ソフィアウッズ・インスティテュートの公式ブログ「図書室」

健康と幸せを手に入れるホリスティック・ヘルスコーチの食事法

「ナルシスト」と「自分が好き」の違い – セルフエスティームは心の免疫機能

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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日経ウーマンオンラインが2019年2月をもって閉鎖されることとなり、それに伴い、2014年2月~2014年12月まで連載していた『なりたい自分になるNY流栄養学 ホリスティック美女講座』の記事をこちらに再掲しています。

2014年12月15日

 今回がこの連載の最終回ですから、自分を愛することについて書きたいと思います。

 Self-esteem(セルフ・エスティーム)という言葉があります。日本語にするのが、なかなか難しい言葉です。なぜなら、辞書に掲載されているセルフ・エスティームの和訳は、「自尊心」や「自己愛」という、傲慢さやナルシスト的な、どちらかというとネガティブな意味合いが込められている日本語だからです。

 英語のセルフ・エスティームには、ネガティブな意味合いは一切ないんです。新しい日本語が必要ですね。

 日本語に、ネガティブな意味合いを持たない自尊心や自己愛にあたる言葉がないのは、日本に個人の感情や存在を尊重する文化的背景が、今までなかったからなのでしょうね。個人の命よりも「お国のため」、個人の尊厳よりも「組織のため」、個人の都合よりも「家族のため」、個人の名誉よりも「チームの和」、そうした個人よりも集団を貴ぶ文化にとっては、「自尊心」や「自己愛」は、集団の求心力を損ねる危険要素でしかありません。「自尊心」や「自己愛」が、たとえ個人の精神的な健康にとって大切であったとしても、個人よりも集団が尊重される社会にとっては、集団の不都合となるような概念や物事に、ネガティブなニュアンスが含められていても不思議ではありません。

 他にも、「プライバシー」にあたる日本語もありません。狭い居住環境で、隔てるものは、障子や襖など、防音とは無縁の環境で、文化を育んできた日本には「プライバシー」は存在しませんでしたから、存在しないものを言い表す言葉が生まれなかったとしても不思議はありませんよね。

 でも、現代を生きる私達の住む世界は、物理的にも精神的にも、時代と共に拡張しています。明治時代に追加的に創られた日本語だけでは、もうずっと前から、変化する私達日本人の精神文化を表現するには、足りなくなっています。

 しかも、うつ病が国民病になりつつある現代、日本人にとって、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)の概念は必須です。セルフ・エスティームは、心の免疫機能として働きます。日常的に起こる拒絶や否定や批判から、心を守る機能です。セルフ・エスティームが低いと、うつ病になりやすく、摂食障害を起こしやすく、ストーカーやDV、虐待を含め、人間関係を破たんし易くなります。

 私達は、虚栄心や見栄とは無関係に、傲慢になる必要もナルシストになることもなく、自己愛を持つことができます。自己の存在に対して尊敬の念をもつことや、自己実現をしたり、自分自身や自分の人生のための喜びを選択することができるのです。

 もちろん、セルフ・エスティームが単に高ければ、良いわけでもありません。セルフ・エスティームが高くても、他者に対する愛しみの感情が低ければ、ナルシスト的な行動となって現れます。まさしく日本語の「自己愛」です。そうした人は、自分の非を認めず、他者を責めることを選択します。自分の行動が招いた結果を受けいれることができないため、同じ過ちを繰り返す傾向にあります。

 また、傲慢な態度をとったり、他者をあからさまに批判したり、他者を見下す態度をとる人を日本語では「自尊心が高い人」と言ったりしますが、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)の度合いから見ると、実はそうした態度は、セルフ・エスティームが低い人の特徴なんです。自分に自信がなく、自分を心から愛し受け入れることができないため、他者を受け入れ愛することもできない人の特徴です。

 そして、他者への愛しみの心はもっているものの、セルフ・エスティームが低い人は、他者からの称賛の言葉や誉め言葉を居心地悪く感じます。誉め言葉は、低い自己イメージに反するため、素直に受け止めることができません。「嫌味なのではないか」、「見返りが欲しくておだてているだけなのではないか」と感じます。そのため、自分を高く評価し誉めてくれる人を避け、自分を無視したり、冷たく接する人を好みます。ダメ男との恋愛を繰り返してしまう女性や「こじらせ女子」に多い特徴です。

 『Emotional First Aid(心の応急処置)』の筆者である心理学者のガイ・ウィンチ博士によれば、「高いセルフ・エスティームに裏打ちされた真の自尊心」と、「他者への配慮のないセルフ・エスティーム(ナルシスト)」や「低いセルフ・エスティームの裏返しである偽の自尊心(傲慢さ)」の違いは、他者に対する行動が、好意的か敵意的かで見分けることができると言います。高い地位にある人でも、その地位を努力と周囲からの称賛によって獲得した人か、攻撃的な方法で奪い取った人かで見分けられると言います。

 そこで、今、あなたが感じている自己愛(自分のことが好きという気持ち)と自尊心(自分を大切に思う気持ち)が、本物なのか偽物なのかを見分ける方法をいくつかご紹介します。

あなたの自己愛や自尊心が本物かどうかを見分ける方法

1.真の自己愛/自尊心は無条件です。

 時に私達は、愛を与えたり、受けたりする際に、条件をつけます。例えば、昇進できたら、幸せになれる。体重が減ったら理想の彼を見つけられる、とか。でも、そんな条件が達成されなくても、幸せを感じられること、自分をダメ人間だと思わないこと、それが、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)です。(第2回 「幸せはスキル!幸せだから成功できる」参照)

2.真の自己愛/自尊心には、虚栄や見栄はありません。

 高慢な人に会ったことが一度はあるはずです。誰よりも自分が優れているかのように振舞う人です。こうした人は実はとても深く傷ついている人です。自信がなく孤独です。もし、ものすごく利己的でわがままな人にであったら、それはセルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)の高い人なのではなく、愛を欲している心の叫びだと理解しましょう。「マウンティング女子」もこのタイプですね。(第16回目「マウンティングする女としない女」参照)

3.真の自己愛/自尊心は他者を軽んじることはありません。

 自分自身を最優先させるということは、自分自身を尊重することです。でも、その過程で、他者への配慮を欠けば、ナルシストで、人間関係を軽んじていることになります。自分を最優先させることは悪いことではありません。でも、自分を優先させる際に、周りへの感謝や謝罪を忘れる行為は、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)ではありません。

4.真の自己愛/自尊心は、他者に対して同情的です。

 セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)は、他者への配慮なくしては、存在しません。でも、他者への配慮が、日和見的(自分に都合の良い時だけ)だったり、利己的(自分の利益になる時だけ)である場合、それは偽物です。自分の利益にならない相手にも親切で、都合が悪い時でも他者に配慮できる人が、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)をもっている人です。

5.真の自己愛/自尊心は、保身のために身構えません。

 真の自己愛は、オープンで、正直で、包容力があります。セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)を持っている人は、自分を証明する必要や自分自身を言い訳する必要を感じません。セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)は心地よいものです。もし自分の行為や信条を他者に弁解したり、身構えたりする必要があると感じるのであれば、それは、恐怖や不安を意味しています。セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)は、隠したり証明したりする必要のないものです。

6.真の自己愛/自尊心は、問題から逃げません。

 自分を大切にしていると言う人の中には、状況が困難になってくるとすぐに逃げだす人がいます。でも、原因について探求することなく、自分にとって都合が悪くなった状況から逃げ出すことは、胃癌なのにお腹にバンドエイドを貼るようなものです。手当てしたかのように見えますが、長期的にみて、状況を悪化させているだけです。自分を本当に大切にしている人は、自分自身を敬える人です。そのため、原因を探求し、そこから学び、適切な処置をほどこします。

7.真の自己愛/自尊心は、与えすぎることはありません。

 本物の自己愛は、正直で内省的です。理解や同情を示します。でも、与えすぎるといった過ちも犯しません。セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)を持っている人は、「No」と言うことができる人です。適切なバランス感覚をもっています。

 さて、あなたの自己愛/自尊心は、本物でしたか?

 では、どうしたらセルフ・エスティームを正しく高めることができるのでしょうか。自分でできる比較的簡単な方法を2つお教えします。

(1)まずは、自分に対して優しくなりましょう。そして批判的な内なる声を黙らせましょう。

1.あなたが否定された、傷つけられたと感じる状況を具体的にイメージしてください。

2.次に、その状況があなたの大切な家族や友人に起こったと想定し、彼等がどれくらい心を痛め、悩むことになるか、彼等の心の痛みを想像してみましょう。

3.そして、そうした状況にいる家族や友人に、どのような態度や言葉をかけて慰めるのがよいか、痛めた心を少しでも癒すことができると思う言葉を書き出しましょう。

 その言葉は、そのまま、あなたに向けられる言葉です。

 同じような状況におかれた際、自分を責めたり、批判する心の声を一旦黙らせましょう。そして、家族や友人のために書き出した言葉を、あなた自身に言ってあげてください。何度でも。

(2)「ありがとう日記」をつけましょう。

 毎晩、夜寝る前に、その日一日に起きた「ありがとう」と思える出来事を3つ書き出してください。

 PCやスマホに打ち込むのではなく、手書きにしてくださいね。ブログに書くのもダメです。たったそれだけですが、ハーバード大学のポジティブ心理学が効果を証明している方法ですよ。(第2回「幸せはスキル!幸せだから成功できる」参照)別に、大袈裟な「ありがとう」話である必要はありません。ほんの小さな「ありがとう」でいいんです。必ず3つ書いてくださいね。

 心を傷つける要素の多い現代社会において、心の免疫力を高めることは、必須です。

 自分を本当に愛している人は、他人にも親切です。

 自分を本当に大切にしている人は、他人をむやみに甘やかすこともしません。

そうした、心のバランスを保つことができる人が、心の免疫力の高い人、セルフ・エスティームの高い人です。

 さて、来年は、あなたがセルフ・エスティームを高め、真にご自身を愛し大切にできる新年になりますように!

 心温かく年越し、新年を迎えください。

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【参考文献】

  1. The Key Difference between Pride and Arrogance”, Guy Winch, Ph.D., July 29, 2014
  2. 7 Ways To Know If What You Feel Is Self-Love Or Selfish”, SHANNON KAISER, AUGUST 5, 2014
  3. Why Some People Hate Receiving Compliments”, Guy Winch, Ph.D., August 27, 2013

Author: Chise

森智世(もりちせ) | 公認 統合食養ヘルスコーチ(Certified Integrative Nutrition Health Coach) / ソフィアウッズ・インスティテュート代表 / 米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ / 女子栄養大学 食生活指導士 / 国際ヘルスコーチ協会 公認国際ヘルスコーチ/ 経営学修士(MBA)| ひとりひとりのバイオ個性に着目したポストモダンでホリスティックな食事法を推奨し、マインド・ボディ・コネクション(心と体のつながり)を食を通して実現します。また、私達を取り巻くすべての環境 - 人間関係、仕事などの社会環境、自然環境、体内環境(マイクロバイオーム) - を考慮するボディ・エコロジストです。長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報も、判りやすく解説を入れて配信していきます。厚生労働省「健康寿命をのばそう」プロジェクトメンバー / 目黒区男女平等共同参画審議会委員 / 日経ウーマンオンライン連載コラム『ホリスティック美女講座』執筆。食事法や健康などご相談のある方やヘルスコーチングを受けてみたい方は初回コンサルテーション(無料)にお申し込みくださいね!

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