幸せな人生のための方程式

2015/10/29/
pearl

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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幸せな人生に方程式はあるのか?

人生で遭遇する様々な問題に対して、

  • どのように対処し、
  • それがどのような効果を生んだのか

を明らかにし、人生を成功させるための秘訣を解き明かそうとした研究があります。

1930年代後半にハーバード大学に入学した、268名の男性を、大学2年生の時から72年間追跡調査した研究の成果が発表されました。

その対象者の中には、ケネディ大統領も含まれています。

でも、彼の調書は残念ながら、彼が大統領になった時に、2040年まで極秘扱いとなってしまったため閲覧することはできないそうです。

発表された調書を基に、研究者のインタビュー記事がアトランティックに掲載されました。

幸せな人生はこの4つの要因と関係が深い

幸せな人生と最も関係の深かった要因はこの4つだったそうです。

  1. 健全な適応行為
  2. 家族との温かいつながり、兄弟姉妹との良好な関係
  3. 子供時代の勤勉さ
  4. 肉体的健康と精神的健康

1. 健全な適応行為

適応行為」というのは心理学用語で、様々な困難な状況に対処するために取る無意識の防衛反応です。

現実に適応するために、現実を受け入れたり否定したり無意識の行為のことを指し、自分にとって受け入れやすい“現実”を創ったり、捻じ曲げたりする思考や言動も含まれます。

健全な適応行為

  • 他愛的行為
  • 自己犠牲的態度
  • ユーモアの活用
  • 予測(将来的な不愉快な出来事に対して事前にその可能性を察し、心の準備をしておく)
  • 抑制(問題に対して、衝動的に反応するのではなく、意識的に先送りし、タイミングを図って対応すること)
  • 昇華 (スポーツや芸術表現など、他に感情のはけ口をみつけること)

が含まれます。

病的な適応行為

環境や状況に対して、

  • 恐怖
  • 幻覚
  • 誇大妄想

をもつことで無意識に対処しようとする思考や言動です。

こうした「病的適応行為」は、当人にとって現実を受け入れやすくしてくれるものである一方で、他者からみたら、正気を逸しているように見える対応です。

未熟な適応行為

病的ではないものの、あまり社会的に好ましくない適応行為のことです。

  • 反抗的態度
  • 受動的攻撃性(表面的には相手を肯定しているような言動をしつつ、間接的には相手を否定している言動)
  • うつ症状
  • 主観の投影(自分の心情を相手の行為に映す等)
  • 幻想

などです。

受動的攻撃性

例えば、「何を食べたい?」と訊かれ「何でも良い」と答えていながら、「中華は?」と訊かれると「うーん、中華の気分じゃないかも」「じゃぁ、イタリアンは?」「イタリアンも違う気がする」と、結局自分が好む提案がなされるまで、否定し続けるような言動を指します。

こういう人、時々、いますね(笑)

主観の投影

今年、遭遇したんです。

ボランティアで母校(米国)の同窓会日本支部で、私は新入生対応をしています。新入生の留学前壮行会を行うことになり、ある新入生が、両親ではなくボーイフレンドを同伴すると、メールで伝えてきました。私は驚きはしましたが事務的に「承知しました。ご友人の参加を歓迎します。もしご両親のご都合がつくようになった場合には、18日までにご連絡くださいね。」とメールを返しました。

すると、思いがけない返事が返ってきたのです。「同窓会は、両親を同伴しないことに怒っているんでしょ。同伴する友人は家族同然の人だから、問題ないはずだ。」等、別に説明する必要もないこと、訊いてもいないことを延々と書いて説明してきたのです。

これが主観の投影です。両親ではなくボーイフレンドを同伴することに、たぶん、彼女は、多少の罪悪感を持っていたに違いありません。そのことで、別に、責めてもいない相手(私)が、彼女を責めていると感じ、自分の正当性を説明するという必要のない行為に出たのです。

ここで面倒なのは、彼女にとって「責められた」という感覚は現実だということです。それが事実ではなくても彼女の感覚の中では、相手(私)に責められたという実感があるのです。

本当は、自分自身の中にある罪悪感に責められているのですが・・。

若者の反抗的な態度というのは、おうおうにして、主観の投影によることが多いんです。

だから、何気ない親からの「今日、何してた?」という問いかけに対しても、乱暴な受け答えになってしまうわけです。

幸せの方程式において「あなた」は定数ではなく時間と共に変化する変数

clock

積分のインテグラルみたいな感じでしょうか?(笑)

このハーバード大学の追跡調査の対象者達は、

  • 若者の時「健全な適応行為」よりも「未熟な適応行為」を2倍もの頻度で表したものの
  • 中年になると「健全な適応行為」を表す頻度が「未熟な適応行為」の4倍になり
  • 年齢を重ねるごとに、その頻度は高くなっていったそうです。

「あるヒトの人間性を、
人生の一時点の行為だけをもって判断してしまうことは、
深刻な過ちである」

と研究者は述べています。きっと、先述の新入生もあと数年のうちに大人になるのでしょうね。

必ずしも苦労がないことや軋轢がないことが幸せな人生にとって必須ではない

研究者は

「侵入してきた不快な異物を、
無意識のうちに慈悲深い行為で、
二枚貝は真珠に換える。

人間も不愉快な出来事に遭遇した時、

無意識のうちに、でも大抵、
創造的に対処しているものです。」

「しかし、“創造的”な行為とは、
それが“簡単”だとか、“容易”だということを
意味しているわけではありません。」

とも述べています。そして、

「例えば、喜びの源である子供の存在は、
同時に、ストレスの源でもあることが多い。
喜びと苦難は、美しい人生を織る」

と、述べています。中島みゆきの歌を思い出しますね(笑)

2. 家族との温かいつながり・兄弟姉妹との良好な関係

幸せの方程式は「あなた」だけでは完結せず他者という別の変数が必要

研究者は

「人生で、唯一本当に重要なものは、他者との関係です。」

と、述べています。

特に、家族との温かいつながりが不可欠なんだそうです。

この時の家族とは、必ずしも、母親や父親だけでなく、兄弟姉妹や叔父伯母、友達やメンターも含まれるとのことです。

特に、成人してからの兄弟姉妹との良い関係は、強力な要因だと報告しています。

私達の幸福感の根底を創るものは子供時代の安心感と愛着

英国オックスフォード大学心理学部のエレイン・フォックス教授は、それが誰であっても、肉親である必要はないそうですが、ひとり以上の大人に対して完全な安心感と愛着をもてる環境で育つことが大切だと言います。

子供時代にそういう大人がひとりでもいることが重要で充分なんだそうです。

現代の子供は精神的に親に完全に甘えることができなくなっている

現代の日本の親子関係は、上下ではなく並列的になってきたと言われていることに思いが及びます。親は、もはや絶対的権威の存在ではないため、昔の子供と比べ、現代の子供の幸福感は平均的に高まっているのだそうです。

しかし、親は友達の様な存在ですから、自分を完全に保護し守ってくれる精神的に依存できる存在ではなくなっているのです。子供は親ではない他の誰かによって、その不安を埋めてくれることを求める傾向が高くなり、ネットでの「つながり」依存等がその表れだと言います。

また、昔であれば、深夜徘徊は親への反抗心の表れでしたが、今の子供は、親に完全に甘えられない、そこはかとない空虚感を誰かに埋めて欲しくて外へ出ると言うのです。

全てのケースにあてはまるとは思いませんが、無意識のうちに質を数で補おうとしている傾向はあるのではないかと危惧されます。

ここで、ユング心理学者のローバートAジョンソン博士の本を思い出しました。

子供の健全な精神の発達のためには、ある一時点において、「親は乗り越えなければならない壁の様な存在でなくてはならい」といったことが書かれていた様に記憶しています。

もはや乗り越える必要のない、仲間と同化した現代の親の存在は、子供の精神的な成長にどんな影響をもつのでしょうか。

3. 子供時代の勤勉さ

「子供時代の勤勉さ」とは、

例えば、

  • 家事や家業を手伝ったり
  • 部活に入ったり
  • 地域のスポーツチームに入ったり

といった行為のことだそうです。

幸せの方程式には子供時代の「質」を表す関数が含まれている

そうした行為の有無によって、大人になってからの精神の健康状態、例えば、家族の絆結婚生活の質を予測できるくらい、相関の高い要因なのだそうです。

4. 肉体的健康と精神的健康

学生時代の定期的な運動は、年をとってからの肉体的な健康よりも、認知機能と高い相関があり、また、若い時のうつ状態は、年をとってからの肉体的な健康の主要な障害となっていたそうです。

  • 若い時の肉体の健康は、年をとってからの精神の健康に、
  • 若い時の精神の健康は、年をとってからの肉体の健康に影響する。

面白いですね。

幸せと無関係だった要因

次の要因は、幸せな人生とは無関係だったことが報告されています。

  • 50歳以上になった時のコレステロールの値 (安心した人います?笑)
  • 社交の場で自然な振る舞いができること
  • 子供時代の社交性
  • 両親の社会的地位や経済的な裕福さ
  • 知能指数

内気で人見知りで友達が少ないことは幸せな人生には何の関係もない

社交の場で自然な振る舞いができることは、学生時代や社会人初期の頃には、心理学的適応能力と高い相関を示すものの、歳をとるにつれて、その重要性はなくなっていくとのことです。

そして、子供時代の性格も年齢を経るごとに重要性が失われていくそうです。

「内気で、心配性な子供だった人は、若者時代には苦労しますが、
70代になる頃までには、
陽気で社交的だった子供と同じくらい、幸せで健康です。」

『イースターブルックの進行逆説』を裏付け

研究者は

「生命維持にとって必要なものごとが満たされれば、
お金は私達を幸福にする要因ではありません。」

と、述べています。

10年以上前に発表されたイースターブルックの進行逆説が正しいことが、今回の調査によって示されています。

経済的安定は、ある一定水準までは、
高まれば高まるほど幸福感を大きくするものの、
ある一定水準を超えると、
反比例するように作用する(お金が多いほど幸福感が薄れる)

イースターブルックの進行逆説

結局、幸せは

  • 人生の“一時点”の行為だけで結論をだしてはいけない
  • 喜びと苦難が、美しい人生を織る(苦労の欠如は幸せの条件ではない)
  • 安心感が得られる他者との関係が必要(ひとりでは完結しない)
  • 社交性は、幸せな人生と無関係

ということでしょうか。

幸せについてのその他の記事

幸せについて、こちらの記事もご覧ください。

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