翻訳シリーズ|腸内細菌はどのように私達を定義し形成し癒しているのか

2015/05/01/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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マイクロバイオーム(共生細菌のDNA)の研究で世界をリードするロブ・ナイト博士が、2015年4月7日のご著書『Follow Your Gut: The Enormous Impact of Tiny Microbes』の出版にあわせて、TEDにそのご著書の骨子を『HOW MICROBES DEFINE, SHAPE AND MIGHT EVEN HEAL US』として、執筆されていました。

炎症性大腸疾患肥満症アレルギー喘息と細菌との関連性についてそれぞれ解説されています。また最後にお子さんをもつ親/保護者へのメッセージも掲載されています。どのようなライフスタイルなら、免疫システムの過剰反応を起こさない子供に育てられるかについてです。

英語のみでの掲載でしたから、骨子版を和訳することにしました。

なお、ソフィアウッズ・インスティテュートは、ロブナイト博士による腸内細菌に関する特別コースから修了証をいただいています。

筆者:Rob Knight 2015年4月7日
翻訳:森 智世 2015年4月14日

病原菌を除去すれば治療になるわけではない

私達を定義し形成しているマイクロバイオーム(共生細菌のDNA)の新しい威力が発見される度に、科学者としても人間としても驚愕することの連続です。しかし、私が最もわくわくするのは、マイクロバイオームに影響を与えられることが判明したことで、マイクロバイオームによって私達を治癒できる可能性の展望です。

我々は、既に共生細菌と、特定疾患の幅広い症状とを関連付けることを始めています。感染症や大腸炎などの分かりやすい疾患から、意外なもの、例えば多発性硬化症(MS)や自閉症、うつ病などとの関連性にまでです。

ここで明確にしておきたい大切なことは、特定の病気にある細菌が関係していることが判ったとしても、その菌を取り除くこと、ただそれだけで治療になるわけではないということです。実際、そうすることで、修復不可能なダメージが起こる可能性もあります。食事内容を変更したり、ある酵素(ある成分の作用を加速させるタンパク質)を抑制したりすることの方が、細菌を直接攻撃するよりも効果があることがあります。

マイクロバイオームがこれほどまでにわくわくさせるのは、既存の治療法が効かない症状を治療できる新しいメカニズムの発見になるのではないかという期待があるからです。

基本的に全ての感染症への罹患性は遺伝子構成で大体決まる

しかしまず、考えてみましょう。

特定の細菌が特定の病気と関連していると知るにはどうした良いのでしょうか?

最も簡単なケースを想定すると、過去150年間におよぶ感染症に関する研究成果から、ひとつの特定細菌が健康に重要な影響をもっていることを知ることができます。

例えば、サルモネラ菌やジアルジア菌、ヒト結核菌などと接触したら病気になることが予測できます。そして、適切な抗生物質(あるいは、他の薬)で治療を受ければ治ることも予測できます。

でも、ちょっと待ってください。

菌に接触したら常に発病するのでしょうか?

私達が発病する確率は、接触の度合いや遺伝子構成とその他の要因によります。特定の病気に対する耐性を生まれながらに持っている人々もいます。

腸チフス・メリーについて聞いたことがある人もいるでしょう。

20世紀初頭のニューヨークに住んでいた料理人で、腸チフスを起こす菌の保菌者だった彼女は、素晴らしい最高の料理、でも最悪の菌で味付けられた料理で次々と多くの家族を感染させていきました。しかし、メリー自身は、一度も発病したことがありません。彼女は体内の菌に対する先天的な免疫をもっていたのです。

そうした耐性はどこから生まれるのでしょうか?

こうした疑問が、研究者の間でマウスを用いた研究が人気になった理由です。今ではより倫理的な方法でマウスを感染させることができるだけでなく、遺伝子操作もできるようになりました。

こうした研究から、基本的に全ての感染症への罹患性(感染しやすさ)は、遺伝子によって大体決まるということを我々は学びました。腸チフス・メリーのマウス版を実験室で創り出すことは簡単です。腸チフスだけではありません。他の幅広い細菌感染について可能です。これは、私達ひとりひとりがどの細菌で病気になるのかに遺伝子が影響している証明です。

全員同じ細菌に接触しているのに、特定の人だけが危険になる病気が他にもたくさんある可能性に、我々は次第に気がつき始めています。ただ、その理由を解明するためには、もっと多くの研究が必要です。

腸内細菌が一役かっている疑いが既にある主要な病気についてご紹介しましょう。

炎症性大腸疾患

炎症性大腸疾患(IBD)は、消化管の炎症をともなう病気全般に使われる汎用語です。IBDに分類される大きな疾患には、潰瘍性大腸炎とコーン病があります。これらの疾患に共通なことは、腸内細菌と免疫システムとの関係が変容してしまっているということです。

私達の免疫システムは、ジョン・デリンジャー(20世紀初のシカゴのギャング)を追い詰めるFBIではありません。銀行のカウンターを乗り越えてお金を袋に詰め込む奴が現れた途端、パニックになって銃を乱射し始める銀行のガードマンなのです。

免疫細胞が病原菌を狙おうとして、腸内全ての共生細菌に対して宣戦布告してしまうのです。激しい痛みや出血、頻繁なトイレ使用は、戦争の付帯的損害、巻き添えによって起こる症状です。

免疫細胞の興味は細菌の挙動の善悪

免疫細胞には、どの細菌が善玉菌なのか悪玉菌なのか、あまり興味がありません。細菌の挙動が善いか悪いかに興味があります。

興味深いのは、患者の体内では、共生細菌が正常な挙動をしていないことです。腸内細菌の代謝はオフ状態で、通常とは異なるものを食べ排泄しているのです。

この挙動の変化が、免疫反応によって引き起こされているものなのか、腸内細菌自体の不全によるものなのか、我々にはまだ判別できていません。

共生細菌の種類の変容

これらの疾患に典型的なサインは、特定の細菌の繁殖と増殖です。しかし、腸内細菌の種類が変化することによって炎症性大腸炎が起こるのか、共生細菌と免疫システムとの関係を遺伝子が壊すことによって起こるのか、共生細菌の種類の変化はその結果に過ぎないのか、まだ判明していません。

きっと両方の要因の組み合わせによって起こるのだろうと思っています。

シリアック病/セリアック病

シリアック病は、炎症性大腸炎と免疫システムによる要因の両方に関連性をもっています。シリアック病患者が、小麦製品を食べると、小麦の中の天然グルテン(タンパク質)が、免疫システムを起動させ、腸壁を攻撃し粉砕してしまいます。(シリアック病については『シリアック病をご存知ですか?』をご確認ください。)

シリアック病は、紀元前、100年か200年のカッパドキアに住んでいたギリシャ人医師アレタイオスによって発見され命名されたものが起源です。しかし、第二次世界大戦中、小麦が不足していた「飢餓の冬」での生存者にシリアック病患者が多かったという、オランダ人医師ヴィレム・カレル・ディッケの観察が発表されるまで、広く知られることはありませんでした。(ディッケ医師はグルテン・フリー・ダイエットのパイオニアです。)

シリアック病がマイクロバイオームと関連しているかどうか激しい関心が寄せられています。しかし、今のところ、十数本の研究が行われていますが、腸内細菌とシリアック病を関連づける安定的・均一的な傾向は見つかっていません

多くの研究が、シリアック病患者と健常者のマイクロバイオームは異なることを発見しています。しかし、シリアック病患者内で発見された腸内細菌は、研究ごとに種類が異なるのです。明らかに、パターンは複雑だと言えます。

腸内細菌がシリアック病に関係しているのか、単にシリアック病患者のグルテン・フリー・ダイエットに反応しているだけなのかを理解するためには、更に多くの研究が求められます。

肥満症

2008年のペルー旅行まで、私は今よりもかなり重い体重でした。

妻のアマンダと私は、インカのトレイルをハイキングし、アマゾンで1週間過ごしました。その際、私達二人とも、ものすごいひどい下痢にかかってしまいました(テント住まいの時には、なりたくないものですね)。回復したかと思ったら、また下痢になるの繰り返しでした。治すために、とりあえず二人とも同じ抗生剤を飲みました。帰国後には、旅行に行く前と同じ食事と運動習慣に戻ったのですが、私だけ、約2か月後に体重が約40キロも減ったのです。肥満体型が健康的な体重になったのです。

変化は驚くべきものでした。私は新しいズボンを買わなければなりませんでしたし、同僚は私を部屋の隅に呼んで「がんか?」と尋ねましたし、でなければ「何か知っておくべきことはないか?」と心配してくれました。

一方、アマンダの体重はまったく変わりませんでした。この違いは、私の腸内細菌が極端に変化したことに関係しているのではないかと信じています。私達夫婦は、同じ病気と同じ治療に対して、異なる反応を示したのです。

肥満症には腸内細菌性の大きな要因が存在

もちろん、一組の夫婦の体験をもって、何か科学的な結論を導くことはできません。しかし、私の体験は、最近、発表が増加している研究論文の内容を映しています。

肥満症には、腸内細菌性の大きな要因が存在することが判り始めています。腸内細菌をもたない正常体型のマウスに、肥満症のマウスの腸内細菌を移植すると太り始めます。不健康な食事で肥満になったマウスの腸内細菌を使っても、遺伝子異常によって肥満症になったマウスの腸内細菌を使っても、同じ結果を生みます。

肥満症が起こるのは本当に腸内細菌のせいなのか、便の中にある他の物質が原因なのではないかと、あなたは疑問に思うかもしれません。

良い疑問です。

この疑問に答えるために、ワシントン大学セントルイス校医学部のゲノムサイエンスとシステムバイオロジー・センターのセンター長であるジェフリー・ゴードンと彼のリサーチチームは、ひとつの個体の共生細菌を何百もの独立した系統に分類し、各系統ごとに(その他の糞内成分を取り除き)培養し、その後、再びオリジナルの構成比で混合し、質量の差分を新しい別の個体に移植できるか検証しています。

もちろん、移植は可能だったのですが、それによって体重増加は腸内細菌によるものであること、ウィルスのせいでも抗体のせいでも化学物質や糞内の他の成分のせいでもないことを突き止めることができました。

更に素晴らしいことは、やせ型の腸内細菌を特定できたことです。肥満症のマウスといっしょに飼うと、通常起こる正常マウスの体重増加が起きなくなる腸内細菌コミュニティ(構成)をデザインできるようになります。

私の研究室を含め、他の研究室は、まだ、マウス(あるいはヒト)の体型をスリムにできる腸内細菌コミュニティをデザインするに至ってはいません。しかし、それがひとつの目標であることに間違いありません。ただ、他の研究グループは、未発表のリサーチですが、高脂肪の食事で増殖する腸内細菌のみを攻撃する抗生物質を使用することで、不健康な食事を継続していても、マウスの体型をスリムにすることに成功したと報告しています。

多くのファッド・ダイエット(一過性の流行ダイエット)が、今や、マイクロバイオームを改善することを目的にしています。しかし、それらのファッド・ダイエットの効果を示す証拠は、限定的です。どの腸内細菌が、理想的な結果を生む消化と吸収に影響を持っているのか、まだ十分に判っていないからです。

体重減少と最も関連性の高い食品は高脂肪

ハーバード大学の研究者は、2011年の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に体重増加と体重減少に関係している食品を発見したと発表しました。しかし、奇妙なことに、体重減少と最も関連性が高いとされた2つの食品はヨーグルトとナッツでした。両方とも脂肪含有率が高い食品です

いったい何が起きているのでしょうか?

腸内細菌が一役かっていると考えられます。マウスの実験から、特定の腸内細菌あるいは腸内細菌の組み合わせが、体重の増減に関係していることを我々は既に知っています。

1年以上の食事傾向が腸内細菌の構成と関係

では、体型をスリムにしてくれる特定の食品と腸内細菌の組み合わせはあるのでしょうか?

何を食べるのかによって、ある腸内細菌には住み心地がよく、ある腸内細菌にはそうでもないという環境を作ることができ、腸内細菌の構成を変化させることができるという証拠が多く存在しています。

ペンシルベニア大学消化器病学のゲイリー・ウー教授は、1年以上の長期に渡る食事傾向とマイクロバイオーム全体には強い相関関係があることを示しました。

炭水化物(パスタ、芋類、砂糖)を多く食べる人には、プレヴォテラ門に分類される菌が多い傾向にあることを示したのは、彼の研究チームです。逆に、タンパク質、特に肉類を多く食べる(典型的な米国型食生活の)人には、バクテロイデス門の菌が多い傾向があります。

この2つの腸内細菌の門は、私達が食品を消化し代謝することを助ける働きをしていますが、それぞれ異なる食品を好むようです。

肥満症や糖尿病のように典型的な西洋諸国の病に、バクテロイデス門がどのように関係しているのかを解明するには至っていませんが、因果関係を示唆する相関関係がいくつか存在しています。

腸内細菌構成を素早く変更する食事

細菌構成を素早く変更できる食事傾向はあります。

食事を変えることでより健康的でスリムなマイクロバイオームを
私達自身で育てられると考えるとわくわくします

当時ハーバード大学でシステム・バイオロジストをしていたピーター・ターンボーと彼の同僚達は、ヴィーガン食(動物性食品を一切含まない食事)か、肉とチーズのみの食事で過ごしてくれるボランティアを募集しました。ヴィーガン食は、腸内細菌を短期間に変化させることはありませんでした。しかし、肉とチーズ食は一晩で大きな変化をもたらし、心疾患との関連性が指摘されているバイロフィラ門菌が増加させました。

つまり、十分に極端な食事は、悪い影響を素早く起こすということです。今後の疑問は、善い影響を素早く起こせる食事はあるのかということです。

アレルギーと喘息

腸内細菌の多様性の低下が、喘息とアレルギーにつながっているという考えは、ロンドン大学セント・ジョージ・ホスピタル医学部のデイヴィッド・ストラッチャン医師の研究にさかのぼります。

1980年代後半、大家族の末の子供達は、花粉症やアレルギーを発症する率が低いことに気づき、年上の兄弟姉妹から病気(特に小児に特有の感染症)をうつされることで、免疫システムが真の侵略者を見極められるよう、ホコリ等を誤認しないよう、訓練されるのではないかとの仮説を立てました。

この仮説は、「衛生仮説(hygiene hypothesis)」として知られており、あまりにクリーンな環境は免疫系に問題を起こす可能性があることを示唆しています。人間と共に進化してきたバクテリアやウィルス性の病原菌に晒されることのない、暇になった免疫システムは、落ち着きを失ってしまうという仮説です。

ストラッチャンの時代の注目は、当時、非常に有害だと認識され一般的だった感染症、例えば、麻疹、風邪、インフルエンザなどでした。しかし、現代の衛生仮説は、土や葉の表面、家畜や野生動物に至る健康的で多様な細菌源から隔離され、完全な衛生環境で育つ子供時代に注目しています。

免疫システムはラジオの様なもの

この仕組みを理解するためには、免疫システムをラジオだと考えてみると良いでしょう。

ラジオは、特定のステーションにダイヤルを合わせれば、はっきりと音楽を聴くことができます。でも、ダイヤルがステーションとステーションの間にあると、ランダムな電波が不快なノイズを発生させます。同様に、私達の免疫システムは、シグナルが皆無の環境では、何か別のものにロックオンしてしまう可能性があるのです。

あなたがラッキーなら、ノイズの中から花粉だったりピーナッツ・バターだったりに限定してアレルギーを起こすかもしれません。でも、アンラッキーなら、免疫システムは自己の細胞にロックオンし、I型糖尿病や多発性硬化症(MS)などの自己免疫疾患を起こす可能性もあります。

お子さんをもつ方々へ

だからと言って、子供達に腐りかけの肉を食べさせたり、病院の床をなめさせたり、凶暴なコウモリに近づけたり、有害な病原菌に暴露させたりして、子供の免疫システムを鍛えようとしてはいけません。

そうではなく、現代の衛生仮説は、次のように考えています。

土に住む善い細菌や健康で多様な人々や動物と触れ合わせることが、
有効な予防医療になる

証拠はあるのでしょうか?

証拠は増えつつあります。2014年以降に発表された論文の4つに一つ以上がその証拠を示しています。

ミュンヘン大学の子供病院のエリカ・フォン・ムチウス医師は、この分野のパイオニアです。彼女は、幼少期における農業体験が、アレルギーと喘息の発症リスクを有意に減少させることを示しました。この効果は、藁(わら)、牛、搾りたてのミルク、特定の細菌やカビと接触のあった子供達によって説明されています。

ではハウスダストにまみれた家はどうなのでしょうか?

部屋を一生懸命掃除しても除ききれない鼻を刺激する様々な物質はどうなのでしょうか。

私達の期待とは裏腹に、フォン・ムチウス医師等は、ホコリや猫の毛などのアレルゲンとの接触が、喘息を発症させることを科学的に説明することはできないことを指摘しています。

腸内細菌とアレルギーの研究

その他の有力な、しかし、まだ初期段階にある研究の成果は、次の事柄を示しています。

最近発表された、いくつかの興味深い発見は、幼少期だけにとどまらず、妊娠中における細菌との接触が、アレルギー性疾患を減少させるために重要である可能性を示しています。

しかしながら、十分な警告も必要です。なぜなら、マウスの実験では、妊娠中におけるウィルス感染のみならず、ウィルスによる刺激のみによっても、自閉症と酷似した症状を誘発することが報告されているからです。

母乳の効果はあっても軽微

母乳を与えることが、こうした病気の発症を減少できるかどうかのデータは、いづれも効果があったとしても軽微だとする報告がほとんどで異句同言です。

ソフィアウッズ・インスティテュート補足

これをナイト博士が執筆されたのは2015年のことです。今年(2023年)7月にサイエンス誌『ネイチャー』に母乳に含まれているオリゴ糖にアレルギー疾患の治療効果があるという研究論文が発表されています。(最後に参考文献として掲載しています)

自然環境との隣接

興味深いのは、単純に、多様な細菌が存在する環境(例えば、公園から離れた都心の集合住宅よりも、裏庭がある家など)に住んでいるだけで、アレルギー疾患のリスクを減少できることです。

屋内の環境も重要

もちろん、私達の体内環境は、屋外の環境からだけでなく屋内環境からも影響を受けることは明確です。

犬を飼う

犬との早期の接触、特に妊娠中と生後1年以内での接触は、その後のアレルギーの発症リスクを低減させるようです。

驚くべきことは、子供を持つよりも、犬を飼うと同居しているカップルの腸内細菌の多様性が向上することを我々はつきとめました。

一方で、ティーンエイジャーになってからの犬や猫との接触は、喘息や肌湿疹のリスクを高めてしまうことも判ってきました。

ロブ・ナイトからのアドバイス

こうした初期の証拠を全てまとめて、あなたの子供の喘息やアレルギーリスクを低減させる処方箋を書くことは、簡単ではありません。私なりのアドバイスをまとめるなら、こうです。

  • 犬を飼いましょう(でもできるだけ早い時期に、理想的には妊娠中に)
  • 農場に住みましょう、子供を牛や藁(わら)に接触させましょう
  • 幼少期の抗生物質の使用は避けましょう
  • プロビオティクスを食べましょう
  • 母乳で育てましょう

最後の2つは、まだ証拠が確定していないのですが・・。

一般的に、年上の兄弟姉妹やペット、
古き良き時代の外で遊ぶことを通して、
多様な細菌に接触することは有効に思われます

科学者は、未だ、どの特定種の腸内細菌が重要なのかを突き止められてはいません。しかし、多様性そのものが、最も重要なのかもしれません。

原典:”HOW MICROBES DEFINE, SHAPE AND MIGHT EVEN HEAL US“, Rob Knight, 04/07/2015

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

ご参考まで『腸内細菌の構成は遺伝と食事のどっちで決まる?』もご覧いただければ嬉しいです。

また、子供のアレルギー疾患の原因と治療については『子供の食物アレルギー』をご参照ください。腸内細菌と自閉症との関係については『自閉症』をご確認ください。更に、炎症性大腸炎と腸内細菌に関する最新情報は『炎症性大腸炎と腸内細菌の栄養戦略』をご確認ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、統合食養学のボディエコロジーの考え方に沿って、腸内環境の整え方や腸内細菌の役割や働く仕組みなどについても詳しく教えています。

また、アレルギー改善と予防の食事とライフスタイルについても教えていますよ。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング