
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
マイクロバイオータはお花畑ではない

ここ数年の間に共生細菌、特に、腸内細菌への注目が集まっています。
日本では腸内フローラとか腸内ミクロクローラという言葉が一般的に使われていますが、世界では、マイクロバイオータという言葉が一般的です。
1. フローラはお花畑
「フローラ」という言葉には「お花畑」という意味があります。
あなたと共生している微生物達は発見当初、腸内に咲くお花や苔のように動かない、ただそこに居るだけの植物の様なものだと考えられていたため、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。
2. 腸内細菌は動物と同じ
しかし、腸内細菌は植物のように動かない生き物ではなく、動物のように動き回ったり、さまざまな活動をしていることが明らかにされました。
そのため、「フローラ」と呼び続けることで誤解が生まれることを懸念して、もう10年以上も前から、世界では、「微生物」を意味する「マイクロバイオータ」あるいは「マイクローブ」という言葉が一般的に使われるようになっています。
「腸内フローラ」はもう10年以上も前から死語なんですよ。
共生細菌とあなたの健康は一蓮托生
あなたと共生している微生物(共生細菌)たちは、あなたの体の健康だけでなく、あなたの心の健康、そしてその心の動き(情動)に起因するあなたの言動と深く関係していることが明らかにされています。
免疫細胞と協働する、特に腸内に棲んでいる共生細菌(マイクロバイオータ)が、あなたの心と体の健康の鍵を握っています。
更にその中でも、あなたの心の状態に大きな影響をもっている共生細菌は「サイコバイオティクス」と呼ばれます。
今回は、共生細菌と心との関係を科学的に示した最初の研究と最近の研究についてお伝えします。
発酵乳製品を食べると・・・

2013年の専門誌『Gastroenterology(消化器病学)』に発表された研究は、腸内細菌があなたの情緒に大きな役割を果たしていることを世界に向けて報告しました。
オッペンハイマー・ファミリー・センターのストレス神経生理学者であり、カリフォルニア大学医学部のクリステン・ティリッシュ博士は、36人の健康な女性を3つのグループに分け、次の食品をそれぞれ4週間食べてもらい、機能性ブレイン・イメージングを行いました。
- プラシボ(偽薬)
- 牛乳
- 様々な種類の菌株が混ぜられている発酵乳製品
加え、被験者の休息時の脳の活動と、様々な表情(喜怒哀楽)の人の写真を見た時の脳の活動をMRI使って計測しています。

4週間後、発酵乳製品を食べていたグループの脳で、偽薬や牛乳を飲んでいたグループとは明らかに異なる次の変化が観察されました。
1. 休息時の脳
休息中の脳の内因活性に変化が起きていました。
2. 感情を表す人の表情を見た時
人の表情の写真を見た時、情動・内臓感覚・体性知覚を司る脳内皮質を含む脳の機能性ネットワークの反応速度が速まりました。
これら2つの変化は、発酵乳製品が中脳内の仕組みを根本的に変化させたことを意味し、結果、他者の感情に対して脳内の反応が早くなった、つまり、他者の感情に対して敏感になったことを示しているのではないか、と研究者は述べています。
この研究は、腸内細菌と脳内活動の関連性を初めて証明した貴重な研究となり、消化器官の健康と情緒の安定性や幸福感とのつながりを明らかにするきっかけとなりました。
ソフトドリンクを飲み続けると・・・

次の研究は、マールブルク・ミュンスター感情コホートの横断データを用いてドイツで行われた多施設コホート研究です。2014年9月から2018年9月の間に登録された次の2つのグループのデータが解析の対象となり、その結果が、2025年9月に発表されました。
- 大うつ病(MDD)患者グループ・・・405人(平均年齢36.37歳、うち女性257人)
- 健常者グループ・・・527人(平均年齢35.33歳、うち女性345人)
それぞれのグループのソフトドリングを飲む量と、うつの症状、腸内細菌(エガセラ菌属とフンガテラ菌属)の数との関係を調査しています。
ソフトドリンクの具体的な種類は明記されていませんが、一般的に人工甘味料を用いた炭酸飲料であろうと推察されます。また、検査対象となった腸内細菌のエガセラ菌属とフンガテラ菌属は、両方とも日和見の常在菌で、増えすぎると消化器官などの感染症を起こします。
1. エガセラ菌属が増加
ソフトドリンクを飲む量は、エガセラ菌属の増加と関連していました。一方で、フンガテラ菌属の増加とは関係がないことが示されています。
2. うつ症状との関係
ソフトドリンクを飲む量が多いほど、次の予測度が上昇しました。
- MDDと診断されるリスク
- うつ症状の重症度
3. 女性で顕著
女性は、発症リスクと重症度の両方において、ソフトドリンクからより強い影響を受けることが示されました。
これらの結果から、研究者は、ソフトドリンクを飲む量が多い女性ほど、腸内細菌のバランスが崩れ(日和見菌のエガセラ菌が増えすぎて)うつを発症したり、うつの症状が悪化することが確認されたと述べています。
その他のサイコバイオティクス関連の記事
次のリンクから表示される記事をご覧ください。
- 『サイコバイオティクス』
- 『精神栄養学』
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参考文献:
- “New Study Shows How Gut Bacteria Affect How You See the World”, David Perlmutter MD,
- “Consumption of Fermented Milk Product With Probiotic Modulates Brain Activity”, Kirsten Tillisch, Jennifer Labus, Lisa Kilpatrick, Zhiguo Jiang, Jean Stains, Bahar Ebrat, Dennis Guyonnet, Sophie Legrain-Raspaud, Beatrice Trotin, Bruce Naliboff and Emeran A. Mayer, March 14, 2013
- “Soft Drink Consumption and Depression Mediated by Gut Microbiome Alterations.”, Edwin Thanarajah S, Ribeiro AH, Lee J, et al., JAMA Psychiatry. Published online September 24, 2025., doi:10.1001/jamapsychiatry.2025.2579
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング