人生は、がっかりするチャンスに溢れています。第一志望校が不合格になったり、年次の若い同僚の方が早く昇進したり、何か月もストレッチをしているのに開脚前屈がどうしてもできなかったり。
努力すれば何とかなりそうな事柄ですら、自分にがっかりすることがあります。例えば、食事習慣を変えられなかったり、遅刻を無くせなかったり。
もちろん、努力ではどうにもならないこともあります。例えば、キャンプ旅行が土砂降りだったり、好きな人を食事に誘って断られたり。
ネットのgoo国語辞書は、「失望」を「期待がはずれてがっかりすること。また、その結果、希望を持てなくなること。」と定義しています。
これを少し変えます。
失望とは、「希望や期待がはずれた時に、私達が選択する悲しみの感情。」
2つは、似ているようですが、違います。後者は
私達の感情は、状況や他者の行為による結果として受動的に生じるものではなく、私達は、どの感情を持つかを自分自身で決めることができること、その責任は自分自身にあることを示しています。
なぜ、このように定義することが大切なのでしょうか?
思う様に物事が進まない時に、立ち直る心を育てるための鍵となるからです。
なぜ私達は失望(がっかり)するのでしょうか?
多くの人は、再び自分自身を奮起させるために、一旦、失望することを選びます。
「ああ、がっかりした。でも、次はもっとがんばろう!」という感じです。
このネガティブな感情のエネルギーチャージ力は、私達にもっと物事を深く見ること、もっと努力すること、再チャレンジすることを促します。
でも、この方法が成功するのは、私達自身が状況をコントロールできる時だけです。
例えば、せっかく楽しみにしていた休日に雨が降って、ものすごくがっかりしたところで、天気を変えることはできません。しかも、自己憐憫の(私ってなんて可哀想なんでしょうという)気持ちは、落ち込んだ気分に拍車をかけるだけで、何の解決にもなりません。
そこで、タマラ・ランチャー氏が勧める失望/がっかり/落ち込んだ気分を打開する方法をご紹介します。
がっかりした気持ちを乗り越える方法
1. 深呼吸しましょう。
深呼吸して「戦うか逃げるか」的な張りつめた心境になることを最少にしましょう。
ちょっと散歩に出かけたり、瞑想する時間をとりましょう。自分の中に湧き上がる感情に気づき認知しましょう。でもその感情に囚われ、感情にコントロールされてはいけません。
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「気持ちを外す」ための深呼吸ですね。経営コンサルタントをしていた時代、まぁ、想定外に近い様々なハプニングやらトラブルやら起こりました。そうした中で、私は「それで誰か死ぬのか」と考えるようになりました(笑)。誰かが死ぬほどのことではないと気がつくだけで、「戦うか逃げるか」的な張りつめた心境から解放されました。そして、視点?視野?が上昇し、状況を離れた位置から客観的に観て、解決策を考えることができるようになるのです。これは次の方法にも関連していますね。
2. その状況の主役ではなく、観客としての視点をもちましょう。
失望をチャンスに変えられないか、状況を眺めてみましょう。
心に距離をおくことで、状況が明確に見えてきます。
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森の中にいると、ひとつひとつの木のディテールは目に入りますが、森全体がどのようになっているのか判りませんよね。「木を見て森を見ない」状態です。
高校生の時、尊敬していた現国の先生が作文についておっしゃった言葉があります。
「文章を書くためには、何かに感情を揺さぶられることが必要だが、その感情の真っただ中にいる間は、文章は書けない。」
そういうことなんじゃないかと思うんです。生の感情から気持ちを外し、その感情を客観的に見られるようになって初めて、その感情が起こった状況を正しく把握・分析できるようになるのだと思うんですよね。
3. もっと良い結果を生んだかもしれない別の方法はあるか考えてみましょう。
その過程で自分を批判してはいけません。
あくまでも客観的に状況を理解してみましょう。小さな子供に向けるような優しさで、失敗してしまった自分自身と向き合いましょう。
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これも自分自身がしてしまったことを、観客として、第三者として観ることが必要となりますね。
4. 極論を避けましょう。
例えば、「どうせ状況が良くなることなんてない。」とか「いつも私には悪いことが起こる。」とか。
こうした思考が、あなたを成功に導いてくれることはありません。そして、そのうちにあなたは、自分自身を信じることができなくなってしまいます。
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「自暴自棄」ってこういうことなんですよね。きっと。(自暴)自らを傷つけ、(自棄)自らを見捨てる。どんなことがあっても自分を諦めてはいけませんね。良くも悪くも100%とか完璧とか、人間がやる以上、有りません。
5. 同じような経験がある人と話をしてみましょう。
その人は、サポートグループにいるかもしれませんし、友達や先輩かもしれません、また、ネットのチャットルームで見つかるかもしれません。
お互いの傷を舐め合うこと(同病相憐れむ)が目的ではありません。
気づきを得られるようお互いを支えることが目的です。がっかりするような経験は誰にでもあることだと、あなたに気づかせてくれます。
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私はこれが苦手です。自分が本当に深く傷ついたことについては、年単位の時間が経たないと第三者に話すことができません。それも信頼できる何十年もの付き合いの人にだけです。
なので、ブログやSNSで、不特定多数に向けて、頻繁に自分の内面の葛藤などについて書いている人に驚愕してしまいます。半分は「この人、信用ならない」と感じつつ、半分はこんな風に吐き出せたら楽なんだろうなと羨ましく思ったり。
まぁ、ブログでの吐き出しは別にして、信頼できる人に相談することの大切さは、私も心から、そう思います。
6. どんなことにも学びがあることを思い出しましょう。
経験のひとつひとつは、そこから何かを学び取るチャンスを運んできます。
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『マウンティングする女としない女』の中で、ご紹介したのですが、『Mindset – The New Psychology of Success (マインドセット – 成功の新しい心理学)』の著者キャロル・ドゥエック博士は、人は「成長思考の人」と「固定思考の人」に分かれると言います。
「固定思考の人」は、才能は生まれ持ったものであり、努力しても獲得できないものだと思っています。そのため、何事も初めから上手くできないことは、自分には向いていないと考え、努力しても無駄だと感じます。また、失敗する可能性のある物事にはチャレンジせず、確実に成功する、上手にできることのみを好む傾向にあります。
一方で、「成長思考の人」は、能力は努力によって獲得できるものだと思っています。失敗することよりも、努力の結果、できなかったことが、できるようになる過程を好む傾向にあります。
失敗から学ぶ姿勢をもつことで、固定思考の人も成長思考になれるそうですよ。
7. あなたの成功への道をサポートするための個人的なナレーションを作りましょう。
もし誰かに「却下」と言われたら、あなたは「承認」まで一歩近づいたと自分に言い聞かせましょう。
飛行機が遅れて乗り継ぎができなかった時には、家族はあなたに会いたい気持ちを募らせて明日は今日到着した場合よりもきっともっと大歓迎してくれると自分に言い聞かせましょう。
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私は何か思いもよらない悪いことが起きた時、「何か他の大厄を除けたのかもしれない」と、思うことが多いです。「この程度で済んだのだから」とか「返ってご縁ができなくて良かったのかもしれない」とか思うのです。
8. 自分が何を望んでいるのか判っていることを喜びましょう。
失望の感情は、あなたに達成したい目標があることを示しています。明確な目標を持っている人は多くはいません。
失望するようなことがあったら、目標を再確認する機会として、その感情を利用しましょう。
9. 次のアクションを決めましょう。
あなたには選択肢があります。
- 諦めることもできます。
- 同じ方法を継続することもできます。
- また、別の方法を取入れることもできます。
履歴書/エントリーシートを送り続けているのに良い反応をもらえないことが続いているのなら、履歴書の書き方を変えてみることもできます。あるいは、別の業界に目を向けてみることもできます。もちろん、同じ方法を継続することもできます。
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現状を「変えたい」「変えるべき」という理性や意識がある一方で、「変わりたくない」という無意識や潜在意識がある場合、無意識があなたの行動にストップをかけ、失敗することがあります。そうしたケースでは、何度トライしても失敗します。そして、たぶん、失敗するとがっかりしつつも「なぜかほっとする」のではないでしょうか。まずは「変わりたくない」という自分の潜在意識と向き合うことが必要です。そして、なぜ「変わりたくない」のか、考えるところから始めることが必要です。
失望(がっかりした気持ち)を乗り越える秘訣は、その感情を、自分にとって都合の良いように利用することです。
“Don’t let today’s disappointments cast a shadow on tomorrow’s dreams.” ―Unknown
「今日の失望に、明日の夢を壊させてはいけない。」 – 不明
がっかりした気持ちを少しでも和らげ、明日へのやる気に変換する、お役に立てたら嬉しいです。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング
参考:
『「ナルシスト」と「自分が好き」の違い』 – セルフ・エスティームは心の免疫機能
『“本物”の人の20の習慣』
『自己嫌悪から抜け出す方法』
『お天気を変えることはできないけれど、お天気は必ず変わる』