
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
医師・管理栄養士監修のレストラン
この記事は元々2014年1月に執筆したものです。
当時、医師や管理栄養士がメニュー開発に携わりヘルシーなお料理を提供すると謳った『ドクターズレストラン』と呼ばれる飲食店がもてはやされ、増え始めていました。
医師や管理栄養士がメニューを開発しているので、特定の病気を持った患者さん、特に糖尿病の患者さんでも安心してお料理が食べられると謳っていました。そして、健康意識の高い人達の間でもヘルシーなお料理が食べられるレストランとして人気なっていました。
糖尿病患者に人工甘味料を使用

そうしたレストランを紹介する記事を読んでいて、凍ってしまいました。
「すし飯にお砂糖を使わず、カロリーゼロの甘味料を使用している」
糖尿病の患者さん向けにカロリーを抑え血糖値を上昇させないお料理を提供するために、お砂糖ではなく、カロリーゼロの甘味料を使用していると説明されていました。
カロリーゼロの甘味料と言ったら、人工甘味料です。
カロリー神話の問題
もちろん、人工甘味料は食品衛生法で使用が認められている合法的な甘味料です。当然、こうしたドクターズレストランに関わっている医師も管理栄養士も、何の疑いもなく当然のことのように使用していることでしょう。
しかし、人工甘味料の長期に渡る使用による健康への影響についての研究はほとんど行われていません。そして、カロリーゼロや低カロリーの食品や調味料の中には、既に健康への悪影響が報告されているものが多数あります。例えば、マーガリンや人工甘味料などです。
ただ単にカロリーが無いから、あるいは低いからというだけの理由で、そうした化学物質を健康的な食品だと考えるのは、あまりに短絡的です。
マーガリンに含まれている脂肪酸の99.9%を占めるトランス脂肪酸の危険性については、『マーガリンや植物油脂ってそんなに体に悪いの?』をご参照ください。
今回は、人工甘味料の危険性について現在までに明らかにされている事実についてお伝えします。
裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
人工甘味料の危険性
人工甘味料は糖尿病を起こす

2014年当時、「糖尿病の患者がカロリーゼロの甘味料を摂ると糖尿病が悪化する」という報告や、「リンパ腫や白血病を誘発する」といった研究結果が報告され、ハーバード大学医学部や公衆衛生学部の情報サイトが、その危険性について警告を発表していました。
また、米国糖尿病学会は、通常の甘味料と比較して、カロリーゼロの甘味料が糖尿病治療に科学的に有効であるという確証は得られないと結論づけていました。
そして2022年12月、とうとうサイエンス誌『ネイチャー』に人工甘味料が健常者の腸内細菌バランスを崩し、耐糖能を害することが臨床研究(ヒトを対象とした研究)によって証明されたという論文が発表されました。
耐糖能とは、血糖値が高くなった時に、血糖値を正常値にまで戻す能力のことです。それが害されるということは、血糖値が上がったまま下がらなくなることを意味し、人工甘味料が糖尿病を引き起こす原因となることを意味します。
2014年では「不確定」だったものが、2022年に「改善効果がないことが確定」しただけでなく、「糖尿病になることが確定」したのです。
人工甘味料は認知症リスクを高める

2017年4月20日に発表された米国フラミンガム研究所とボストン大学医学部による研究は、人工甘味料が添加されたダイエット系炭酸飲料等を全く飲まない人と比べ、毎日のように飲む人の脳卒中と認知症のリスクが2倍~3倍に高まることを示しています。
人工甘味料ではない、加糖飲料の摂取頻度と脳卒中や認知症の間に関係性は認められませんでした。
人工甘味料は大腸病原菌を増殖させる
2018年1月、人工甘味料のひとつトレハロースが、C.ディフィシル感染症(難治性大腸炎)の原因菌を腸内で増殖させることが発見されたことがサイエンス誌『ネイチャー』で報告されました。
C.ディフィシル菌は、抗生物質が効かない(現在4種の抗生物質が効くと言われているが、効く人と効かない人がいる)難治性の大腸炎です。
人工甘味料は心疾患リスクを高める

人工甘味料は、糖尿病だけでなく、心疾患の患者さんに勧められることが多い甘味料です。
1,157人を3年間追跡調査した研究結果が2023年に報告されました。この研究では、人工甘味料のひとつエリスリトールについて調査されています。エリスリトールは、体内ではほとんど代謝されないためゼロカロリーかつ血糖値を上昇させません。エリスリトールは、天然にも果物などの中に存在しますが、人工甘味料として化学的に合成されたものが多くの加工食品に使用されています。
この追跡調査によってエリスリトールが、心臓発作と脳卒中リスクの上昇と関連していることが判明し、因果関係を調べるために試験管試験でエリスリトールを血液と血小板に加えると、凝血が加速することが観察されています。更に、この凝血作用は、動物を用いた実験で再現され、ヒト(8名の健康なボランティア)を被験者とした研究においても、飲料に30gのエリスリトールを入れて飲むと、全員の血栓形成リスクが有意に上昇したこと、その効果が2~3日間も継続したことが報告されています。
ヘルシーなイメージで欺くレストランの罪は重い
管理栄養士や医師がメニュー開発に携わったという言葉は、ヘルシーな印象を消費者に与えます。なのに、そのレストランが、人工甘味料や低カロリーの油脂(トランス脂肪酸)を使用しているとしたら、それは、消費者への裏切りに他なりません。
管理栄養士がこうした情報を知らなかったとしても不思議はありませんが、せめて、代謝性疾患に携わっている医師くらいは、最新の研究報告に敏感であって欲しいと思います。
カロリー神話を信じている消費者にも問題はありますが、食品や食品添加物のもつ機能や影響に意識が及ばない医師や管理栄養士の罪は重いと言えます。
補足:人工甘味料という言葉は使えない
なお、2022年3月、消費者庁が新しいガイドラインを発表し、食品添加物を表現する際に「人工」という言葉が使えなくなりました。
つまり、人工甘味料を「人工甘味料」と表記してはいけないことになりました。
そのため、こうしたレストランは、「人工甘味料使用」と言わず、「カロリーゼロの甘味料使用」と宣伝することになります。耳障りの良いその言葉が何を意味するのか、消費者が賢くなって、自己の健康を守らなくてはならない世の中になりました。
詳しくは『食品添加物に関する「無添加」表示が禁止に』をご確認ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

食品はカロリーではなく機能です。
マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコース、そして、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムの中で、繰り返しお伝えし続けていることです。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献
- “Consumption of artificial sweetener- and sugar-containing soda and risk of lymphoma and leukemia in men and women.” 2013 Aug, Channing Division of Network Medicine, Department of Medicine, Brigham and Women’s Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA
- “Healthy Beverage Guidelines” Harvard School of Public Health
- “Nonnutritive Sweeteners: Current Use and Health Perspectives” April 19, 2012, A Scientific Statement From the American Heart Association and the American Diabetes Association
- “Bittersweet: artificial sweeteners and the gut microbiome“, Le Roy, T., Clément, K, Nat Med 28, 2259–2260 (2022). https://doi.org/10.1038/s41591-022-02063-z
- “Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia: A Prospective Cohort Study“, Matthew P Pase, Jayandra J Himali, Alexa S Beiser, Hugo J Aparicio, Claudia L Satizabal, Ramachandran S Vasan, Sudha Seshadri, Paul F Jacques, Stroke, 2017 May;48(5):1139-1146. doi: 10.1161/STROKEAHA.116.016027,PMID: 28428346 PMCID: PMC5405737
- “Dietary trehalose enhances virulence of epidemic Clostridium difficile“, Nature, 2018 Jan, 18;553(7688):291-294, doi: 10.1038/nature25178. Epub 2018 Jan 3.
- “The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk”, Witkowski, M., Nemet, I., Alamri, H. et al, Nat Med 29, 710–718 (2023). https://doi.org/10.1038/s41591-023-02223-9
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング