
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
タトゥーを入れる人が増えている
アメリカでは1970年代からファッションや自己主張の手段としてタトゥーを入れる人が増え始めましたが、それでもわたしが留学していた80年代にタトゥーを入れている人は、特殊な集団に所属している人たちに限られていたように思います。少なくとも大学キャンパス内でタトゥーを入れている人に出会ったことはありませんでした。
しかし、現在では、ミレニアル世代やZ世代を中心に、アメリカの人口の2人にひとり弱(約46%)がタトゥーを入れているという報告もあるようです。
2人にひとりって、ちょっと盛り過ぎなんじゃ?と、思うものの、タトゥーにはアートメイクも含まれると考えると、2人にひとりというのは、外れていないのかもしれません。
日本でも若い人たちを中心にファッションでタトゥーを入れる人が増えている印象をもっていますし、実際、美容目的でアートメイクをする人も増えているようなので、今回は、タトゥーの健康への影響についてお伝えします。
ダサいおばさんがウザいこと言ってる
そう思っていただいて結構ですから、とりあえず、そう思ったあなたこそ、絶対に読んでください
色素を入れる深さが違う

日本伝統の刺青とタトゥーとアートメイク、いったいどのような違いや類似点があるのでしょうか。
1. 刺青
刺青は真皮層よりも深く色素を入れるために永久的に消せません。
2. タトゥー
タトゥーは、日本の刺青と比べて、ファッション感覚で気軽?に入れられるライトな印象がありますが、消すことができない点で同じです。
タトゥーは、皮膚の真皮層に色素を入れるため、半永久的に消すことができません。消す施術を受けるとデザインは消えますが、その場所が火傷痕のようなケロイド状の皮膚になり元通りにはなりません。
3. アートメイク
アートメイクの施術には、医師または看護師・准看護士の免許が必要ですが、特に専門的な技術の習得が必修とされていません。
アートメイクは表皮層に色を入れるので、次第に薄くなっていくと考えられていますが、表皮の深さはたった0.2mmほどです。
免許があっても医療従事者の注射の腕が全員良いわけではないのと同じように、アートメイクの腕も人によってまちまちです。
つまり、アートメイクでも、真皮層にまで針が達し、色素が皮膚に沈着して消えなくなる可能性が十分にあるのです。
タトゥーの健康への影響

ここからの「タトゥー」という記載には、眉やアイライン、唇などへのアートメイクも含まれます。
さまざまな医療検査が受けられない
色素には、重金類が含まれているため、アートメイクを含め、タトゥーを入れるとMRI検査やレントゲンなど、金属に反応する医療検査は受けられません。皮膚内で発火して重度の火傷を起こしてしまう可能性があるからです。
検査が受けられないので、病気の早期発見早期治療が行えません。それによる死亡リスクが高くなることは、簡単に想像できるのではないでしょうか。
リスクが高くなる病気

検査を受けられないだけでなく、衛生環境が整った施設での施術でない場合には、感染症のリスクも伴います。
また、重金属を体内に入れることで次の病気リスクが高くなることが懸念されています。
- 肝機能障害
- 金属アレルギー
実際に発症リスクが上昇することが示された疾患があります。
皮膚がんとブドウ膜炎です。
1. タトゥーによる皮膚がん
タトゥーを入れる人口が増えるにつれて皮膚がんの報告件数が増加傾向にあることが米国のデューク大学による2024年の調査によって明らかにされました。
2023年2月23日までに発表された「タトゥー内に発生した皮膚悪性腫瘍」を持つ患者に関する文献を米国デューク大学が網羅的に検索した結果が2024年に発表されています。

1938年から2000年までの62年間には、たった16件だったタトゥーによる皮膚がんは、2000年以降急激に増えていることが分かります。
1)タトゥー内の皮膚がんの種類
皮膚がんの種類別では、次のグラフのような分布となります。

- ケラトアカントーマ・・・通常は肌色をした丸くて硬い増殖性の病変で、中央部はクレーターのようにへこんでいて、鱗屑(うろこ状のくず)か、かさぶたで覆われている有棘細胞がんの一種
- 悪性黒色腫(メラノーマ)・・・色素を作り出す皮膚細胞(メラノサイト)から発生する皮膚がん
- 基底細胞がん・・・最も多くみられる皮膚がんで、表皮にある特定の細胞から発生する
- 扁平上皮がん・・・皮膚の扁平上皮細胞に由来する有棘細胞がん
- 隆起性皮膚線維肉腫・・・赤色から褐色の小さな隆起した腫瘍で、皮下の維芽細胞から作られるコラーゲンが蓄積して形成される
2)色素とがんの種類
タトゥーの色素別のがん発症例でみると、多くの皮膚がん(約36.9%)が赤色の色素内で発生しています。

色素の種類ごとに、発生するがんの種類が異なることも明らかにされました。
- 赤・・・ケラトアカントーマと扁平上皮がん
- 青と黒・・・メラノーマ
- 黒とマルチカラー・・・基底細胞がん
3)異なる特徴のメラノーマ
また、タトゥー内に発生するメラノーマには、タトゥーのない皮膚に発生するメラノーマとは異なる特徴があることが明らかにされています。
1. 圧倒的に男性
タトゥーを入れていない人たちでは、メラノーマの発症リスクに男女差はありません。
しかし、タトゥーを入れている人たちでは、メラノーマの81.8%が圧倒的に男性に発症しています。
2. 若年齢で発症
タトゥーを入れていない人たちでは、メラノーマの平均発症年齢は、60歳です。
しかし、タトゥーを入れている人たちでは、平均発症年齢が45歳と15年も早く発症することが示されています。
3. 皮膚の深い層で発症
タトゥーを入れていない人たちのメラノーマが発生した皮膚の深さは、中央値で0.58〜0.73mm、平均値で0.64〜0.77mmでした。
しかし、タトゥーを入れている人たちのメラノーマは、中央値0.91mm、平均値2.86mmと皮膚のかなり深い場所で発生していることが明らかになりました。
青色と黒色を使ったタトゥーを入れている男性は、45歳までにかなり悪性のメラノーマが発症する覚悟をする必要がありそうです。もちろん、女性にリスクがないわけではありません。
2. タトゥー関連ぶどう膜炎
ぶどう膜は、眼の虹彩、毛様体、そして脈絡膜の3つから構成される、眼の硝子体を覆っている膜です。硝子体を覆っている膜には3層(網膜、強膜、ぶどう膜)あり、その真ん中の層がぶどう膜です。

ぶどう膜炎は、重症になるものが多く、失明のリスクが伴います。
更に、タトゥー関連ぶどう膜炎は、タトゥーの色素など刺激物質に対して免疫細胞が反応して起こる全身性の慢性炎症反応(サイコイドーシス)で、眼にとどまらず、体の様々な臓器に炎症性の病巣が形成される病気です。肺、リンパ節、眼、皮膚などが侵されることが多いです。
徳島大学大学院眼科学は、第129回日本眼科学会(2025年4月17~20日)で、次のように発表しています。
「眉毛のアートメイクでも発症に関与する可能性があり、
今後は症例数の増加が予測される」
皮膚がんの予防
皮膚に色素を入れることで起こる皮膚がんの予防になるかは不明ですが、少なくとも紫外線を原因とする皮膚がんの予防に効果のある方法について、まとめたものです。
『ニコチン酸アミド』をご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

“And I would not put poison in my face.
Daphne Selfe/ダフネ・セルフ
You are who you are, get on with it and enjoy what you’ve got,”
わたしは毒を自分の顔に入れるつもりはありません
あなたはあなた、ありのままを受け入れてそれを楽しみなさい
世界最高齢のファッションモデル、ダフネ・セルフの言葉です。
アートメイクをする人の理由はさまざまだと思います。
「毎日、眉を書かなくてもいいから」
「顔を洗っても消えないから」
「好きな形の唇に美容整形よりも簡単に安価になれるから」
など・・・
でも、その結果、皮膚がん、失明、全身の臓器不全になる可能性があるとしたら、アートメイクやタトゥーに、それほどの価値があるのでしょうか。
でも、わたしは大丈夫
本当に?
Hindsight is always 20/20
(後知恵はいつも視力1.0)
未来に何が起こるのかを予見したり、予測したりするのは難しい。でも、「失敗した後なら、どこで間違ったのかよく分かる」という意味のアメリカの諺です。
日本語の「後悔先に立たず」と同じような意味の諺です。
できれば、失敗する前に、今回の情報がお役に立てれば嬉しいです。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Skin cancers arising within tattoos: A systematic review”, Jamie Lebhar, Jennifer Jacobs, Chandler Rundle, Samantha J Kaplan, Paul J Mosca, JAAD Int., 2024 Apr 20:16:133-143. PMID: 38957835 PMCID: PMC11217691 DOI: 10.1016/j.jdin.2024.03.015
- 「ぶどう膜」、公益社団法人 日本眼科医会 九州大学医学部眼科学 教授 園田康平
- 「増加傾向?Tattoo関連ぶどう膜炎2例20歳代男性と40歳代女性」、小暮秀和、2025年5月1日、メディカル・トリビューン
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング