乳房温存?再建?Going Flatという選択

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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10月1日は世界ピンクリボンデー。そして、日本では10月は乳がん予防月間です。

日本人女性が乳がんを発症する率は、2000年以降急激に上昇し、今では女性がかかるがんの第1位になっています。

公益財団法人がん研究振興財団は、「がんの統計2024」の中で、今後、新規に乳がんと診断されると予想される女性は、年間9万7,000人を超えると発表していて、10人にひとり弱が乳がんになる時代になっています。

わたしの周りでも、乳がんという言葉を耳にすることが増えました。

乳がんと診断されてから食生活の見直しをしたいとご相談に来られる女性が増えました。また、義妹が乳がんになり寛かい後5年以上になりました。一方で、従姉は乳がんで亡くなっています。また、30代の頃から仲良くしていただいている女性のひとりが乳がんになりましたが、今では寛かいしています。

東京女子医科大学外科学講座乳腺外科学分野の明石定子教授は、9月26日に行った講演の中で次のように語っていらっしゃいます。

「食生活は乳がんリスクと関連します。
閉経後の肥満、未妊婦、高齢初産などの傾向は
今後ますます強まるため、乳がんは増え続けると予測されています。」

明石先生がおっしゃる通り、食事は乳がん予防にとっても、再発予防によっても重要です。今までに執筆した、乳がん予防と再発防止のための基本の食事とライフスタイルについては乳がん予防の10の戦略』をご確認ください。

また、出産経験がないこと、高齢出産は乳がんのリスク要因です。

乳がんを発症する女性が急増しているものの、乳がんで死亡する人は激減しています。2009~11年の乳がんの5年生存率は、92.3%です。

わたしの周りでも従姉一人を除いて、今のところ乳がんで亡くなられた女性はいません。

つまり、乳がんは、寛解した後の人生がとても長いがんなんです。そのため、その後の生活の質の維持がとても大切になります。

そこで、今回は、乳がんの治療における乳房切除と乳房温存の最近の動向についてお伝えします。

なお、裏付けとなる研究論文などは、最後に参考文献として一覧にしています。

乳房温存手術と術後の放射線療法を組み合わせて行う治療法が「乳房温存療法」です。

乳房温存技術の向上によって、日本では、乳房温存を選択した人の割合が、2000年代に入ってから、60%以上になりました。

乳房温存療法は、比較的初期の乳がんを対象として、次の場合を除いて、乳房内でのがん再発率を高めることなく、美容的にも満足できる乳房を残すことを目的に行われる治療です。

  • しこりの大きさが4~5cm以上
  • 2つ以上のしこりが同じ側の乳房の離れた場所にある
  • 乳がんの石灰化が広範囲に広がっている
  • 妊娠などの理由で放射線療法が行えない

美容的な仕上がりが損なわれないよう行われますが、それでもがんの大きさや場所によっては、乳房が変形してしまうこともあるため、担当医との十分な話し合いが必要です。

乳房温存療法が適さない乳がんや、乳房内での再発の可能性が高い場合や、遺伝子検査で遺伝性の乳がんと判明した場合に、切除術が行われることが多いです。

詳細なことは担当のお医者様にご確認いただくこととして、ここでは簡単に説明を付します。

1970年代以前は、乳房の下の大胸筋と小胸筋も合わせて切除する「胸筋合併乳房切除術」が行われていましたが、2000年代以降はほとんど行われなくなり、現在では、大胸筋と小胸筋を残し、乳房全体を切除する「胸筋温存乳房切除術」が一般的です。

皮膚を切除しない術式です。

皮膚に近い場所にがんがある場合には難しくなります。

乳頭・乳輪を切除しない術式です。

乳頭を残すと再発しやすくなるため、適応できる患者さんは限られています。

乳房を温存する以外にも、乳房の切除を受けた場合の乳房再建には保険が適用できます

ちなみに、自分の体(細胞組織)の一部を使って乳房を再建する自家再建は2011年に保険適用になっています。また、人工乳房を用いた乳房再建も2013年に保険適用になっています。

そのため、乳房を全切除することを選択する女性が徐々に増加し、2020年には乳房全切除術が約半数を占めるようになっています。全切除によって再発の心配が少なくなりますしね・・。

ただ、日本人女性が乳房再建術を受ける割合は12.5%に留まっていると明石先生はおっしゃっています。ちなみに、韓国では53.4%、米国では40.0%の女性が乳房再建を受けているとのことです。

つまり、乳房を全切除する女性は増えているのに、再建する女性は少ないというのが現状です。

なぜなんでしょうか・・

日本人女性が乳房再建を受ける率が低い理由には、次のような理由が考えられると明石先生は説明されています。

  • 医師による説明不足/サポート不足
  • 乳房再建を行える専門医の不足

など

明石先生は、日本人女性の乳房再建率が低いのは、乳房再建を受けないことを積極的に選択しているのではなく、受けたくても受けられていないのではないかと考えていらっしゃいます。

海外のアンケート調査でも、乳房再建手術への満足度は、次の要因が重要であることが示されています。

  • 手術のオプションに関する適切な情報の提供・・・満足度52%アップ
  • 乳がん手術のスペシャリストによる治療・・・満足度44%アップ

十分な情報やサポートが得られるか、そして、担当医師の経験や技術力の高さを十分に確認できることが、乳房再建を選択する上で非常に重要であることが分ります。

世界に目を向けると、近年、乳房再建を望まない「Going Flat(平らでいく)」を選択する女性が徐々に増えていることが注目されています。

乳房再建を望まない理由として、主に次の理由が挙げられています。

  • 乳がん治療の早期回復
  • 人工乳房再建に用いるシリコンによる乳がん再発リスクへの不安
  • 外国製の人工乳房への不信

などです。

乳がんからの早期回復のために敢えて乳房再建を希望しないというのは、前向きな人生の選択のひとつとして、Going Flat も価値ある選択ですね。

しかし、人工乳房への不安などから再建を断念しているとしたら、それは決して前向きな選択ではないように思います。人工乳房に用いられるシリコンと乳がんとの関係や比較的安全な選択肢について『人工乳房インプラント』に詳しく説明していますので、決断の一助になれば嬉しいです。

とはいえ、ご自身の主治医とじっくりと話し合われること、相談されることが一番重要です。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング