睡眠不足になると動脈硬化になる理由

2019/04/04/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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睡眠が足りないと動脈硬化になる

睡眠は、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでも多くのテーマと関係している重要な要因です。

睡眠不足による健康への影響について、様々な報告がなされてきました。なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

睡眠不足になると、白血球(好中球・単球・マクロファージ)が異常に多く発生すること、それが動脈の血管内壁のプラークとなり、アテローム性動脈硬化を引き起こすこと、その結果、様々な内臓疾患/内臓炎症につながっていることは、以前から報告されている事実です。

しかし、そのメカニズムには不明な点が多くありました。

2019年2月21日のサイエンス誌『ネイチャー』のオンライン版で発表された論文によると、そのメカニズムが少しずつ解明されてきたようです。

徹夜による睡眠不足よりも怖い睡眠不足

マウスを使った実験ですが、まったく眠らなかった場合の睡眠不足と比較し、断片的な睡眠による睡眠不足の方がより深刻な動脈硬化が起こることが観察されています。

徹夜をするよりも、無呼吸症候群や頻尿によって、夜中に何度も起きてしまう睡眠の方が、心疾患や脳梗塞などを起こす可能性が高いかもしれないということです。

睡眠不足では交感神経は活性化しない

交感神経は緊張を、副交感神経はリラックスを私達の体と心にもたらします。

一般的にストレスが高いと、交感神経が優位となります。そのことで白血球数が増加し動脈硬化が進みます。

しかし、睡眠不足によっては、マウスの交感神経は活性しませんでした。マウスの体はリラックス状態だったのにも関わらず、白血球数が増加したのです。

交感神経が活性していないのに白血球が増える

睡眠不足のマウスの脳では、視床下部で造られるヒポクレチンと呼ばれるタンパク質が減少していたことが観察されました。

ヒポクレチンは覚醒と食欲、そして交感神経を刺激します。

睡眠不足によってヒポクレチンが減少したため、マウスの脳で交感神経が活性しなかったと考えられます。

ならなぜ、白血球は増加したのでしょうか。

脊髄に存在する好中球(免疫細胞/白血球の一種)の卵には、ヒポクレチン受容体があります。好中球の卵は、ヒポクレチンを受け取ると好中球に成長します。

しかし、血液中のヒポクレチンが不足すると、好中球の卵はCSF-1(造血増殖因子)と呼ばれるタンパク質を作って造血幹細胞を刺激し、造血幹細胞に白血球の全ての種類を増加させるよう働きかけます。

これが、交感神経が優位ではないのに白血球が増加した理由です。増加した白血球は、プラークとなって動脈内に蓄積し動脈硬化を起こします。

研究者は確認のため、次の実験によってもヒポクレチンの作用を裏付けています。

  • ヒポクレチンを作れないよう遺伝子を操作すると、白血球数が増加して動脈硬化になる
  • 睡眠不足のマウスにヒポクレチンを接種すると、白血球数が減少し動脈硬化が改善する

睡眠不足による動脈硬化の闇は深い

ストレスによる動脈硬化は交感神経の過活動によって、睡眠不足による動脈硬化はヒポクレチンの減少によってという違いがあることが判明したのですが、ヒポクレチンの減少によって増えるCSF-1(造血増殖因子)を取り除いても、睡眠不足の場合、白血球の数が減少しなかったことが報告されています。

つまり、睡眠不足によるヒポクレチンの減少と、白血球が増加する現象の間には、CSF-1以外のメカニズムが存在している可能性があることになります。

睡眠不足が動脈硬化を起こす仕組みは、かなり闇が深そうです。

どのくらい睡眠不足が続くとアウトなのか

ヒポクレチンの減少と白血球数の増加は、睡眠不足が12週間続いた後に発生したことがマウスの研究で観察されています。

マウスの寿命約3年における12週間は、単純計算で、ヒトの寿命を約80年とした時の約6年に相当します。単純計算して良いかどうか分かりませんが(笑)、かなりの長期間に渡る慢性的な睡眠不足が危ないと言えそうです。

例えば、22歳で就職して28歳になるまで、ずっと睡眠不足の生活をしていたら、いつ心臓発作や脳卒中を起こしても不思議はないと言えるかもしれません。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

若いのに高血圧が指摘されたり、動脈硬化を指摘されたことがある人は、そのまま放置したら心疾患や脳卒中を起こして若死にしてしまう可能性だってあります。

もし睡眠が不足しているという自覚があるのなら、しっかりと睡眠時間が確保できるようスケジュールを組みましょう。もし途中覚醒があるのなら、睡眠外来など専門医を受診することもお勧めします。

そして、もしライフスタイルの改善におひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング