バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
庭にセージがあると死なない
セージは、ローマ時代の書物(ラテン語)に
Cur moriatur homo cui Salvia crescit in horto?
英訳: Why should a man die whilst sage grows in his garden?
和訳: 庭にセージが生えているのに、なぜ人が死ぬことがあろうか?
と、記載のあるハーブです。
この問いかけに呼応する諺が英語に残っています。
He that would live for aye, must eat Sage in May.
長生きしたければ、5月にセージを食べなさい
でも、セージの旬は7~10月です。
- 古代ローマ時代にはセージの旬は5月だったのでしょうか。(気候変動のせい?)
- それとも、英国と日本の気候の違いでしょうか。
- それとも、セージは、まだ若芽や若葉の状態の時に食べると良いという意味なのでしょうか。
セージの効能の多くは、セージの香り成分によるものです。そして、セージは、生葉よりも乾燥葉の方が香りが強くなります。
と、いうことは、生の若葉ではなく、7-10月に摘んだセージを乾燥させて次の年の5月にお料理に使いなさいという意味なのでしょうか。
わかりません。
コモンセージは米国では医薬品
セージには多くの種類がありますが、最も薬効が高いとされているのが、コモンセージです。
和名は、薬用サルビア。
サルビア(Salvia)は、「治癒力がある」という意味のラテン語salvereが由来です。
コモンセージの葉は米国の薬局方に処方薬として今でも登録されています。
補足: 薬局方というのは、医薬品の性状と品質の適正を図るため、各国で定めた医薬品の規格基準書です。ちなみに日本薬局方はこちら
欧州では薬局方への記載は取り消されていますが、今でも民間療法として使われています。
ここまでの説明を読んだだけでも、既に、「効く」気がします(笑)
キッチンを薬局にするハーブ
花言葉は「家庭の徳」です。
やっぱりキッチンに必ずおいておきたいハーブです。
お料理への活用方法については、『キッチンを薬局に|基本の15ハーブの効能と使い方(3)』をご参照くださいね。
コモンセージのマルチな機能
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
抗がん作用
セージに含まれている香成分や抗酸化成分の作用によって、様々ながんの予防や抑制効果が期待されています。
セージに含まれている香り成分
- ツジョン
- シネオール
- カルノソール
など
セージに含まれている抗酸化成分
- コーヒー酸
- クロロゲン酸
など
白血病
試験管試験ですが、セージ抽出液が白血病細胞の99%の増殖を72時間後に抑制したと報告されています。
肺がん
イタリアでの研究ですが、セージの葉(セージ精油ではない)を定期的に食べている人は、そうでない人達と比較し、肺がんを発症するリスクが57%低いことを報告している研究もあります。
メラノーマ
セージに含まれている7つの香り成分全てにおいて、メラノーマB16細胞でメラニンが産生させることを抑制したことが報告されています。
また、別の研究では、1週間に1回セージを食べている人は、メラノーマ(皮膚がん)の発症リスクが32%低かったそうです。
その他
肝がんや大腸がんへの効果についての研究が進められています。
アルツハイマー病・認知症予防
ある臨床研究では、一日に333mgのセージ抽出液(エクストラクト)を摂取した人の記憶力が有意に改善したことが報告されています。また、一日に60滴を摂取したアルツハイマー病の人の認知機能が有意に改善したことも報告されています。
免疫力向上・風邪予防・老化予防
セージの香り成分のひとつ、カルノシン酸には、強い抗酸化作用があります。そのため、免疫力を高めて風邪予防になるだけでなく、老化予防にもなると考えられています。
冬に加湿器にセージ精油を混ぜておくと抗菌になるだけでなく、空気中の雑菌も排除してくれるので、空気清浄になります。
喉や歯の痛みの軽減
鎮痛作用のあるボルネオール(竜脳(りゅうのう))という香り成分のお陰です。
喉の痛みや歯肉炎や歯の痛みの軽減などに使われます。
セージ茶でうがいすると良いですよ。
スイスで行われた臨床研究では、セージとエキネシア(風邪やその他の呼吸器感染の予防および治療に用いられているハーブ)をミックスした喉スプレーは、クロルヘキシジン(消毒薬)やリドカイン(局部麻酔薬)と同じくらい、喉の痛みを鎮静化したと報告しています。
咳止め
深いリラックス効果をもたらすことで知られているシネオールには、咳止めの効果があることが知られており、咳止めのドロップなどに配合されていたりします。
抗ウイルス作用、殺菌作用
ボルネオールには、抗ウィルス作用もあると言われています。また、カルノシン酸も殺菌作用のある成分です。
口内炎の予防や緩和になる他、セージ精油やセージの葉は、天然の防腐剤として、食品の防腐剤としても利用できますよ。
また、セージ茶で足湯をすると水虫改善になると言われています。
リラックス効果でストレス解消・快眠
深いリラックス効果をもたらすことで知られているシネオールという香り成分のお陰です。
イライラを解消してくれて、心を穏やかにしてくれます。
心が落ち着くので、心地よい睡眠の導入にもなりますし、ストレスの軽減になります。
中医学(東洋医学)では、セージは神経系の強壮薬とされています。
美肌効果(シミ予防、毛穴の引締め、ニキビ予防)
セージに含まれている7つの香り成分とカルノシン酸などの強い抗酸化作用が、紫外線からお肌を守り、メラニンの生成を抑制したことが報告されています。シミ予防になりますね。
また、渋み成分であるタンニンにはお肌の収れん作用があるので、毛穴目立ちを軽減してくれます。
タンニンには、皮脂分泌を正常に保つ作用があるので、オイリー肌からくるニキビを予防してくれます。
頭皮の健康とフケ解消
タンニンは、過剰な皮脂分泌を正常化してくれるので、頭皮や地肌を健康に保つことに役立ち、フケの解消にもなります。
口臭・体臭予防と制汗
タンニンは、消臭作用や制汗作用のある成分でもあり、市販のデオドラント製品にも香料として配合されていたりします。
消臭効果に優れているので、口臭予防や体臭予防になります。
制汗作用もあるので、スプレーにしたり、手作りの日焼け止めに混ぜておくと、夏に便利ですね。また、寝汗も抑えてくれるので、お風呂に数滴入れておいても良いですね。
消化促進・胃痛改善
セージには、消化酵素の分泌を促す作用があります。そのため胃もたれの解消にもなり、また、食欲不振の改善になります。
また、胃の荒れからくる胃痛などの緩和に効くと言われています。ガス溜りの解消にも効きますよ。
抗菌作用や消臭作用、また消化を促進する効果で、セージは、ソーセージ作りには欠かせないハーブですよね。
PMS・生理痛の緩和、更年期症状の予防
セージは、エストロゲンと似た働きのある植物性エストロゲンを含んでいます。そのため、女性ホルモンのバランスを整える効果があると言われ、女性ホルモンバランスの乱れからくる諸症状の緩和に用いられます。
前立腺がんでホルモン治療中の副作用(ホットフラッシュ)の緩和
男性ホルモン抑制療法を受けている前立腺がん患者に、1日に3回、150mgのセージ抽出液(エクストラクト)を経口摂取させたところ、ホットフラッシュ(ほてり)などの副作用が緩和されたと報告されています。
血行促進・冷え予防・コリ解消
血行促進する効果があると言われており、冷えの予防や改善に役に立ちます。
また、血行不良で起きている肩こりなどの改善の他、疲労回復にも期待されています。
断乳
セージ には、母乳の分泌を抑制する効果があると言われています。そのため母乳による育児を終える時に胸の張りを抑えるために使われたりします。
そのため、授乳中や妊娠中での飲食はお勧めできません。
セージを飲食してはいけない人
- 妊娠中 – セージには経通作用があるので、流産を招く恐れがあります。
- 高血圧
- てんかん
- 発熱時の子供
- 運転前 - 集中力の低下が起こることがあります。
- 飲酒前 - 悪酔いすると言われています。
セージの経通作用については、面白い体験をしたことがあります。『チャクラ・リトリートに行ってきました』をご参照ください。
ホワイトセージで心と体と環境の浄化
セージの一種ホワイトセージの葉や茎を乾燥させて、お香のように焚く習慣がアメリカのネイティヴ・アメリカンにあります。
乾燥セージの葉や束を貝の殻の上で焚くのが正式な方法で、彼らは、先祖の霊と私達をつなぐために、儀式などでホワイトセージを焚いたようです。
現代では、耐熱の器を使っても構わないようです。また、今でも、スピリチュアルな精神の浄化やエネルギーの浄化などの目的で、ホワイトセージを焚いてヨガや瞑想を行う人も多いですね。
スピリチュアルな効果だけでなく、その煙には、様々な浄化力があると言われています。空気中の雑菌を除去するだけでなく、マイナスイオンを発生させることが報告されています。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
ネガティブな感情が重く感じたり、ストレスを感じた時など、ホワイトセージを焚いてみると心が軽くなるかもしれませんね。その際、換気しながらやってくださいね。かなり煙が出るので警報機が鳴らないように気をつけましょう(笑)
私も時々、お香を焚くように、お皿の上で、1-2枚のホワイトセージの葉を焚きます。
キッチンを薬局にする様々な方法については、セルフドクターコースで教えています。セージもでてきますよ。
ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献
- “Salvia officinalis L. extract and its new food antioxidant formulations induce apoptosis through mitochondrial/caspase pathway in leukemia L1210 cells”, Jantová S, Hudec R, Sekretár S, Kučerák J, Melušová M, Interdiscip Toxicol. 2014 Sep;7(3):146-53. doi: 10.2478/intox-2014-0020. Epub 2014 Dec 30.
- “Pharmacological perspectives from Brazilian Salvia officinalis (Lamiaceae): antioxidant, and antitumor in mammalian cells”, Garcia CS, Menti C, Lambert AP, Barcellos T, Moura S, Calloni C, Branco CS, Salvador M, Roesch-Ely M, Henriques JA, An Acad Bras Cienc. 2016 Mar;88(1):281-92. doi: 10.1590/0001-3765201520150344. Epub 2016 Feb 2.
- “Evaluation of the efficacy and safety of Salvia officinalis in controlling hot flashes in prostate cancer patients treated with androgen deprivation”, Vandecasteele K1, Ost P, Oosterlinck W, Fonteyne V, Neve WD, Meerleer GD, Phytother Res. 2012 Feb;26(2):208-13. doi: 10.1002/ptr.3528. Epub 2011 Jun 1.
- “Acetylcholine esterase inhibitors and melanin synthesis inhibitors from Salvia officinalis”, Sallam A, Mira A, Ashour A, Shimizu K, Phytomedicine. 2016 Sep 15;23(10):1005-11. doi: 10.1016/j.phymed.2016.06.014. Epub 2016 Jun 21.
- “Systematic review of clinical trials assessing pharmacological properties of Salvia species on memory, cognitive impairment and Alzheimer’s disease”, Miroddi M, Navarra M, Quattropani MC, Calapai F, Gangemi S, Calapai G, CNS Neurosci Ther. 2014 Jun;20(6):485-95. doi: 10.1111/cns.12270. Epub 2014 Apr 10.
- “Sages“, Botanical.com A Modern Herbal by Mrs. M. Greive
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング