バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
アルコールに適量はない
適度のアルコールは、特に、赤ワインは、心疾患予防に有益だという話をよく耳にします。でも、がん予防という観点では、アルコールはどんな量であってもリスクなんです。
WHOの国際がん研究機関(the International Agency for Research on Cancer)が発表したレポートによると、
「がんに関しては、”安全なアルコール量”というものはない」
そして、がんとアルコール摂取量との関係は、正の相関関係にある(飲めば飲むほどリスクが上昇する)ことを報告しています。
アルコールは、今や、次の疾患の原因物質と考えられています。その他のがんとの関連性も疑われています。
- 口腔がん
- 咽頭がん
- 喉頭がん
- 食道がん
- 大腸がん
- 乳がん
- 肝がん
予防医学の権威ジョエル・ファーマン医師が飲酒と乳がんについて記事を書かれていましたので、和訳してお伝えします。ファーマン先生は、私が公認ヘルスコーチの資格を取得したニューヨークの学校(IIN)の講師のおひとりです。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
赤ワインのレスベラトールに効果なし
「トランス型」のレスベラトール
レスベラトールの含有量だけを調べれば、下の表の通り、確かに赤ワインにはレスベラトールが多く含まれていることが分かります。
しかし、レスベラトールには「トランス型」と「シス型」があり、ワインのように発酵や加工され酸化したレスベラトールは不安定な「シス型」で、自然食品に含まれているのが安定した「トランス型」です。
もし、レスベラトールに本当に心疾患予防効果があるとしたら、「シス型」の赤ワインよりも「トランス型」のレスベラトールを含む自然食品を直接食べる方が効果的と言えないでしょうか。
赤ワインのレスベラトールについては『赤ワインのレスベラトールに効果はない』もご確認ください。
赤ワインの効果はアルコールの効果
赤ワインの効果のひとつと言われてきた心疾患予防効果は、抗炎症作用や抗酸化作用をもつブドウの皮に含まれている植物性化学物質(ファイトケミカル)であるレスベラトールに由来すると考えられてきました。
しかし、心疾患予防効果のほとんどは、アルコールの血液の抗凝固作用によるものであることが判明しています。現時点において、アルコールの血液抗凝固作用以上の効果を赤ワインのレスベラトールがもっているかは不明です。
ただしアルコールの効果は限定的
アルコールの効果はドロドロ血の人だけ
アルコールによる血液の抗凝固作用は、血液がドロドロな非常に不健康な食事をしている人にのみに効果があります。東洋医学で淤血(おけつ)と呼ばれる状態の人ですね。
常にバランスのよい食事をしている人は、既に病気予防をしているのと同じですから、アルコールによる効果がないだけでなく、飲酒によって、がんのリスクを高めていることになり、せっかくのバランスの良い食事が台無しです。
レスベラトールの心疾患予防効果が本物かどうかに関わりなく、赤ワインを飲むことで健康的なことをしていると考えるのは誤りです。
少量のアルコールでもがんリスクは上昇
アルコールが体内に入ると、アルコールはアセトアルデヒドと呼ばれる発がん性物質に代謝(変換)されます。
例えば、1日に1杯程度の軽い飲酒であっても、アルコール系の口腔洗浄剤(マウスウォッシュ)を使うだけでも、リスクが高まるという結果が報告されています。
アルコール飲料には、他にも、次のような発がん性物質が含まれていることがあります。
- ヒ素
- ベンゼン
- カドミウム
- ホルマリン
- 鉛
- カルバミン酸エチル(ウレタン)
- アクリルアミド
- アルフラトキシン
『8割以上のワインから危険物質検出』もご確認ください。
アルコールによる影響を女性は大きく受ける
アルコールの代謝の仕組みが、男性と女性では大きく異なることを女性は知っておくべきです。
同じ体重の男女で比較すると、同じ量のアルコールでも、血中アルコール濃度は女性の方が高くなる傾向があります。
そして、飲酒によってエストロゲンの濃度が高まる可能性が指摘されています。
つまり、飲酒は女性の婦人科系疾患、特に、乳がんリスクを追加的に上昇させてしまうと考えられています。
飲酒頻度による乳がん発症リスク
1日に1杯未満の飲酒
それでも乳がんリスクは上昇します。それ以上になればなるほど、リスクは上昇していきます。
週に3~6杯の飲酒
まったく飲まない女性と比較し、乳がん発症リスクが15%上昇することが報告されています。
乳がんサバイバーの週に3~4杯の飲酒
乳がんの再発リスクが有意に上昇することが報告されています。
乳がんリスクを上昇させるだけにとどまらない
少量の飲酒とがんの関係を調査した過去の研究のメタ分析によれば、飲酒は、少量でも、年間、次の死亡と関係しているとのことです。
- 口腔がんと咽頭がんによる5,000人の死亡
- 食道扁平上皮がんによる24,000人の死亡
- 乳がんによる 5,000人の死亡
重要なことは、これらのリスクは、飲酒量に正比例して上昇するということです。
飲めば飲むほどがんになって死亡する
ということです。
長寿を目指すなら、最良の選択は、「飲まないこと」ではないでしょうか。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
ファーマン先生のお話は、お酒が好きな人、お酒が人生の楽しみだという人にとっては、耳の痛い内容だったと思います。
原則は減酒
私自身はもう“ほぼ”飲まないのですが、だからと言って、周囲やクライアントさん達にむやみに断酒をススメることはしません。
ただ、原則、減酒、つまり、今までよりも減らすことをお願いしています。
がんリスクの高い人は断酒
既にがんを経験しているクライアントさんや、がんを患った家族がいらっしゃる場合には、原則、断酒をおススメします。
ただ、飲酒が習慣になってしまっている人は、なかなか突然に止めることは難しいですし、返ってストレスにもなります。そのため、徐々に、減らせる方法をお伝えしています。
そして、例えば、年に1回の家族の集まりや法事などで、飲まないことが返って周囲に失礼にあたるような場面では、気にせず、一口くらいお付き合いしても良いとお伝えしています。(アルコール依存症の人はダメです)
しかし、最後に決めるのはご本人です。
ヘルスコーチが無理矢理、何かを強制することはありません。
心の空腹を埋めるために飲むのは依存症の入口
世界中のどんなお酒を集めても心の空腹は埋まりません。心は心の栄養を与えなければ満たされません。
お酒を飲むと一時的に気分が晴れるように感じるかもしれません。でも、それは、脳でドーパミンという快楽ホルモンが分泌されたからにすぎません。心の穴が埋まったわけではありません。ストレスが解消されたわけではありません。
そして、ドーパミンは2~3時間もすれば消えてなくなってしまいます。心の穴は開いたままです、ストレスは存在したままです。そして、再び、お酒が欲しくなるのです。
だから、ご自身で、判断をしていただきたいのです。
あなたの心が欲しているものは何なのか。
あなたの心はどうしたら満たすことができるか。
本当の友達なら飲まなくてもつながれる
本当にあなたの健康を考えてくれる親しい友人や家族なら、「飲まない」とか「減らす」というあなたの選択を理解し、受け止めてくれるはずです。
- 「一緒に飲んだ方が楽しいけれど、飲まなくても維持できる関係」なのか
- 「一緒に飲まなければ維持できない関係」なのか
ご自分の中で考える良い機会になればと思います。
食事とライフスタイルで乳がん予防したいなら
乳がんを予防したい、あるいは、乳がんの再発を予防したいと考えている人は、『乳がんを予防する食とライフスタイル10の戦略』をご確認くださいね。
でももし、おひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのなら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Even a small amount of alcohol increases breast cancer risk“, Dr. Joel Fuhrman
- “No Amount of Alcohol is Safe“, Stokowski LA, In Medscape Cardiology; 2014.
- “Alcohol consumption“, Rehm J, Sield K, World Cancer Report 2014. pp. 96-104; 2014:96-104.
- “Carcinogenicity of alcoholic beverages“, Baan R, Straif K, Grosse Y, Secretan B, El Ghissassi F, et al., 2007, Lancet Oncol, 8:292-293.
- “Alcohol consumption as a cause of cancer“, Connor J, 2016, Addiction
- “In An Evidence-Based Approach to Dietary Phytochemicals“, 2006, Higdon J: Resveratrol
- “The cardiovascular implications of alcohol and red wine“, Saremi A, Arora R, 2008, Am J Ther, 15:265-277.
- “DNA adducts from acetaldehyde: implications for alcohol-related carcinogenesis“, Brooks PJ, Theruvathu JA, 2005, Alcohol, 35:187-193.
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- “Alcohol Consumption and Urinary Estrogens and Estrogen Metabolites in Premenopausal Women“, Hartman TJ, Sisti JS, Hankinson SE, Xu X, Eliassen AH, et al, 2016, Horm Cancer, 7:65-74.
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング