨粗鬆症の閉経後の女性を対象とした調査によって、被験者の約31%の血中ビタミンD濃度が20ng/mL(50nmol/L)未満だったことが報告されています。

他の調査では血中のビタミンDとビタミンK1の両方の濃度の低さと、大腿骨頚部骨折リスクに関係性があることが示されています。

がん

血中のビタミンD濃度が20ng/mL(50nmol/L)増加するごとに全てのがんの発生率が11%減少し、がんによる死亡率が17%低下することが報告されています。死亡率の減少は女性において顕著であることが報告されています。

細胞にあるビタミンD受容体の変異によって、部位ごとのがんになりやすさが異なったり、がんからの寛解率に差が生じている可能性が示唆されています。

現在までに、乳がん、肺がん、皮膚がん(メラノーマ)、結腸がん、骨がんなどがビタミンDから影響を受けやすいことが観察されています。

ビタミンDとがんとの関係については『ビタミンD3ががんの進行を抑制することが判明|ただし効果を得るにはある条件がありました』もご確認ください。

大腸がん

大腸がんの発症率が非常に高いとされた米国ネブラスカ州クレモント市(年間の日照時間が極めて少ない)が行った市民実験では、ビタミンDの錠剤を3,000人の市民に4年間飲み続けてもらった結果、大腸がんの発症率が半減したと報告しています。

その他の多くの研究によって、血液中のビタミンD濃度と大腸がんの発生率は逆相関することが報告されています。ビタミンDの血中濃度が高い人は、大腸がん発症リスクが約35%~38%低いとのことです。

血中濃度が33ng/mL以上になると、12ng/mL以下の人と比べて大腸がん発症リスクが50%も低下するという報告もあります。ビタミンD濃度が8ng/mL増えるごとに、大腸がんによる死亡率が10%下がると試算されています。

乳がん

ビタミンDと乳がんとの関係を裏付ける研究データは、現在までにほとんどありません。

第一回米国国民健康栄養調査(NHANES I)に参加した女性の追跡調査では、適切な日光浴と食事から十分なビタミンDを得ていた白人女性の20年後の乳がん発症率が低いことが報告されましたが、その後の複数の研究では、ビタミンDと乳がんの発生率との関係は発見されていません

ただし、乳がんの再発率と死亡率を低下させることが判明しています。死亡率は33%低くなり、血中のビタミンD濃度が8ng/mL増えるごとに12%低下すると報告されています。

自己免疫疾患

自己免疫疾患は、本来、体にとって有害な物質や病原菌などを攻撃すべき免疫細胞が、自分自身の細胞や臓器を敵だと誤認識し攻撃してしまう病気です。

自己免疫疾患には、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)、橋本病(甲状腺機能低下症)、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがあります。

自己免疫反応は、T細胞(免疫細胞のひとつ)によって起こりますが、ビタミンDは、T細胞の反応を調整して自己免疫反応を抑えられることが判っています。

興味深いことに、自己免疫疾患(特にMS)は緯度が高くなるほど増えることが報告されています。研究者は、紫外線量が少ない地域で、皮膚でのビタミンD合成が減ることと自己免疫疾患との間に関係性があるのではないかと考えています。

I型糖尿病

I型糖尿病の人は、血中ビタミンD濃度が低いことが報告されています。すい臓のランゲルハンス島(インスリンを分泌する細胞)に関係する自己抗体を持っている子供は、自己抗体を持たない子供に比べてビタミンDが不足していることがほとんどであることも報告されています。

また、1966年にフィンランドで行われた、新生児を30年間追跡調査した研究では、生後1年間にビタミンDが十分に補給されていた子供のI型糖尿病発症リスクが、そうではない子供と比較して88%低いことが報告されています。また、生後1年の間にビタミンD欠乏症の疑いのあった子供は、I型糖尿病の発症率が有意に高いことが報告されています。

研究者は、ビタミンDには、I型糖尿病の予防機能があり、特に乳幼児期にビタミンDが不足していると、その後の人生の免疫機能に影響する可能性があると述べています。

赤ちゃんを適切に日光浴させることが大切ですね

また、妊婦のビタミンD不足が子供のI型糖尿病発症に関係している可能性があるとのことです。

妊娠初期のビタミンD不足と子供のI型糖尿病との間には関係性が見られないものの、妊娠後期にビタミンD不足(21.6ng/mL、54nmol/L未満)の母親から生まれた子供は、ビタミンD濃度が35.6ng/mL(89nmol/L)以上だった母親から生まれた子供に比べて、I型糖尿病の発症リスクが2倍以上も高くなることが報告されています。

妊娠中も外へでて、適切に日光を浴びることが大切です。

うつ

ビタミンDは、幸せホルモンのセロトニンの分泌を促進します。また、ビタミンDは、快楽ホルモンであるドーパミンを作る上でも重要な役割を果たしています。

一年を通して、太陽の光が燦々とふりそそぐ、例えばカリブ海や地中海地域の人達は比較的陽気で、年間の日照時間が少ない、例えば、ドイツや北欧地域の人達が比較的寡黙で自殺率が高いこととビタミンDの血中濃度に関係があると考えられています。

非アルコール性脂肪肝

非アルコール性脂肪肝の人の血中ビタミンD濃度が低いことが報告されています。

しかし、ビタミンD3を4週間投与することで肝脂肪が減少したことを、2015年4月ウィーンで開催された欧州肝臓学会にて、ドイツのザーランド大学医療センター(Saarland University Medical Center)のキャロライン・ストーク(Caroline Stokes)博士らが報告しています。

その他の疾患

上述した疾患に加え、ビタミンD不足と関係があることが報告されている疾患や症状には次の様なものがあります。

  • 高血圧
  • 血管内皮障害
  • うっ血性心不全
  • II型糖尿病/妊娠糖尿病
  • 認知症/アルツハイマー病
  • パーキンソン病
  • 急性呼吸器感染症
  • 新型コロナウイルス感染症
  • アトピー性皮膚炎
  • 炎症性腸疾患

詳しくは『ビタミンDが900以上の遺伝子のスイッチに影響しているから起こる希な欠乏症のサイン』をご確認ください。

ビタミンD欠乏/不足になりやすい人

環境要因

次の地域に住んでいる人はビタミンD不足になりやすいという報告があります。

  • 緯度の高い地域
  • 海抜に近い地域
  • 大気汚染のひどい地域(太陽光が届きにくいため)
  • 季節によって日照時間が極端に短くなる地域

全身を覆い隠す衣服

全身あるいは身体の大部分を覆い隠す衣服を着用している中東の2,032人の女性を調査した研究によれば、96%の女性がビタミンD不足の状態にあり、60%の女性は非常に危険な状態にあったことが報告されています。

実際、くる病と骨軟化症は、中東と北アフリカの女性と子供に非常に多い病気です。

日焼け止めの使用

日焼けを避けるための日焼け止めクリームなどの使用によっても、体内のビタミンDは少なくなります。

日本の阪樟蔭女子大学の研究チームが2017年に、週3回以上日焼け止めを使う人の血中ビタミンD濃度は、通年で欠乏状態にあることを報告しています。

日焼け止めについては『日焼け止め8つの真実』をご確認ください。また、『夏のお肌を守る食べるスキンケア』もご参照ください。

ビタミンD不足の母親によって授乳された乳児

母乳のみによって授乳された乳児がビタミンD不足になる傾向が高いことが報告されています。

特に、紫外線を避けるライフスタイルやビタミンDの少ない食事をしている母親の母乳のみでは、乳児がビタミンD欠乏になることが判っています。母子共にビタミンDの補給が必要となります。

慢性腎臓病

実際に、体内の細胞が必要とするビタミンDの形態である1α25HVD のほとんどを造っているのは腎臓なので、腎機能の不全は、重篤なビタミンD欠乏を起こします。また、その結果、血液中のビタミンD(25HVD)が尿として排出されてしまい、血液中のビタミンD自体も減少します。

肝疾患による脂肪吸収不良症候群

食事から摂ったビタミンDの吸収が損なわれ、吸収されたビタミンDも体内で利用可能な 25HVDへの変換が上手く行われなくなるため、欠乏症が起こります。

炎症性腸疾患(IBD)

ビタミンDの吸収が阻害されるため、ビタミンD欠乏を起こしやすくなります。小腸に疾患がある場合には特にビタミンD吸収不足が起こります。

肥満症

自前または食事から摂ったビタミンDが、体脂肪内に貯蔵されてしまい、体脂肪量が多すぎると他の細胞が利用できるビタミンDの量が減少してしまいます。

同じ量のビタミンDのサプリメントを服用しても、正常範囲のBMIの人と比べ、肥満症の人は、血液中のビタミンDの濃度が非常に低いことが研究によって示されています。

マグネシウム欠乏/不足

マグネシウムの摂取量が多いとビタミンD欠乏症のリスクが低下することが示唆されています。

マグネシウムは、ビタミンDを肝臓や腎臓で変換する重要な酵素の活性に関与しているため、マグネシウムが欠乏/不足すると、ビタミンDも欠乏します。

マグネシウムの詳しい機能については『マグネシウム』をご確認ください。

高齢者

加齢に伴い、皮膚でのビタミンDの合成力が低下していくことによって、ビタミンDが不足しがちになります。加えて、外出頻度が減ったり、日焼け止めを使用することによって更にビタミンDが減少します。

自宅で自由に生活している高齢者と施設に入所している高齢者を比較した研究では、施設に入所している高齢者ほどビタミンD欠乏/不足に陥っているケースが多いとのことです。

遺伝的な要因

皮膚の色が薄いほど皮膚でのビタミンDの合成力が高く、皮膚の色が濃いほど合成力が弱いことが判っています。

また、ビタミンDの体内合成や変換などに関係している遺伝子が特定されていて、その多型(変異)が存在していることも判明しています。

ビタミンDの補給方法

日光浴

まずは自前で造れるのですから、自分で作りましょう。

ただ、紫外線が怖い、日焼けやシミシワが怖いという人も多いと思いますので、『適量の紫外線とは?』をご確認ください。

むやみに日光を避けるのではなく、賢く恐れることが重要です。

ビタミンD3の多い食品

ビタミンDは、どんな魚にも必ず含まれています卵黄にも若干含まれています。

近年、地衣類と呼ばれる苔のような植物に、D3が含まれていることが発見されています。ヴィーガンでD3を希望される方々への救世主となっています。しかしこれは食用にできないため、サプリメントとしてしか摂ることができません。

ビタミンD2の多い食品

とても限定的な食品、例えばほとんどキノコ類にしか含まれていません。椎茸については『海外で注目のスーパー菌類、日本の椎茸がすごい』もご参照ください。

若干、クロレラにも含まれていることが判っています。クロレラについては『クロレラのもっとすごい力』をご参照ください。

サプリメント

サプリメントに使用されているビタミンD2はエルゴカルシフェロール、ビタミンD3はコレカルシフェロールです。マルチサプリメントにはこの両方が含まれているのが一般的です。

両方とも肝臓で活性した状態に変換されなければ、そのままでは細胞は活用することができません。そのため、最近では、既に活性化された状態のカルシフェジオール(活性化ビタミンD3)のサプリメントも販売されています

ビタミンDの過剰摂取による副作用

ビタミンDの血中濃度は、多すぎても健康リスクとの相関があるという研究論文が、2015年2月24日に発表されました。

ビタミンDの摂り過ぎは、次の障害を起こすことが知られています。

  • 高カルシウム血症
  • 腎障害
  • 軟組織の石灰化障害
  • 心疾患など

心疾患との関係

「ビタミンDは、血中濃度がある一定水準を超えると、
心疾患の発症率と高い相関を示す」

ことが発表されました。これは、あくまでも相関関係であって、因果関係が証明されたわけではありませんので、「ビタミンD濃度が高いと心疾患が起る」とまでは言えませんが、注意を呼びかける報告となっています。

ビタミンDの過剰な状態が、慢性的・長期的になることで心疾患リスクが高まるとのことですから、一時的にビタミンDを多く摂り過ぎたとしても心配する必要はありません。

医師の処方ではなく、自己判断によってビタミンDのサプリメントを常習的に摂取している人は注意してくださいね。

ビタミンDの安全な血中濃度

ビタミンDの安全な血中濃度は、1リットル当たり50nmol(ナノモル) から 100nmol の間で、70nmolがベストと研究者は述べています。

注意したい医薬品

ビタミンDの腸内吸収を阻害

  • コレスチラミン(クエストラン)|コレステロール低下薬
  • コレスチポール(コレスチッド)|コレステロール低下薬
  • オルリスタット(ゼニカル)|肥満治療薬

医薬品ではありませんが、鉱物油(ミネラルオイル)もビタミンDの腸内吸収を阻害します。

ビタミンDの代謝を促進(血中ビタミンDを減らす)

  • フェニトイン(ジランチン)|抗てんかん薬
  • フォスフェニトイン(セレビクス)|抗てんかん薬
  • フェノバルビタール(ルミナール)|抗てんかん薬
  • カルバマゼピン(テグレトール)|抗てんかん薬
  • リファンピン(リマクタン)|抗生物質

肝臓でのビタミンDの活性化を阻害

  • シメチジン|H2ブロッカー

ソフィアウッズ・インスティテュートができること

かなり詳しく、長く、ビタミンDについて記載しましたが、それだけビタミンDが非常に重要なビタミンだということです。

ビタミンDは食品からも摂れますが、せっかく自前で造ることができるのですから、まずは、日光を賢く恐れて、できるだけ自前で造ることを優先させることが大切だと私は思います。

神様は無駄なことはしないと、私は思っています。

ただ食べればいいだけの栄養素なら、わざわざ自前で造れる機能なんて体には必要ない無駄なもののはずです。でも、私達はビタミンDを自分で作れる機能をもって存在しています。自前で造ることに重要な意味があるからではないでしょうか。

ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。

サプリメントの摂り方・選び方など危険な成分と安全な成分などについてもレクチャーがあります。

新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

あるいは、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
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参考文献

Vitamin D”, Micronutrient Information Center, Linus Pauling Institute, Oregon State University

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング