
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養(ホリスティック栄養)学冊子が無料ダウンロードできます
お蕎麦と言えば、サラリーマンをしていた時、職場が大手町だったこともあり、新蕎麦の季節になると、チームの皆で、お天気の良い日に神田の藪蕎麦までお散歩がてら食べに行ったのが懐かしいです。
で、私は、新蕎麦の季節は、11月だと思っていました。
目次
なんと、お蕎麦には、夏蕎麦と秋蕎麦があるそうですね。

お蕎麦って、二毛作だったんですね~。
ただ、土壌改良も品種改良もしていなかった昔は、夏に収穫はできても、秋蕎麦に比べて、味・コシ・香りが劣っていたため、秋蕎麦が有名になったようです。
私が新蕎麦だと思っていたのも、9月後半から収穫されて、11月~12月に旬を迎える秋蕎麦でした。
でも、今では、土壌改良や品種改良が進み、夏蕎麦も美味しいそうですよ。
- 秋の新蕎麦の収穫は、9月後半から11月中
- 夏の新蕎麦の収穫は、6月後半から8月中
グルテンフリーが流行ってから、お蕎麦と蕎麦粉は、欧米でも人気です。
日本でも、蕎麦粉のガレットとか流行りましたよね。
実は、お蕎麦は、
- 一過性の流行りの食べ物で終わらせるには、もったいない
- 年越しに食べるだけではもったいないくらい
素晴らしい機能をもっています。
そして、その効果を得るための、お勧めな食べ方があるのですが、
お蕎麦のもっている栄養素/成分に、食べ方の重大なヒントがありました。

(裏付けとなっている研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています)
お蕎麦の知られざる力
様々なヒトがん細胞のアポトーシス促進に期待
お蕎麦には、プロテアーゼ阻害剤として働く成分が含まれています。
プロテアーゼは、タンパク質分解酵素です。その働きを妨げるのが、プロテアーゼ阻害剤です。
エイズ・ウィルスが、プロテアーゼを使って、リンパ球等のタンパク質を分解して栄養源にしていることから、それを阻害し、エイズを治療する薬として開発され、広く使用されています。
今では、その他、敗血症、重症急性膵炎、急性肺障害、サーズ(SIRS)などの治療薬としても用いられています。が、プロテアーゼ阻害剤には、糖尿病をおこしやすいという副作用もあります。
現在は、プロテアーゼ阻害剤のがん細胞の核を破壊する機能にも注目が集まっています。
お蕎麦には、プロテアーゼ阻害剤として働く成分が含まれています。

試験管試験ですが、様々なヒトがん細胞株を用いて、蕎麦の外皮の抽出物のがん細胞抑制効果を検証した研究があります。
蕎麦の外皮から70%エタノールで抽出した成分を、様々な以下の溶媒
- n-ヘキサン(食用油脂抽出溶剤)
- クロロホルム
- ブタノール
- 酢酸エチル
- 水
を用いて成分分離(画分)を行い、どの溶媒で分離した成分が最も効果があるか調べています。
胃がん細胞株(AGS)
- 全ての抽出物で、最も高い抑制効果を発揮したそうです。
乳がん細胞株(MCF-7)
- ヘキサンによる抽出物(1 mg/mL)では、89%抑制
- 酢酸エチルによる抽出物(1 mg/mL)では、93.2%抑制
肝がん細胞株(Hep3B)
- ヘキサンによる抽出物(1 mg/mL)では、83.6%抑制
- 酢酸エチルによる抽出物(1 mg/mL)では、75.3%抑制
肺がん細胞株(A549)
- 酢酸エチルによる抽出物(0.25mg/mL)で、最も高い抑制効果
子宮頸がん細胞株(Hela)
- クロロホルムによる抽出物(0.5 mg/mL)では、82.2%抑制
- ブタノールによる抽出物(0.5mg/mL)では、82%抑制
他の研究では、蕎麦に含まれる多糖類が、
白血病細胞(THP-1)の
- 分化誘導療法として作用したことを報告しています。分化誘導療法とは、白血病細胞にアポトーシスを起させる治療法のことです。
まだまだ試験管試験での結果ですから、ヒトへの効能は未知です。
とは言え、お蕎麦好きにとっては、お蕎麦に、様々ながん細胞の成長を抑制する成分が含まれていると言うのは、嬉しいですよね。
お蕎麦でがん細胞が死ぬことはないかもしれませんが、がん予防にはなりそうです。
また、上記の研究結果は、
全てお蕎麦の外皮の成分を使っています
お蕎麦にがん予防効果を期待するなら、更科蕎麦ではなく、全粒蕎麦がよさそうですね。
生活習慣病予防

お蕎麦にはルチンとケルセチンと呼ばれるポリフェノール(フラボノイド)が豊富に含まれています。
肝機能・心機能の改善効果
糖尿病誘発ラットに、ルチンを50mg/kg摂取させたところ、
- 血中のALTおよびAST(肝機能マーカー)
- LDH(心機能マーカー)
に改善が見られたことから、
ヒトに対しても、ルチンの糖尿病の合併症としての肝機能・心機能の改善効果があるのではと期待されています。
1日に必要なルチンは30mgとされていますが、お蕎麦一食分で摂れてしまいます
また、韃靼そばという種類のお蕎麦がありますが、普通の蕎麦の約100倍のルチンが含まれていると言われており、お蕎麦を対象にした海外の研究も、この韃靼そば(苦そば)を用いたものが結構あります。
糖尿病改善効果

この他にも、動物実験ですが、ルチンとケルセチンには、インシュリンの分泌を促す効果があることが報告されていて、糖尿病を含む様々な生活習慣病の改善に効果を示しているとする研究が多く報告されています。
ルチンとケルセチンは、ビタミンPと呼ばれるグループに含まれる成分です。
ルチンは、お蕎麦の外皮に近い部分に多く含まれています。
コレステロール低下作用、動脈硬化や脳卒中の予防・改善
蕎麦粉を日常的に食べる習慣のある中国の地域を調査した研究では、蕎麦粉を習慣的に食べる人は
- 血圧
- コレステロール
- 中性脂肪
が低かったことが報告されています。
ルチンとケルセチンにコレステロール低下作用があることも報告されており、動脈硬化や脳卒中の予防・改善に効果があることも報告されています。
また、全粒粉の状態の蕎麦粉には、ルチンやケルセチンだけでなく、
- 一日の推奨量の約13%のカリウム
- 糖代謝に必要なビタミンB1は、約42%
- 脂質代謝に必要なビタミンB2は、約10%
- タンパク質代謝に必要なビタミンB6は、約25%
含まれています。
FDA(米国食品医薬品局の定義では、1日の推奨量の10%以上含んでいる場合、その栄養素が「豊富」と表現できます。
茹でてしまうと順番に1%、5%、2%、3%になってしまうので、また、
ルチンやケルセチンも水溶性なので、
生活習慣病予防のためには、茹でて食べるのではなく、ガレットやパンケーキやクレープなどにして食べると良いかもしれませんね。
茹でてお蕎麦として食べるなら、蕎麦湯も全部飲んだ方が良いです。
満腹ホルモンの分泌促進で食べすぎ予防

蕎麦粉のクラッカーと米粉のクラッカーを食べた時の比較において、
蕎麦粉のクラッカーを食べる方が、満腹ホルモンの分泌が促されることが報告されています。
ご飯を食べるよりも、お蕎麦を食べる方が、少ない量で満足が得られるようですね。
また、お蕎麦には食物繊維も豊富です。
一日の推奨量(17g-19g)の約23%(全粒粉)、約11%(茹で)を含んでいます。
お蕎麦は、食事制限することなく、体型を維持するのに役立ちそうです。
幸せホルモンの材料

幸せホルモン・セロトニンは、ビタミンB6とアミノ酸のひとつトリプトファンを使って作られます。
お蕎麦には、その両方とも入っているんですよ!
- トリプトファンの1日の推奨量は、体重50kgの人の場合、200mgですが、全粒蕎麦粉には190mg含まれています。茹でても60mg、推奨量の約30%あります。
- ビタミンB6の1日の推奨量は、1.2mgですが、全粒蕎麦粉にはその25%が含まれています。(ビタミンB群は水溶性なので、茹でてしまうと3%まで流出してしまいますが)
また、私達の情緒と深い関係のあるミネラル、マグネシウムとセレンもお蕎麦には含まれています。
どちらも茹でても、一日の推奨量の10%以上です。
- マグネシウム(推奨量230mg):全粒蕎麦粉190mg、83%;茹で23mg、12%
- セレン(推奨量45μg):全粒蕎麦粉7μg、16%;茹で12μg、27%
日照時間が短くなると、気持ちが沈む人が増えてきますが、そうした冬場の食べ物として、お蕎麦は最適ですね。
少し気持ちが落ち込んでいるなと感じたら、お蕎麦を食べてみると良いかもしれません。
貧血予防・改善

お蕎麦と貧血ってなかなかつながりにくいと思いますが、お蕎麦に含まれる
- ケルセチンには、赤血球が活性酸素からダメージを受けることから守る作用があり、血液をサラサラにしてくれます。
- ルチンには、毛細血管を守る作用があります。
それだけではなく、お蕎麦には、
赤血球の新生を助ける葉酸、そして、鉄分と銅も豊富に含まれています。
朝食に良いタンパク源かも
全粒蕎麦粉100g中には、約12gのタンパク質が含まれています。白米(6.1g)の2倍です。
しかも、そのタンパク質のバランスはとても良いのです。
- 必須アミノ酸を全て含み、その全てにおいて、
- 体重50kgの人が1日に必要とする量の4割以上を含んでいます。
- 茹でても10%以上をキープしています。
朝ご飯にあれこれ準備する時間がない人は、
朝ご飯に、炭水化物ばかりのコンビニのオニギリや菓子パンではなく、タンパク質も摂れるお蕎麦を食べると良いかもしれませんね。
もちろん、山菜やホウレン草/小松菜などのお浸しをトッピング用に常備菜として準備しておいたら、更に良いですね。
お蕎麦の賢い食べ方

様々な研究結果を総合すると、お蕎麦は、
- 外皮も含んだ全粒粉で使う
- 麺にして茹でずに、パンやケーキやクッキーなどに使う
- 果物やお野菜といっしょに食べる(ルチンとケルセチンはビタミンCと一緒に食べると吸収率がアップします)
麺にして食べるなら、
- 十割がベスト
- トッピングにお野菜を載せる
- 食後に果物を食べる
- ゆで汁(蕎麦湯)も必ず飲む
などが効果的ですね。
そば粉を使ったマフィンやパン
調度、このブログを書いていた時、中野のセントラルパークであった自然栽培フェアで、タイムリーにも「そばの実カフェ」さんと出会いました。

そばの実カフェさんは、自然栽培の蕎麦粉を使ってマフィンやパンを作っています。小麦は入っていません。
私は、この日、モリンガとブルーベリーのマフィンを1つずつ購入しました。どちらもとても美味しかったですよ。しかもココナッツミルク、菜種油、豆乳などを使用しているヴィーガン・マフィンです。
ご興味のある方は、是非。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。
心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養(ホリスティック栄養)学冊子が無料ダウンロードできます
統合食養(ホリスティック栄養)学講座の受講は、下のボタンから
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング
参考文献:
- “Induction of apoptosis by buckwheat trypsin inhibitor in chronic myeloid leukemia K562 cells”, Wang ZH, Gao L, Li YY, Zhang Z, Yuan JM, Wang HW, Zhang L, Zhu L, Biol Pharm Bull. 2007 Apr;30(4):783-6.
- “Anti-tumoral effects of a trypsin inhibitor derived from buckwheat in vitro and in vivo”, Bai CZ, Feng ML, Hao XL, Zhao ZJ, Li YY, Wang ZH, Mol Med Rep. 2015 Aug;12(2):1777-82. doi: 10.3892/mmr.2015.3649. Epub 2015 Apr 20.
- “Buckwheat polysaccharide exerts antiproliferative effects in THP-1 human leukemia cells by inducing differentiation”, Wu SC, Lee BH, J Med Food. 2011 Jan-Feb;14(1-2):26-33. doi: 10.1089/jmf.2010.1252. Epub 2010 Dec 7.
- “Cytotoxic effect of buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench) hull against cancer cells”, Kim SH, Cui CB, Kang IJ, Kim SY, Ham SS, J Med Food. 2007 Jun;10(2):232-8.
- “Consumption of buckwheat modulates the post-prandial response of selected gastrointestinal satiety hormones in individuals with type 2 diabetes mellitus”, Stringer DM, Taylor CG, Appah P, Blewett H, Zahradka P, Metabolism. 2013 Jul;62(7):1021-31. doi: 10.1016/j.metabol.2013.01.021. Epub 2013 Feb 26.
- “Comparative analysis of flavonoids and polar metabolite profiling of Tanno-original and Tanno-high rutin buckwheat”, Li X, Kim JK, Park SY, Zhao S, Kim YB, Lee S, Park SU, J Agric Food Chem. 2014 Mar 26;62(12):2701-8. doi: 10.1021/jf4049534. Epub 2014 Mar 17.
- “Rutin, quercetin, and free amino acid analysis in buckwheat (Fagopyrum) seeds from different locations”, Bai CZ, Feng ML, Hao XL, Zhong QM, Tong LG, Wang ZH, Genet Mol Res. 2015 Dec 29;14(4):19040-8. doi: 10.4238/2015.December.29.11.
- “The therapeutic potential of rutin for diabetes: an update”, Habtemariam S, Lentini G, Mini Rev Med Chem. 2015;15(7):524-8.
- “Health effects of quercetin: from antioxidant to nutraceutical”, Boots AW, Haenen GR, Bast A, Eur J Pharmacol. 2008 May 13;585(2-3):325-37. doi: 10.1016/j.ejphar.2008.03.008. Epub 2008 Mar 18.
- “Lowering effects of onion intake on oxidative stress biomarkers in streptozotocin-induced diabetic rats”, Azuma K, Minami Y, Ippoushi K, Terao J, J Clin Biochem Nutr. 2007 Mar;40(2):131-40. doi: 10.3164/jcbn.40.131.
- “Dietary flavonoids as antioxidants”, Terao J, Forum Nutr. 2009;61:87-94. doi: 10.1159/000212741. Epub 2009 Apr 7.
- “Rutin attenuates metabolic changes, nonalcoholic steatohepatitis, and cardiovascular remodeling in high-carbohydrate, high-fat diet-fed rats”, Panchal SK, Poudyal H, Arumugam TV, Brown L, J Nutr. 2011 Jun;141(6):1062-9. doi: 10.3945/jn.111.137877. Epub 2011 Apr 20.
- “Influence of rutin treatment on biochemical alterations in experimental diabetes2”, Fernandes AA, Novelli EL, Okoshi K, Okoshi MP, Di Muzio BP, Guimarães JF, Fernandes Junior A, Biomed Pharmacother. 2010 Mar;64(3):214-9. doi: 10.1016/j.biopha.2009.08.007. Epub 2009 Oct 27.
- “Rutin prevents cognitive impairments by ameliorating oxidative stress and neuroinflammation in rat model of sporadic dementia of Alzheimer type”, Javed H, Khan MM, Ahmad A, Vaibhav K, Ahmad ME, Khan A, Ashafaq M, Islam F, Siddiqui MS, Safhi MM, Islam F, Neuroscience. 2012 May 17;210:340-52. doi: 10.1016/j.neuroscience.2012.02.046. Epub 2012 Mar 6.