母親の喫煙とストレスが胎児の心と脳と命へ影響する

2015/09/17/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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母親の喫煙が胎児にとって良い影響はないだろうことは、簡単に想像できます。

でも、母親の胎盤は、母親の血液と胎児の血液が混じり合わない(母親と血液型の違う子供が可能)機能を備えているので、喫煙する母親の血液中に流れるニコチンも、胎盤を通り抜けないのではないかと期待したりするのですが、どうもそうではなさそうです。

今回は、妊娠中の喫煙とストレスや精神状態が胎児に与える影響についてお伝えします。

なお、裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。

英国のダーハム大学のナディア・ライスランド博士らの研究グループは、妊娠中の喫煙者喫煙者の胎内にいる胎児の細かな動きを観察したところ、大きな違いがあったことを報告しています。’

喫煙者と喫煙者の母親の胎児の体全体の動き(胎動)については、いくつか調査がなされています。

いずれも、月齢が進むにつれ、喫煙者の母親の胎児の胎動と比較して、喫煙者の母親の胎児の胎動は、よりも活発であることが報告されています。

今回の調査では、胎動ではなく、胎児の口の動きと顔を触る動きといった、細かな挙動の観察をエコーを使って行っています

また、母親の喫煙の有無だけでなく、次の違いによる胎児の細やかな動きへの影響についても観察が行われました。

  • 月齢ごとの変化
  • 母親のストレスレベル
  • 母親の精神状態(うつなど)

月齢と細かな挙動の関係

喫煙者の胎児も非喫煙者の胎児も、月齢が進むにつれ活発になる胎動とは逆に、口の動きや顔を触るといった細かな挙動は、少なくなっていきました。

母親が喫煙者か喫煙者かで胎児の挙動に相違

ただ、喫煙者の母親の胎児と喫煙者の母親の胎児には違いがみられました。

月齢が進むにつれ落ち着いてくるはずの口動きや顔を触るといった細かな挙動は、 喫煙者の母親の胎児では、次のような特徴がみられました。

  • 非常に活発
  • 落ち着いていくスピードが遅い

そして、月齢が進むにつれ、母親が喫煙者か喫煙者かによる胎児の挙動の違いは、より顕著になっていきました。

胎児の脳の中枢神経への影響

研究者は、喫煙者の母親の胎児の細かな挙動が落ち着いていかないのは、次のような理由による現象ではないかと述べています。

  • ニコチンなどの有害物資にさらされていることによるストレス
  • 胎児の脳の中枢神経の発達に何らかの影響が起きている

喫煙者の母親の子供の発語

過去の研究では、喫煙者の母親の子供と比較し、喫煙者の母親から生まれた子供には、次の症状がみられると報告しています。

  • 言葉を話し始める時期が遅い
  • 音と音を区別して発音できる時期が遅い
  • 音に反応する速度が遅い

妊娠中の母親によるニコチン摂取が、
胎児の脳細胞死を招いているのではないか

との仮説が立てられています。

日本人女性の5%が妊娠中に喫煙

日本の女性が妊娠中に喫煙をしていた割合は、調査対象となった女性の5%だったことが厚生労働省によって発表されています。

20人にひとりの母親が喫煙をしていることになりますね。

喫煙状況
表16-1『一般調査による妊娠中の母親の喫煙の状況』厚生労働省

ご自身の嗜好によって、子供の人生を左右しかねない、非常に重い責任ではないかと思います。

今回の研究では、母親の喫煙による胎児への影響が観察されていますが、父親の喫煙によって受動喫煙した母親の胎児への影響も同様に心配です。

東北大学産婦人科などの共同研究チームは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」という約8万2,000人の妊婦の大規模データを活用し、妊娠中の能動喫煙および受動喫煙が常位胎盤早期剝離にどの程度影響しているかを詳細に分析した結果を2025年8月に発表しています。

常位胎盤早期剝離とは、妊娠後期に胎盤が子宮壁から剝離する重篤な病態です。

母体と胎児の命を脅かす緊急疾患で、胎児の死亡原因の一つです。り、母体にも大量出血や重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

分析の結果、次の事実が明らかにされています。

  • 喫煙・・・常位胎盤早期剝離の約2.8%
  • 受動喫煙・・・常位胎盤早期剝離の約3.0%

妊娠中に喫煙を続けることで、胎児の成長や脳神経に影響を及ぼすだけでなく、命すら危うくしてしまうというのは、怖いことです。

更に、タバコを吸ったことがなくても、周囲に喫煙者がいるだけで、常位胎盤早期剝離リスクが上昇するというのは本当に恐ろしいことです。

喫煙だけでなく、ストレスに晒されていない妊婦の胎児と比較して、高いストレスに晒されている妊婦の胎児は、細かな行動が非常に活発であったと報告されています。

小さな子供は、不安になったりストレスを感じたりすると、自分の体の一部を触り続ける傾向にあります。小さな子供だけでなく、緊張した時には大人も無意識にやっていますよね。

胎児は母親のストレスを、アドレナリンやコルチゾールなど、ストレス下で分泌されるホルモンを胎盤を通して感じられるのかもしれないと、研究者は述べています。

うつの妊婦の胎児

一方、うつ状態の母親の胎児の動きは少なくなる傾向にあるそうです。

こちらもセロトニンやドーパミンなど、喜びや幸福感と関係するホルモンが母親の体内で減少していることに反応しているのではないかと考えられています。

つまり、カテコールアミン系、モノアミン系のホルモンは、胎盤を通過するということでしょうか・・・

母親の精神状態が胎児に影響

母親の精神状態が、胎児の心に同様の影響をもつことを観察した研究がありました。

TEDでのアニー・マーフィー・ポールのスピーチ『What we learn before we are born(生まれる前に私達が学んでいること)』で、母親の精神状態体調が、いかに誕生後の人生に大きな影響をもっているのかをとてもわかりやすく説明しています。

興味のある方は、ご覧になってみてくださいね。日本語の字幕つきです。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング