適塩のススメ|減塩し過ぎると早死にするって知ってました?

2016/08/16/
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バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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塩分の摂りすぎの危険

WHO(世界保健機構)を始め、米国の農水省や心臓病学会、日本の厚生労働省も減塩を推奨しています。

医療関係者が減塩を指導し始めたのは、最近のことではありません。

1970年代に、ルイス・ダール博士が、塩が高血圧の原因であるという発表をして以来、続けられていることです。そして現在に至るまで、塩分の過剰摂取による高血圧が心臓病の原因として、減塩指導が行われています。

また、塩分の摂りすぎは、腎臓病の原因ともなります。私達の体は、水分とナトリウムの濃度を一定に保つように創られていますので、ナトリムを摂り過ぎれば、腎臓は、血中から余分なナトリウムをろ過して尿に排出しようとがんばります。頑張り過ぎれば、オーバーヒートしてろ過細胞が破壊されていき、腎臓病が徐々に進行していきます。

1日の塩分摂取の目安

WHOは1日5g以内(約小さじ1杯)が適切な塩分摂取量であるとの基準を定めています。

日本の厚生労働省も、将来、この基準を満たすことを目標に、現時点での日本人の平均塩分摂取量1日約10.6g(小さじ2杯強)を10年間で、1日8g(小さじ1杯半)に減らすことを中間目標に定めて指導を行っています。

日本人の塩分摂取基準

  • 18歳以上男性: 7.5g未満/日
  • 18歳以上女性: 6.5g未満/日  つまり、1食あたり約2g

(「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」より)

ちなみに、この量は、加工食品や既成食品や料理に既に含まれている量も合わせての1日の摂取量なので、出来上がった料理に自分でかける塩の量だけではありません。

塩分不足も危険

でも、近年、極端な減塩は、返って寿命を短くしたり、太る原因となることが、報告されています。

減塩のし過ぎは、早死にする

と、いうことです。

2011年に米国医学会誌(Journal of the American Medical Association)に発表された論文は、低塩分摂取(1日3g以下の人は、脳卒中や心臓発作を起こす可能性が高いことを指摘しています。

この研究は、次のことを示しています。

1日に4g以上6g未満の塩分摂取の時
最も死亡リスクが低い

ということは、WHOの一日5gというのはやっぱり適量だと判ります。そして、現在の日本人の平均塩分摂取量約10gや厚生労働省が暫定的に示している目標値の8gは確かにまだまだ死亡リスクが高い量だということも判ります。

しかも、欧米人と比較し、日本人の遺伝子はナトリウム(塩分)を体内に蓄えるように働くことが近年判っていますので、私達は、よりいっそう塩分摂取には気をつけなければいけない人種です。

では塩分は少なければ少ない方がいいのかというと、そういう分けではないというのが、今回の研究の報告です。

「1日に4g以上6g未満の塩分摂取の時、
もっとも死亡リスクが低い」

それよりも多くても、少なくても死亡リスクが上昇するのです。

低塩分摂取(1日3g以下)のリスク

1.心疾患と死亡率

2011年に発表された研究でも、低塩分摂取は、心疾患による死亡との相関関係が高いこと等が示されています。

塩に含まれているナトリウムは、筋肉の収縮に関係している神経伝達物質のひとつです。ですから、ナトリムが不足すれば筋肉痛が起きることは、夏場のアスリートに塩分補給が必要なことで実証されています。

心臓も筋肉です。拍動は筋肉の収縮と弛緩で起きています。ですから、塩分が少なくなり過ぎてナトリウム不足が起これば、心筋の機能に不具合が生じても不思議はありません。

塩分は多過ぎると高血圧によって、少な過ぎると心筋の機能低下によって、心臓に悪いということではないでしょうか。

2.コレステロール値と中性脂肪値

低塩分摂取は、血中の脂質を増加させるという報告があります。

塩を制限し過ぎると太るということです。

米国高血圧協会ジャーナル(the American Journal of Hypertension)は、 2012年、低塩分食の人は、血漿中のコレステロール値と中性脂肪値が高かったことを報告しています。

3.糖尿病患者の寿命を短縮

更に、低塩分摂取は、2型糖尿病(生活習慣病)の改善に貢献しないどころか、寿命を短くすることが指摘されています。

糖尿病から腎不全を併発する人が多く、糖尿病腎症などという言葉もあるくらいですから、糖尿病患者に減塩指導をすることは医療の常識となっています。

しかし2010年のハーバード大学の研究は、低塩分食とインシュリン抵抗性(インシュリンに対して体が鈍感になること)との関係を指摘しています。インシュリン抵抗性は、2型糖尿病の入り口です。こうした研究報告は、糖尿病患者に極端な減塩食を勧めることの危険性を示唆しています。

一日に平均10g以上もの塩分を摂っている日本人は、
確かに減塩は必要です。

でも、糖尿病患者にとっても、3g以下になるほどの減塩はやりすぎ、適塩が重要ということではないでしょうか。

塩の健康効果

1.高張食塩水が急性心不全の症状を改善

第79回日本循環器学会(2015年4月24~26日)のシンポジウム「心不全治療の新展開」では、急性非代償性心不全ADHF患者にはフロセミド(利尿剤)と高張食塩水を投与すると病状が改善するという、「心不全患者には水分と塩分を制限した方が良い」という従来のイメージを覆すような報告が、兵庫医大循環器内科の廣谷信一医師から行われています。

急性心不全には、6つの病態があります。

急性非代償性心不全とは、心不全の徴候や症状が軽度で、心原性ショック、肺水腫や高血圧性急性心不全などの診断基準を満たさない新規急性心不全を指します。または慢性心不全が急性増悪した場合を指します。

この研究では、次の2つのグループを比較しています。

  1. フロセミド(利尿剤)と高張食塩水(生理食塩水よりも高濃度の食塩水)を摂取
  2. フロセミド(利尿剤)とブドウ糖液を摂取

利尿剤と食塩水を摂取したグループでは、次の改善効果がみられました。

  • 尿量の増加
  • むくみ(浮腫)の急速な改善
  • 24時間後の腎臓の糸球体のろ過率の改善
  • 8割以上の患者さんの呼吸困難の改善

有害な副作用もなかったとのことです。

ただし、蛋白尿がある患者さんには効果は無かったと報告されています。

注:ただしこれは、利尿剤との併用で医師の指導の下で行われた研究です。心不全がある人は、医師に相談することなく、自己判断で高塩分水を摂取したりしないでくださいね。

2.アスリートの熱中症予防

近年、熱中症予防として、水分補給だけでなく、汗とともに体内塩分が過剰に排出され過ぎることを予防する目的で、適切な塩分補給の必要性が唱えられるようになりました。

特に夏場、たくさん汗をかくような運動をする時には、塩分補給が必要であることは、昔から言われていたことですね。

3.神経伝達物質

塩は、そもそも、塩化ナトリウム。ナトリウムと塩素の結晶です。

人間を含む全ての動物にとって、ナトリウムも塩素も生命維持に欠かせない成分です。体液の濃度を一定に保ったり、脳や神経細胞のコミュニケーション、神経伝達物質として働きます。

塩分は、少な過ぎても健康に悪いのです。

「1日に4g以上6g未満の塩分摂取の時、もっとも死亡リスクが低い」ことを念頭に、

  • 一日に小さじ1杯(6g)以上の塩分とならないよう
  • 一日に小さじ半分(3g)以下の塩分とならないよう

適塩で過ごす工夫が大切です。

適塩に役立つ情報

こちらの記事は、日常生活の中で、適塩を実行する上でお役に立てていただきたい記事です。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング