関節リウマチはヴィーガンで治る?

2022/09/20/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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朝、手の指がこわばる?

朝起きてから30分くらい、手の指がこわばっていることありませんか?

痛みや腫れが感じられたりしませんか?

関節リウマチの症状は、朝起きてから30分以内くらいに起きることが多く、昼間や夜には落ち着くのが特徴です。

心当たりのある人は、診断を受けてみることをお勧めします。

関節リウマチとは

関節リウマチは、関節を裏打ちしている滑膜という組織を免疫細胞が攻撃することで慢性的な炎症が生じる自己免疫疾患の一つです。日本の患者数は70万〜80万人と推定されていて、30〜50歳代の女性に多く発症し、男性の4倍と言われています。

典型的には手指の第2関節など小さな関節に痛みや腫れの症状が起こり、左右対称に起こることが知られています。しかし、膝などの大きな関節が侵されることも少なくありません。そのまま放置すると軟骨組織が破壊され関節が機能しなくなります。

今では関節リウマチは早期に治療することで寛解する可能性のある病気です。

関節リウマチの自然経過は、ひとそれぞれで、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に関節破壊が進行していきます。

原因は完全にはまだ判っていませんが、関節リウマチと関係のある遺伝子が特定され、遺伝性があることは判明しています。また、歯周病などの細菌やウイルスの感染と喫煙との関係も明らかにされています。更に、過労やストレス、出産やケガなどをきっかけに発症することがあります。

IINの先生が行った臨床研究

私が公認ヘルスコーチの資格を取得した学校の講師で、「責任ある医療を目指す医師の会」の主宰でもあるニール・バーナード医師が、今年(2022年)4月に関節リウマチの食事療法として、ヴィーガン食に効果が認められたとの研究発表を行いました。

裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。

ちなみに、ニール先生はヴィーガンです。

研究は、関節リウマチと診断された成人44名を対象に行われました。

次の2つのグループに無作為に分けられ16週間を過ごします。その後4週間のウォッシュアウト期間を経て、食事内容を逆にして、新たに16週間過ごします。

ウォッシュアウト期間|ここでは、食事法の評価を正確に行うため、以前の食事の影響を排除するために設ける食事指導や投薬を行わない期間のこと

各グループの食事内容

グループ1|通常の食事とサプリメント(オメガ3不飽和脂肪酸とビタミンE)を16週間

グループ2|

  • 4週間・・・ヴィーガン食
  • 3週間・・・ヴィーガン食の中から関節リウマチに関係していると考えられている食品を除去
  • 9週間・・・病状を観察しながら除去した食品をひとつひとつ再導入し、各人にとって適切な食品バランスを確認していく

除去食品

今回の研究で除去の対象となった食品は次の通りです。

  • グルテン含有穀物(小麦、大麦、ライ麦)
  • 白じゃがいも、さつまいも
  • チョコレート
  • 柑橘系の果物
  • ナッツ
  • 玉ねぎ、トマト
  • りんご、バナナ
  • コーヒー、アルコール
  • 食卓用砂糖

疾患活動性スコア28(DAS28)が改善

DAS28(Disease Activity Score|ダス28)は、圧痛関節数、腫脹関節数、患者VAS、急性期反応物質(CRPまたはESR)によってリウマチの活動性を表す指標です。

  • CRP|肝臓で作られるタンパク質で、体に炎症が起こると増加する(血液検査)
  • ESR|赤血球沈降速度(赤沈)赤血球が沈む速度のことで、体の炎症が強いと高くなる(血液検査)
  • VAS|患者自身がどのように感じているかを示す値(0=症状がない、100=過去最悪の症状)

食事療法の結果、疾患活動性スコア28(DAS28)は、食事療法を受けている期間では4.5から2.5に改善したものの、サプリメントを摂取した期間では3.2から2.9の改善にとどまりました。

関節の腫れは、食事療法を受けている期間では7.0から3.3に減少し、サプリメントを摂取した期間では4.7から5に悪化してしまいました。

つまり、ヴィーガン食+食品除去によって、中等度~高度だった症状がいずれも低度に改善したことが示されています。

ヴィーガン食を始めるタイミングの是非

ニール先生は、

“医師は関節リウマチの人々に投薬に移る
食事パターンを変える
ように勧めるべきだ”

と述べています。

一方、ハーバード大学のシュメーリング医師は、

“永続的な関節損傷を防ぐために、
関節リウマチでは早期投薬治療が重要であることは、
何十年にもわたる研究によって実証されている”

と、反論し、投薬を受ける前に食事で治すことを勧める行為に警鐘を鳴らしています。

また、今回の研究では、X線やMRIで関節損傷の程度や改善度を確認していないことや被験者数が少ないこと、実施期間の4か月(16週間)は関節リウマチの研究としては短いことなどから、ヴィーガン食が関節リウマチを治すとまでは言えないとしています。

ヴィーガン食に効果はないのか?

確かに、この研究だけで、ヴィーガン食だけで関節リウマチが治るとまでは、言えないと私も思います。しかし改善効果がないとも言えません。

ハーバード大学のシュメーリング先生も、

“ヴィーガン食で体重が減少したことが
関節リューマチの症状の改善に寄与した可能性はある”

と述べ、関節リウマチの症状が改善したこと自体は否定していません。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

「投薬のに」と言うのは時期尚早なのかもしれません。でも、どうせ私達は3食食べるのです。

どうせ食べるのなら、効果が報告されている食事を試してみない理由はありません。

投薬を受けながら食事をヴィーガンに替えることや、研究で除去した食材を食事からしばらく抜いてみることは、無意味ではないように思います。

無意味どころか、治療効果を後押ししてくれると言えないでしょうか。

もしおひとりで取り組まれることに不安があるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング