バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
心を強く保つために必要なこと
心を強く保つためには、次の3つが必要だと言われています。
(1)思考を管理すること
(2)感情をバランスすること
(3)状況に関わらず生産的に行動すること
でもこの3つを実践するのは簡単なことではありません。
だって私達は、普通、自分自身の思考や感情と、意識して付き合っていないからです。
感情は無意識のうちに自然と湧き上がってくるもので、管理したりバランスするような対象ではありませんから、管理しろと言われてもどうしていいのかよく分からないと感じるのが普通です。
心の中の独り言が現実を創る
日々の雑事をこなしている時、あなたが心の中で無意識につぶやいているナレーションがあなたの実際の体験を形づくります。心の中のひとり言は、あなたの行動を左右し、周囲の人たちとの関わり方に影響を与えます。
無意識のうちにつぶやいている心の中の独り言は、あなたが自分自身に対して、あるいは、他者や世間に対して、どのように感じ、どのように受け止め、どのように反応するのかを決定する大きな役割を担っています。
心の中の独り言のように、あなたの意識の表にこぼれてくる思考は、常に現実的だとは限りません。
残念ながら、非論理的で不正確なことがほとんどです。
非論理的な思考に囚われてしまうと、コミュニケーションや人間関係にトラブルを生み、誤った決断につながりかねません。
あなたが達成したいこと、それが個人的な目標であっても、仕事上の目標であっても、それを達成するための鍵は、あなたの中の非論理的な思考に気づき、それを意識的に置き換えていくことです。
デイビッド・バーンズ氏の著書「Feeling Good: The New Mood Therapy (抄訳:いい気分:新しいムードセラピー)」によれば、あなたが陥りやすい最も一般的な思考エラーは、次の10のカテゴリーに分類できるそうです。
陥りやすい10の思考エラーとその修正法
1. 白か黒かのデジタル思考(All-or-Nothing Thinking)
物事を白か黒かでみてしまうことはありませんか?
例えば、同僚を好きな同僚か嫌いな同僚か、今までのプロジェクトは成功したか失敗したか、その2つに分類したことはありませんか?
全ての物事も人も、完全に悪とか、完全に善であることは稀です。どんなに嫌な上司にも良いところはあるし、どんなに素敵な人にも欠点はあります。
失敗したプロジェクトから学ぶことはたくさんあります。成功したプロジェクトにも反省点はあります。
だから、全ての物事を黒か白かに分類するのではなく、白でも黒でもないグレーの濃淡で認識しておくことが大切です。黒よりの白とか、白よりの黒、まったくどちらでもない灰色とか、白黒つけずに受け入れるのです。
2. 一般化し過ぎ
一般化とは、ひとつの特殊な出来事をもって、全てに当てはめてしまう思考です。
例えば、ある取引をひとつ成功させることがでなかっただけで「私は契約を結ぶのが下手だ」と、思いこんでしまうような思考です。
例えば、あるグループのひとりのメンバーから酷い対応をされた時に、「あのグループは無礼な人間の集まりだ」と、決めつけてしまう思考のことです。
ひとつの出来事を見て、それが全ての出来事に当てはまると考えるのではなく、単にひとつの特殊な事が起きただけと、いう冷静な視点を持ち続けることが大切です。
3. ポジティブな要素を排除する
これは、例えば、10ある出来事のうち、好い事が9つあっても、悪い事が1つあると、その悪い出来事に心を乗っ取られてしまう思考です。
良いことの方が多かったのに「今日は悪い日だった」と言ってしまったり、たったひとつのミスがあっただけなのに「今日のプレゼンテーションは最悪だった」と言ってしまったりする思考です。
ポジティブな出来事を排除してしまう思考は、ある状況を現実的に認識することを不可能にしてしまいます。
もしこうした極論に陥りやすいという自覚がある人は、しばらくの間、一日の終わりに上手く行ったことと上手く行かなかったことの両方のリストを作成することを習慣にしてはいかがでしょうか。
あるいは、悪い日だと感じた日は、その日にあった良いことを必ず3つ探してみることも、物事のポジティブな面とネガティブな面を平等に認識できるように思考の癖を修正することに役に立ちますよ。
4. 読心術(マインド・リーディング)
誰も、他者が何を考えているのか完全に正確に知ることはできません。他者もあなたが今何を考えているのか正確に知ることはできません。
例えば、会議でのあなたの発言に対して、「彼は私が会議でマヌケなことを言ったと思っているに違いない」とか「きっと皆は私のことを変だと思っているに違いない」と、いう思考は、あなたの自意識が起こしている感覚です。事実に基づいた推察ではありません。
誰かがある状況をどのように受け止めたかは、本人に確認しない限り、あなたには、本当のことは分からないことを認めましょう。
気になるのであれば、本人に直接確認するのが最良です。
それができないなら、他者があなたのことをどう思おうが、あなたには関係のないことです。あなたが正しいと思って行った言動であり、誰かを傷つける目的で行った言動ではないのであれば、気にしない。あなたの価値は変わりません。
5. 破滅的に振舞う
実際の状況よりも、悪く考えてしまう思考です。
例えば、ある月の売上目標が1回達成できなかっただけで、差し迫った状況にあるという兆しもないのに「首になってしまう」と考えたりする思考です。
思考が一旦ネガティブに傾いてしまうと、破滅的な思考で頭がいっぱいになってしまうこともあるでしょう。破滅的な思考で頭がいっぱいになってしまった時には、あなたの心配事を全て書き出しましょう。
全部全部書き出してしまいましょう。
そして、数日後あるいは数か月後に読み直してみてください。あなたのその思考が妥当なものだったのか、非現実的なものだったのか、きっと直ぐに判ります。
そして、次回、破滅的な思考が生じたら、それ以外の可能性がたくさんあることを思い出してください。
6. 感情の正当化
感情は必ずしも現実に則しているものばかりではありません。でも自分の感情は、論理的だと多くの人が思っています。
例えば、転職したいのに不安を感じている時、「もしこんなに不安なら、転職は止めた方がいいのかも」と考えたり、「転職はなんだか負け犬みたい。」と感じるかもしれません。
そうした感情は、思考と同じくらい、非論理的で事実に基づいていないことも多いものです。
あなたが希望していることと、あなたが感じる感情との間にネガティブな相違がある時には、あなたが感じていることを、書き出してみてください。
数日後にそれを読み直し、書かれていることに納得できたら、たぶん、その感情は本物です。適切に対応しましょう。でも、書かれていることが非現実的あるいは一時の思い込みだと感じられたら、きっとその感情は本物ではありません。
『夢に一歩踏み出す勇気を生むホリスティックな8つの方法』では恐怖心とどう付き合うかお伝えしています。
7. レッテル貼り
ある一つの特殊な出来事だけを見て、誰かの人間性やその状況の全てを判断してしまう思考です。一般化と似ていますが、こちらは一般化するだけでなく単純化もしてしまう思考です。
例えば、失敗をした人に対して「マヌケ」とレッテルを貼るようなことです。そしてそのレッテルに当てはまらない、その人の長所や性格や特性を無視して無かったかのように扱う行為です。
「あの人はこういう人」「あれは面白くない」等、何か、誰かに対してレッテルを貼っているあなたの思考に気づいたら一時停止することが重要です。
嫌いな人の良い面を認めるのは難しいかもしれません。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」状態に陥るのは簡単です。逆に、好きな人の悪い面を認めるのも難しいかもしれません。
でも、どんな人物や状況にも、他の側面があることを認めましょう。物事も人も多面的に見ることが重要です。
セカンド・チャンスという言葉もあります。
8. 予言する
誰も将来に何が起こるのか知りません。ましてや誰しもが占い師だったり、未来を予知できる能力を持っているわけでもありません。
なのに自分の将来を予言してしまうことがあります。
例えば、「明日のプレゼンで、絶対、私は恥ずかしい思いをするにきまっている」や、「何かを始めても、どうせ私はすぐに飽きてしまうに違いない」といった思考です。
これは、自己暗示です。心理学的には「自己充足的予言」と呼ばれるものです。
自分で予言したことを無意識のうちに自分で実現してしまうことを意味します。その結果「やっぱり思った通りだわ」と納得する思考です。
あなたの無意識は偉大です。
失敗したくないのなら、失敗する自分を予言するのではなく、成功する自分を予言してください。ポジティブな予言の効果は、『アファーメーション』をご覧くださいね。
9. セカチュウ化(世界は自分を中心に回っている)
世の中が自分を中心に回っているなんて思っていないと、あなたは言うかもしれません。でも、全ての出来事が自分のせいだと考えてしまったことはありませんか?
例えば、友達が電話を折り返してくれなかった時、「彼女は何か私に対して怒っているのだろうか」と考えたり、同僚の機嫌が悪かった時、「彼は私のことが嫌いに違いない」と考えたりする思考です。
お友だちは単に忙しかったか、トラブルに巻き込まれていたのかもしれませんし、同僚の機嫌が悪かったのは、応援しているチームが負けたからなのかもしれません。
世界はあなたとは無関係のところでも、回っています。
ある状況を、全て自分が原因だと感じるのは、セカチュウ化です。そんなご自分の思考に気がついたら、その状況に影響を与えているであろう他の可能性について考えてみましょう。あなた以外に他にどんな原因が考えられるのか、考えてみましょう。
あるいは本人に訊いてみるのが一番正解です。
10. 非現実的な理想
自己肯定感が高いことは、とても良いことです。でも、自己評価が非現実的に高すぎると、不要な失望を生んでしまいます。
例えば、社会人3年目の先輩と比較して、新入社員のあなたが、先輩と同じ様にできなかったとしてもそれは当然のことです。しかし、「私ならそれくらいできて当然」という非現実的な自己への期待を持っていれば、その期待が裏切られる可能性は大きいと言えます。不要な失望の種にしかなりません。
目標や理想は、現実的なものであるべきです。
誰かとの比較であなたの人生を評価するのではなく、上ばかりを見るのではなく、地に足をつけて、あなたの足元をよく見て、そこからあなたの目標や理想に向かって、どのようなステップを踏んでいくのが最適か、そこに集中しましょう。
なお、『嫉み毒の解毒方法』もご参照くださいね。
誤った思考の解消法
今回ご紹介した誤った思考パターンのうち、いくつ、あなたの中に見つかったでしょうか。もし、あなたの中にも誤った思い込みや思考パターンがあったのなら、次の方法で、現実的な思考に置き換える訓練をしてみてください。
- その思考/思い込みに反論する
- その思い込みが当てはまらない状況や要素を探して書き出す
- その思い込みが100%正しいわけではないという具体的な証拠を集める
これは、あなたの思考を完全にポジティブな思考に置き換えることが目的ではありません。
中立的で現実的な思考に置き換えることが目的です。
無意識のうちに起こる心の中の独り言や思考パターンを変えることは、簡単ではありません。今までの経験や価値観の積み重ねで形作られてきたものですから、過去のあなた自身と平和的に折り合いをつけていかなければならないからです。
まずは、あなた自身の思考の癖に気づくことからです。何事も気づかなければ変えることはできません。
練習をすれば、異なる視点で今を見て、目標を達成する可能性を高める方向で将来を眺められるようになります。
あなたの思考だけではなく、行動や感情の面においても大きな変化が起こります。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Feeling Good: The New Mood Therapy”, David Barnes
- “10 Thinking Errors That Will Crush Your Mental Strength”, Amy Morin, Jan 24, 2015 , What Mentally Strong People Don’t Do
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング