バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
賛否両論あるコーヒー
コーヒーの効能や害について、いろいろ言われています。それぞれ科学的な研究から報告された事柄ですが、真逆な情報もあるため、困惑してしまうことも確かです。
そんなコーヒーの是非について、2014年4月23日に最初のブログを執筆しました。
それ以降も次々とコーヒーの効果や害についての研究報告が発表されていることから、内容を都度、更新しています。
裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。
報告されているコーヒーの健康メリット
1. 集中力の向上
250mg(コーヒー約2杯半)で集中力が向上する。
カフェインが前頭皮質のドーパミン作動性機能を正常化し、ADHDの特徴である注意欠陥と認知変化を改善にする可能性が報告されています。
詳しくは『コーヒーがADHD治療薬の代わりになるかもしれない理由』をご確認ください。
2. 認知力の向上
250mgで、認知力が向上する。特に、パターン認識力が向上する。(将棋やチェスに有利ということでしょうか・・)
3. パーキンソン病、アルツハイマー病の予防
カフェインは、脳内ホルモンのドーパミンの活性化を維持することから、パーキンソン病やアルツハイマー病を予防することが期待されています。
ハーバード大学は、1日4杯以上のコーヒーを飲んでいた男性のパーキンソン病発症率は、そうでない男性と比較し半分だったと報告しています。
4. 気分が明るくなる/社交性の向上
250mgで、自己の存在に対する肯定感、幸福度、エネルギー・レベル、社交性が向上する。
5.血管強化
コーヒーを1日3杯摂取すると、心疾患による死亡は19%、心疾患のリスクは15%有意に低下したことが報告されています。
3杯超摂取する場合、メリットもないが、悪影響も見られなかったとのことです。
6. 筋肉痛の緩和
痛みや不快感を抑制する作用のあるβエンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌が促進される。
7. 運動持久力の向上
運動中の持久力を向上する。
カフェインは運動中のグリコーゲンの燃費を約50%高め、少ないグリコーゲンで長時間の運動を可能にすることが報告されています。
グリコーゲンは筋肉の主要なエネルギー源で、グリコーゲンがなくなると疲労が発生します。
8. ぜんそくの鎮静
医薬品の代りになるほどではないものの、通常の量のカフェインで、ぜんそくの緩和に効果があり、緊急時の呼吸困難の回避に役立つ。
詳しくは『ハチミツ入りコーヒーが処方薬よりも咳に効く』をご確認ください。
9. 薬剤の効き目の促進
カフェインが血管を収縮させることで、薬剤の体内吸収が促進される。
このカフェインの作用を利用して、鎮痛剤や風邪薬には通常カフェインが配合されています。
10. 腎機能の改善
コーヒーの利水作用のためでしょうか。
糖尿病患者の腎機能の改善が報告されています。
11. がんによる死亡リスク低減
1日に3杯程度のコーヒーの摂取によって、全てのがんにおいて死亡リスクが平均18%低下したことが報告されています。
特に、 前立腺がん、子宮体がん、肝がんなどで大きく減少したとのことです。
12. 長生きする
英国の 170,000 人以上(平均年齢 56 歳)を平均7年間にわたって追跡調査した結果、1日にコーヒーを1.5杯~3.5杯飲む人は、飲まない人と比べて、調査期間中に死亡した人が30%少なかったことが「米国内科学会誌」に掲載されました。
対象となったコーヒーにはカフェインレスコーヒーも含まれていて、この結果とコーヒーのカフェインの有無とは関係が無いと研究者は述べています。
また、この長生き効果はお砂糖を小さじ1杯以下しか使わないことが条件で、4.5杯以上で効果が低下したことも報告されています。
報告されているコーヒーの健康への悪影響
1. ストレスの悪化
カフェインはストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を促し、ストレスによる体の様々な反応を起こします。
そのため、コーヒーなどのカフェイン飲料を減らすことで、ストレスに対する体の反応を緩和させることができます。
2. 情緒不安定(イライラ・不眠など)
体内に2g以上のカフェインが投与されると、心臓が刺激され、血管が膨張します。こうした物理的な変化は、イライラや落ち着きのなさ、不眠の原因となることが報告されています。
3. 胃腸の過敏(下痢・胃痛など)
胃の筋肉が収縮することで、腹痛、下痢、頻繁な排便をもよおす原因となります。
4. 心疾患リスク上昇
1日に3杯以上のコーヒーは、長時間に渡る心拍数の増加や血圧の上昇を招きます。
そのため、循環器系(心臓)に疾患をもっている場合には症状の悪化リスクが高まります。
5. 男性特有の疾患
男性がコーヒーなどのカフェイン飲料を控えることによって、尿道や前立腺に係る疾患リスクを劇的に減少させることができることが判明しています。
6. 女性特有の疾患
乳腺に係る疾患、PMS、骨粗鬆症、不妊、流産、未熟児出産やホットフラッシュなどの更年期症状は、カフェインの摂取によって悪化することが判明しています。
カフェインは肝臓での異物の排除能力を弱めてしまう働きがあることから、避妊用ピルを使用している女性は特に、こうしたリスクが高まることも判明しています。
女性の骨折リスクは、摂取コーヒーが1杯増えるごとに2%から7%上昇するとの報告もあります。
7.早産・流産リスク
コーヒーを飲まない妊婦と比較し、コーヒーを多く飲む妊婦では、
- 新生児が低体重で生まれる割合が1.31倍
- 妊娠早期の早産が 1.22倍
- 妊娠中期の早産は1.12倍
- 流産は1.46倍
と、いずれも有意に高くなることが報告されています。
8. 脱水
カフェインには利水作用があり、体から水分を奪います。腎機能へ負担がかかります。
そのことで脱水症状を起こしたり、お肌老化に寄与することが報告されます。
9. 血糖値の乱高下?
1日にコーヒー2杯から2杯半で、血糖値が急上昇し、インシュリン抵抗性の原因となるためⅡ型糖尿病の方は、注意が必要だと報告されてきました。ハーバード大学によって、カフェインには筋肉細胞による糖分代謝を効率的にする作用があることが報告されていました。
一方で、コーヒーの摂取によってインスリン抵抗性や血糖値への影響が起こらない、糖代謝への影響は少ない(空腹時血糖値やインスリン抵抗性に変化なし)という報告もあります。
これは、たぶんどちらの研究も正しく、被験者となった方々の体質などによる影響なのではないかと思います。ある人にとっての毒も他の人にとっては薬となるという、バイオ個性そのものによる結果なのではないでしょうか。
10. 栄養不良
カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、やその他の希少ミネラルの体内吸収を阻害します。
11. 副腎疲労
カフェインは、脳内のアドレナリン受容体と結びつく物質です。この現象は、体内で複雑な反応を引き起こしますが、最も大きな影響は、副腎への刺激です。
その結果、臓器炎症や副腎疲労などといった様々な健康障害を引き起こします。
『甲状腺機能低下症|(1)こんな症状ありませんか?検査の見方と間違えられやすい病気』
クロロゲン酸とフェルラ酸はコーヒー以外からも摂れる
最近の研究では、コーヒーのマイナス面はカフェインによるもので、プラス面はコーヒーに含まれるクロロゲン酸やフェルラ酸によるものではないかとする報告があります。
クロロゲン酸もフェルラ酸も抗酸化成分です。
クロロゲン酸は桃などの果物から、フェルラ酸は玄米など精白されていない全粒穀類やタネ類(ゴマなど)から等、別に他の食品からも摂れます。なにもカフェインを含んでいるコーヒーから摂る必要はないように感じます。
クロロゲン酸豊富な、カフェインフリーのコーヒーなら『たんぽぽ』コーヒーです。また、桃の詳しい機能については『桃』をご参照ください。
コーヒーには発がん性はない
2016年6月16日、WHO(世界保健機関)の国際がん研究機関(IARC)は、コーヒーには発がん性がないことを報告しました。
特に、すい臓がん、女性乳がん、前立腺がんへの発がん性はないことを明記しています。肝臓がんと子宮内膜がんについては、発症リスクを軽減すると報告しています。その他のがんについては、十分な調査研究がなされていないため不明としています。
詳しくは、IN YOUに提供した記事『衝撃ニュース!米国カリフォルニア州の高等裁判所がコーヒーショップに「発がん物質使用の警告文」の掲載を命令。その真相は?!』 をご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートの感想
個人的にはコーヒーは、脳・神経・免疫機能には善で、消化器官・心・副腎には悪のような印象をもちました。
マイナス面をみると、コーヒーが悪く影響する体内ホルモンは、多くが副腎で造られるステロイド系のホルモンだと気がつきます。
- コルチゾール ⇒ ストレス ⇒ 副腎疲労
- 女性ホルモン ⇒ 女性特有の疾患は、女性ホルモンバランスの乱れによって起こる
- 男性ホルモン ⇒ 男性特有の疾患は、男性ホルモンの乱れによって起こる
特に、ストレスの多い環境にいる、副腎に負荷がかかっている状況にいる人は、控えた方が良い飲み物かもしれませんね。オフィスとコーヒーって切り離せないような関係なのが悩ましいですけど・・
一方で、私達の心の状態に影響しているモノアミン系のホルモン(ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなど)の分泌は促進させるようですね。面白いです。
コーヒー、深いっす。
さて、あなたは、コーヒーを飲みますか?飲みませんか?
食は、何であっても「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと思います。1か0か、飲むか飲まないか、といったデジタル思考で考えるのはお勧めしません。
何事もほどほどが大切ってことだと思います。
私は、外食した時は、コーヒー飲んでも良いことにしています(笑)
ちなみに、コーヒーのカフェイン量については、『一般的な飲料に含まれるカフェイン量』をご参照ください。
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参考文献:
- “Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes”, Poole R, Kennedy OJ, Roderick P, Fallowfield JA, Hayes PC, Parkes J, BMJ. 2017 Nov 22;359:j5024. doi: 10.1136/bmj.j5024.
- “The effect of coffee consumption on insulin sensitivity and other biological risk factors for type 2 diabetes: a randomized placebo-controlled trial”, Alperet DJ, Rebello SA, Khoo E, Tay Z, Seah SS, Tai BC, Tai ES, Emady-Azar S, Chou CJ, Darimont C, van Dam RM, Am J Clin Nutr. 2019 Dec 31. pii: nqz306. doi: 10.1093/ajcn/nqz306
- “IARC Monographs evaluate drinking coffee, maté, and very hot beverages“, 15 June 2016, WHO, IARC PRESS RELEASE N° 244
- “Effects of caffeine on alertness”、Zwyghuizen-Doorenbos A, Roehrs TA, Lipschutz L, Timms V, Roth T, Psychopharmacology (Berl). 1990;100(1):36-9.
- “A comparison of the effects of caffeine following abstinence and normal caffeine use”, Merideth A. Addicott and Paul J. Laurienti, Psychopharmacology (Berl). 2009 Dec; 207(3): 423–431. doi: 10.1007/s00213-009-1668-3, PMCID: PMC2941158
- “Caffeine: How much is too much?”, Healthy Lifestyle, Nutrition and healthy eating, Mayo Clinic
- “Caffeine: Does it affect blood sugar?”, Answer From M. Regina Castro, M.D., Mayo Clinic
- “Coffee associated with lower mortality regardless of whether sugar is added”, ACP Internist Weekly | DIET AND NUTRITION | MAY 31, 2022
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング