食で心と体をつなぐ – ホリスティック・ヘルスコーチング の ソフィアウッズ・インスティテュート

あなたのバイオ個性に着目するNYC発ポストモダンな食事法

マイケル・ポーランの『Cooked』を読んで

cooked Michael Pollan仕事を始めてからの私は、料理をすることが好きではありませんでした。仕事から帰ってくる時間も遅いので、寝るまでの短い時間、やらなくてはならないことが他にたくさんあり、料理に費やす時間がもったいないというか、面倒なものだと思っていました。

食事なんて何でもいいからお腹が満たされればそれで良いと思っていました。

米国留学時代、1年生と2年生は寮に住まないといけないルールの大学に通っていました。そのため、当然、食事は寮のカフェテリアで食べていました。半年も経たないうちに、体重が今現在に至るまでの私の人生の中で、到達したことのない境地にまで増加し、高校1年生以降変化したことのない洋服のサイズを大きくしなければいけいない状況になりました。

18歳の未熟な脳も「このままこの食事を続けていてはいけない」と気づき、大学院生向けのキッチンつき寮へ移動させてもらいました。新入生がそこへ入寮するのは無理に等しいのですが、外国人学生とアレルギーや病気のある学生だけは特別に、「アメリカの一般的な食事が合わない」という理由が認められていましたので、自由の国アメリカ万歳で、1年生なのにキッチンつきの院生寮に移り住んだのです。

そこから、私の自炊生活が始まりました。その院生寮には学部生はほぼいませんでしたが、外国人の院生がたくさん住んでいました。スイス、フランス、オーストラリア、中国、ベトナム、ドイツ、日本、もちろんアメリカ人も。で、毎週日曜日、持ち回りで、自国料理を作り、皆で食事をするという会を始めました。食器は、シルバーウエアも含め各自持参して、食べ終わった後も、自分で持ち帰って各自洗うというルールです。料理をする人は、料理をするだけで食後の片づけの手間がなく、当番になるまでの1-2か月間は日曜日の夜を料理から解放されて過ごせるだけでなく、他国の料理まで楽しめるという合理的な集まりです。

その頃の私は、母が送ってくれた「基本のおかず」という料理本を片手にがんばっていました。雑誌に面白そうなデザートの写真があるとレシピをくり抜いたりもしていました。なので、お料理が嫌いというわけではないはずだったのです。

でも、仕事を始めた後の私は、お料理することに、1ミリの楽しみも見出すことができませんでした。決して、お料理ができないわけではありません。18歳の頃から、米国で手に入る食材を工夫して日本食を作るくらいのことはできたのですから。でも仕事を始めてからの私は料理が好きだと思ったことはありませんでしたし、周りにもそう言っていました。

それがです。仕事を辞めて、食生活指導士の資格を得るために女子栄養大学から出される調理課題を実習しているうちに、それが楽しいものだと思えるようになっていったのです。というか、楽しいものだったということを私の脳が思い出したのかもしれません。

そして、お料理することが、私にとって瞑想効果をもたらすことを発見し、ますます、お料理が好きになっていきました。

お料理に瞑想効果?

不思議に思いますよね。瞑想効果を実感している私自身もなぜそうなのかずっと不思議でした。でも、その謎が、カリフォルニア大学バークレー校の科学と環境ジャーナリズムの教授であるマイケル・ポーラン氏の最新著書『Cooked(邦題:人間は料理をする)』を読んで、解けたように感じました。

「料理することとは人間の本質である」

「現代人は、自分で料理する時間が短くなった一方で、誰かが料理をしている姿や映像を好んで観る時間が長くなった」とポーラン氏は言います。「料理する」ことがそんなに面倒で、どうでもいいことで、知的労働者が行うに値しないようなものであるのなら、なぜ私達は有名シェフが料理をやってみせる番組や目の前で調理してくれるお店に行きたがるのでしょうかというのです。

ミシュラン三ツ星シェフの松嶋さんの「美食の寺子屋」- 目からウロコのシューファルシ

それは、調理することが、私達に人間の本質を思い出させてくれるからだとポーラン氏は言います。料理をする動物は人間だけです。人間を他の動物と分ける本質的な違いは調理だとハーバード大学霊長類学者のラングハム博士も言います。

アハッ!

なるほど、企業買収などと言った人間らしかぬ仕事をしていた私は、調理をすることで人間としての本質を取り戻していたのだと気がつきました。だから、私にとって、調理が瞑想的だったわけですね。

この本『Cooked』の中で、人間は、まず最初に「」をもって食材を調理することを発見し、器や鍋を作る技術を得た頃、「」を沸かして調理することを発見し、狩猟生活の中で拾い集めた種や実を、少ない量でもできるだけ満腹になるよう工夫する知恵が芽生えた頃、種や実を粉に挽き、水と混ぜ、「空気」を入れ、火で焼くことで膨らませられることを発見し、それが食品加工の原点となったこと、更に、火も水も使わずに、「」の微生物と作用させることで食材を変容・変質させられる発酵の奇跡を発見するに至る過程についても、各章を設けて解説しています。

中でも、第4章目の「Earth(土)」の章は、「発酵」をテーマに、「野菜」、「動物」、「アルコール」の3つの節に渡ってそれぞれの歴史や示唆が描かれているのですが、とてもお気に入りの章です。

  • 発酵とは、野菜を(火も水も使わずに)茹でること
  • 清潔な自然に近い環境で育てられた牛のお乳は、生のまま飲めること=後々どうせ殺菌するのだからという食品衛生法の規制が、乳牛の飼育環境が改善されない理由であり、生乳を殺菌消毒しなければいけないと定めた法律ができた時代の衛生事情と現代の衛生事情は異なるため、時代遅れの法律を適用していることにも問題がある
    といった説明には、なるほどと思いました。

また、「アルコール」の節で、フランスの修道院でのエピソードが記載されているのですが、イアン神父が引用した、新約聖書のルカによる福音書の5:39の、キリストがパリサイ人に言った言葉「No one who has been drinking old wine desires new.(古いワインを飲みつけていた者は新しいワインを好まない。)」という一節以降の文章が特に好きです。

私はカトリック系の大学で院を卒業しましたので、信仰と発酵を結び付けたこの文章が、心に沁みました。

“信仰(Spiritual faith)は、発酵のようなものです。”

  • “a transformation of substrate of nature or everyday life into something indefinitely more powerful, meaningful, and symbolic”自然や日常の基盤を、無限に、より力強く、より意義のあるものに、そしてシンボリックなものに変容すること
  • “To transform what is old in us, the fruit of the earth and the work of human hands, into something new.”土の恵みと人間の手によって形づくられた、私達の中の古いものを、新しい何かに変容すること

食べものに対する感謝の気持ち、「いただきます」という言葉、カトリックの「Grace(食前の感謝の祈り)」も食と信仰が結びつく点ですよね。日本の禅宗とも結びつく「マインドフルネス(念)」による「マインドフル・イーティング」(一心に目の前の食事と向き合い感謝して五感をもって食べること)も皆、原点はここにあるように感じました。

『Cooked』は日本語でも翻訳本が出版されていますので、是非、読んでみてくださいね。
お料理に対する見方が変わるかもしれませんよ!

 

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考:
五感で食べるマインドフル・イーティング
お料理の科学的癒し効果
マイケル・ポーランが語るホリスティックな食事
マイケル・ポーラン流料理の基本ルール

Author: Chise

森智世(もりちせ) | 公認 統合食養ヘルスコーチ(Certified Integrative Nutrition Health Coach) / ソフィアウッズ・インスティテュート代表 / 米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ / 女子栄養大学 食生活指導士 / 国際ヘルスコーチ協会 公認国際ヘルスコーチ/ 経営学修士(MBA)| ひとりひとりのバイオ個性に着目したポストモダンでホリスティックな食事法を推奨し、マインド・ボディ・コネクション(心と体のつながり)を食を通して実現します。また、私達を取り巻くすべての環境 - 人間関係、仕事などの社会環境、自然環境、体内環境(マイクロバイオーム) - を考慮するボディ・エコロジストです。長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報も、判りやすく解説を入れて配信していきます。厚生労働省「健康寿命をのばそう」プロジェクトメンバー / 目黒区男女平等共同参画審議会委員 / 日経ウーマンオンライン連載コラム『ホリスティック美女講座』執筆。食事法や健康などご相談のある方やヘルスコーチングを受けてみたい方は初回コンサルテーション(無料)にお申し込みくださいね!

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