


バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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近頃、ビーツをよくみかけるようになりましたね。
スーパーフードとして、最近になって海外から輸入されるようになったお野菜かと思っていましたが、ちゃんと和名もあって、「火焔菜(カエンサイ)」と言うそうです。
しかも、江戸時代の初期頃には、もう日本にあったそうです。ビックリ。
甜菜糖の原料となる甜菜と同じ仲間なので、お野菜としては甘いです。
また、アカザ科フダンソウ属というグループに属するお野菜なので、スイスチャード(和名:不断草、フダンソウ)と同じグループです。このグループは、色鮮やかで華やかなお野菜たちのようですね。



色鮮やかと言えば、ビーツの赤紫色は強烈です。
合成着色料なんて使わなくても、お料理を可愛らしく、ピンク色や赤色にしてくれるのでお料理が楽しくなるお野菜ですよね。
これは、ビーツで可愛らしくしたポテトサラダ♡
そこで、
- まだ使い方がよくわからない
- あのちょっと泥臭い味が苦手
と、いう人のために、下処理方法を、そして、ビーツがアカザ科のお野菜だから、調理する上で気をつけなければいけないこと等お伝えします。
が、その前に、
ビーツのあの赤紫色がすごいって話をしたいと思います。
ビーツの赤紫色がすごい



ビーツのあの赤紫色は、ベリー類に多くみられるアントシアニンやレスベラトールではありません。
でも、それと同等かそれ以上の効能をもっていることが最近発表されているすごい色素なんです。
ビーツやスイスチャードに含まれている色素は、ベタレインという抗酸化物質のグループに属するもので、ビーツに含まれているのは
- 赤紫色の、ベータシアニンと、
- 黄色の、ベータキサンチン
という色素です。
この2つの色素の比率(どっちがどれくらい多いか少ないか)によって、様々な色のビーツになるのだそうです。(上の写真参照)
ヒト大腸がん細胞の死を促進
(裏付けとなっている研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています)



- 試験管試験ですが、ビーツに含まれている赤紫色のベータシアニンと黄色のベータキサンチン、そして、
- スイスチャードの種に含まれているビテキシン2-0キシロシド(XVX)と呼ばれる成分を
CaCo-2というヒト結腸癌由来の細胞株に与えたところ、
別々の投与では、スイスチャードのXVXが、最もがん細胞死を促したそうですが、XVXにビーツのベータシアニンとベータキサンチンを混ぜて、一緒に使うと、
- 更に細胞死が促進されたとのことです。
スイスチャードとビーツは、一緒に食べるとよさそうですね。
その他のがん予防にも効く?



やはり試験管試験ですが、ビーツのベタインと、その立体異性体イソベタインが、
- がん細胞のみ攻撃し、
- 正常細胞には何ら影響を与えなかった
ことが報告されています。
ベタインは、アミノ酸の一種で、甘味や旨味に関わる成分で、食品添加物として使われたりする成分です。
立体異性体というのは、組成式は同じものの、原子の間の結合関係が異なる分子同士の構造体で、三次元空間で、重ね合わせることができないもの同士のこと
ですが、ベタインの「いとこ」くらいに思っておけばいいと思います。
銅も豊富です。1日の推奨量0.9mgの10%の0.09mg含んでいます。
銅は、SOD(スーパー・オキシド・ジスムターゼ)という酵素が体内で適切に機能するために不可欠な成分です。SODは、細胞が死んでしまわないように守ったり、細胞の修復を行います。また、ミトコンドリア(細胞内のエネルギー代謝の中核)を保護して、抗癌作用を持っています。
動脈硬化、認知症予防



ベタインは体内で、メチオニンの代謝に関わっています。
必須アミノ酸のひとつメチオニンは、代謝される過程でホモシステインに変換され、更にリサイクルされてシステイン(アミノ酸のひとつ)に生成されます。
でも葉酸やビタミンB12とB6やベタインが不足していると、このメチオニン代謝が正常に行われないので、中間物質のホモシステインだけが異常に増加してしまいます。
ホモシステインは、動脈硬化や認知症/アルツハイマー病の原因になることが既に判っています。
ビーツには、ベタインだけでなく、葉酸も豊富です。1日の推奨量240μgの約46%、生でも茹でても110μgが含まれています。
ビーツに豊富に含まれている銅は、活性酸素を除去して、動脈硬化、心疾患、糖尿病などの予防に関与している体内酵素のひとつSOD(スーパー・オキシド・ジスムターゼ)が適切に働くために不可欠な成分です。
肝機能の向上
ベタインには、肝臓へ脂肪が蓄積するのを防ぐだけでなく、脂肪の排出を促す作用があります。また、脂肪肝の肝臓にとって、解毒作用を起こす抗酸化物質グルタチオンがちゃんと作られるようにし、肝臓の酸化ストレスを軽減してくれます。
そのため、脂肪肝や肝硬変、肝炎や肝がんの予防に期待されています。
糖尿病予防
ベタインは、糖が小腸から吸収されるのを防ぎます。
そのため、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。
貧血予防



ビーツには、血を造るのに必要な、葉酸、鉄分、銅が含まれています。
FDA(米国食品医薬品局)の定義では、ある栄養素の1日の推奨量の10%以上を含んでいる場合、その栄養素を豊富に含んでいると言うことができます。この定義に沿えば、
- 鉄分は、含まれてはいますが、それほど多いわけではありません(1日の推奨量の4%)
- 葉酸は、1日の推奨量の46%
- 銅は、10%(0.9mg中0.09mg)も
含んでいます。
赤血球中のヘモグロビンの合成には鉄が必要ですが、鉄はセルロプラスミンによって酸化されないとヘモグロビンの合成に使うことができないんです。で、セルロプラスミンを運んでくれるのが銅なんです。
ビーツには、「鉄分が多いから」食べる輸血になると書いているブログ等散見されますが、それは誤りです。どっちかというと銅が豊富だからです。
高血圧予防/ムクミ予防
ビーツには、カリウムも豊富です
1日の推奨量2,600(女性)3,000mg(男性)に対して、生で460mg(18%、16%)、茹でたものでも420mg(15%、14%)含んでいます。
カリウムには、ナトリウムを排出する作用があるので、塩分多めの食事をしている方の血圧を下げたり、ムクミの解消に役立ちます。
と、このように素晴らしい効能をもったビーツですから、旬のこの時期、お料理に使いたいですよね。
ビーツをお料理に使う方法



ビーツの旬は、年2回あります。
- 6~7月と
- 11~12月頃
ですが、種類によっては3月頃まであります。
ビーツは、根を食べますが、葉っぱも若葉はベビーリーフとして食べることができます。ベビーリーフのパッケージの中に赤い筋のある緑色の葉っぱが入っていますよね?それがビーツの葉っぱです。
ビーツをお料理する時の注意点



下処理
皮ごと丸のまま水から茹でてください。



- 皮をむいてから茹でると、赤色が逃げて行ってしまいますから、必ず皮ごと
- ビーツはシュウ酸塩(水溶性)を多く含むアカザ科のお野菜です。
- シュウ酸塩は体内で結石しやすいので、茹でてから食べると安心です。
- もちろん、生でも食べることが出来ますが、ほどほどに(写真は白色の多いビーツでサラダ。バラの花のようなサラダになります)
お湯には、お酢を少しいれてください。
- ビーツの土臭さは、ゲオスミンという成分のせいです。
- この成分は酸で分解されるので、お酢やレモンを使うと和らぎます。
- 生でサラダに入れる時も、レモンなどでドレッシングを作ると土臭さが軽減されて良いですよ。
茹で時間は、大きさによって異なりますが、大抵30分前後です。
茹で終わったら、皮をむいて使いましょうと、いうのが原則のようですが、私は自然栽培(無農薬・無肥料)のものを使うので、皮ごとホールフードで食べちゃいます。(生で食べる時は固いのでむきます。笑)
冷凍保存
- 茹でて冷まして皮をむいたものを(こちらもホールフードで皮ごとでもOK)、
- 使いやすい大きさに切ってから、
- ラップなどに包んで冷凍しましょう。
ビーツのポタージュスープ



真っ赤なビーツでスープを作りました。
適当な大きさに切ってから茹でたのですが、赤色がちゃんとしっかり残っています。
と、いうことで、色が抜ける抜けないは、ビーツの種類にもよるのではないかと思います。
材料は、ビーツ、じゃがいも、玉ねぎ。ローレルと大さじ1杯のリンゴ酢と塩少々。
全て、自然栽培またはオーガニックの材料です。なのでビーツとジャガイモはホールフード(皮ごと)で使います。
玉ねぎをオリーブオイルで炒めた後、適当な大きさに切ったビーツとジャガイモを加えて、ひたひたの水にローレルとリンゴ酢を入れて、茹でます。
柔らかくなったら、フードプロセッサーで潰すだけ。
味付けは塩少々のみ。リンゴ酢はビーツの土臭さを消すためなので、最終的な味に何の影響もありません。
バリエーションとしては、ジャガイモを多くしたり、豆乳で伸ばせば、可愛らしいピンク色のスープになりますよ。
マインド・ボディ・メディシン講座の中でもビーツが時々でてきます。さて、どのテーマの時に出てくるでしょうか?
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参考文献:
- “Betanin-Enriched Red Beetroot (Beta vulgaris L.) Extract Induces Apoptosis and Autophagic Cell Death in MCF-7 Cells”, Nowacki L, Vigneron P, Rotellini L, Cazzola H1, Merlier F, Prost E, Ralanairina R, Gadonna JP, Rossi C, Vayssade M, Phytother Res. 2015 Dec;29(12):1964-73. doi: 10.1002/ptr.5491. Epub 2015 Oct 14
- “Betalains increase vitexin-2-O-xyloside cytotoxicity in CaCo-2 cancer cells”, Farabegoli F, Scarpa ES, Frati A, Serafini G, Papi A, Spisni E, Antonini E, Benedetti S, Ninfali P, Food Chem. 2017 Mar 1;218:356-364. doi: 10.1016/j.foodchem.2016.09.112. Epub 2016 Sep 17
- “Betaine protects against high-fat-diet-induced liver injury by inhibition of high-mobility group box 1 and Toll-like receptor 4 expression in rats”, Zhang W, Wang LW, Wang LK, Li X, Zhang H, Luo LP, Song JC, Gong ZJ, Dig Dis Sci. 2013 Nov;58(11):3198-206. doi: 10.1007/s10620-013-2775-x. Epub 2013 Jul 17
- “Methionine metabolic pathway in alcoholic liver injury”, Kharbanda KK, Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2013 Jan;16(1):89-95. doi: 10.1097/MCO.0b013e32835a892a