フェンネルは胃腸の不調には欠かせない中世代替医療の母も使っていたメディカルハーブ

2016/03/15/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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古代ギリシャや中世から用いられてきた薬草

最近、ヨーロッパ野菜に注目が集まっています。

その中でもメディカルハーブとして食事に取入れて欲しいのがフェンネルです。日本でも手に入りやすくなりましたね。

ギリシャ神話には、

「神から人間に知識を継承するための(じん、核)がフェンネルにはあり、
その仁は甘草アニスのような美味である」

と書かれています。

確かにフェンネルは、甘草と同じ種(しゅ)に属していて、甘草に似た味や香りを持っています。そのため、フェンネルを大好きな人がいる一方で、フェンネルが苦手な人も多く、好き嫌いが分かれるハーブです。

また、中世ドイツ、修道院長として薬草学の研究を行い、その他様々な功績によって、近年、ローマ法王から聖女として認定された聖ヒルデガルト・フォン・ビンゲンも

「健康を維持するための多くの栄養価を蓄えた野菜であり、
毎日食べれば目の衰えにも効き、再びはっきり見えるようになる。
不快な胃腸にも効き、人を陽気にさせる」

と書いています(出典:『ドイツ修道院のハーブ料理』、著:野田浩資)

フェンネルの球根も茎も葉も芽も種も食べられる

フェンネルは、セロリパセリディルキャラウェイ(姫ウイキョウ)そして人参と同じ種(しゅ)に属していて、根(球根)も食べることができます。

フェンネルが苦手という人も、フェンネルの効能を知ったら、ちょっとだけなら食べてみようかな?と思うかもしれません。

フェンネルの機能

フェンネル

フェンネルに含まれている揮発性成分が、フェンネルの主な薬効成分です。

  • アネトール
  • リモネン
  • アニスアルデヒド
  • ピネン
  • ミルゼン
  • フェンコン
  • チャビコール
  • シネオールなど、

(裏付けとなる研究論文を最後に参考文献として一覧にしています)

腸内のガス溜り・消化不良解消

フェンネルは、ギリシャ、エジプト、中国、そしてインドなどの古代文明時代から、腸内のガス溜りや消化不良などの改善に用いられてきたハーブであり、スパイスであり、野菜です。

現代でも、フェンネルは、駆風剤(腸内のガスを排出させる薬)として知られています。薬草学では、ガス溜りやゲップ、胃腸の膨満感を解消する最も効果のあるハーブのひとつとされています。

インド料理店のレジ横で、小さなボウルに入れられた種を見たことがありませんか?それがフェンネルです。食後にフェンネルの種を噛むことで、口臭予防になるだけでなく、消化を助ける働きがあることから、インドで行われている習慣です。

大腸炎の不快感・痛みの解消

フェンネルの種は、胆汁の分泌を促し、胃痛や大腸の緊張を緩和します。

コーン病大腸炎IBS(過敏性腸症候群)などの重篤な大腸の病気に対しても、それによって生じる不快感や痛みを緩和するために医療としても処方されるんですよ。

抗がん作用

特に、フェンネルの種に含まれている精油成分のアネトールには、癌予防になることが期待されている抗炎症作用が報告されている他、抗酸化作用のあるケルセチンも含まれているので、抗がん剤を飲んでいる人や放射線治療を受けている人の副作用の緩和に効果があると言われています。

特に、乳がん肝がんに効果があったと報告されています。

また、ケルセチンは天然の抗ヒスタミンなので、花粉症の症状の緩和にも良いですよ。

関節痛・筋肉痛の緩和、眼精疲労の解消

その抗炎症作用によって、関節痛や筋肉痛の緩和、眼精疲労の解消にも役立ちます。

フェンネルの種の粉末(7g/カプセル)を1回2つを1日2回(1日合計4カプセル)を2週間飲み続けた変形性関節炎の被験者は、西オンタリオ大学およびマクマスター大学による変形性関節症指数(WOMAC)と視覚的アナログ尺度(VAS)に基づく疼痛で、プラセボ(偽薬)群と比較して、大きく改善したことが報告されています。

利尿作用(ムクミ解消)

更に、フェンネルには、マイルドな利尿作用があることも知られています。ムクミ改善になります。余分な水分だけでなく、毒素も排出します。

フェンネルには、ビタミンCカリウム食物繊維も豊富です。

女性ホルモンのバランス不調による諸症状の解消

古来欧州の魔女の知恵によって、昔から、フェンネルには、母乳の出をよくしたり、お産を楽にしたと言われてきました。

実際、PMSの緩和や、月経過多更年期症状の緩和に効果が認められると報告されています。

また、女性なのに男性の様なヒゲが生えてしまう突発性多毛症の症状改善にも効果があると報告されています。

視力改善効果については微妙・・

聖ヒルデガルトはフェンネルの視力改善効果について述べていますが、それを裏付ける、近代に入ってからフェンネルを用いて行われた視力についての臨床研究について見つけることができませんでした。

唯一見つかったのが、フェンネルの精油に眼内圧を低下させる効果があったという報告です。眼内圧の上昇にはいくつか原因(カフェイン摂取、高血圧、角膜が厚い人)がありますが、近視も眼圧が上昇する原因のひとつなので、そういう意味においては、眼圧を下げることで、近視が改善する可能性は否定できません。でも、この研究は、直接、視力改善効果を測ったものではなく、眼圧を測っているだけなので、視力改善については、あくまでも推察されるにとどまります。

糖尿病による視力低下の改善にフェンネルに効果があるかについても、現在検証中とのこと。

フェンネルの使い方

フェンネルは、イタリアン料理やフレンチ料理、そして地中海料理のレシピで、魚料理ソーセージマリネ、サラダドレッシングなどによく用いられます。一般的な使い方をいくつかご紹介します。

フェンネル・オレンジ・ラベンダーミルクティ

材料:

  • 紅茶葉(アールグレイかオレンジフレーバーが良い) 1カップ分
  • カシューミルクかココナッツミルク 1カップ
  • フェンネルの種 大さじ1杯
  • 粉末カルダモン 小さじ1杯
  • ドライ・ラベンダー 小さじ1杯
  • オレンジの搾り汁 1個分
  • メープルシロップ お好みで

作り方:

  1. 鍋に紅茶以外の材料を全て入れて、弱火でゆっくり混ぜながら5分ほど煮出す
  2. 紅茶葉に1.を注ぎ、ミルクティにする
  3. お好みでメープルシロップを加えたり、オレンジの輪切りと一緒にどうぞ

エストラゴール(発がん成分)について

なお、フェンネルの種を煎じてフェンネル茶にすると、フェンネルに含まれているエストラゴールという発がん性成分が漏れ出すことがかなり前に報告されましたが、その後の研究により、フェンネルに含まれている他の成分との相互作用によって、エストラゴールの効力は失われることが報告されていますので、安心してフェンネル茶を飲んでくださいね。

もし本当に発がん性があるなら、ギリシャやエジプトやインドや中国の古代文明が共通して薬として用いてきたわけがないですよね。現代科学が古代人の知恵をやっとで証明できたって感じでしょうか。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

西洋科学は成分を独立した個として研究することに優れていて、そこに意義もあると思いますが、現実的には物事は、それ一つだけ独立して存在していることはほとんどありません。ホリスティック哲学の第一定義「個は、独立して存在せず、取り巻く全てとつながっている」そのものですし、東洋医学で言えば身土不二(しんどふぢ)であり、第二定義「全体は個の総和よりも価値がある」、つまり、一物全体(いちぶつぜんたい)すね。

ですから、食品も、その効能を考える時、ホールフード、丸のままに、ホリスティックに考えないといけないってことです。例えば、葛根湯が良い例です。そのひとつひとつの成分には風邪に効くものはひとつもないのに、5つ合わさると解熱効果や風邪の諸症状の緩和に効果をもつわけですから、ひとつの成分だけ独立した時の作用だけで効能や毒性を考えちゃダメですね。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング