
バイオ個性で食べて、心と体をつないで健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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睡眠不足になると動脈硬化になる
睡眠不足による健康への影響について、様々な報告がなされてきました。
睡眠は、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでも多くのテーマと関係している重要な要因です。
睡眠不足になると、白血球(好中球・単球・マクロファージ)が異常に多く発生すること、それが動脈の血管内壁のプラークとなり、アテローム性動脈硬化を引き起こすこと、その結果、様々な内臓疾患/内臓炎症につながっていることが、以前から報告されている事実です。
しかし、そのメカニズムには不明な点が多くありました。
2019年2月21日のサイエンス誌『ネイチャー』のオンライン版で発表された論文によると、そのメカニズムが少しずつ解明されてきたようです。
徹夜による睡眠不足よりも怖い睡眠不足とは

マウスを使った実験ですが、まったく眠らなかった場合の睡眠不足と比較し、断片的な睡眠による睡眠不足の方がより深刻な動脈硬化が起こることが観察されています。
徹夜をするよりも、無呼吸症候群や頻尿によって、夜中に何度も起きてしまう睡眠の方が、心疾患や脳梗塞などを起こす可能性が高いかもしれないということです。
交感神経が活性化していないのに白血球が増加
交感神経は緊張を、副交感神経はリラックスを私達の体と心にもたらします。一般的にストレスが高い状況では交感神経が優位となるため、白血球数が増加し動脈硬化が進みます。
しかし、今回の実験では、睡眠不足によってマウスの白血球数が増加したのにも関わらず、マウスの交感神経は活性していなかったそうです。
体はリラックスしているのにもかかわらず、白血球が増加していたことになります。
ヒポクレチンが減少して白血球が増える

睡眠不足のマウスの脳では、視床下部で造られるヒポクレチンと呼ばれるタンパク質が減少していたことが観察されました。ヒポクレチンは覚醒と食欲、そして交感神経を刺激します。
マウスの脳で交感神経が活性化していなかったのは、ヒポクレチンが減少したからだと考えられますが、ならなぜ、マウスの白血球は増加したのでしょうか。
脊髄に存在する好中球(免疫細胞/白血球の一種)の卵には、ヒポクレチン受容体があります。好中球の卵は、ヒポクレチンを受け取ると好中球に成長します。血液中のヒポクレチンが不足していることを感知すると、好中球の卵はCSF-1(造血増殖因子)と呼ばれるタンパク質を作って造血幹細胞を刺激します。すると造血幹細胞は、白血球の全ての種類を増加させるよう働きます。
増殖した白血球が、動脈内にプラークとなって蓄積してしまうのです。
ちなみに、
- ヒポクレチンを作れないように遺伝子を操作すると、睡眠不足と同様に、白血球数が増加して動脈硬化になることが観察されています。
- 睡眠不足のマウスにヒポクレチンを接種すると、白血球数が減少し動脈硬化が改善しました。
これが睡眠不足が動脈硬化を引き起こす仕組みです。
しかしCSF-1はラスボスではない
なお、CSF-1取り除いても、睡眠不足によって増加した白血球の数は減少しなかったことも報告されています。
つまり、睡眠不足によるヒポクレチンの減少と白血球の増加の間には、CSF-1以外の第二の経路が存在している可能性があるということです。
睡眠不足によるメカニズムは、案外かなり複雑なんですね。
睡眠不足は基礎代謝を低下させ太りやすい体を作る

睡眠不足のマウスは食欲が減少するのにも関わらず、体重が変化しなかったことが報告されています。
上で述べたように、ヒポクレチンは
- 覚醒
- 食欲
- 交感神経
を刺激します。そのため、睡眠不足になるとヒポクレチンが減少し食欲が減退します。それなのに、体重が減らないのは、睡眠不足が基礎代謝を低下させることを意味します。
睡眠不足は満腹ホルモンも減少させる
研究者は、睡眠不足によって、レプチン(満腹ホルモン)の分泌も減少していると考えているようです。
なぜなら、基礎代謝は、満腹ホルモンに刺激されて上昇するため、基礎代謝が低下したということは、満腹ホルモンが減少している可能性があるからです。
満腹ホルモンが減少していて空腹感を感じているのに、ヒポクレチンが同時に減少しているので食欲が減退するという非常にジレンマな状況に陥るだけでなく、食べていないのに痩せないという体になってしまうは厳しいですね。
また、満腹ホルモン(レプチン)が不足すると、白血球が増加しますので、動脈硬化のリスクが高まります。
どのくらい睡眠不足が続くとアウトなのか
ヒポクレチンの減少と白血球数の増加は、睡眠不足が12週間続いた後に発生したそうです。
これはマウスの実験ですから、マウスの寿命約3年の12週間は、単純計算で、ヒトの寿命を約80年とした時の約6年に相当します。
単純計算して良いものではないと思いますが、少なくとも、かなり長期間に渡って慢性的な睡眠不足が危ないと言えそうです。
例えば、22歳で就職して28歳になるまで、ずっと睡眠不足の生活をしていたら、既に痩せない体になってしまっているかもしれませんね。
様々なダイエット法を試しているのに痩せない人は寝る

様々な食事制限をしているのになかなか痩せないのには、様々な原因が考えられます。
でも、もしご自分が睡眠不足だという自覚があるのであれば、まずは、しっかりと寝ることから始めてみてはどうでしょうか。
ただ痩せないだけでなく、それが動脈硬化、やがて心疾患や脳梗塞につながっていく可能性大です。
それに満腹ホルモンのレプチンは、単に満腹感を生じさせているだけでなく、様々な重要な役割をもっていますので、正常に分泌されることが病気予防に大切です。
ただが睡眠、されど睡眠。
ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。
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参考文献:
- “Sleep modulates haematopoiesis and protects against atherosclerosis”, Filip K Swirski et al., Naturevolume 566, pages383–387 (2019) , 13 February 2019
- “How broken sleep promotes cardiovascular disease”, Nature, NEWS AND VIEWS 13 FEBRUARY 2019
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング