
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
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11月6日、東郷神社の和楽殿で開催された、Keisuke Matsushima(ニース本店、原宿支店)の松嶋啓介シェフ主催の「食サミット」にご招待いただき行ってまいりました。

松嶋さんは、現代人の食習慣のゆがみを正し「喰い改めよ」と、常々おっしゃっており、また、どこの国の食文化も宗教と密接に結びついていることから、原点に戻ることの意味で、今回も会場を神社とされています。
朝10:00 – 17:30までの長丁場でしたが、登壇者が豪華すぎてあっという間の一日でした。
目次
今回の食サミットでとりあげられたテーマも多岐にわたりました。

- 予防医学
- 健康経営
- 旨味
- 食とスポーツ
- 食とコミュニティ
- 食とテクノロジー
1.予防医学
- ヘルスケアのITプラットフォームを構築されている会社フィンクの溝口勇児 社長
- レストランバスや香川県で「うどんハウス」などを仕掛けている会社Umariの古田秘馬 社長、そして、
- 公衆衛生学の観点から、食物科学と調理法についてのデータベースの構築やエビデンス(科学的根拠)とプラクティス(実際に行われている方法)のギャップを埋める活動をされている会社Campus for Hの米倉章夫 社長
それぞれの立場から、「健康寿命」について意見を述べられました。
私的には、米倉社長の取り組みに非常に興味があります。
同じレシピでも、アマチュアが調理するのと、松嶋シェフが調理するのとでは、まったく違う味になったという結果から、「美味しい」を引き出す調理法を科学するという実験についても、もっと詳しくお話をお伺いしたかったです。
2.健康経営

- DeNAのチーフ・ヘルス・オフィサー(最高健康経営責任者)代理の平井孝幸 氏
- ウェディングの運営をてがけるCrazyの森山和彦 社長
- 森永製菓の社内プロジェクトのスピンアウト企業See The Sun の金丸美樹 社長
ご自身の会社での健康経営の取り組みの状況や成功の秘訣、健康経営に取り組む際の経営者の姿勢などについてのパネル・ディスカッションでした。
モデレーターは、日本政策投資銀行でサスティナビリティ企画部にて、政府の「健康経営銘柄」のパフォーマンス支援などを提供している橋本氏でした。
話題は次第に「食卓」をどのように社内に再現するかに。「食卓」とは、単なるテーブルでも食事をする場所でもなく、また、社員に食事を提供する社食を造ったら「健康経営」になるわけではないということも。単なるテーブルを「食卓」にするための工夫について、様々な意見が出されました。
キーワードとしては、
- そこに「愛」があるのか、「ストーリー」があるのか、そして、
- 食欲という欲を共有することで社員がお互いに共犯者となることができる場なのか
共犯者というのは、面白い視点だと思いました。
ランチは塩不使用の超美味だった地中海料理

- 豆乳を使ったパンプキンスープ
- ホウレン草のカレー
- ローズマリーとオリーブオイルのフォカッチャ
- ファラフェル(ヒヨコ豆のコロッケのようなもの)
- 茄子と胡麻のタヒーニ
- キノコのスパニッシュ・オムレツ+啓チャップ(ケチャップではありません!)
- ラタトゥーユ
- キヌアと雑穀
- レンコンのサワーソース和え
オムレツ以外は、ヴィーガン(動物性食材不使用)です。
ミシュランで三ツ星を獲得していたこともあるフレンチ・シェフの松嶋さんが出されたランチは、想定外にも中東のイメージを連想させる地中海料理でした。
しかも驚くことに、今回、お塩をまったく使用していないのだそうです。とてもそんな風に感じられないくらい、どれこれもしっかりとした旨味がありスパイスが効いていて美味しかったです。
やっぱり、レシピではなく「どう調理するか」が大切ですね。(参考『「レシピが料理をダメにする」とは? 浅川シェフのトークイベントに出席しました』)
偶然の出会いの神々しいシャワー

ランチタイムは特に席順はなく、自由に参加者の皆さんとの相席でした。
たまたま座った席の隣が、なんと、私に日経ウーマンオンラインで『ホリスティック美女講座』を連載執筆させてくださった編集長で、今は副本部長にご昇進された中野恵子さんでした。あまりに嬉しい偶然でした。
嬉しい偶然は、まだ続きます。
その同じテーブルに、かつて勤めていた證券会社出身者が二人もいました。おふたりともは、私よりも1世代以上若いのですが(笑)、おひとりは現在、松嶋さんのPR担当をされていて、私がドイツ拠点に赴任していた時の同僚など、共通の(元)同僚がいました。
もうひとりは、今はベンチャーの金融会社を経営されているそうです。食材は全て自然栽培を宅配してもらっているという、あの会社の出身者とは思えない転身ぶり(私もですが、笑)でした。
また、まだ私が證券会社でペーペーだった時代に一度だけ会議の末席に座らせていただいたことがあった、ある老舗醸造企業の御曹司が、私の目の前のお席にいらっしゃいました。その時先輩が「継承順位者の中では一番有力な次期社長候補」と耳打ちしてくれた、その人でした。
これだけ偶然が続くと悲鳴ものです。が、
更に更に、以前、マインド・ボディ・メディシン講座を受講してくださっていた女性が、第一部の登壇者 古田氏の補佐として会場にいらしていて、声をかけてくださいました。
このイベントで、まさか知っている顔に出くわすとはまったく想定していませんでしたので、これだけたくさんの偶然の出会いのシャワーを浴びる良い意味で怖くなります(笑)
「そうだった。ここは神社だった。」と、あらためて神々しいものを感じたのでした。
3.旨味

ランチの後は、松嶋さんも加わり、テーマは旨味に。
- 株式会社にんべんの高津克幸 社長
- 日本人の味覚の研究をされているIC株式会社の鈴木 社長
モデレーターは、農林水産省で食文化などを担当されている西経子 課長でした。
そこで、松嶋さんから、ミシュランで三ツ星をとった頃の自分の料理は、皆に「美味しい!」と言ってもらうことを目標にしていた味だったこと。でも今は、皆に「心が落ち着く」と言ってもらえる味を目指していることなど、ご自身の料理に向かう心の変化などお話がありました。
そして、昨今、日本人の味覚の歪みが気になること、その歪みを正す活動をしていることなどご紹介がありました。
そして、議論は、「心が落ち着く味」とはどんなものなのかに

にんべんの高津社長から、旨味の相乗効果、つまり出汁を合わせることの重要性について、グラフを用いての科学的なご説明がありました。
旨味には、
- 昆布などの海藻から得られるグルタミン酸
- 鰹節など魚から得られるイノシン酸
- 干しシイタケなどキノコ類から得られるグアニール酸
があること、そして、
イノシン酸とグルタミン酸を合わせると、私達が旨味を感じる能力が7倍になることなどが紹介されました。
合わせ出汁というと、関西の出汁(昆布と鰹節)を指すことが多いけれども、実は、関東の出汁(濃口醤油と鰹節)もちゃんとグルタミン酸とイノシン酸の組み合わせになっていること、関西と関東の出汁のどちらの方が旨味が強いかという議論はナンセンスということなども。
また、西洋のブロス(出汁)も、鶏肉(イノシン酸)とトマト(グルタミン酸)を使っていることが多く、西洋にもちゃんと旨味があることなどご紹介されていました。
松嶋さんからも、なぜニース風サラダがグローバルなホテルには必ずある、有名な2大サラダのひとつになったのかのご説明がありました。(もうひとつはシーザース・サラダ)
ニース風サラダには、トマトやネギといったグルタミン酸、アンチョビとツナというイノシン酸が多い食材が使われているため、自然と心を落ち着かせる「合わせ出汁」の状態になっているからではないか、そして、旅先のホテルだからこそ、心が落ち着くニース風サラダが好まれたのではないか、とのご推察でした。
ものすごく納得です。
(蛇足かもしれませんが、旨味には、貝類から得られるコハク酸もあります)
素材そのものの味を好む日本人の味覚に保存料は大敵

味覚研究の立場から鈴木社長は、
- 西洋の味付けは、足し算。食材に調味料を足すという調理法
- 日本の味付けは、素材そのものを改良して、できるだけ素材の良さを引き出すという調理法
と、いうご説明がありました。なるほど、そうかもしれないと納得いたしました。
また、食品添加物の中で、一番味覚にはよろしくないのは、保存料だというお話も。
食品は、元来、調理したら直ぐに食べるもの。それを長期保存するために入れている保存料が味覚を壊しているとの見解でした。そうかもしれませんね。
ここでも松嶋シェフから、
両親が忙しく料理に時間をかけられない家庭で育った子供は、濃い味が好き
という仮説が出されました。
じっくりと味をしみこませていくような調理時間がもてないことから、短時間で味を決めるために調味料が多くなるとのご推察でした。これは、従業員に「まかない」を作らせることでわかってくるとのこと。また、
「塩に拘っています」という店の料理には旨味が足りない
とのご指摘も。ホント、そうかもしれないと思いました(笑)
味覚のリセット
ここでも、様々なアイデアが出されました。
高津社長からは、結婚、出産が味覚をリセットする良いチャンスだということ、ライフステージが変わる時が狙い目だと言うことでした。にんべんでは「出汁アンバサダー」という取り組みをされているそうです。
鈴木社長からは、味覚を感じる舌の上の味蕾は、10日で入れ替わるため、少なくとも10日間は調味料抜き、食品添加物抜きをすると良いとのこと。
松嶋シェフからは、朝起きたら化粧する前に食事をすること、夜帰宅する前に朝食のための食材を購入すること。そして、イスラム教徒のラマダン、キリスト教徒のレントのように、日本人も調味料や肉を避ける1週間を作ってみてはどうかとの提案がありました。
それについては、西課長からも、古来日本の神事として、秋にそうした習慣があったことなど紹介がありました。
化粧の前に朝食を食べることのメリットについては、私も6月にIN YOUで『ひどい場合には死をももたらす有害な鉛を体内に入れない簡単な方法と、体から排出する方法とは。』の中で説明しています。
4.食とスポーツ

- 日本フェンシング協会の太田雄貴 会長
- 医療介護施設を運営する さわらびグループの最高経営者で、元F1レーサーの山本左近 社長
- スポーツ選手の栄養管理をされている管理栄養士の石松佑梨さん
モデレーターは、元TBSアナウンサーの佐藤渚さんでした。
最初のお題は、世界中を転戦する時の体調管理と食事についてでした。
ここでは、支援金の豊富なスポーツとそうではないスポーツとでは、食事にかけられる資金が大きくことなることなどが問題点として挙げられました。
例えば、F1レーサーには、一人ずつ管理栄養士がつき、三か月に1度コンサルテーションを受けられ、また、レース期間中はチームにシェフが帯同し、世界中どこに行っても同じ食事ができる環境がある一方で、フェンシングの世界は全て自己管理。代表選手になれば国立科学スポーツセンターで食事がとれるようになるが、それまではとても大変だったそうです。
当初、海外遠征の際には、体調不良を起こすことが怖くて、日本からご飯とレトルトをもっていっていたそうですが「そんな加工食品ばかり食べていたら試合で勝ち切れない」とコーチから言われたことがあったそうです。そのため、その後、食材を現地調達して自炊することにしたそうですが、資金面からも工夫が必要だったとのお話がありました。
私が現在ヘルスコーチングをしている競技アスリートさんも遠征の時は、原則、自炊です。日本からも様々な乾物をもっていってもらっています。競技会場側が用意してくれている場合には、そこで出されたものを食べますが、バランス的に足りないことが多く、様々な工夫をしていただいています。海外の遠征先のスーパーでの買い物時には、加工食品の原材料表の写真を送っていただき添加物の確認をしていますが、英語圏以外の言語の時は大変です。Google翻訳フル活用でサポートしています(笑)
何を食べるかだけでなく、その食材がどのように育てられたのかが重要
また、良いエネルギーの食材を食べると、良いエネルギーとなって表れるが、悪いものを入れると悪いエネルギーになることも実感したそうです。そのため、今では太田会長は、肉類はジビエしか食べないとのこと。
自分の体へ与える生命力が異なることが実感できるからだそうです。
集中力を高める食事とは
そんなものはない。と、言うのが一致した意見だったと思います。
「集中力は、気合です。」
でも、ここ一番で「気合」を出せるか出せないかは、それまでの食事とトレーニングによって作った心と体の状態に依存するともおっしゃっていました。
最後の最後に自分に言い訳したくないから、
「ここまでしたのだから自分は大丈夫」という自信をもつため
そのための食事。
疲労回復となる食事とは
そんなものはない。と、言うのも一致した意見だったと思います。ひとりひとり体質が異なるので、何を食べたら全員が疲労から解放されるなんてことはないというのが皆さんのご意見でした。
が、太田会長の場合は、試合やトレーニングの後、タンパク質よりも糖質を先に食べていたとのことでした。
石松さんからは、睡眠中に体を修復してくれる成長ホルモンの分泌に合わせて、食事時間を決めることで疲労回復がスムーズになることが紹介されました。
5.食とコミュニティ

- 浅草にある浄土真宗東本願寺派 緑泉寺の青江覚峰 住職
- クックパッドの小竹貴子氏
- 株式会社ノンビの荒井茂太 取締役
食を通してのコミュニティ作りについて、自社の取り組みなどの事例に沿ってお話がありました。
その中で、私が知ったのは、仏教の経典の「五巻の下」に、食前の言葉というものがあること。
キリスト教徒のお祈りの中には、グレースと呼ばれる食前のお祈りの言葉があります。普段の食事の時には言わない人も感謝祭のディナーの前には、皆で手をつないで唱えたりします。
でも、仏教にも食前の念仏というのがあるとは知りませんでした。趣旨は
目の前の食事がどこから来たのが想像し、感謝しなさい
という意味合いなのだそうです。
6.食とテクノロジー

- AIを活用して「美味しい」をデータ化する研究をされているデータサイエンティストの風間正弘氏
- 予防医学がご専門の石川善樹 医学博士
- コンサルティング会社シグマクシスでスマートキッチン・プロジェクトを推進している田中宏隆氏
- 元F1レーサーの山本左近氏、再登場です
美味しいとは何か?
データサイエンティストの風間氏は、100年後のミシュランに載るだろう料理を作ることをAIを活用して導き出そうとしているそうです。面白いですね~。
風間氏によれば、
- 西洋では、香りの組み合わせ
- 東洋では、旨味の組み合わせ
なんだそうです。
また、AIに分析させた結果、「生ハムとメロン」以上の美味い組み合わせは、
- 生ハムとイチゴ
- 生ハムと無花果
なんだそうです。面白いですね。今度、試してみましょうね!
田中氏からは、テクノロジーによる、食の自動化(オートメーション)のお話がありましたが、
風間氏によれば、
- テクノロジーは、ヒトの機能拡張を可能にし
- AIは、ヒトの知能拡張を可能にする、つまり、オーグメンテーションが起こる
とのことで、なかなか面白い視点だなぁ~と。
そして、再登壇した山本氏からは、分子調理のご紹介がありました。
医療介護の世界で、食が細くなってしまった人、咀嚼や消化吸収が困難になってしまった人のために、美味しさはそのままに噛まなくても食べられる調理法が、分子調理です。

試食としてお寿司がふるまわれました。これら、全て、何かのムースのようにしか見えませんが、味はちゃんとお寿司でした!ビックリです。また、カップの中のムースもガリを分子調理したものですが、味はしっかりガリでした。
そして話題は、人生ラスト100食に何を食べたいか
きっと、AIが作った新しい味の料理ではなく、今まで慣れ親しんできたものを食べたいと思うのではないか、との意見でまとまりました。
最後に元F1レーサーの山本左近氏からヴィーガンクッキー販売のお知らせ

障害者施設で、障害者雇用の一環で、ヴィーガンクッキー「felico(フェリコ)」を製造販売を開始するそうです。
6種類あるのですが、私のお土産袋には、メープルが入っていました。
felicoはエスペラント語で「幸せ」を意味するのだそうです。素敵ですね。
お求めは、こちらから
長い長いご報告のブログとなってしまいましたが、長い長いイベントでしたからご容赦くださいね。
でも、面白くなかったですか?
私にとっては、とっても楽しい満足な会でした。
おまけ
イベント終わりに突然雨が降ってきたため、ゴミ袋をレインコート風にかぶる松嶋シェフ

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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