バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
- 1 ホリスティック栄養学はホールフードを勧めるからホリスティック
- 2 ホールフードで食べるから自然栽培やオーガニック栽培
- 3 玄米に関する誤解と注意点
- 4 【誤解その1】薄皮(ヌカ)がついたままだと栄養素が取り出せない
- 5 【誤解その2】玄米は圧力鍋で炊けば柔らかくなるので浸水の必要はない
- 6 【誤解その3】ヌカに含まれるフィチン酸がミネラルの吸収を妨げる
- 7 【誤解その4】フィチン酸は完全に除去する方が良い
- 8 それでもフィチン酸が気になるのなら
- 9 避けるべきはABA(アブシジン酸)
- 10 玄米を発芽させてから食べる利点
- 11 何を食べるかだけでなく、どのように食べるのかも大切
- 12 ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
ホリスティック栄養学はホールフードを勧めるからホリスティック
ホリスティック栄養学は、ホリスティク(包括的、全体的)に食べ物と向き合います。そのため食品はできるだけ丸のまま、ホールフードの状態で食べることを勧めます。
例えば、大根や人参の皮はむかずに調理します。もし皮をむくような場合でも、後で、皮もちゃんと他のお料理に使います。
穀類、豆類、種類、ナッツ類なども、薄皮がついたまま、つまり、精白せずに食べることを勧めます。お米なら、白米ではなく玄米、小麦なら白い小麦でなくブラウン小麦(全粒粉)を勧めます。
お料理の見栄えや食感を良くするために取り除かれてしまう皮などの部分には、ビタミンやミネラル、抗酸化物質のポリフェノールやフラボノイド、食物繊維が豊富です。
そのまま食べる方が、美容にもよいし、栄養価も高く、血糖値のコントロール、強いては肥満予防のためにも好ましいと言えます。(もちろん病気によっては、そのまま食べてはいけないものがあります。)
ホールフードで食べるから自然栽培やオーガニック栽培
農林水産省が公表している国産作物の残留農薬の検出結果を見ると、基準値の10分の1以上の残留農薬が検出された作物もあります。
ホリスティックな食生活を目指す方は、意識して無農薬あるいは有機栽培されたものを購入すると安心です。
玄米に関する誤解と注意点
ホールフードで(精白せずに・薄皮ごと)穀類や豆類やナッツ類など、芽が出る種(たね)を食べる際に知っておいて欲しいことがあります。
正しく食べれば健康に良いこれらの食品も、扱いを誤ると健康を害してしまうことがあります。正しく知って賢く生活の中に取入れてくださいね。
【誤解その1】薄皮(ヌカ)がついたままだと栄養素が取り出せない
お米を生のまま食べるのでない限り、そんなことあるわけないじゃないですか。良識をもって考えましょう。
加熱すると植物の細胞壁は壊れる
穀類も豆類も加熱して食べれば、植物特有の細胞壁が壊れたり、壊れやすくなりますから、中に含まれている栄養素が簡単に取り出せるようになります。
歯は何のためにある
何のために、私達の口の中には、歯があるんですか?
ちゃんと調理して、ちゃんと噛んで食べたら、口の中で、種も米も豆も実も粉砕されて、ヌカに包まれていた中身も外にでます。
噛むことで消化酵素が分泌される
ちゃんと噛むことで、唾液が出ます。
唾液の中にはアミラーゼと呼ばれる消化酵素が含まれています。アミラーゼは、お米やお豆等のデンプンをブドウ糖に消化する役割をしています。食べ物が歯で粉砕されて、舌で唾液といっしょに混ぜられることで、口の中の食べ物の栄養は更に取り出しやすくなります。
また、咀嚼というリズミカルな動きが「幸福ホルモン」セロトニンの分泌に良いことも知られています。ちゃんと噛むことで幸福感がアップするのです。
噛むことで脳が刺激されその他の消化酵素の分泌が促されます。
そのことで胃に送られた食物は、胃のペプシンと呼ばれる塩酸よりも強い酸性の消化酵素の分泌によって、タンパク質が消化されアミノ酸に分解されます。その後、十二指腸からも胆のうからも肝臓からも消化酵素が分泌され、食べ物はどんどん消化・分解されていきます。
ちゃんと噛んで食べれば、小腸でちゃんと栄養素が吸収できるようになります。
胃や歯や口腔内に病気がある場合は別
白米だって、胃や歯や口腔内に病気をもっている人には、そのまま食べさせることはしません。お粥にして食べさせますよね?白米だから栄養が取り出しやすいわけではありません。
それに、香川女子栄養大学の香川芳子理事長も元埼玉医科大学病院栄養部長の竹内恭子教授は、病人にちゃんと噛んで食べる能力がある場合には、何もお粥や軟食にする必要はないとおっしゃっています。
玄米だって同じです。ちゃんと噛んで食べれば、栄養が取り出せないなんてことはありません。ただし消化能力に問題のある病人には白米の方が良いでしょう。
【誤解その2】玄米は圧力鍋で炊けば柔らかくなるので浸水の必要はない
白米よりも若干硬い食感の玄米を美味しく食べる工夫のひとつとして、圧力鍋で炊く方法があります。
でも、だからと言って、浸水しなくて良いわけではありません。その理由は、【誤解その4】で詳しくご説明します。
マクロビオティクスが圧力鍋を勧める理由
マクロビオティクスでは玄米を圧力鍋で炊くことを勧めます。
それは、理念の中心にある陰陽道に従う調理法だからです。 玄米を柔らかくすることが主な理由ではありません。
ちなみに、マクロビオティクスでは、圧力鍋での調理は陽性、土鍋と電気炊飯器は陰性と、考えます。ただし土鍋も時間をかけて炊けば陽性になります。
【誤解その3】ヌカに含まれるフィチン酸がミネラルの吸収を妨げる
フィチン酸と金属イオンが結合したフィチンが、玄米など未精製の種/穀類/豆/ナッツなどに含まれています。
フィチン酸には、ミネラル、特に、鉄分と亜鉛、そして少々のカルシウムとマグネシウムと強く結合する性質があります。そのため、玄米を食べるとミネラルが小腸で吸収されないのではないかと長いこと噂されてきました。
しかし上で述べたように、玄米のフィチン酸は既にミネラルと結合したフィチンの状態で存在しているので、体内の他のミネラルの吸収に影響する心配はありません。フィチンは、消化の過程でフィチン酸に還元されたり、再びフィチンに結合したりを繰り返して作用しています。
日常的に野菜の少ないミネラル不足の食事をしている貧しい国の人が、フィチン酸の多い穀類を食べたら、影響が現れる可能性は否定しませんが、ちゃんとミネラルが豊富な野菜や果物などを日常的に食べられる私達が、フィチン酸にミネラルを奪われることを心配する必要はありません。
【誤解その4】フィチン酸は完全に除去する方が良い
まったくの誤解です。
フィチン酸には大腸がん予防作用がある
全粒穀類(玄米など)が大腸がんの予防になるのは、食物繊維の効果だとよく言われます。でも、それは、食物繊維が善玉菌の食べ物になるからで、食物繊維が直接大腸がんを予防しているのではありません。
玄米などのヌカつき穀類が大腸がん予防になる本当の理由は、フィチン酸なのです。
フィチン酸には、抗酸化作用があります。特に、大腸内の酸化を防止することが判っています。また、大腸だけでなく、他の臓器の酸化も予防してくれるため、その他のがんの予防にもなるのではないかと期待されています。
だから、フィチン酸を怖がる理由はまったくないのです。
それでもフィチン酸が気になるのなら
ミネラルの多い野菜と一緒に食べる
もし万が一、穀類に含まれるフィチン酸が私達の体内のミネラルを多少なりとも奪うことがあるとしたら、それよりも、多くのミネラルを食べれば、フィチン酸に全部のミネラルをもっていかれることはありませんよね?
ご飯やパンや麺類の量よりも、野菜をたくさん食べれば良いだけです。
ビタミンCの多い野菜や果物と一緒に食べる
ビタミンCは、ミネラルの吸収を促進させてくれます。お野菜と果物にはビタミンCが豊富です。
玄米や全粒粉の主食を、ミネラル豊富なお野菜とビタミンC豊富な果物と一緒に食べることで、ミネラルがフィチン酸に奪われる前に吸収を促すことができるかもしれません。
コーヒーやワインと一緒に食べない
コーヒーやワインに含まれているカフェインやタンニンは、ミネラルの吸収を阻害します。
食事中を含め、前後のコーヒーやお茶、コーラなどカフェインを含んだ飲み物やタンニンを多く含むワイン等は、避けた方が良いですね。ミネラル吸収が気になるのなら、食後しばらく経ってからの方が安心です。
避けるべきはABA(アブシジン酸)
フィチン酸よりも心配して欲しいのは、種(たね)に含まれるアブシジン酸(ABA)とよばれる成分です。
ABAは植物ホルモンの一種で、植物の発芽を調節しています。また、種が他の動物に捕食されることを防ぐための毒をもっていることから、発芽毒とも呼ばれます。
具体的には、私達ヒトの細胞内のミトコンドリアに対して毒性を持っています。
ミトコンドリアは、体温維持など、エネルギー代謝にとって重要な役割を果たしています。ダメ―ジを受けると低体温になったり、不妊になったり、免疫力が低下し様々な病気にかかりやすくなります。
【解決方法1】浸水あるいは発芽させてから食べる
穀類、豆類、種類、ナッツ類は、浸水させることで、ABAを不活性化することができます。
更に、発芽させるとABAは無毒化します。
発芽と言っても芽が出てしまっては、それはスプラウツという別の食品になってしまうので、小さな泡が湧いてきたら発芽のサインです。
穀類やナッツ&シーズそれぞれの発芽までの浸水時間の一覧はマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでお渡ししています。
【解決方法2】加熱乾燥された玄米を使う
自然乾燥の玄米は生きているので発芽します(ABAが活きています)。
しかし、加熱乾燥した玄米は、加熱によって発芽機能が死んでしまっている(ABAが機能しない)ので発芽しません。そのため、浸水することが面倒な人は、加熱乾燥した玄米か、発芽玄米を使うと良いでしょう。
ただ私は加熱乾燥によって他の栄養成分にも影響があるのではないかと思うので、自然乾燥の玄米を浸水させて使っています。
玄米を発芽させてから食べる利点
発芽させることによって、ABAが無毒化されるだけでなく、玄米に含まれる様々な栄養成分が増えたり、栄養素の体内吸収率が高まったり、新しく有効な成分が発生すると言われています。
特に、γアミノ酪酸(GABA、ギャバ)含有量は、白米や玄米の数倍になるそうです。
GABAは、神経伝達物質として作用するアミノ酸で、血圧を安定させたり、精神を安定させたりする効果があると言われています。
玄米は発芽させない方が良いのか?
一方で、玄米は発芽させない方が良いとする意見もあります。
ナチュラルハーモニーの河名代表は、じゃが芋の芽に毒があるように、穀類の芽にも、外敵から自分を守るために、毒があるはずだとして、発芽玄米を食べることに反対しています。
植物の生き残り戦略は様々
キノコに毒キノコと食用キノコがあるように、同じ種類の植物同士でも生き残り戦略は異なります。必ずしも、進化の過程で、じゃが芋と同じ戦略を他のすべての植物がとるわけではありません。
それにじゃが芋は種(たね)ではないです。茎です。
果物は、そのままの状態よりも、動物に果肉を食べられた方が芽がでやすく繁殖しやすいため、わざと動物が好む匂いや味になったと言われています。
食べられたくない植物ばかりではなく、食べてほしい植物もいるということです。
と、いうわけで、私個人的には、発芽玄米=悪者説には、賛成しかねます。
何を食べるかだけでなく、どのように食べるのかも大切
統合食養学(ホリスティック栄養学)は、何を食べるのかということと同じくらい、どのように食べるのかということを大切にします。
マインドフル・イーティング(目の前の食事にまっすぐ向き合って、ゆっくり、五感を使って、噛みしめ、感謝して食べること)もそのひとつです。(マインドフルイーティングについては『五感で食べるマインドフル・イーティング』)をご参照ください。)
そして、その食事を可能にする調理においても、ちゃんと食材と向き合うことが大切となります。それぞれの食材の性質を知って、正しく扱うことが大切ですね。
ただ闇雲に食べれば良いわけではありません。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Grate Grains”, Institute for Integrative Nutirition
- 「栄養学 – からだの生理と栄養」、香川靖男、女子栄養大学栄養学教授
- 「病人食」香川芳子、香川女子栄養大学理事長、竹内恭子、元埼玉医科大学病院栄養部長
- “Dissecting Anti-Nutrients: The Good and Bad of Phytic Acid”
- 「発芽玄米から健康神話の裏側を考える」ナチュラルハーモニー代表 河名秀郎
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング