「一晩寝たら忘れる」は嘘

2017/01/31/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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学習は寝ると覚える

サイエンス誌『ネイチャー』に次の様な論文が掲載されていました。

「嫌な情動(感情の)記憶は、
一晩寝ると忘れることがかなり難しくなる」

勉強した後、直ぐに寝ると記憶が定着して忘れにくくなる」と、ここ最近言われるようになりましたね。

新しい情報を学習した後に睡眠をとると、学習した情報が脳内で保存、処理される経路が再編成されて、短期記憶(海馬)から長期記憶大脳辺縁系)に移される傾向があることが発見されたことに由来しています。

だから、大切な試験勉強は、連日徹夜して勉強するよりも、ちゃんと毎晩、勉強した後に睡眠をとる方が勉強効率が良いというわけです。

では、感情についてはどうなのでしょうか。情報やデータや年号などと同様に、感情も寝ると長期記憶に定着するのでしょうか。

感情も寝ると忘れなくなる?

事実や出来事などの記憶だけでなく、その時に抱いた感情情動記憶)についても寝ると忘れることが難しくなるかどうかを調べた研究者がいて、その実験結果が発表されたのです。

実験は、73人の男子大学生を対象に行われました。

  1. 学生達は、2枚一組の写真をたくさん見せられます。
  2. 2枚の内1枚は中立的な画像、もう1枚は嫌悪感を抱くような画像のペアとなっています。
  3. 学生達は、そのペアを記憶するように指示され、一方の写真(中立画像)を見せられたらもう一方の写真(嫌悪画像)を見つけられるように訓練されます。
  4. その後、ペアのもう一方(嫌悪画像)を忘れるように指示されます。

記憶した後に、眠らなかったグループと比較し、一晩熟睡したグループは、ペアのもう一方を忘れることが難しくなったそうです。

つまり

一晩寝たら忘れるは嘘かも

腹を立てたまま「ふて寝」してしまうと、その後、その出来事や人に対してもった嫌な感情を忘れることが難しくなり、嫌な感情を長く「ひきずる」可能性が高くなるということではないでしょうか。

だとしたら、「一晩寝たら忘れちゃうのという人の言葉を真に受けてはいけませんね。

案外、根にもっていて、忘れた頃、別のケンカの時に、「あの時も・・」と、突然持ち出されるかもしれません(笑)

気をつけましょう。

寝る前に気分転換

逆に、嫌なことがあったら、その嫌な気分をひきずらないためには、気分転換してから寝ると良いですね。

嫌な事があった日は、お笑い等を観て笑ってから寝る。ほっこりするものを愛でてから寝る。などがいいかもしれません。

ここでも何回か紹介していますが、私はクライアントさん達に「ありがとう日記」をつけてから寝るようにお願いしています。

寝る前に、その日にあった「感謝できること」、「ありがとう」と感じたことを、3つ書き出すのです。

どんなに嫌なことがあった日も、必ず、寝る直前に「ありがとう」という感謝の気持ちをもった状態で就寝することが、とても心の健康にとって大切だということが、ポジティブ心理学によっても脳科学によっても証明されています。

やってみてくださいね。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献:

Memory consolidation reconfigures neural pathways involved in the suppression of emotional memories“, Yunzhe Liu, Wanjun Lin, Chao Liu, Yuejia Luo, Jianhui Wu, Peter J. Bayley & Shaozheng Qin, Nature Communications 7, Article number: 13375 (2016), doi:10.1038/ncomms13375, 29 November 2016

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング