
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
しばらく前にオートミールが日本でも流行りましたね。
でも、オートミールは一過性のファッションとしての食べもので終わらせるにはとてももったいない食べものです。
わたしがオートミールと出会ったのは、80年代、米国留学中のことです。当時の日本では見かけることのなかった食べものでしたが、あまり食パンが好きではなく、だからと言ってシリアルも好きではない、温かい朝食を食べたいわたしにとって救世主のような食べものでした。
オートミールとシナモンのコンビは最強です。今でもおやつとしてオートミール・シナモン・クッキーをよく焼きます。
今回は、そんなオートミールについてお伝えします。
オートミールの栄養価

オートミールには、炭水化物、脂肪、タンパク質、食物繊維が豊富に含まれています。
100g中に1日の必要量の10%以上を含んでいる時、その栄養素が豊富だと表現できると米国食品医薬品局(FDA)は定義しています。
それに照らすと、オートミールには多くのビタミンとミネラルが豊富に含まれていることが分かります。しかも、1食分(約40g)にして考えても、1日の必要量の10%以上を含んでいる栄養素が多いことにも驚きます。
1. 免疫機能の正常化・高度化

オートミール1食分(40g)で1日の必要量の28%以上もの食物繊維が摂れます。オートミールに含まれている食物繊維の中で、最も有名なものは、「ベータグルカン」ではないでしょうか。これは、天然の免疫調節成分です。
ベータグルカンは、あなたの免疫機能のレーダーを作動させ、攻撃的な侵入者に備えて、戦う細胞、例えば、免疫T細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞や特定のサイトカイン(例えばIL-1など)を活性化し、攻撃者を追い詰めて排除します。
最も一般的な攻撃者は、細菌やウイルスと、がんを引き起こす悪性細胞です。
また、ベータグルカンは、骨髄内に存在する新しい幹細胞(免疫細胞)の成長を刺激します。
2. 過食予防/肥満予防

オートミールは、その豊富な食物繊維によって満腹感が早く得られ、その満腹感が数時間も持続します。
満腹感が長く続くので不要な間食が減り、1日の摂取カロリーを80%削減すると言われています。
また、食物繊維によってインスリンの急激な分泌が起こらないため、糖が脂肪として蓄積されるのを防ぎ、エネルギーとしての燃焼を助けます。
3. 血糖値の安定

オートミールに含まれる水溶性食物繊維は、炭水化物の分解と消化の速度を遅くします。そのため、オートミールは食後血糖値を長時間安定的に維持するのに役立ちます。
オートミールに含まれているミネラルやビタミンによって、血糖値が安定するため糖尿病やその他の慢性疾患の合併症を予防するのに非常に効果的です。文字通り、インスリン抵抗性を改善し、糖尿病のリスクを軽減します。
2015年に14件の対照試験と2件の非対照観察研究を対象としたメタ分析は、オートミールを食べないグループと比較し、オートミールを食べたグループでは、次の数値が有意に低下したことが示されています。
- グリコヘモグロビンA1c(HbA1c)・・・平均絶対偏差−0.42%
- 空腹時血糖値・・・−0.39 mmol/L
更に、オートミールを食べないグループと比較して、オートミールを食べたグループで、食後急性血糖値とインスリン反応が有意に低下したことが報告されています。
2020年に実施された前向きコホートデータによると、1日の食物繊維摂取量を35gと19gを比較すると、食物繊維の摂取量が増えることで、次の改善が見られたことが報告されています。
- グリコヘモグロビン(HbA1c)・・・-2.00 mmol/mol
- 空腹時血糖値・・・-0.56 mmol/L
- インスリン抵抗性の恒常性モデル評価・・・-1.24 mg/dL
- 体重・・・-0.56 kg
- BMI・・・-0.36
- C反応性タンパク質・・・-2.80
また、オートミールに含まれているミネラルの中でも突き抜けて豊富なセレンとモリブデンは、免疫機能に関係し糖尿病予防やがん予防に欠かせないミネラルです。更に、ビタミンB群は、幸せホルモンの材料であり、炭水化物や脂肪の燃焼に不可欠なビタミンです。
オートミールを食べることを習慣にすることで、糖尿病やメタボリックシンドロームの予防になると考えられています。
4. 悪玉コレステロール低下
オートミールは総コレステロールだけでなくLDLコレステロールも低下させます。
2015年に14件の対照試験と2件の非対照観察研究を対象としたメタ分析は、オートミールを食べないグループと比較し、オートミールを食べたグループでは、次の数値が有意に低下したことが示されています。
- 総コレステロール・・・−0.49 mmol/L
- LDLコレステロール・・・−0.29 mmol/L
2020年に実施された前向きコホートデータによると、1日の食物繊維摂取量を35gと19gを比較すると、食物繊維の摂取量が増えることで、次の改善が見られたことが報告されています。
- 総コレステロール・・・−0.34 mmol/L
- LDLコレステロール・・・−0.17 mmol/L
- 中性脂肪・・・−0.16 mmol/L
5. 心疾患予防
オートミールには、20種類以上のアベナントラミドとよばれる植物性化学物質(ファイトケミカル)が含まれています。
アベナントラミドは、オート麦にしか含まれていないポリフェノールで、100g中約300ppm含まれているとされます。
様々な細胞種において抗酸化作用を示し、抗炎症作用があることから冠動脈疾患(心疾患)の予防効果が期待されている成分です。
オートミールに多く含まれているフラボノイドは、心臓の健康に大きく貢献するだけでなく、喘息や脳卒中など、様々な病気の予防にも役立ちます。
6. 大腸がん予防

オートミールに含まれているアベナントラミドは、大腸がん予防にも効果があると期待されています。
また、食物繊維は腸内を巡るため、大腸がん予防に効果があることが知られています。
大腸がんの前駆病変の大腸腺腫(CRA)患者10,948名を対象とした20件の研究を含むメタ分析では、食物繊維の高摂取(約20g以上)と低摂取(約10g未満)を比較した結果、次の
1日に食物繊維を食べる量が10g増えるごとに、大腸腺腫リスクが0.91倍(9%低下)になり、有意な逆相関があることが確認されています。
食物繊維の低摂取群を比較すると、高摂取群の大腸腺腫リスクは次の通り低下しました。
- 野菜繊維・・・0.93倍(7%減)
- 果物繊維・・・0.84倍(16%減)
- 穀物繊維・・・0.76倍(24%減)
野菜には食物繊維が豊富なイメージですが、穀類に含まれている食物繊維には、野菜や果物以上に大腸がん予防に効果があるというのは嬉しい発見です。
炭水化物は抜くのではなく、上手に付き合うことが必要ですね。
7. 皮膚疾患の改善

こちらは食べるのではなく、お肌に外から塗って使う方法です。
オートミールは、様々な乾燥性皮膚疾患に伴う痒みや炎症を和らげる鎮静剤として、何世紀にもわたって使用されてきました。
オートミールを粉末にしたコロイドオートミールは、米国FDAによって、皮膚の炎症を和らげる皮膚保護剤として承認されているんですよ。
その薬効成分は、アベナントラミドです。アベナントラミドは、1ppbという低濃度で、ケラチノサイト(表皮の防御機能を担っている細胞)での炎症性物質の合成を阻害します。
1~3ppmのアベナンスラミドを接触性過敏症および神経性炎症のマウスに塗布したところ、炎症が軽減され、患部を掻く行為が減少したことも報告されています。
コロイドオートミールの使い方は、下にリンクした帯状疱疹の記事をご参照ください。
その他オートミールに関する記事
今までに執筆したオートミールに関係する記事は次の通りです。併せてご覧ください。
- 『食べるだけで虫よけに?』
- 『帯状疱疹』

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

オートミールを朝食にする場合には、もちろん、合成着色料や香料、白砂糖やマシュマロなどが含まれていないものを選んでくださいね。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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参考文献
- “The Metabolic Effects of Oats Intake in Patients with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis.”, Hou Q, Li Y, Li L, Cheng G, Sun X, Li S, Tian H., Nutrients. 2015 Dec 10;7(12):10369-87. doi: 10.3390/nu7125536. PMID: 26690472; PMCID: PMC4690088.
- “Dietary fibre and whole grains in diabetes management: Systematic review and meta-analyses.”, Reynolds AN, Akerman AP, Mann J., PLoS Med. 2020 Mar 6;17(3):e1003053. doi: 10.1371/journal.pmed.1003053. PMID: 32142510; PMCID: PMC7059907.
- “Potential health benefits of avenanthramides of oats.”, Meydani M., Nutr Rev. 2009 Dec;67(12):731-5. doi: 10.1111/j.1753-4887.2009.00256.x. PMID: 19941618
- “Dietary Fiber Intake Reduces Risk for Colorectal Adenoma: A Meta-analysis”, Ben, Qiwen et al., Gastroenterology, Volume 146, Issue 3, 689 – 699.e6
- “Avenanthramides, polyphenols from oats, exhibit anti-inflammatory and anti-itch activity.”, Sur R, Nigam A, Grote D, Liebel F, Southall MD., Arch Dermatol Res. 2008 Nov;300(10):569-74. doi: 10.1007/s00403-008-0858-x. Epub 2008 May 7. PMID: 18461339.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


