やっぱり立ってるだけじゃダメ

2025/01/21/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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1日の中で座っている時間が長い人ほど、病気リスクが高くなることが発表されて以来、さまざまなところで、立って仕事をすることが推奨されてきました。

立ったままの会議とか、立ったまま仕事ができるデスクなどが販売されたり・・。

立っているだけでいいってほんとぉ~?

と、いうのが、わたしの最初のリアクションです。と、いうのも中学校の理科の授業で、「仕事量」について学んだ時に、立った状態も座った状態も仕事量は同じ「1」だと教わったことを覚えていたからです。

当時、その事実が衝撃的だったので記憶に残っているのです。

立っていても座っていても仕事量が同じであれば、立っている方が健康的だということに違和感を覚えたのです。

そして、とうとう、やっぱり、ただ立っているだけでは健康効果がないことが証明されたのです!

オーストラリアのシドニー大学チャールズ・パーキンス・センターのマッケンジー・ウェアラブル研究ハブによって、イギリスの「UKバイオバンク」に登録されている83,013人の成人(平均年齢61.3歳、女性 55.6%)を対象とした研究が行われました。

手首に動作モニターを装着して、そこから得られたデータを基に、座位時間と立位時間の変化による心臓血管系の健康への影響を、平均6.9年間、追跡調査しています。

起立性循環器疾患とは、次のような疾患です。

  • 起立性低血圧
  • 静脈瘤
  • 慢性静脈不全
  • 静脈潰瘍
  • など

立っていることの、これらの起立性循環器疾患の発症リスクへの影響は次の通りでした。

なお、静止時間とは、座位時間と立位時間を合わせた、動いていない時間を意味します。

  • 1日の静止時間が12時間超・・・1時間当たり平均22%上昇
  • 1日の座位時間が10時間超・・・1時間当たり平均26%上昇
  • 1日の立位時間が2時間超・・・30分当たり11%上昇

この結果を見ると、立っている方が起立性循環器疾患のリスクがより高いことが判ります。

ちなみに、起立性循環器疾患には、次の症状が含まれます。

  • 起立性低血圧(OH)
  • 起立性/体位性頻脈症候群(POTS)
  • 血管迷走神経性失神(VVS)
  • 起立直後性低血圧(INOH)
  • 遅延性起立性低血圧(Delayed OH)

これらは米国では循環器疾患、つまり、心臓血管の病気と考えられています。

つまり、米国では、起立性調節障害は、起立性循環器疾患です。

日本では、起立性調節障害は、起立不耐性(自律神経の病気)と考えられていて、診断も担当科も異なります。

起立性循環器疾患のうち起立性頻脈症候群/体位性頻脈症候群(POTS)の改善法については、以前、IN YOU に寄稿したこちらの記事をご参照ください。

心血管疾患とは、次のような疾患のことです。

  • 冠動脈性心疾患
  • 心不全
  • 脳卒中
  • など

立っていることの、これらの心血管疾患の発症リスクへの影響は次の通りでした。

  • 1日の静止時間が12時間超・・・1時間当たり平均13%上昇
  • 1日の座位時間が12時間超・・・1時間当たり平均15%上昇
  • 立位時間との間に有意な関連なし

研究者は、次のように述べています。

「本研究により、立位時間が増えても、
長期的には心血管の健康の改善にはつながらず、
むしろ循環器系の問題のリスクが上昇することが分かった。」

座っている時間が長い人が、その時間を立っている時間に変更したとしても、例えば、座ってデスクで仕事をしていた人が立ったまま仕事をするようになったとしても、病気予防になるわけではなく、返って心疾患リスクを高めてしまう可能性まであるということです。

研究者は次のようにも述べています。

「だからと言って、立ったままのデスクワークをやめて、
座った状態に戻すべきと言うわけではありません。
そうではなく、・・・・」

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