マウンティングする女としない女|女の敵は女? ゲームのルールは自分で作ろう

2019/02/28/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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日経ウーマンオンラインが2019年2月をもって閉鎖されることとなり、それに伴い、2014年2月~2014年12月まで連載していた『なりたい自分になるNY流栄養学 ホリスティック美女講座』の記事をこちらに再掲しています。

なお、再掲したこの記事は、元の記事で散見された今では差別的とみなされてしまう可能性のある表現に修正を加えています。

2014年9月15日

ライバルを蹴落とす4つの手法

 競争心や攻撃性は、男性特有のもののように思われがちです。でも、80年代以降行われた同性間の競争行動に関する調査では、受け身的、調和的といった女性のイメージが間違っていることを指摘しています。女性も男性と同様に競争的で攻撃的あることが示されています。

 ま、そうですよね。

 心理学者のジョイス・ベネンソン博士によれば、同性間の競争は、異性を獲得するために本能レベルで起こり、競争の方法は、「自己宣伝」と「相手の卑下」の2種類に分類できるのだそうです。

 男性は自己宣伝の方法として肉体的能力と社会的立場を強調することが多く、女性は若さと容姿を強調することが多いとのことです。また、相手を卑下する方法として、男性は相手の肉体的な弱さや経済的な低さに言及し、女性は相手の年齢、容姿、性格をおとしめる傾向にあるそうです。

 確かに「○○さんって性格悪いよね」と言っているのは女性に多いように思います。男性が悪口を言う時は「○○は使えない」などが多いのではないでしょうか。

顔は笑っていても、心の中では火花を散らすなんてこと、心当たりがある方も少なくないのでは。

 でも、女性の社会進出が進み必ずしも女性間の争いが、異性をめぐるものだけでなく、男性間の争い同様に、あるポジションや役割や業務、社会的な地位や経済的な立場をめぐるものごとが含まれるようになった今、女性同士の戦いも、より複雑なものになっています。

 「自己宣伝」と「相手の卑下」に加えて、「ターゲット誘導」と「ライバル誘導」といった方法が活用されます。

 ターゲット誘導は、例えば、自分が狙っているターゲットが、競争相手と接触することがないよう、ターゲットの行動を誘導する方法です。具体的には、狙っている男性を、美人の友人には紹介しないとか、競争相手がいそうな場所に連れて行かないといった方法です。これをビジネスにおきかえると、ランチタイムに、自分以外の有能な同僚や部下のいそうな休憩室ではなく、別の場所に上司を誘うなどでしょうか。

 ライバル誘導は、例えば、狙っている男性の悪口をわざとライバルに伝え、ライバルがその男性に興味をもたないように誘導する方法です。ビジネスシーンでは、自分が狙っている業務やポジションについて、それがいかに割に合わない仕事かということを同僚に伝え、同僚がその業務やポジションに興味をもたないように仕向けたりすることですかね。

怖いことに女性同士の競争には、更に3つの特徴がある

ジョイス・ベネンソン博士によれば、女性は男性よりも次のような傾向が高いそうです。

1) ベールに包まれたような、間接的、陰湿な攻撃をする。

2) 仲間内での行動ルールなどを強要し、ひとりだけ目だった行動をとらないよう仕向ける。

3) 社交的な集まりやグループから競争相手を仲間はずれにする。これは、例えば、狙った男性に競争相手の悪口を直接伝えるのではなく、仲間に伝えることで競争相手を孤立させるという“間接的”な方法です。

 でもこれは、女性だけに見られる行動ではなく、現代社会の男性には同様の行動をとる人も少なくないように思います。それに、

同じ状況で他の女性を敵視する女性もいれば、そうでない女性もいる

その違いはどこから生まれるのでしょうか。

 『Mindset – The New Psychology of Success (マインドセット – 成功の新しい心理学)』の著者キャロル・ドゥエック博士は、人は「成長思考の人」と「固定思考の人」に分かれると言います。

成長思考の人と固定思考の人

 「固定思考の人」は、才能は生まれ持ったものであり、努力しても獲得できないものだと思っています。そのため、何事も初めから上手くできないことは、自分には向いていないと考え、努力しても無駄だと感じます。また、周りからの評価を重要と思っているため、失敗する可能性のある物事にはチャレンジせず、確実に成功する、上手にできることのみを好む傾向にあります。また、評価を下げないために嘘をつく傾向もあります。

 一方で、「成長思考の人」は、能力は努力によって獲得できるものだと思っています。そのため、当初上手くできないことでも、努力すればできるようになると思っています。努力せず簡単にできてしまう物事に退屈を感じ、直ぐには上手くできないことに興味をもちます。失敗することよりも、努力の結果、できなかったことが、できるようになる過程を好む傾向にあります。たぶん、サッカー日本代表の本田選手は、究極の「成長思考の人」なんでしょうね。

 更に、「成長思考の人」は、他者の成功に触発されて自分も成功したいと感じます。他者の成功を喜び、自分もそうなりたいと感じ元気づけられます。そのため、「成長思考の人」は、自分よりも優秀な人の中にいることを好みます。知的な刺激を受けるからでしょう。結果、潜在能力以上の能力を発揮するようになるそうです。

 一方で、「固定思考の人」は、他者の成功は、自分の負けだと感じます。他者の成功は脅威であり、喜ぶことができず、嫉みを持ちます。そのため、「固定思考の人」は、自分が容易にできる分野にのみとどまることを選択し、自分と同等か劣っている人達に囲まれて過ごすことを好みます。安心感が得られるからでしょう。結果、潜在能力を十分に発揮できないことが多いそうです。「イエスマン」を好む上司がこのタイプらしいですよ。

博士によれば、「固定思考の人」の根底には、「賢く見られたい」という欲求があり、「成長思考の人」には「学びたい」という欲求があるそうです。そうした欲求が、行動や選択の違いに現れてくるのです。

 そうやって考えてみると、女性同士の競争の特徴として挙げられていた、『目立った行動をとらないよう仕向ける』や『仲間はずれにする』といった行動は、「固定思考の女性」が選択する方法のように思われます。

 自分よりも賢そうな女性、成功しそうな女性、魅力的な女性から触発されて自分も努力するのではなく、相手を抑えこむことで、自分の立場や安心感を守ろうとしているのですよね。

 でも、そうした攻撃は、競争相手も「固定思考」の時には効果がありますが、「成長思考の人」の時には、努力すれば乗り越えられるチャレンジと受け止めて、ヒラメキを与えてしまいますから、逆効果です。

 幸いなことに、ドゥエック博士によれば、「固定思考」と「成長思考」は、努力によって変えることができるそうです。

固定思考を成長思考に変える方法

1.賢さは、ミスから学ぶ能力の中にある

 「固定思考の人」の特徴は、テストの点数の良し悪しだけに興味があり、なぜ間違ったのかを見直し復習することに興味がないことです。成長機会や学習機会を自ら逃しているのです。そのため、ミスを繰り返します。

 ミスは「賢い」自己イメージにとって脅威となりますから、繰り返さないためには、「私はその仕事に向いていない」と、様々な理由をつけて、一度失敗した仕事を嫌がるようになります。

 ミスの指摘は、相手からの攻撃なのではなく、学ぶ機会が与えられたと考えましょう。ミスをしてしまった仕事や物事を避けたり嫌ったりする前に、そこから何が学べるのか考えてみましょう。そして、どうしたら、同じミスをせずに済むのか考えてみましょう。その思考訓練が大切です。

2.「賢くいる(be)」ことよりも「賢くなろうとする(becoming)」ことが大切

 「固定思考の人」は、ミスは無能の証明だと思っているので、ミスをしても自分の非をなかなか認めようとはしません。天気のせい、体調のせい、環境のせい、同僚のせい、上司のせい、部下のせい、家族のせい、様々な理由をつけます。

 自分よりも優秀と思われる人に出会うと、「そいつのせいで」自分が目立たない、「そいつさえいなければ」私は一番のはずと考えるわけです。それが、悪口をでっちあげたり、仲間外れにしたりする行動につながるのでしょうね。

 「そいつのせいで」と考える前に、何を前向きに努力したら自分は相手を超えられるのか考えてみましょう。あなたの強みは何ですか?あなたの魅力はなんですか?それを最大限に活かす方法、それを最大限に伸ばす方法を考え、実践しましょう。

3.ゲームのルールは自分で作る

 ケイタイ電話が普及し始めた頃の話です。NTTから派生したdocomoの加入者はもともと非常に多く、当時人気爆発していた織田裕二さんをCMに起用し、ビジネスマンを中心に加入者を急増させていました。加入者数が最も少なかったのはソフトバンクの前々身のJ-PHONEでした。競争の勝敗は加入者数で決まると皆が思っていました。

 でも、当時、基地局のキャパが加入者増加に間に合わず、加入者が急増しdocomoは、東京23区でもつながらないことが多くなっていました。一方で、加入者が少ないJ-PHONEはいつでもつながりました。

 J-PHONEは、当時まだほとんど無名だった藤原紀香さんをCMに起用し、ダイナマイトバディにセクシーな衣装を着た彼女が都内を走りまわる映像を流し、「どこでもつながる」と彼女に言わせました。加入者数が少ないという負け要件を、「だからどこでもつながる」という競争優位の条件に変えたのです。

 更に、当時、ケイタイ利用はビジネス用で男性が主流だという固定認識がありました。そのため、どこの会社も男性を取り込む競争をしていました。でも、J-PHONEは、無名の藤原紀香さんを起用し、「あの美女は誰だ?」という話題と共に、誰も価値を見出さなかった女性を多く取り込むことに成功しました。男性客数が勝敗ルールだったところに、女性客数ナンバー1という競争をしかけたのです。

 ゲームのルールは、自分で作ればいいんです。世の中が作った優劣や勝敗ルールの中で戦う必要はないんです。「固定思考の人」の、「周囲から賢く見られたい」という意識は、ゲームのルールを周囲にゆだねてしまっているようなものです。ちなみに当時2番手だったauはdocomoとの契約が切れた織田裕二さんをCMに起用し、docomoと同じ路線で二匹目のどじょうを狙いましたが失敗に終わりました。業界2位はどうしても1位を意識してしまい、同じ土俵で勝負しようとして自分らしさを見失ってしまうのが敗因ですね。

 自分が弱点だと思っている物事の中に、新しい勝利のルールが潜んでいるのかもしれませんよ。

 誰かと競争をするような状況になった際には、是非、相手を疎外したり、誹謗中傷したりする方法ではなく、堂々と、ご自分の容姿や能力を伸ばすことで競争することを考えてみてくださいね。また、仲間とグループを作るのであれば、誰かを疎外するためのグループではなく、お互いの目標や夢を実現するためのサポートをお互いに提供できる、お互いを支え合うポジティブ・エネルギーが溢れるグループを作ってくださいね。

 相手の成功は、あなたの負けではありません。

 あなたはあなたのゲームのルールで、能力の最大化を図ればいいんです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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【参考文献】

  1. Feminine Foes: New Science Explores Female Competition”, Noam Shpancer, Ph.D., January 26, 2014
  2. Mindset – The New Psychology of Success”, Carol S. Dweck, Ph.D., 2006
  3. Mindset – the new psychology of success at Happiness & Its Causes 2013”, Carol S. Dweck, Ph.D., 10/20/2013
  4. Warriors and Worriers: The Survival of the Sexes”, Joyce Benenson Ph.D., February 5, 2014, Oxford University Press

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング