何を食べたら良いのでしょうか|炎症性腸疾患(IBD)の新しい食事ガイドライン

2020/06/09/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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確証をもったIBD のための食事法はまだない

炎症性腸疾患(IBD)を患っている人からの最も多い質問は、

「私は何を食べたらいいんでしょうか?」

というものです。

IBDのための食事について、様々な食事法が世の中に存在しています。

しかし、実は、信頼のおける研究の数がまだまだ少ない上に、各研究のデザインに統一性がないことから、どの食品が有害で、どの食品が安全で、どの食品が予防や改善に役立つのかの科学的な確証がないというのが現状です。

多くの特殊な食事法、例えば、

  • 地中海式ダイエット
  • 特殊炭水化物ダイエット
  • コーン病のための除去療法
  • 自己免疫疾患ダイエット
  • FODMAPs

などについても、全てのIBDを治すことができると言えるほどの、十分な研究による裏付けが存在していないのです。

IBDは、遺伝的な要因に加え、特定の環境要因によって引き起こされる自己免疫反応によって起こります。食事は環境要因のひとつです。

なお、コーン病と潰瘍性大腸炎(UC) は、炎症性腸疾患(IBD)に含まれます。

IOIBDのガイドラインは食事法ではなく食品が対象

炎症性腸炎の研究のための国際連盟』(IOIBD:The International Organization for the Study of Inflammatory Bowel Diseases)は、最新のエビデンスを検証し、IBDの症状を安定・改善させる可能性の高い食事法に関する専門的な推奨をとりまとめガイドラインとして発表しました。

連盟は、当初、現在IBDに良いとされている様々な食事法に関する研究を一つ一つ検証し、特定の食事法を推薦することを目指したそうですが、連盟が推薦できるほどの確証が、いずれの食事法にも存在しないことが判明し、そのため今回のガイドラインでは、食事法ではなく、食品群について見解をまとめるにとどめています。

IBDのための新しい食事ガイドライン

IBDの患者にとって、最も影響が大きいとIOIBDが特に判断した食品グループと食品添加物です。

◎:積極的に食べて良し △:控えめに食べる ×:避けた方が良い

乳製品とトランス脂肪酸がダメなことは確実なようです。オメガ3オイルもサプリメントで摂ってはいけないことが判ります。

また、ほぼ全ての食品添加物は、できるだけ避けた方が良いものということが示されています。

十分な研究データが不足している食品

また、連盟は、裏付けとなるデータが不足している次の食品群についても明らかにし、更なる研究が必要であることを強調しています。

  • 精製糖(白砂糖)
  • 炭水化物
  • 小麦グルテン
  • 鶏肉
  • 低温殺菌乳製品
  • アルコール飲料

つまり、小麦グルテンは、IBDを確実に誘発・悪化させるということが証明されているわけではないということです。

ガイドラインはあくまでもガイドライン

今回のガイドラインは、症状と炎症を抑えることを目的に作られてはいますが、炎症を誘発あるいは抑制する特定の食品のメカニズムについては、良くわかっている食品もあれば判っていない食品もあるため、ひとりひとりが体の声を聴きながら、取捨選択していくことを求めています。

例えば、短鎖脂肪酸は腸内細胞に良く働くが・・

短鎖脂肪酸は、腸内細胞の連結にとって良い効果をもっていることが判っており、また、IBDの患者さんで短鎖脂肪酸(SCFAs)が少ないことも観察されています。

そのため、短鎖脂肪酸を増やすような食品を食べることで一般的には症状は改善します。

短鎖脂肪酸を増やす食品の代表選手が、食物繊維です。食物繊維は腸内細菌の酵素によって発酵され、短鎖脂肪酸(SCFAs)が産生します。

つまり食物繊維豊富な野菜や果物などを多く食べることで、短鎖脂肪酸(SCFAs)を増やすことが出来るのです。

しかし、コーン病の人の3人にひとりは、発症後10年くらいすると、腸の狭窄が起きることが知られています。不溶性の食物繊維は、腸梗塞を起こし、症状を悪化させてしまうことがあるため、勧められません。

このようにIBDと言っても、ひとりひとり症状が異なりますから、おひとりおひとりの状態に合わせて食べても良い食品、控えた方が良い食品を選んでいく必要があるのです。

ガイドラインを基準にすると始めやすい

ガイドラインを盲目的に守ることは勧められないものの、ハーバード大学医学部のジョン・ガーバー医師は、まずはガイドラインを基準に始めてみると、食事を組み立てやすくなるだろうと述べています。

ガイドラインを目安に食事改善を始め、症状の変化を注意深く観察しながら、食品の取捨選択とその量を調整していくことが重要となります。

ガーバー医師は、

「IBDをもっている人は、まずは医師の診断を受け、
できれば定期的なモニタリングによって指導が行える
ヘルスコーチと共に食事改善に取り組んで欲しい」

と、述べています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのご提案

IOIBDもハーバード大学のガーバー医師も述べている通り、IBDのための確立された1つの食事法は未だ存在しません。そのため、試行錯誤をしていくことになります。

おひとりでがんばることに不安を感じている人、あるいは、既におひとりでがんばることに疲れてしまったという人もいらっしゃるかもしれませんね。

おひとりでがんばるよりも、誰かと、特に専門知識をもったヘルスコーチと取り組むメリットは大きいです。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング