食で心と体をつなぐ – ホリスティック・ヘルスコーチング の ソフィアウッズ・インスティテュート

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マーガリンや植物油脂ってそんなに体に悪いの?

以前から、ソフィアウッズ・インスティテュートは、トランス脂肪酸が含まれている加工食品を「購入しないこと」、「食べてはいけないこと」をブログやコーチング、セミナーやワークショップの中でお伝えし続けてきましたが、とうとう

2015年6月16日に米国食品医薬品局(FDA)は、工場生産された部分的硬化油(通称、トランス脂肪酸)の加工食品への使用を全面禁止しました。

部分的硬化油というのは、植物油に水素を添加して作る化学物質です。
トランス脂肪酸は、部分的硬化油に含まれている主要な脂肪酸成分のことです。

これだけ読むとそんなものが食品として使われているのは、特殊な場合だけだろうと思いますよね。でも、そうじゃないんですよ。ffffffff

実は、トランス脂肪酸は、化学的に造られた部分的硬化油にのみ含まれているのではなく、自然界に存在する植物油やお肉等にも微量に含まれているんです。植物油が酸化すると、含有量が増えますし、植物油を穀類から搾る際の搾り方によっても含有量が増えてしまうんです。だから、私達の食事から完全に排除することが難しいものでもあります。

そのため、米国の食品医薬品局(FDA)は、“工場生産された”トランス脂肪酸の加工食品への使用を全面禁止にしたのです。

バターとマーガリンの違い

バターは、牛などのから作られることは、皆さんもご存知ですよね。バターを作るためには、乳牛を育てなければなりません。だから、乳牛に与える餌が必要です。昔なら、牧草だけを食べさせて育てていたと思いますが、今では、トウモロコシや大豆などを主に食べさせて育てます。

そうして、育てた乳牛から乳を搾るのですが、搾って採れた生乳は、全てがバターになるわけではなく、ほとんどは、飲料の牛乳として販売されます。生乳の約20%が、バター等に加工されるのです。

大豆、トウモロコシ(餌) ⇒ 乳牛 > 生乳 >> 乳脂肪 > バター

バターって作るのに、時間も労力も餌代もかかって、ちょっとしか作れないんです。

そこで登場したのが、部分的硬化油です。

乳牛に餌として与えていた大豆やトウモロコシから、直接、油を搾って、水素を添加するだけで、バターのように柔らかく固まる物質ができることが発見されたのです。

そう、マーガリンです。
マーガリンは自然食品じゃなくて、化学的に造られた物質なんですよ。

大豆、トウモロコシ > 油 + 水素 = マーガリン

マリー

※腸内フローラにダメージを与えることが今年報告された乳化剤も入ってますね

乳牛を飼う必要もなく、餌として与えていた大豆やトウモロコシが、ほぼ丸々、マーガリンになるのですから、ものすごく安くできちゃうんですよね。それに最近では、遺伝子組換え大豆やトウモロコシを使っているので、むちゃくちゃ安くできるのです(注)。しかも、値段は、バターよりちょっとだけ低くしておけば、ほぼ、バターと同じような価格で皆買ってくれますから、乳業メーカーとしては、ボロ儲けできる物質なんですよね。

(注: 日本の食品表示ルールの下では、原材料が原形をとどめていないもの、例えば、醤油や油、については、遺伝子組換え原料だということを明記しなくてもいいことになっているので、原材料表示を見ても判別できません)

植物油脂・ショートニング

パイノミ

※腸内フローラにダメージを与えることが今年報告された乳化剤も入ってますね

消費者向けの製品としてだけでなく、加工業者向けの製品としても、クリーム状になっていて、冷やせば固まってくれる部分的硬化油は、安いだけじゃなくて、液体のままの植物油よりも取扱い・運搬・保存にも便利ですから、食品加工の現場でとても重宝されてきました。

だから、お菓子類や、レトルトのカレー、ほとんどのインスタント食品に使用されています。食品加工メーカーが使用するものには、植物油脂とかショートニングという名称の部分的硬化油もあります。箱や袋の裏の原材料表にちゃんと記載されていますから、確認してみてくださいね。

植物油脂って名称は、誤解を生みやすいですよね。たぶん、植物油と混同して考えている人も少なくないのではないでしょうか。植物油とは、まったく違う物質ですから、騙されないでくださいね。

部分的硬化油の大罪

超熟さて、じゃぁ、水素を添加しただけで、何がそんなに健康に悪いのでしょうか。

もともと植物油から造られるので、バターのような乳脂肪や、ラードのような動物性脂肪のように高カロリーではないので、返って、健康的なのではないの?と考える人もいますよね。ダイエットのために、わざわざマーガリンを好んで買っている人もいるのでは?

確かに、マーガリンは、バターよりも低カロリーなので健康に良いと、宣伝がなされてきました。

サンドイッチ

※腸内フローラにダメージを与えることが今年報告された乳化剤も入ってますね

でも、20年以上に渡る、多くの調査研究の積み重ねによって、とうとう部分的硬化油の健康への悪影響が証明され、米国食品医薬品局によって、「一般的に安全だとは、もはや認識できない(No Longer Generally Recognized as Safe)」という判断が下されるに至ったのです。

ここでは最新の論文をご紹介します。

2015年3月に発表された論文『Consumption of Oxidized and Partially Hydrogenated Oils Differentially Induces Trans-Fatty Acids Incorporation in Rats’ Heart and Dyslipidemia』では、二種類のトランス脂肪酸(酸化した大豆油マーガリン)と、血漿脂肪、冠動脈損傷、動脈脂肪酸分布についての調査結果を報告しています。

冠動脈脂肪(心臓の動脈内の脂肪)の蓄積度合いは、食事から摂る油の種類によって大きく影響を受けます。

トランス脂肪酸の含有量が高い油ほど、血漿中の中性脂肪悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを低下させるということです。トランス脂肪酸の含有量が最も多いマーガリンが、循環器系(心臓・血管系)の臓器炎症リスクを最も高めたと報告しています。

芳醇

※腸内フローラにダメージを与えることが今年報告された乳化剤も入ってますね

つまり、自然食品に含まれているトランス脂肪酸よりも、圧倒的にトランス脂肪酸の含有量が高い化学的に造られた部分的硬化油(マーガリン、植物油脂、ショートニング)は、心臓発作脳卒中の原因となる動脈硬化血漿脂肪悪玉コレステロールを増加させるということです。

低カロリーだから悪玉コレステロールを増やさないと、私達消費者を信じ込ませ続けてきた結果、本当は、その逆、悪玉コレステロールを増やしていただけのマーガリンの罪は大きいですよね。

じゃぁ、トランス脂肪酸はどれくらいなら大丈夫?

そのほとんどをトランス脂肪酸が占める、工場で造られた部分的硬化油(マーガリン、植物油脂、ショートニングなど)が、心臓を止めることは、多くの研究論文から明らかにされていますが、自然食品に含まれる天然の油(動物性脂肪、乳脂肪、植物油)に僅かに含まれているトランス脂肪酸はどうなのでしょうか。

食事から、完全にトランス脂肪酸を排除することは不可能なのですから、私達は、どうしたらいいのでしょうか。

そこで、もうひとつご紹介したい論文があります。

2014年3月に発表された『Trans fatty acids: are its cardiovascular risks fully appreciated?』という論文で、1990年から2013年までの約20年以上の間に科学研究論文サイトに発表・掲載されたトランス脂肪酸と心疾患との関連性についての研究論文を全てレビューし、総論としてまとめてくれているものです。(私がざっと数えただけでも100本くらいの論文が、存在しています。)

結論からいいますと、

  • トランス脂肪酸が心疾患リスクと強く関係していることには疑問を挟む余地はない。
  • トランス脂肪酸が心疾患リスクを高めるメカニズムは、善玉コレステロールを低下させ、悪玉コレステロールを増加させることで、循環器系臓器に炎症を起こすことによる。
  • トランス脂肪酸の含有量が、その食品のもつ全エネルギー量の1%未満であれば、心疾患リスクを上昇させない
  • 部分的硬化油と同じくらい心疾患リスクを上昇させたのは、反芻動物(牛、羊、ヤギなど)の肉に含まれているトランス脂肪酸だが、リスク上昇のためには、部分的硬化油と同量のトランス脂肪酸を摂取する必要がある。反芻動物の肉に含まれているトランス脂肪酸の量はマーガリンほど多くないため、余程、大量に食べない限り問題はないと思われる。

というのが、この20年間に発表された論文の共通項だったそうです。

なお、この研究者は、今後も、自然食品に含まれるトランス脂肪酸の安全限界値を明確に見極める研究が必要だと述べています。

食品中のトランス脂肪酸の量

日本の農林水産省が調査した、日本で販売されている食品に含まれているトランス脂肪酸の量は、こちらで確認できますよ。

食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量』2011年3月9日、農林水産省

親切にも、トランス脂肪酸が、100g中1g(1%を超える食品については、数値を赤色にしてくれています。でも、これは食品総重量100gに対するトランス脂肪酸の重量の割合なので、先にご紹介した論文の「総エネルギー量に対するトランス脂肪酸のエネルギー量」というのとは、ベースとなっている対象が違うので、同じ1%ですが意味するものが全く違うので、ご注意くださいね。

とはいえ、この表で見ても、マーガリンショートニングは、ダントツですね。文字通り、“桁”が違います。

日本はどうなの?

日本でも、トランス脂肪酸を食品表示の項目として追加しようという動きが政府内にあるようです。米国では2006年から表示義務が課されていましたので、日本の対応は、米国と比べても約10年くらい遅れているわけですね。

でも、食品表示が必要なのは、加工食品に限られるわけですから、米国のように、加工食品からトランス脂肪酸の使用を全面禁止にしてしまえば、食品表示項目を増やす必要は、そもそもありません。

とは言え、食品表示項目が増えることによる、パッケージの印刷にかかる追加費用よりも、トランス脂肪酸を食品加工過程から排除して、他のもっと安全な天然の油に置き換える方が、きっとコスト高になると思うので、食品メーカーは、食品表示項目が増える方がいいと思うでしょうね。

それに、低コストで生産できて高値で売れるマーガリンが売れなくなったら乳業メーカーの収益は打撃を受けるので、各所からの反対や反発が予想されます。

経済産業省や農林水産省は面白く思わないかもしれませんが、厚生労働省には正しいことをして欲しいと思います。

追記:2015年10月2日

英国のランカスター大学がトランス脂肪酸の規制の方法として最も効果のあるものを調査しました。

(1)加工食品規制:加工食品にトランス脂肪酸の使用を全面禁止する
(2)食品表示規制:トランス脂肪酸の含有量を加工食品に表示する
(3)レストラン規制:レストランの料理にトランス脂肪酸の使用を禁止する
(4)ファストフード規制:ファストフード店の調理にトランス脂肪酸の使用を禁止する

の4つのうち、どの規制方法が最も健康に効果があり、公平な効果をもつかを検証しています。

結論として、(1)の加工食品への使用を全面禁止にする方法が最も効果があるとしています。

これは、今年6月に米国FDAが下した結論と同じですね。

厚生労働省は(2)を検討しているようですが、(1)で進めて欲しいですね。

 

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考:
食品表示、読んでますか?
パッケージ食品や加工食品の選び方

参考文献:

Author: Chise

森智世(もりちせ) | 公認 統合食養ヘルスコーチ(Certified Integrative Nutrition Health Coach) / ソフィアウッズ・インスティテュート代表 / 米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ / 女子栄養大学 食生活指導士 / 国際ヘルスコーチ協会 公認国際ヘルスコーチ/ 経営学修士(MBA)| ひとりひとりのバイオ個性に着目したポストモダンでホリスティックな食事法を推奨し、マインド・ボディ・コネクション(心と体のつながり)を食を通して実現します。また、私達を取り巻くすべての環境 - 人間関係、仕事などの社会環境、自然環境、体内環境(マイクロバイオーム) - を考慮するボディ・エコロジストです。長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報も、判りやすく解説を入れて配信していきます。厚生労働省「健康寿命をのばそう」プロジェクトメンバー / 目黒区男女平等共同参画審議会委員 / 日経ウーマンオンライン連載コラム『ホリスティック美女講座』執筆。食事法や健康などご相談のある方やヘルスコーチングを受けてみたい方は初回コンサルテーション(無料)にお申し込みくださいね!

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