FOOD MATTERS を観て|調理した料理は免疫機能をダメにする!?ローフード派の主張に疑問

2013/12/07/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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情報の信ぴょう性を冷静に判断する重要性を実感

Food Matters の無料フィルムを観ました。

興味深い情報もあれば、正直なところ、怪しい「証言」もいくつかあり、ちゃんと自分でデータの裏どりをしないまま、このフィルムをそのまま鵜呑みにしてしまうことの危険性を最初に感じました。

このフィルムだけでなく、NaturalNews.comについても同様のことが言えるのですが、編集者の都合の良い情報のみをセンセーショナルに伝えるスタイルなので、受信する側が、冷静に賢く選択して付き合わないといけないと、改めて感じます。

そこで、証言の信ぴょう性に納得のできる情報と、裏どり後、やはり怪しいと判明した情報、の2つに分けてご紹介します。

証言に信ぴょう性があると感じた情報

『食品は収穫から私達の手元に届くまでに少なくとも5日が経っている。そのため、スーパーで売られている食品の栄養価は収穫後と比較し約40%低い。』

40%という数値の信ぴょう性は確認する必要性があるとは思いますが、確かに収穫から店頭に並ぶまでには、日数を経ていますので、いくつかの栄養素の劣化は想定内です。

これは自然農法・自然栽培を実践されている方々の主張と重なり、私にも納得できる主張です。

『肥料は、通常、3つの栄養素(窒素、リン、カリウム)から作られており、それ自体に毒性はない。しかし、自然の土には、現在判っているだけでも通常52種類のミネラル等が含まれている。つまり、3種のミネラルのみを強調して与えて育てた食物は、栄養失調あるいは栄養偏重の状態にあると言える。だから、虫や病原菌に弱くなる。そしてその害から守るために、殺虫剤や殺菌剤が新たに必要になる。更に、栄養失調や栄養偏重の食物を食べている私達は、そうでなかった昔の人類と比較し、十分な栄養を得られていない。』

『ひとつのビタミンの効能は多岐にわたる。それは私達の体内で、直接的に作用するだけでなく、他のビタミンの作用を高めたり、補助したり、ホルモン生成の材料となったり、促進していることによる。全ての栄養素は、体内で複雑な相互関係・連鎖関係にあり、1ビタミン1病気・1効能といった単純な関係にはない。』

ホリスティック栄養学の公認ヘルスコーチである私も、私達の体はホリスティックにできていることを知っていますから、この主張と同意見です。

私達の体は、飲食した物からのみでできている。そのため、病気になるのも治るのも、食べる物の影響による。私達の体は薬でできているわけではない。だから、病気になって薬を飲んでも症状を治めることはできても、病気になった根本原因を治すことはできない。』

は、どんなものであれ、肝臓にとっては毒でしかない。』
ビタミンCは、ガン治療に効果がある。』
カシューナッツには、うつ病治療に効果がある。』

これらの主張は、いくつかの研究よって裏付けられている事柄です。

証言に信ぴょう性がないと感じた情報

火を通した食品を食べると私達の体内で白血球数が異常増殖し、免疫機能異常を起こす。特に、1回の食事の51%以上が火を通した料理である場合、体は異物が侵入してきたかのような免疫反応を起こす。』

この証言は、1930年に発表されたスイスの医師Paul Kouchakoff博士の論文(ローフードを推奨する人達がその根拠とする唯一の論文)に基づいていますが、この研究結果が再現されたという事実は今現在も存在しません

科学を学んだことのある人であればご存知だと思いますが、科学の研究や実験には、常に、その再現性が必須です。また、Kouchakoff自身も1937年に発表した論文の中で、この1930年の研究について一切、触れていないのです。

更に、電子顕微鏡が発明されたのは、1931年です。それが世の中の研究室で使用されるようになるのは、もっと後のことです。電子顕微鏡の発明前に発表された1930年の研究で、いかにして、Kouchafoffは、白血球数を数えたのでしょうか。免疫細胞の挙動をどのように記録したのでしょうか。研究者の間では、Kouchakoffは何かを誤って記録したのではないかというのが定説です。

日本人女性の乳がん発症率は1%で、米国人女性は30%。』

様々な医学研究論文で引用されているWHOの「5大陸癌罹患率 Parkin et al 1997」発表の統計データによれば、日本人の罹患率(ある年の乳がん発症人数÷女性人口)は、2.3%で、米国白人女性8.2%、米国黒人女性7.2%。

日本人と米国人とで、30倍もの差はありません。

誤解を生みやすいと感じた情報

ビタミン剤を過剰摂取することで病気を治すことができる。だから摂取制限を無視して過剰摂取することを恐れるな。』

フィルムの中で、Andrew Saul博士は、特に、ビタミンCとナイアシンを過剰摂取することを勧めています。ビタミンCはがん治療のために、ナイアシンはアルコール依存症治療のために定められた容量を超えて大量に摂取することを勧めています。

確かにこうしたビタミンが病気治療の効果を高めることは様々な研究論文が示していますが、だからと言って、サプリメントを過剰に摂取して良いということにもなりませんし、効果が期待できるわけでもありません

例えば、ビタミンCは大量に経口摂取する副作用があります。腸からの吸収率は1000mgを超えると半減してきます。そのため代替医療でビタミンCを大量に用いる際には、静脈注射が必要となります。ビタミンCのサプリメントをいくら飲んでもがん治療にはなりません。詳しくは、『ビタミンC』をご覧ください。

彼はビタミンの過剰摂取で死んだ人は過去に40人しかいないと言っています。

しかし、本人も言うようにビタミンは様々な体内の機能と複雑に連鎖的にかかわっているので、それだけを原因として死亡証明書が作成されるのは希ですから当然です。根拠としては弱いと私は感じます。

また、フィルムの後半で、Saul自身も食品添加物の危険性、発がん性について証言しているのですから、食品添加物がもれなく使われているサプリメントを摂取することを勧めるのは、自己矛盾を起こしています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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