「食べてから直ぐ寝る」と「朝食抜き」太りやすいのはどっち?

2025/01/16/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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太りやすいのはどっちだと思いますか?

「食べてから直ぐ寝る」と「朝食抜き」

太りやすいのはどっちだと思いますか?

昔から、食べてから直ぐ寝ると太るという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。実際、科学的にも、夕食後3時間以上空けてから就寝すると肥満予防に良いと言われています。

言い換えれば、食後3時間以内に寝てしまうと太りやすいと言えそうです。

一方で、最近、プチ断食とかプチ・ファスティングが流行り、朝食は食べない方が健康的だと考える人たちが増えているようです。

では、最初の質問に戻って、「食べてから直ぐ寝る」と「朝食抜き」のうち、太りやすいのはどっちだと思いますか?

「食べた後直ぐ寝る」

と、思った人・・・

大間違いです!

夕食に関する時間栄養学の発見

確かに夕食後、3時間以上空けてから就寝する人に比べ、3時間以内に就寝する人は、胴回りとBMIが大きくなる傾向にあることが時間栄養学の研究によって明らかにされています。

また、夜10時から夜中2時までの間に食べたものは、ほぼ代謝されず脂肪として蓄積されてしまうことも、時間栄養学の遺伝子の働きに関する研究によって証明されています。(註:この遺伝子を発見した科学者はノーベル賞を受賞しています)

だから、「夕食後直ぐに寝ると太りやすい」という認識は正しいです。

完全な間違えではありません。

しかし・・

朝食を抜くと起こる心と体への影響

朝食を抜くことで肥満だけでなく、さまざまな病気が起こるリスクが高まることが明らかにされています。

なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

同じ研究者によって、夕食後時間を空けずに就寝するよりも、朝食を抜く方が、胴回りとBMIに悪い影響をもっていることが明らかにされています。

つまり、ウエストを細くして体脂肪を減らしたい人は、

朝食をしっかり食べる方が効果的

と、いうことです。

言い換えれば、プチ断食で朝食を抜くと太りやすくなるのです。

朝食を食べない生活習慣が、メタボリックシンドロームや糖尿病などの慢性疾患と関連があることは、既に明らかにされている事実です。

2017年10月の「米国心臓病学学界ジャーナル(Journal of the American College of Cardiology)」に掲載された論文には、「朝ご飯は一番大切な食事」という古くから言われていることを裏付ける研究結果が報告されています。

4,000人の中年成人を対象としたスペインの調査では、朝食を抜く習慣のある人の約75%に動脈硬化の兆候があることを明らかにしました。4人中3人です!

つまり、朝食を食べない人は、朝食を食べる習慣のある人よりも動脈硬化になるリスクが高いということです。

朝食を食べない生活習慣が、冠動脈性心疾患と関連があることも明らかにされています。

長崎県壱岐市の住民コホート研究「動脈硬化・慢性腎臓病疫学研究(ISSA-CKD)」参加者のうち、2008〜19年に健康診断を受けた30歳以上の慢性腎臓病の922人を平均5.5年追跡調査した結果が2024年12月に報告されています。

結果、朝食を食べる人たちと比較し、朝食を食べない人たちの慢性腎臓病の進行の発生率が約2倍だったことが示されています。

これは、既に腎機能に問題がある人が朝食を抜くことで症状が悪化することを示した研究ですが、腎機能に問題がない人も、朝食を抜けば腎臓に大きな負担をかけることを意味しているのではないでしょうか。

実際に、朝食を欠食する習慣のある人に、たんぱく尿傾向があることが指摘されています。

アフリカ、アメリカ、アジアの 28 か国の平均年齢 20 歳の大学生 21,972 人を対象に行われた横断的研究では、朝食を抜く生活習慣が、次の精神衛生上の問題の発症と関連していることを明らかにしています。

  • うつ病
  • 幸福感の低下
  • 心的外傷後ストレス障害
  • 孤独感
  • 睡眠時間
  • 睡眠障害/不眠
  • 学業成績の低下

ヨーロッパの人口統計におけるゲノムワイド関連研究のデータを活用した研究では、朝食を欠食することが次の疾患の発症リスクと関連があることが示されています。

  • ADHD・・・2.74倍
  • うつ(大うつ病性障害)・・・1.7倍
  • 認知機能・・・16%低下
  • フレイル・・・29%上昇

朝食を抜くことでうつの発症リスクが増加するという因果関係について、研究者は、絶食中に血糖値が低下することで、炎症性物質(サイトカイン)が増加し、セロトニンの減少とコルチゾールの増加が起こることが関係しているのではないかと述べています。

セロトニンは別名幸福ホルモンとよばれる神経伝達物質で、不足するとうつを起こすことが知られています。また、コルチゾールは別名ストレスホルモンと呼ばれる神経伝達物質で、増加し過ぎると他のホルモン(インスリンや甲状腺ホルモンなど)のバランスに影響を与え心身に負の影響をもたらすことが知られています。

なお、ADHDとの因果関係を説明するメカニズムは不明ですが、これまでにADHDと鉄分や亜鉛の不足との関係が示唆されていることから、朝食を欠食することによる栄養バランスの欠如が関係しているのではないかと述べています。

中国の河北大学は、河北省に住む18歳以上の市民2万1,376人(平均年齢50.85歳、女性54.0%)を対象に朝食の摂取頻度と自殺行為との関係について面接調査を実施した結果が2024年12月に発表されています。

週6日以上朝食を摂っていたグループと比較して、週2~3日しか朝食を摂らないグループでは、次の結果となりました。

  • 自殺念慮・・・1.93倍
  • 自殺計画・・・2.73倍
  • 自殺未遂・・・3.46倍

朝食の欠食と自殺志向との間の具体的なメカニズムは不明ですが、研究者は、朝食を欠食すると気分障害が発生しやすい傾向と関係があるのではないかと述べています。

若者は、大抵、朝食を欠食しやすい傾向にありますから、朝食の欠食が自殺傾向を高めるとしたら重大な発見です。

朝食を食べる習慣のある人の特徴

朝食を食べる習慣のある人は、次のような特徴があることも報告されています。

  • 1日を通して健康的な食事をしている
  • 肥満、高血圧、糖尿病、高コレステロールの人が少ない

朝食を食べるためには、その分、早く起きなくてはなりませんから、夜更かしもあまりしないでしょうし、事前に朝食のための食べものを準備をしておく計画性も必要です。

そうした規則性のある生活リズムが「朝食を食べる」という行為に象徴されているのでしょうね。

12~17 歳のブラジルの若者 71,553 人のデータを分析した横断研究は、次の生活習慣のある人が精神疾患を発症するリスクが次の通り低下することを示しています。

  • ほぼ毎日/毎日食べる人・・・0.54倍(46%低下)
  • 朝食を時々食べる人・・・0.71倍(29%低下)

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

統合食養学の公認ヘルスコーチとしては、食事は抜かなくても、空腹を我慢なんてしなくても、体重を適正に戻すことができるとお伝えしたいと思います。

が、どうしても食事を抜きたいのなら夕食にしましょう。

これはインターミッテント・ファスティングと呼ばれる方法ですが、詳しい方法については『インターミッテント・ファスティング』をご確認ください。

朝食はしっかり食べた方が、生活習慣病予防にもなるし、スリムにもなれます。

食事制限なんてしなくても良い理由と方法は、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで詳しく学べます。また、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムでは、あなたのバイオ個性に沿った食事を公認ヘルスコーチと1対1で実践していくことができます。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング