アセトアミノフェン(鎮痛剤)の怖~い作用とアセトアミノフェンを解毒する食品

2018/01/23/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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アセトアミノフェンは腫れを伴う炎症痛には効かない

頭痛の時、生理痛がある時、二日酔いの時、関節痛や筋肉痛がある時にアセトアミノフェンを含む鎮痛剤を飲んでいる人は少なくないと思います。

でも、アセトアミノフェンは、関節炎には効きません。アセトアミノフェンは、痛みを抑えることはできますが、腫れを抑えることができないため、腫れを伴う炎症関節炎などの痛みには効かないのです。

ともあれ鎮痛剤はなんであれ、一時的に痛みを感じなくさせてくれるだけで、痛みの原因を治してくれているわけではありません。

また、アセトアミノフェンは、肝機能を不全に陥らせることが報告されている成分です。常用することはお勧めできない薬です。

アセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤

次の鎮痛薬の成分にアセトアミノフェンが含まれています。

  • 医療用医薬品「カロナール
  • 第一三共「カロナールA
  • シオノギの「セデス」シリーズ、「セデス・ファースト」シリーズ、「セデスV」シリーズ
  • 大正製薬の「ナロン」シリーズ
  • アラクスの「ノーシン散剤」シリーズ、「ノーシン」シリーズ
  • タケダの「タイレノール
  • ライオンの「バファリンルナ J」、「小児用バファリン」、「バファリン・プレミアム」、「バファリンルナ

バファリンプレミアムとバファリンルナには、イブプロフェンも含まれています。イブプロフェンについては、この記事の一番最後をご確認ください。

アセトアミノフェンを飲んではいけない人

そもそも次の疾患や症状をもっている人には、アセトアミノフェンを処方してはいけないことになっています。そのため、医師が以下の疾患をもっている人にアセトアミノフェンを勧めることはないと思いますが、上記した市販薬は、処方箋が無くても誰でも購入できますので、次の疾患や症状がある人は、アセトアミノフェンを含んでいる鎮痛剤の購入は止めておいた方が良いでしょう。

  1. 消化性潰瘍
  2. 重篤な血液の異常
  3. 重篤な肝障害
  4. 重篤な腎障害
  5. 重篤な心機能不全
  6. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある
  7. 非ステロイド抗炎症薬(NSAID)による喘息発作またはその既往歴のある患者

2023年7月追記

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会の医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、7月25日に医療用のアセトアミノフェン含有製剤について、腎臓と心臓の関連学会などからの要望などを踏まえて、次の疾患への処方を解禁しました。

  1. 重篤な腎障害
  2. 重篤な心機能不全

加えて、次の3つの疾患と症状についても使用を解禁しています。

  1. 消化性潰瘍
  2. 血液の異常
  1. NSAID喘息

つまり、引き続き、アセトアミノフェンを飲んではいけないのは、肝臓に疾患を抱えている人ということになります。それだけ、アセトアミノフェンは肝機能に悪いということです。

アセトアミノフェンは、妊娠中に安全に使用できる唯一の鎮痛薬と考えられてきました。

しかし、これまでも複数の研究が、妊婦のアセトアミノフェンの服用と胎児の注意力の問題との関連性を示唆してきましたが、2024年1月に発表された研究で、妊娠中にアミノフェンを服用すると胎児の神経発達の転帰が悪化する可能性が指摘されています。

この研究は、妊娠期間を3か月ごとに3分割し各妊娠期間中の母親のアセトアミノフェン服用回数と、2013年12月から2020年3月までに誕生した535人の新生児の1歳半~5歳までの児童行動を追跡調査しています。

妊娠第2期(13週~28週)の服用並びに妊娠期間中の累積アセトアミノフェン服用量が多いほど、次の問題行動が有意に高くなることが報告されています。

  • 2~3歳で注意力、ADHD、外在化行動、全体的問題
  • 4歳で外在化行動と全体的問題

註:外在化行動|攻撃、非行、かんしゃく、多動性など周囲の人々との間で軋轢を生じさせる行動

胎児の脳神経の発達を阻害してしまうというのは恐ろしい事実です。近年増えているように感じるADHDのお子さんは、もしかしたら妊娠中の母親のアセトアミノフェンの服用が関係しているのかもしれませんね。

アセトアミノフェンは抗がん成分泥棒

アセトアミノフェンは、体内からグルタチオンを抜き盗ってしまうことが明らかにされています。グルタチオンは、NAC(N-アセチルシステイン)という物質から肝臓で造られる強力な抗酸化物質で、私達をがんから守ってくれている抗がん成分です。

アセトアミノフェンが肝機能を阻害するのですから、肝臓で造られるこうした成分が消失してしまうのも当然のことにように思います。

グルタチオンが体内から消失するということは、がんを始め、多くの炎症性疾患を引き起こす可能性が高まることを意味します。

つまり、アセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤を常用することは、ただそれだけで病気を自ら呼び込むことと同じなのです。

アセトアミノフェンで急性肝不全を起こす可能性のある人

常用しないようにと記載してきましたが、急性肝不全がたった1回のアセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤の服用で発症した例もあります。

理由は、アセトアミノフェンが600種類以上の医薬品に使用されているためです。

睡眠導入剤を飲んでいる人

睡眠導入剤を日常的に服用している人が、風邪薬を飲み、ついでに頭痛薬も飲んだら、それだけで過剰摂取となる可能性が高くなります。

急性肝不全に陥る可能性があります。

生理痛などで数日間飲み続けている人

通常量を守っていても、生理期間中、例えば1週間毎日飲み続ければ、肝不全が起こる可能性があります。

アルコールを飲む習慣のある人

二日酔い改善のためにアセトアミノフェンを飲んでいる人は、既に、健康診断で、脂肪肝とか糖尿病、肥満症と診断されている可能性が高いです。

これは、肝機能障害に一歩ずつ近づいている証拠です。

アルコールが肝臓に悪いことは、よく知られている事実です。それに加えて、アセトアミノフェンを含む鎮痛剤を服用すれば、肝臓にとって好ましくないことは、簡単に想像できます。

健康診断では、肝機能に問題があると診断されがちですが、根本原因は、アルコールとアセトアミノフェンを併せて飲むというライフスタイルです。

アセトアミノフェン肝機能障害の治療

アセトアミノフェンによって、機能障害を起こし抗酸化物質であるグルタチオン欠乏に陥った肝臓の治療には、グルタチオンの前駆体であるNAC(N-アセチルシステイン)を摂取するという方法が医療現場では執られます。

NAC(N-アセチルシステイン)は、N-アセチル-L-システインとも呼ばれます。

NAC(N-アセチルシステイン)は、世界保健機構(WHO)が定める必須医薬品のひとつであり、アセトアミノフェンの解毒に使用される成分です。

アセトアミノフェンを解毒する食品

上の表を作成する裏付けとなったアセトアミノフェンの解毒効果があるとされる食品成分は次の通りです。詳しい機能にについては、リンクを貼りましたのでご確認ください。

上位に記載されている食品は、偶然?にも幸福ホルモンのセロトニンの材料となる食品と同じです。

これらの食品は、アセトアミノフェンを解毒して肝臓を守ってくれるだけでなく、セロトニンとなって私達に幸福感を感じさせ、痛みの緩和してもくれるはずです。優秀な天然の鎮痛剤ですね。

ちなみに、お肉の中では、豚肉が唯一マルチに肝機能に良いことが判りました。

豚のタンパク質は最も人間に近いと考えられていて、昔は、医薬品の開発に豚が用いられていたそうですから、そういう意味でも、ヒトと相性の良い動物性タンパク質なのかもしれませんね。(科学的根拠のない単なる私の感想ですが、笑)

余談ついでに、私は、保美豚(ほうびとん)という豚肉を購入しています。この豚は抗生物質やホルモン剤を投与せず、遺伝子組換え飼料も与えられずに育てられ、加工過程においても化学物質を一切使用せずに処理されている豚肉なんです。

豚ゼラチン・ホタテ貝柱・スルメ

アミノ酸グリシンが豊富に含まれている食品です。アミノ酸グリシンは、体内で造ることもできるアミノ酸です。体内のコラーゲンの3分の1を占めている成分です。

睡眠の質を高めたり、不眠改善と関係の深い物質であることは良く知られていますが、医薬品として用いられる場合、粘膜トラブルによる皮膚や口腔内の治療の他、肝機能回復のために用いられる成分です。

PQQ(ピロロキノリンキノン)

1979年に発見された物質ですが、2003年に新種のビタミンとして認められた物質です。

必須(食品からしか摂れない)アミノ酸であるリジンの分解が正常に行なわれるためにPQQ が必要です。リジンは肝機能強化に必要なアミノ酸です。

脳機能の改善に効果があることが判っていますが、ヒトの脂質や尿酸値、血糖値の改善などにも効果を持つことが研究で示されています。また、高齢による乾燥肌の予防や改善にも効果を示しているようです。

母乳に豊富に含まれています。

橙(だいだい)

グルタチオンとは異なるメカニズムによって肝機能を保護することが報告されているのが橙です。

橙の皮を乾燥させて作る生薬(漢方薬)が、肝臓の代謝障害を調節することにより、アセトアミノフェンによって誘発される肝臓への損傷を予防できることが実証されています。

更に、橙の乾燥させた皮は、アセトアミノフェンによって起こる肝臓細胞のアポトーシス(細胞死)を阻止できることが確認されています。

小麦・大豆・干し魚・ドライトマト

これらの食品は、旨味成分として知られているグルタミン酸を豊富に含む食品です。グルタミン酸は体内で合成できない、食事から摂らなければ得られない必須アミノ酸です。

脳の興奮を鎮めるGABAを生成することで知られていますが、肝臓でアンモニアを無毒化し、尿として排出されるのを助ける働きをしています。

アセトアミノフェンによって肝機能不全に陥ったマウスにグルタミン酸を投与すると、肝臓のグルタチオンの保全(肝機能の回復)に効果があったとする報告があります。

ヒトを対象とした研究ではありませんが、予防として日常の食事に取り入れやすい食品ばかりです。

しかし、グルタミン酸だからと言って、旨味調味料を大量に使用するようなことはしないでくださいね。食品添加物としての旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム)には脳毒性があるとして、欧米では規制対象となっているものです。

その他の鎮痛剤の影響と代替方法

こちらのサイトをご覧ください。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング