バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
雨の月曜日
月曜の朝です。
体内リズムがノリません。世界が全て敵に感じます。
♪雨の日と月曜日は、いつも私を落ち込ませる♪
頭の中をカーペンターズの『Rainy Days And Mondays(雨の日と月曜日)』がぐるぐる回っています。
こんな経験ありませんか?
まさしく、「月曜日の憂うつ」です。
以前勤めていた会社の上司が、昔、こんなことを言っていました。
「月曜日と金曜日の欠席はうつ病のサイン」
「月曜日と金曜日に体調不良で休むことが多い社員は、うつを発症している可能性が高い」という自論です。
彼は、ご自身の経験則でそうおっしゃっていたのだと思いますが、実は、こうした「月曜日の憂うつ」は、科学的にも存在していることが報告されています。
科学論文に見つけた月曜日の憂うつ
なお、裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。
1. 心臓発作は月曜日に一番多い
『European Journal of Epidemiology(疫学のヨーロピアンジャーナル)』に発表された論文です。この研究は、オランダのロッテルダム市で1988年11月から1990年11月までの間に死亡通知書に署名した医師へのアンケート結果を基に統計分析が行われたものです。
具体的には、急性心臓発作による死亡者1,828人の週の分布と男女差、年齢差などを分析しています。その結果、急性心臓発作による死亡は、月曜日に最も多く発生しており、他の曜日の1.2倍だったそうです。
しかも、次のような統計まで示されています。
- 健常者は、入院患者よりも月曜日に死亡する件数が1.25倍
- 男性は、女性の1.25倍
- 65歳未満の人は、65歳以上の人よりも月曜日に心臓発作で死亡する件数が1.18倍
研究者は、ヒトの生理機能による不整脈と、社会的に造られた人間行動のリズムによる影響によって月曜日にピークが来ているのではないかと述べています。
健康な65歳未満の男性の皆様、月曜日には、ご自愛ください。
2. 体重は月曜日が一番重い
25歳から62歳までの80人の成人を対象に330日(約1年間)の体重変動をモニタリングした研究です。
体重は土曜日から増え始め、日曜日と月曜日にピークとなり、火曜日から減少し始める傾向があるとのことです。
これは、週末に食べ過ぎる傾向にあることが原因なのではないかと研究者は述べています。
また、健康的な人ほど曜日による体重変動が少なく、曜日による変動が大きい人ほど肥満傾向が強かったとのことでした。
血糖値の上下の振り幅が大きい人ほど、肥満になりやすい、つまり、食事を抜いたり空腹を我慢することが、返って肥満の種をまくことになるのですが、この研究は、一食一食の血糖値の上下幅だけでなく、週単位で見た場合の血糖値の上下幅も肥満に関係している可能性を示しているように思います。
平日は血糖値を意識して食事をしている人も、「週末のご褒美」に要注意ということではないでしょうか。
また、この結果は、1.の心臓発作が月曜日に多いこととも関係しているように思います。
3. 平日の自殺のピークは月曜日
韓国の釜山国立大学(Pusan National University)は、複数都市複数国共同研究ネットワーク(Multi-City Multi-Country Collaborative Research Network)のデータベースを用いて、1971年から2019年における26の国と地域の726都市/地域の自殺に関する情報を分析した結果を2024年に発表しています。
その結果、すべての国で月曜日は平日(月曜~金曜)の中では、自殺リスクがピークであることが報告されています。
なお、同じ研究の中で、ほとんどの国で元旦に自殺リスクが大幅に上昇すること、アジア諸国ではお正月の三が日の間、自殺リスクが高い状態が続くことも示されています。
月曜日が憂うつになる理由
なぜ月曜日に憂うつになる人が多いのか、その原因を解明しようとする研究もあります。
1. 週末の夜更しが月曜日の憂うつを作る
若年の成人30人の睡眠パターンを観察しています。
- 最初の2週間は、規則正しい就寝と起床時間を守って生活してもらいます。
- 次の2週間は、金曜日と土曜日だけ就寝時間を2時間遅らせます。
最初の2週間に比べ、後の2週間では、
- 日曜日の夜は就寝時間になっても眠気を感じることがなく、
- 翌月曜日には認知機能が低下し、
- 気分も落ち込んでいることが観察されました。
週末の夜更しが、日曜日の不眠と月曜日の憂うつの原因ではないかと研究者は述べています。
2. 週末の幸せが月曜日の憂うつを作る
ロチェスター大学が『Journal of Social and Clinical Psychology(社会と臨床心理学ジャーナル)』に発表した研究では、金曜日の夕刻から日曜日の午後までの間、痛みを感じる人が少ないことが報告されています。これは職業に関係なく起こる傾向なんだそうです。
この現象を「週末効果(ウィークエンド・イフェクト)」と論文は呼んでいます。
週末の間、好きなように活動できる自由と、愛する人達といっしょに過ごす癒しによって痛みに鈍感になるのではないかと、研究者は述べています。
そして、その反動で、月曜日の憂うつが起こるのではないかとのことです。
月曜日の憂うつを克服する方法
上でご紹介した「月曜日の憂うつ」の原因は、私達がコントロールしようと思えばコントロールできることばかりです。食事パターンも就寝時間も気持ちの持ち方も信条も、自分で決められます。
1. ちゃんと寝る
金曜日の夜も土曜日の夜も、できる限りいつも通りの時間に寝ましょう。そして、土曜日と日曜日の朝もいつも通りの時間に起きるようにしてみましょう。
そうしたら日曜日の夜も、いつも通りに眠れるはずです。ちゃんと眠れたら、月曜日の朝が少し辛くなくなります。
2. 朝食を食べる
月曜日の朝、タンパク質とお野菜豊富な朝食を用意しましょう。
炭水化物だけ(トーストだけ、オムスビだけ、菓子パンだけ)の朝食は避けましょう。ましてや抜くのは絶対ダメです。
もちろん、月曜日だけでなく毎日の朝食にもタンパク質とお野菜を加えることをお勧めします。
3. 通勤時間を有効に
スマホでニュースを読みながらではなく、目を瞑って音楽を聴いたり、瞑想する時間に使ってはどうでしょうか。
視覚に入ってくる刺激(情報)を遮断するだけでも、私達の脳は安らぎます。ほんの1-2分でも心を落ち着かせる時間を作ることで、返って、体を平日モードに切り替えることが容易になります。
この時、今日を「どんな日にしたいか」考えてみるのも良いと思います
心穏やかな日、生産的な日、楽しい日、積極的な日、寛容な日などなど、その日のテーマとなるような、あなたの気分を表わす言葉を決めるのです。
そして、月曜日がそのテーマに沿った日になるように行動してみようと思うだけで、ちょっと一日が楽しみになりませんか?
4. ランチを計画する
友人や同僚との楽しいランチを計画しておきましょう。仲間との時間は気分を高めるのに有効です。
約束があれば、月曜日の朝起きて会社に行く理由になります。
5. 机の上を整理する
「机の上の状態は、頭の中の状態と同じ」だと、よく言われますよね。
月曜日をすっきりスタートさせるために、まずは机の上の整理から始めるのも悪くありません。仕事モードに突然入るよりも、よいウォーミングアップになりると思います。
6. 微笑む
憂うつな気分でいると、無意識のうちに表情が無表情になったり不機嫌そうになったりします。
敢えて微笑みの表情を意識的に作ってみてください。そうすることで、不思議と気分が戻ってきますよ。これは、スマイルセラピーが実際に勧めている方法です。
7. 体を動かす
通勤の時、敢えて一駅歩いたり、エスカレーターではなく階段を使ったり、体を動かすことで、気分が改善することは多くの研究が発表しているところです。
お昼休みにちょっと遠くのお店まで歩いて行ってみるのも良いと思います。
8.「恵み」を数える
あなたに起こったラッキーなことや嬉しかったことなどを思い出してください。電車に乗っている時などにやってみると良いかもしれません。善いことを敢えて数えると気分が改善されます。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
さて、カレン・カーペンターは、「雨の日と月曜日の憂うつ」から逃れるためには、
♪変だけど、これしかないように思う
私を愛してくれる人を走って見つけること♪
と、歌ってます。
確かに、月曜日の朝、愛している人が隣にいてハグしてくれたら、起きて会社に行く元気が湧いてくるのかもしれません。でも、いっしょに暮しているのではない限り、毎週月曜日に、会社ではなく彼氏・彼女のところへ走って逢いに行っていたら、たぶん、会社はクビになりますね(笑)
人生の7分の1は、月曜日です。
辛くない月曜日が一日でも増えて、皆さんの人生の多くの時間が楽しくなりますように!
これは、大好きなお祈りの言葉のパロディです。もとのお祈りの言葉は
Grant us the serenity to accept the things we cannot change, courage to change the things we can and the wisdom to know the difference.
「変えられない物事を受け入れる心の静けさ、
変えられる物事を変える勇気、
そして、その違いを知る知恵を与えてください。」
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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参考文献:
- “Excess cardiac mortality on Monday: the importance of gender, age and hospitalization”, Witte, D.R., Grobbee, D.E., Bots, M.L. et al. Eur J Epidemiol (2005) 20: 395. doi:10.1007/s10654-004-6594-4, European Journal of Epidemiology, May 2005, Volume 20, Issue 5, pp 395–399
- “Weight Rhythms: Weight Increases during Weekends and Decreases during Weekdays”, Orsama A, Mattila E, Ermes M, van Gils M, Wansink B, Korhonen
- “Association of holidays and the day of the week with suicide risk: multicounty, two stage, time series study.”, Lee W, Kang C, Park C, Bell ML, Armstrong B, Roye D, Hashizume M, Gasparrini A, Tobias A, Sera F, Honda Y, Urban A, Kyselý J, Íñiguez C, Ryti N, Guo Y, Tong S, de Sousa Zanotti Stagliorio Coelho M, Lavigne E, de’Donato F, Guo YL, Schwartz J, Schneider A, Breitner S, Chung Y, Kim S, Ha E, Kim H, Kim Y; Multi-City Multi-Country (MCC) Collaborative Research Network., BMJ. 2024 Oct 23;387:e077262. doi: 10.1136/bmj-2024-077262. Erratum in: BMJ. 2024 Oct 28;387:q2373. doi: 10.1136/bmj.q2373. PMID: 39442941; PMCID: PMC11497772.
- “The effect of a delayed weekend sleep pattern on sleep and morning functioning”, Chien-Ming Yang, J. Spielman, Psychology and Health 16(6):715-725, November 2001,DOI: 10.1080/08870440108405869
- “’Weekend Effect’ Makes People Happier Regardless of Their Job”, January 12, 2010, University of Rochester, Journal of Social and Clinical Psychology
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング