バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
春は肝臓や目に不調が表れやすい季節
春は東洋医学では肝臓や目に不調が表れやすい季節です。春の不調を整えるのに良いのは、当然、春のお野菜です。特に、濃い緑色のお野菜が良いとされています。
お酢も、東洋医学では春の不調に良いと言われますが、お酢は、春だけでなく日常的にも取り入れて欲しい素晴らしい効能をもっていることが次々と報告されています。
各国のお料理や食事法にみるお酢の使い方
世界の多くの国で、主食となる炭水化物に酢を混ぜて食べる習慣がみられます。
- 日本では、お寿司ですよね。酢飯です。
- 地中海地域(イタリアやギリシャなど)では、パンにバルサミコ酢をつけて食べます。正式なイタリアン・レストランに行くと、パンといっしょにオリーブオイルとバルサミコ酢が必ず運ばれてきます。
- 欧米の一部では、サワードウブレッド(酸っぱい生地のパン)という、ライ麦のパン生地を乳酸発酵させたパンが食べられています。
これらの食事法が理に叶っていることが科学的に検証されています。
(裏付けとなっている研究論文は参考文献として最後に一覧にしています)
科学的に食後血糖値を抑えることが検証された食べ方
酢飯
例えば、白米のGI値は、85ですが、
白米を酢と一緒に食べると、GI値が20%から40%低下して、68から51になることが報告されています。十分、糖尿病の人が食べても安心な炭水化物になりますね。
サワードウブレッド
普通の白い食パンを食べるよりも、食後血糖値の上昇が抑えられたという報告があります。
ポテトサラダ
ポテトサラダは、茹でたジャガイモにマヨネーズを混ぜて作りますが、これにも一理あるようです。
マヨネーズは、卵と酢とオイルで作りますよね。
もちろん茹でたジャガイモを、冷やしてから食べるだけでも、ジャガイモの澱粉がレジスタント・スターチ(難消化性澱粉)になるため、血糖値の急上昇が抑えられます。
そこに酢を混ぜて食べると、更に血糖値の上昇が抑えられたという報告があります。
であれば、茹でたジャガイモにマヨネーズを混ぜて作るポテトサラダは、冷たいですし、酢も入っていますし、とても健康的なサイドメニューということになりますね。(注:この時使用するマヨネーズに余分な添加物がないことが重要!)
白い小麦のパンにお酢
ベーグルとジュースという高GI(GI:81) の食事に、お酢を加えると、お水と一緒に食べた場合と比較して、食事1時間後の血糖値が約半分に抑えられていたという報告もあります。
パンにバルサミコ酢には意味があることが裏付けられましたね。
余談ですが、この時、お酢の代わりにピーナッツを食べても同じ効果が得られたそうです。
ベーグルは、クリームチーズが定番ですが、ピーナッツバターで食べるとよさそうですね。
おなます
私達がお正月に食べる「おなます」は、大根と人参の細切りを、ピーナッツを酢で擦ったもので和えますよね。ピーナッツと酢の両方が使われています!
血糖値を急上昇させる白いお餅が入ったお雑煮や甘い栗きんとんも、おなますと一緒に食べたら、血糖値を心配しなくても良くなりますね。
こうした食べ合わせを知っておけば、糖尿病の人もお正月くらい気にせずお節を楽しめそうです。
血糖値急上昇の抑制とインスリン抵抗性の改善
と、いうところで、次に、お酢の血糖値抑制効果についてあらためて整理しておきます。血糖値の抑制に必要なお酢の量などもご紹介します。
新しく発見されたお酢の驚くべき健康効果と、その効果を得るためにお勧めするお酢の摂り方などは、最後にご紹介します。
欧米では、民間療法として糖尿病の人にお酢が処方されていた時代があります。
科学的にも、お酢を摂ることで次の様な効果が得られることを多くの研究が報告しています。
- 血糖値の急上昇が避けられ
- インシュリンの分泌が正常化し
- 中性脂肪が減る
特に、Ⅱ型糖尿病の入口であるインスリン抵抗性を解消する効果があることが報告されていますので、メタボ検診で、メタボと診断された方やメタボ予備軍と診断された方は、意識してお酢を摂ると良いですね。
大さじ2杯の酢で満腹感持続
炭水化物にお酢を加えて食べると、血糖値の上昇やインスリンの分泌が抑えられるだけでなく、満腹感が生じることが報告されています。
研究では、被験者に白い食パンを3枚食べてもらいます。3枚も食べると大抵の被験者は満腹感を覚えるものの、2時間後には空腹感が生じました。
私達の代謝サイクルは約90分なので、正常な状態なら私達は90分ごとに軽い空腹を覚えるので、まぁ、妥当な反応ですね。
しかし、同じ量のパンを大さじ2杯のお酢と一緒に食べてもらうと、次の変化が起きたそうです。
- 半量で満腹感が生じ
- 2時間後も満腹感が持続
満腹感の持続と食べ過ぎ防止は量と酸味度に比例
他の研究では、前日の夕食を断食した翌日の朝食時に、炭水化物を50g含む白い食パン(日本の8枚切り白い食パン9枚分)を、酢(18、23、28ミリモルの酸味度)と一緒に摂ってもらい、食後30分の血糖値を比較しています。
結果、
- 酢の量が増えれば増えるほど血糖値の上昇が抑えられ、
- 酸味が強ければ強いほど、満腹感が上昇した
そうです。
血糖値には、酢は多ければ多い方が良く、食べ過ぎ予防(ダイエット)には、酢は酸っぱければ酸っぱい方が良いようですね。
でも、酸っぱ過ぎたら美味しく楽しく食事ができそうにありません。。
健康効果が得られて美味しく食べられるお酢の量は?
最低限、どのくらいだったら、効果が得られるのでしょうか。
- 血糖値を抑えるために必要な量
- 腸内環境を整えるために必要な量
- 体脂肪を減らすために必要な量
- がん予防になるお酢の摂り方など
それぞれ裏付けとなる研究内容と共にお伝えします。
血糖値を抑えるために必要な量
実験では被験者に検査前日の夕食に管理された食事を提供し、10時間の断食後、ベーグルとジュース(GI:81)をお酢と一緒に食べてもらいます。
次の様に条件を変えて、食後血糖値の上昇を比較しています。
- 量: 10g vs 20g
- タイミング: 食事中 vs 食事5時間前
- 摂り方: ビネガードリンク vs プラセボ(偽薬)
小さじ2杯のお酢を食事中に摂る
結果は、次の通りでした。
- 小さじ2杯の酢(10g)で、十分、効果的に食後血糖値が下がった
- 偽薬と比較して、食事の5時間前に酢を摂るよりも、食事中に摂った方が食後血糖値は20%も低下
小さじ2杯くらいのお酢なら、ドレッシングにしてサラダにかけて食べたら、食事中に十分摂れるので、簡単です。
腸内細菌を活性化し便秘/下痢を解消する量
便は、大腸で作られます。
小腸で消化しきれなかった食物繊維などを腸内細菌が発酵して便を作り、直腸へ送る働きをしています。酢を飲むことで、その働きが促進されたことを示した研究があります。
便秘解消や下痢解消にも効果があるということですね。
酢を飲んだグループでは、断食時の呼気中の水素が12週間目に19%の上昇を示しました。これは、大腸発酵が進んだことを示していると研究者は述べています。
大さじ一杯のお酢を2回に分けて食事中に摂る
その時、被験者が飲んでいた酢は、750mgの酢酸を水で割ったビネガードリンクです。酢酸750mgは、酢15ml相当で、食用酢大さじ1杯に相当します。
これを1日2回に分けて、3か月間、食事中に摂っていました。
肥満予防と減肥効果のある量
動物実験では、酢の主成分である酢酸に体脂肪の蓄積を抑制する効果があることが認められています。
それに関係し、日本の研究者が日本人を対象とした実験がありました。
酢を飲んでいないグループと比較して、酢を飲んだグループは、体重、BMI、内臓脂肪面積、胴囲、血清中性脂肪の量が有意に減少したことが報告されています。
大さじ1杯の酢を1日かけて飲む
BMI 25以上(肥満)の被験者を、体重、BMI、胴囲が同等になるよう3つのグループ分け、それぞれ、次のいずれかを混ぜた飲料を1日500ml、12週間(3か月間)飲んでもらっています。
- 15mlの酢(酢酸750mg)
- 30mlの酢(酢酸1,500mg)
- 0mlの酢(酢酸0mg)
15ml と 30ml のグループの結果に大きな差はなかったようです。15ml(大さじ1杯=小さじ3杯)で内臓脂肪が減るなら万々歳ですね!
AMPK活性化作用
酢には、アデノシン‐1‐リン酸 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する作用があることが報告されています。
AMPKの機能
現在までの様々な研究によってAMPKには次の機能があることが判明しています。
- アテローム性動脈硬化症、心臓発作、および脳卒中のリスクの減少
- 心室肥大を予防し、鬱血性不全を管理
- メタボリックシンドロームを改善し、2型糖尿病のリスクを減らす
- 糖尿病患者の血糖コントロールを助ける
- 体重増加のリスクを減らす
- がん治療における予後を改善し、がんの発症リスクを減らす
- 認知症と他の神経変性疾患のリスクを減らす可能性
- 骨と軟骨の適切な構造を維持
- 自己免疫の予防と管理を助ける可能性
AMPKは、ホルモンと相互作用するため、上記した様に、全身のエネルギーの摂取と消費のバランスに重要な役割を果たしています。
AMPKを活性化する方法
1. 酢を摂る
- 血糖値・食欲管理には、食事中に小さじ2杯
- 腸内環境改善と体脂肪減少には、食事中に大さじ1杯(2回に分けてもOK)
3か月以上続けることが重要です。
2. 適度な運動
筋肉を動かすことでAMPKは活性化し、筋肉に蓄積されている糖や脂肪を燃焼させます。
太ももや腹筋などに負荷のかかる運動を3分やれば良いそうですよ。
3. 野菜や果物の皮や種を食べる
AMPKは植物のポリフェノール(抗酸化物質)によって活性化します。そして、植物のポリフェノールは、大抵、実よりも皮や種の部分に多く含まれています。
やっぱり食品はホールフード(丸のまま)で食べた方が良いってことですね。
だからオイル&ビネガーがお勧め
お酢を水で割って飲むのも良いですが、それでは、サプリメントを飲んでいるのと同じで楽しくありません。単なる義務になってしまいます。
それよりも、ポリフェノールも一緒に摂れるシードオイル(グレープシードオイルやアボカドシードオイルなど)やナッツオイル(オリーブオイルやマカデミアナッツオイルなど)と一緒に混ぜて、サラダドレッシングにしてしまいませんか?
サラダも美味しく食べられるし、一緒に食べるパンやご飯に罪悪感を感じずに済むだけでなく、少量で満腹感が持続するなら、美味しく楽しく食べてダイエットになります。
お酢を上手に食事に取り入れてくださいね。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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参考文献:
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング