沖縄の島月桃はスーパーハーブだった!

2025/10/07/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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第15期セルフドクターコースでスキンケアのお話をした際に、沖縄から受講してくださってる看護師さんが、「これからは島月桃の化粧水を使おうかな」とおっしゃいました。

わたしはこの時まで「島月桃」というハーブの存在を聞いたことも見たこともありませんでした。早速、いろいろ調べたところ、とても素敵な作用をもつハーブであることを知りました。

もし、わたしのようにまだ「島月桃」を知らない本州の人のために(笑)、少し、まとめてみることにしました。

なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

島月桃(しまげっとう)は、沖縄にしか自生していない植物です。ちなみに、沖縄では、「サンニン」と呼ばれているようです。

「タイリン月桃」とか「コロニア/パコヴァ」と呼ばれている月桃が東南アジアやブラジルなどにもあり、また、「月桃」、「艶山姜(えんざんきょう)」と呼ばれている月桃が中国にもあるようですが、沖縄の「島月桃」とは異なる月桃です。

どの月桃も、ショウガ科の植物で、主に、熱帯地域で育ちます。

月桃は貝殻に似た花を咲かせるため、海外では次のような名前でも呼ばれているようです。直訳を(カッコ)内に記載しています。

  • シェルジンジャー(貝殻生姜)
  • シェルフラワー(貝殻花)
  • ピンクポーセリンリリー(ピンク陶器ユリ)
  • ヴァリエゲイテッドジンジャー(斑が入った生姜)
  • バタフライジンジャー(蝶生姜)
  • ライトガランガル(弱いガランガル:ガランガルは東南アジア原産の生姜)

島月桃のお花は4月から6月頃に咲いて、梅雨の前の頃に盛りを迎えます。

実(み)は、秋ごろに熟して赤色になります。

月桃は、ショウガ科の中でも最も多くの約230種を擁するアルピニア属に含まれます。

アルピニア属の植物とその成分には、次のような数多くの有益な作用があることが既に明らかにされています。

  • 抗菌作用
  • 抗寄生虫作用
  • 殺虫作用
  • 抗がん作用、抗腫瘍増殖作用
  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用
  • 抗アレルギー作用
  • 神経保護作用
  • 抗酸化作用
  • など

月桃にはヒトの体内で利用可能な(生理活性した)植物化学物質(ファイトケミカル)が豊富に含まれています。

これらの薬効をもつファイトケミカルは、大きく次の2つのグループに分けることができます。

  • カバラクトン類
  • 非カバラクトン類

非カバラクトン類は香り成分として精油に含まれています。

主に、月桃の葉に豊富に含まれています。茎、根、花などにも含まれていますが、その量は葉と比べるとはるかに少ないのです。

研究者は、特にフリーラジカルと活性酸素種(ROS)の消去作用にとって最も重要なのは葉から抽出する精油だと述べています。

月桃の葉から水蒸気蒸留法で採取した精油から同定された17種の薬効をもつ化合物のうち、モノテルペンが95%を占め、最も多く含まれていました。

島月桃の非カバラクトン類に多く含まれている成分は多い順に次の通りです。

  1. p-シメン
  2. 1,8-シネオール
  3. テルピネン-4-オール
  4. α-ピネン
  5. β-ピネン
  6. リモネン

含有量トップ3の香り成分の薬効は次の通りです。

月桃に最も多く含まれているp-シメンには、次の薬効があると考えられています。

  • 抗菌作用
  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用

2番目に多い1,8-シネオールには次の薬効があると考えられています。

  • 抗うつ作用
  • 血行促進
  • 鎮痛作用

こうした作用から、血行不良で起こりやすい肩こりや筋肉痛の改善や、頭痛や痛風などの痛みの軽減に効果があるとされます。

3番目に多く含まれているテルピネン-4-オールには次の薬効があると考えられています。

  • 抗菌・抗真菌作用・抗ウイルス作用
  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用
  • リラックス作用
  • 免疫力向上

こうした作用によって、傷や虫刺され、吹き出物などお肌トラブルに効くと言われています。

鹿児島大学と琉球大学は、細胞を用いた試験管試験によって、月桃の葉の精油に次の作用があることを報告しています。

  • 抗酸化作用(活性酸素種の除去)
  • 抗老化作用(コラーゲンなどを分解する酵素を阻害)
  • 抗メラニン生成作用(メラニンの産生を阻害)

ヒト試験が行われていないので、スキンケアに月桃の精油を用いた化粧水を使用することで、同様の結果が得られるかは不明ですが、昔から沖縄で月桃の芳香蒸留水が化粧水として用いられてきたことを考えれば、きっと、効果があるのではないかと個人的には思います。

含有量トップ3のp-シメン、テルピネン-4-オール、1,8-シネオールは、季節を通して常に存在する優勢な成分でしたが、p-シメンは夏に多く、テルピネン-4-オール、1,8-シネオールは、冬に多くなる傾向があり、季節によって香り成分の含有量が変動することが示されています。

つまり、次のように季節ごとに使い分けることができる精油と言えます。

  • に採取された月桃の葉の精油・・・抗菌作用など
  • に採取された月桃の葉の精油・・・リラックス効果や鎮痛作用など

そして、スキンケアとして精油を用いるのなら、冬の月桃の葉から採った精油ですね。

ちなみにこれは、東京有楽町の沖縄ショップで見つけた月桃のの芳香蒸留水です。

どの季節に蒸留されたものかは分かりませんが、使ってみたいと思います。

島月桃の葉・根・茎・実に含まれているカバラクトン類は、次の通りです。

  • ジヒドロ-5,6-デヒドロカイン(DDK)・・・1gあたり80~410mg
  • 5,6-デヒドロカイン(DK)・・・1gあたり100mg以下

カバラクトンには、抗不安作用、鎮静作用、筋弛緩作用(リラックス効果)があるとされ、不安症や不眠の緩和などに利用されます。

DDKの生物活性はDKよりもはるかに高く、DDKは葉に最も多く含まれ、次に根、茎の順です。

一方、DKは、根に最も多く含まれていて、葉に最も少なく含まれています。

その他にも次のようなファイトケミカルが含まれていますが、これらは主に葉に多く含まれているとのことです。

  • フェノール
  • 脂肪酸
  • フラボノイド
  • フェノール酸
  • ラブダジエン
  • ゼルミン
  • ルチン
  • カテキン
  • カルコン
  • ステロイド

線虫を用いた動物実験では、月桃の葉の水抽出物を与えると、寿命が22.6%延長することが示されています。

ヒトは線虫から進化したと考えられていて、線虫はさまざまな点でヒトと類似点があるとして、科学の研究で用いられることの多い実験動物のひとつです。

老化を促進させるフリーラジカルや活性酸素を月桃の成分が除去されたことによる効果ではないかと研究者は述べています。

ただし、ヒトの寿命をどれくらい延ばせるのか、延ばすためにはどれくらい飲むと良いのかなど具体的なことは、まだまだ判っていません。

とはいえ、月桃の葉の水抽出物、つまり月桃の葉のお茶を飲むだけで寿命が延びるかもしれないと考えたら嬉しいですね。

月桃の葉と実に含まれているDDKとDKが脂肪細胞で発生する活性酸素種を直接阻害することで、肥満予防効果があることが示されています。

月桃の葉と実は、一緒に煎じてお茶として飲むことができます。

DDKとDKの量が多いほど、細胞内の中性脂肪が減少したことが示されています。しかしこれは試験管試験での結果ですから、こちらも、実際にヒトがどれくらい飲んだら、痩せられるのかまでは分かりません。

でも、月桃のお茶で肥満予防ができるかもしれないというのは楽しい話です。

病院で行われる肥満の治療のひとつの方法は、すい臓の膵リパーゼ(脂肪分解酵素)の活性を阻害して、食事に含まれている脂肪が腸で吸収されるのを遅らせるものです。

月桃の葉と実に含まれるDDKとDDK誘導体(ヒスピジン)、そしてDKが豚の膵リパーゼの活性を著しく低下させたことが観察されています。特に、月桃の実から抽出したDDKとヒスピジンが最も強力だったと報告されています。

脂を使ったお料理、例えば、揚げ物などを食べる時には、実の割合を多めにして葉と実を煎じたお茶を飲むと良かもしれませんね。

研究者は、月桃には強力な抗動脈硬化作用があり、ヒトの心血管疾患や脳卒中の予防に役立つ可能性があると述べています。

月桃の実には、ルチン、ケルセチン、ポリフェノールの含有量が多いことから、善玉コレステロールを増やす効果があるのではないかと期待されています。

動脈硬化には、活性酸素種、チロシナーゼ、悪玉コレステロールの酸化を起こす15-リポキシゲナーゼ酵素などが関与しています。

月桃のすべての部位が、チロシナーゼ、15-リポキシゲナーゼ、そして、悪玉コレステロールの酸化を阻害する効果をもつことが示されています。しかし、最も強力な阻害効果を示したのは、実でした。

実だけでお茶にしてもよさそうですね。

あるいは、実を乾燥させて粉末にして調味料として使えるかもしれませんね。ただ、そうした沖縄料理はないようですが(笑)

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