
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
2025年7月30日の「ネイチャー」に掲載された論文に驚かされました。
その論文は、体内の休眠がん細胞が、インフルエンザやコロナなどの呼吸器系ウイルスによって目覚めてしまう可能性があることを報告していました。
がんサバイバーの肺などに、がん細胞が休眠状態で数十年間も潜伏していることに、わたしは少なからず驚きました。
論文によれば、コロナウイルスの感染によって、再発がんによる関連死が約2倍に上昇すると推計されています。実際、コロナウイルスが蔓延し始めた頃に、がんによる死亡率が上昇していたことも示されています。
更に、研究者は、呼吸器系ウイルスは、休眠状態のがん細胞を目覚めさせるだけでなく、がん細胞の増殖もさてしまうと述べています。
乳がんサバイバーの4人にひとりに起こる

今回の研究では、乳がん、前立腺がん、皮膚がんの寛解患者を対象に、原発腫瘍から離れた骨髄などの組織に潜伏している休眠状態のがん細胞について調査をしています。
例えば、乳がんサバイバーの約25%、4人にひとりに、休眠がん細胞によるがんの再発や転移が起こる可能性があるとのことです。
休眠がん細胞が目覚めるきっかけ
休眠がん細胞が再活性化するきっかけを明らかにする研究が、これまでも長年行われ、次の要因によって引き起こされる体内炎症が原因していることが示唆されています。
- 加齢
- 喫煙
これに加えて、今回発見されたのが、呼吸器系ウイルスです。
呼吸器系ウイルス

今回の研究は、遺伝子改変によってヒトの乳がんに類似したがんを発症させたマウスを用いて休眠がん細胞を再活性化させる要因を調査しています。
このマウスにコロナウイルスかインフルエンザウイルスを感染させると、数日以内に休眠がん細胞が活性化して増殖し転移巣を形成しました。
マウスを用いた研究で得られた知見をヒトで立証するために、英国バイオバンクなど、大規模リポジトリの集団データが活用されました。その結果、コロナ陽性だった人のがん関連死のリスクは、感染から数カ月の間に最も顕著に上昇したことが明らかにされています。
小さな火事も繰り返されると
しかし、再活性した休眠がん細胞は、ウイルス感染後、約2週間で再び休眠状態に戻ることも確認されています。
一過性の感染で直ちにがんが引き起こされることはなさそうですが、将来的に感染が繰り返されたり、その他の環境変化が起これば、休眠がん細胞は再び活性化する可能性があります。
このことについて研究者は、次のように述べています。

「小さな炎は生じても、すぐに消えてします。
でも、何度も繰り返されれば、以前の数百倍の燃えさしが残り、
それによって、大規模火災へつながる可能性が高くなります。」
がん寛解後に1回くらい風邪をひいても、休眠中のがん細胞は目覚めなさそうですが、いつ爆発するか分からない爆弾が体内に潜んでいるようなものですから、たかがインフルエンザだと軽視することなく、まずは感染しないための予防が重要です。
引き金はウイルスじゃない?

しかしウイルスは、休眠がん細胞を目覚めさせるきっかけにはなるものの、休眠がんの再活性化の最終的な引き金を引いたのは、ウイルスではありませんでした。
1. インターロイキン6(IL-6)
インターロイキン6(IL-6)と呼ばれる、免疫細胞が造る免疫物質(炎症性物質)が休眠がん細胞の覚醒にとって不可欠であることが確認されています。
また、IL-6を造れなくしたマウスを用いた研究では、休眠がん細胞の増殖がはるかに遅くなることも示されています。
ジョンズホプキンス大学医学系大学院のがん生物学者ミケーラ・エグブラッド(Mikala Egeblad)博士は、次のように述べています。
「重症コロナ患者の炎症を抑えるために、
IL-6を標的とした治療が行われてきましたが、
今後は、がんの再発防止のために、こうした薬剤の有効性を調べるべきです」
2. ヘルパーT細胞
しかも、ヘルパーT細胞という別の重要な免疫細胞が、がん細胞を他の免疫の仕組みから保護していることが確認されています。
研究者は次のように述べています。
「がん細胞は、
本来ならがん細胞を除去するよう働く免疫機能を転用して、
自身を防衛しています。」
がん細胞は、なんと狡猾なんでしょうか。
がんサバイバーがすべきこと
がんサバイバーが再発予防のためにすべきことにはたくさんありますが、今回の研究によって、新たに「風邪予防」が加わりました。

コロナも既に遠く感じる今日この頃の世の中で、外出後の手洗いうがいが疎かにされているかもしれません。
しかし、がんサバイバーに関して言えば、そうした気のゆるみは非常に危険だということです。コロナの蔓延期のような徹底的な風邪予防が求められます。
その他の参考情報
風邪予防に関して今までに執筆してきた記事は『風邪予防』でご覧いただけます。
また、がんに関係して執筆してきた記事は『がん』でご覧いただけます。
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参考文献
“‘Sleeping’ cancer cells in the lungs can be roused by COVID and flu”, Max Kozlov, Nature (2025-07-30) | DOI: 10.1038/d41586-025-02420-1
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


