翻訳シリーズ|スティーブ・ジョブスはローテクな親だった!自分の子供にSNSをやらせない理由

2015/12/01/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ニューヨークタイムズに面白い記事が掲載されていました。

世界中の大人や子供をネットやSNSに釘づけにしてしまうプラットフォームを創った張本人が、子育てにおいては、とてもローテクなアプローチをとっていた、しかも、ジョブスだけではなく、著名なIT企業の経営者達の多くが、ジョブス同様に、ローテクな子育てをしているという内容です。

あなたのご家庭、あるいは、あなた自身はどうでしょうか?

執筆: NICK BILTON、2014年9月10日
翻訳: 森 智世、2015年8月15日

スティーブ・ジョブスがアップルを経営していた頃は、直近の記事の出来を称えるために、だが大抵は記事へのダメだしをするために、ジャーナリストを呼びつけることで彼は有名でした。私もそうした電話を何度か受けたことがあります。

2010年の年末、アップル社の最初のタブレットが大ヒットしていました。

iPad の欠点について書いた私の記事への小言を彼が言い終わった後、私は話題を変えたくて「きっとあなたのお子さんたちは、とても iPad が好きなんでしょうね。」と、ジョブス氏に尋ねました。その時、ジョブス氏が言った言葉ほど、私にショックを与えた言葉はありません。

「うちの子供たちは、まだ使ったことがないんだ。
家では子供がテクノロジーに接する機会を制限しているんだ。」

私は吹き出し、唖然、茫然として沈黙した記憶があります。

私は、ジョブス家はオタク天国だろうと想像していました。壁には巨大なタッチスクリーンがあり、食卓テーブルは iPad のタイルでできていて、まるでチョコレートを配るように来客に iPod が配られるんだと思っていました。

「まったく違うよ。」と、ジョブス氏は私に告げたのです。

その後、多くのテクノロジー企業の最高責任者やベンチャーキャピタリストに会いましたが、皆、同様の答えでした。彼等は、子供たちがスクリーンに向かう時間を厳格に制限していたのです。しかも、多くの場合、平日の夜は全てのデバイスの使用を禁止し、週末も使用できない時間帯を設けていました

私は彼等の子育てスタイルに困惑してしまいました。

多くの一般の親たちは、子供たちがタブレットやスマホやPCの輝きに昼も夜も浸ることを許し、逆のアプローチをとっているように見えるからです。

ハイテク企業CEOの子育て

ハイテク企業のCEOたちは私たちが知らないことを知っているだろうか?

クリス・アンダーソンのケース

3Dロボティクス社CEO

彼には、6歳から17歳まで5人の子供がいて、自宅にある全てのデバイスに時間制限機能パレンタルコントロール(保護者が使用を制限できる機能)を設定しています。

「子供たちは、私と妻をファシストと呼び、心配し過ぎだと責めます。
友達の誰一人として同じようなルールを課されていないと言うのです。

でも、私たちはテクノロジーによる危険を真っ先に目にする立場にいます
私は既に自分自身にその危険を見ています。
自分の子供が同じようになるのを見たくないのです。」

彼が言う危険とは、ポルノ映像を目にしてしまうことや他の子供達からのイジメ、そして最悪なのは、自分自身同様に子供がデバイス中毒になってしまうことを指しています。

アレックス・コンスタンチノープルのケース

アウトキャスト・エージェンシー社CEO

テクノロジー・コミュニケーションとマーケティング企業アウトキャスト・エイジェンシー(OutCast Agency)社CEOのアレックス・コンスタンチノープル(Alex Constantinople)

一番下の5歳の息子は、平日、デバイスに触ることを禁止されています。

また、10歳と13歳の子供たちは、平日30分のみ使うことが許されています。

ウイリアムズ夫妻のケース

ツイッター社創設者

二人の息子たちには、いつでも手に取って読めるようにと、百冊以上の本(そう、物理的な本)を与えています。

子供にとって適切な境界線とは

では、ハイテク企業の親たちは、子供たちにとっての適切な境界線をどのように引いているのでしょうか。

レスリー・ゴールドのケース

サザランド・グループ社CEO

平日には如何なるスクリーンも見てはいけないルールを
子供に設けています。

でも、子供が大きくなるにつれ、
学校でPCが必要な場合には
例外ルールをつくらなければなりません。」

境界線は、年齢のようです。

最も中毒になりやすい年齢であることから、平日はまったくデバイスに触らせず、週末には、30分から2時間程度、iPadかスマホを触ることを許可しています。

宿題に必要な場合にのみ平日PCを使うことを許可しています。

親たちの何人かは、ティーンエイジャーの子供にソーシャルネットワークの使用を禁止しています。

ただ、送信後のメッセージを全て削除してくれるスナップチャット(Snapchat)の様なサービスは例外としている親もいます。こうしたサービスは、子供たちがオンラインで言ってしまったことについて、後の人生で困らないよう守ることができるからです。

テクノロジーに明るくない親たちが、スマホを8歳にも満たないような子供達に与えている一方で、テクノロジー企業を経営する親たちは、子供が13歳になるまで(ティーンエイジャーになるまで)与えていません。

ティーンエイジャーになると電話をかけたり、メールを送ったりすることを許しますが、データプランは16歳になるまで与えません。

全員に共通のルール

そして、私が統計をとったテクノロジー企業の親たちの間で、全員に共通のルールがひとつありました。

ルールNo.1は
寝室に持ち込ませないこと
絶対に

時間によって、ネット使用を制限する親もいれば、コンテンツごとに子供が行って良い内容を制限する親もいました。

「消費時間」と「創造時間」を区別する

iLikeの創設者で、フェイスブックやドロップボックス(Dropbox)、ザッポス(Zappos)のアドバイザーであるアリ・パルトヴィ(Ali Partovi)は、YouTubeを観たり、ビデオゲームをしたりする「消費時間」と、スクリーン上での「創造時間」を区別する必要があると言います。

「子供が絵を描いたり、ピアノを弾いたり、作文している時間を
制限しようなどとユメユメ考えもしないのと同じで、
コンピュータで何かを創り出している時間、
グラフィックアートを創っていたり、ビデオを編集したり、
プログラミングしているような時間を制限するのは可笑しなことです。」

また、むやみに禁止することは、子供の反抗心を煽るだけで、デジタルモンスターを生み出してしますかもしれないと言う親もいます。

ディック・コストロのケース

ツイッター社CEO

ティーンエイジャーの子供が2人いますが、居間でデバイスを使用する限り、制限を設けていないと言います。

時間制限をあまり厳しくすると、返って、子供に悪影響があるのではないかと考えているからです。

「ミシガン大学の学生だった時、寮で隣の部屋にいた奴は、
コカコーラや他の炭酸飲料をケースで購入し部屋に積み上げていたんだ。

後で知ったんだが、彼が子供だった時、
親が一度も炭酸飲料を飲ませてくれなかったそうなんだ。

もし子供に経験させなかったら、
後にどんな問題に発展してしまうことか。」

デバイスの代りに与えていたもの

ジョブス氏に、自分が創ったデバイスを子供たちに触らせない代りに、何を与えているのか聞き忘れてしまったので、ジョブス家で長い時間を過ごしたことのある『スティーブ・ジョブス』の著者ウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)に連絡をとってみました。

「スティーブは、毎晩、
本や歴史やさまざまなことについて話し合いながら、
夕食を皆でキッチンの大きなテーブルでとることにしていた。

誰も iPad や PC を取り出さなかったし、
子供たちもまったくデバイス中毒ではなかったよ。」

出典: “Steve Jobs Was a Low-Tech Parent“, 9/11/2014, New York Times

補足:ティーンエイジャーとSNS

スティーブ・ジョブスだけでなく、ハイテク企業のセレブ経営者がとっているローテク子育てが、科学的にも正しいことを多くの研究者が報告していますので、いくつかの研究についてご紹介します。

SNSを頻繁に使うティーンの傾向

SNSを頻繁に使用するティーンエイジャーに見られる性格的行動要素として次の特徴があることが示されています。

  • ナルシスト傾向(自己愛が強く他者の気持ちへの配慮がない
  • ナルシスト傾向が強すぎる場合は、攻撃性や反社会的行動など、他の精神疾患のサインが見られることが多い

一方で、他者の気持ちに対して、バーチャルな共感を示すことが上手だということです。

心にないことも平気で言える人間になるということでしょうか・・。怖いですね。

フェイスブック友が300人以上のティーン

今年(2015年)10月に精神神経内分泌学ジャーナル(Psychoneuroendocrinology Journal)に発表された論文は、フェイスブックで友達登録数が300人未満のティーンエイジャーと比べて、300人以上を登録しているティーンエイジャー(13歳~19歳)は、ストレスホルモン(コルチゾール)の値が有意に高いことを報告しています。

これは、あくまでも未成年者を対象とした調査結果ですが、大人についても、程度の差はあれ同様のことが言えるかもしれませんね。

11年後にうつになる

別の研究報告では、ティンエイジャーの時に高いストレスに晒された経験のある人は、約11年後にうつ病を発症するリスクが高いことが示されています。

高校生の時のストレスが、30代になって鬱となって表れる・・・

つまり、高校時代のSNS依存によるストレスホルモンの上昇が、社会人になってからの鬱の原因になっているかもしれないということです。

SNSからはそれますが、日本では大学受験があり、その時のストレスが30代社会人の鬱の原因になっている可能性もあるということでしょうか。

成績が低迷する

SNSを15分以内にチェックしないと落ち着かないティーンエイジャーは、成績が低迷するケースが大学生になっても見られるとのことです。

もし社会人がこれをやったら、仕事の効率が落ちるので、生産性がかなり低くくなることは簡単に想像できます。

SNSで悩みを打ち明けるとうつになる

SNSで悩みを打ち明ける頻度が高いティーンエイジャー女子は、頻度が高ければ高いほど、うつ病を発症するリスクが高いそうです。

理由は、同年代同士だけの会話において共感を得ることはできても問題の適切な解決につながる建設的な知恵を得ることは難しいからであろうと研究者は述べています。

10代の女の子は悩みを解決したくて、SNSに書き込むのでしょうが、皮肉にも、その行為が更なる心の落ち込みを加速させるというのは皮肉です。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

デジタル・デトックスという言葉が生まれたくらいですから、大人においても、様々な影響を感じている人が多くなったということではないでしょうか。

ましてや発達途上の子供達への影響たるや、想像に難くありません。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング