バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
イラン・シーゲル博士のTED講演
イラン・シーゲル博士のTED講演『What is the best diet for humans?(人類にとって唯一ベストな食事法はどれだ)』が、統合食養学が唱える「バイオ個性」に沿った食事の必要性・優位性を科学的に裏付ける内容でした。
とても分かりやすく科学的なデータの裏付けを伴うものでしたので、和訳要約して骨子をお伝えすることにしました。
ベストな食事法について多くの異なる意見が存在
低脂肪食がベストだと考えている人達もいれば、プラントベースの食事がベストだと考えている人達もいます。また、低炭水化物食がベストだと考えている人達は、タンパク質と動物性脂肪を多く食べることが最適なのだと言います。
また、砂糖はどれくらい摂るのが最適なのか、塩はどうなのか、コレステロールは、飽和脂肪酸は、卵は、乳製品は、どれくらい摂るのが最適のかについても、それぞれ異なる意見が存在します。
人類にとってベストな食事法は科学的に解明されるべき
しかし、「どの食事法が人類にとってベストなのか」という命題は、科学的に回答されるべきものだとシーゲル博士は述べています。
特定の信条や意見が挟み込む余地があってはいけない
ハードデータのみによって証明されなければならない
もし食事法Aが食事法Bよりも優れているのであれば、充分に多くの人達にその食事法を試させ、その結果は動かしがたいものでなければならないと、述べています。
人類にとって唯一ベストな食事法は未だ不明
様々な意見が存在するのにも関わらず、食事に関連した病気(生活習慣病)が世界的に増加の一途であることを鑑みると、「人類にとって唯一ベストな食事法」は、まだ発見できていないのであろうとも述べています。
何を食べるのがベストかと考ることが間違い
食事改善を試みていないわけではない
生活習慣病が減らない理由として、「まだ人々が食事改善を実践していないからだ」という意見がありますが、意外と多くの人達が、健康に良いと言われている食事法をいくつも試していると博士は述べています。
確かに、日本でも、毎日のようにどこかのテレビ局が何かしらの健康情報番組をやっています。そして、ある番組でブロッコリーが良いと放送されれば、次の日、スーパーからブロッコリーが消えるなんて現象がしばしば起きています。
皆、食事を改善しようと努力はしているのです。
質問の仕方が間違っていた
にも関わらず、活習慣病は増える一方で減る様子がないのは、そして、これほど多くの研究がなされてきたのにもかかわらず人類にとってベストな食事法をまだ見つけられないでいるのは、今までの質問の仕方が間違っていたからだと、シーゲル博士は言います。
「何を食べるのが/食べないのが健康にとってベストなのか」
と、考えることが間違いだ
と、述べています。
例えば、野菜を食べるのがベストとか、肉を食べるのがベストとか、炭水化物を食べないのがベストとかという、食品そのものがベストな食事法を決めるというアプローチが間違っていたと言うのです。
私達ひとりひとりベストな食事は異なる
シーゲル博士の研究は、次のことを科学的に証明しました。
- 遺伝子・ライフスタイル・腸内細菌の構成の組み合わせによって、ある食品に対する身体の反応がひとりひとり異なる
- ある食事法が効く人と効かない人がいる理由を遺伝子構成・ライフスタイル・腸内細菌の構成の組み合わせの違いによって説明することができる
そのため
食事は、ひとりひとりの
遺伝子・ライフスタイル・腸内細菌の構成の組み合わせ
に従ってテーラーメイドされる必要がある
と、述べています。
これは、統合食養学のアプローチそのものです。公認ヘルスコーチが既にやっていることです。
シーゲル博士は、食後血糖値を用いて、このことを証明しました。
特定の食事法の効果を測るなら食後血糖値
1. 食後血糖値は食事以外の要因からの影響を受けにくく結果が早く出る
特定の食事法や食品の効果を測るための指標として、多くの研究が、体重や血圧やコレステロール値などを用いてきました。
しかし、こうした指標は、
- 食事以外の要因(例えば、運動)によっても影響を受けてしまうこと
- 結果が出るまでに何週間もかかること
などから、ある食事の影響を測るなら食後血糖値が適切だと、シーゲル博士は説明しています。
2. 食後血糖値は健康指標
食後血糖値は次の病気のリスク要因として用いられる指標でもあります。
- 肥満症
- 心疾患
- メタボリック症候群
もちろん、健康は食後血糖値だけで測れるものではありませんが、ある食事の健康効果を測る上で、食後血糖値は重要な指標です。
3. 食後血糖値は自宅で簡単にモニターできる指標
テクノロジーの進歩によって、被験者の毎食の食後血糖値を1週間毎日モニタリングすることが可能です。
平均的な成人は、1週間に50食以上を食べますから、食後血糖値を用いることで、たった1週間のモニタリングで一人につき50食分のデータ収集が可能になります。
何を食べるかよりも重要なこと
シーゲル博士の研究では、健康な成人被験者1,000人が1週間参加しました。
- センサーを用いて、毎食後、食後血糖値を計測
- 独自開発したモバイル・アプリを用いて、全ての食事を記録
その結果、被験者ひとりにつき50食のデータを1,000人分、合計5万食分の食後血糖値のデータが収集されました。
食後血糖値の上昇感度は、個々人で大きく異なった
同じ内容の食事を同じ人が別の日に食べても、同じ反応が示されましたが、同じ内容の食事を別の人が食べたら、まったく異なる食後血糖値の反応が示されました。
具体的には、食パンを食べると食後血糖値が急上昇する人もいれば、あまり変化しない人もいたとのことです。
その他の食品についても同じような結果が観察されました。
ある食品の効果は、平均化された情報であり、
参考にはなっても、
特定の個人にとっては何ら実益のない情報だ
と、述べています。
食後血糖値の反応が真逆になる人がいる
ある食品に対する食後血糖値の反応は、単に、糖を上手に処理できる人とできない人がいるというだけのことではないと、シーゲル博士は言います。
例えば、上の図の右側と左側の食事を比較して、どちらの方が血糖値があまり上がらない食事だと思いますか?
普通に考えたら、あまり差がない組み合わせですから、たぶん、意見は50/50に分かれると思います。でも、右側の食事では血糖値が反応しないのに、左側の食事では血糖値が乱高下してしまう人が、被験者の中にいらしたそうです。
まったく正反対の反応を示す人がいることを知ることが重要なのだと、博士は述べています。
もしあなたが糖尿病予備軍だったら
そして、もしあなたが、アイスクリームを食べるよりも玄米によって血糖値を上昇させてしまう体質だったら?そう考えると、従来の80kcalを1点で考える糖尿病の食事指導がいかに意味がないか分かります。
食事はテーラーメイドされたものでなければならない
シーゲル博士が収集した膨大なデータは、食品への体の反応は、非常にプライベートでひとりひとり異なると、いうことを示していました。
まさしく、統合食養学のバイオ個性の概念です。
「人類にとって唯一正しい最適な食事法がある」と
語ること自体が、過ちであり、詐欺だ
人類にとって唯一正しい最適な食事法は存在しません。
ある人にとって最適となる食事は、非常に個人的なものであり
その食事法についてのアドバイスも
個々人に向けたものでなければならない
と、博士は結論づけています。
それは統合食養学の公認ヘルスコーチがやっていることそのものです。統合食養学に基づくプライベート・ヘルスコーチングは、ひとりひとりのバイオ個性に沿ってテーラーメイドされた食事に基づいて行われます。
食事をテーラーメードするテクノロジーの構築
次のチャレンジとして、シーゲル博士は、テーラーメードの食事アドバイスを可能にするためのテクノロジーを構築しようとしています。
- 年齢
- 体重
- 身長
- 運動量
- 血液検査結果
- 食事記録
- 遺伝子(SNP)
- マイクロバイオーム(腸内細菌の遺伝子)解析結果
を総合判断できる仕組みだそうです。
各人から集めたデータを解析し、アマゾンが私達ひとりひとりに合った書籍を推奨する際に用いているのと同様のアルゴリズムに基づき、その人特有の方程式から、あなたにおススメな食品を提示する仕組みです。
アルゴリズムを検証してみると・・
そのアルゴリズムを用いて博士は実際に実験を行っています。
その人にとって食後血糖値を急上昇させない食品のみを1週間食べ続けてもらった被験者の腸内細菌の構成が変化したそうです。
腸内細菌が私達の健康に大きな影響を与えていることは、既に皆さんご存知だと思います。私達自身の遺伝子構成は変えられませんが、腸内細菌の遺伝子構成は、食事を変えることによって変えることができます。
例えば、人工甘味料を与えて育てたマウスの腸内細菌を、健康なマウスに移植すると、糖尿病を発症します。
ソフィアウッズ・インスティテュートの感想
今回の博士のスピーチによって、統合食養学が是唱し公認ヘルスコーチが実践してきたことの意義や有効性が科学的に裏付けられたことになります。
1. バイオ個性の尊重
シーゲル博士が構築しようとしているテクノロジーのデータ要素の全ては、統合食養学のバイオ個性の構成要素に既に含まれています。
統合食養学のバイオ個性は、遺伝子など変えることのできないコンスティテューション要素と、食事やライフスタイルなど変えることのできるコンディション要素の組み合わせによって決まります。そのため、世の中には、ひとりとして同じバイオ個性を持っている人はいないと考えます。
そして、バイオ個性に沿って食事をすることが健康への近道だと統合食養学は教えます。
もちろんヘルスコーチは医者ではありません。血液検査をしたり遺伝子検査をしたりしません。脈もとりません(医師法により脈をとることはできない)。
でも、初回相談やヘルスコーチング・セッションを通してバイオ個性を見極める方法を知っています。
2. プライマリーフード優位
博士が開発中のテクノロジーが完成したら、ヘルスコーチの仕事が少し楽になるかもしれません。
でも、公認ヘルスコーチの役割の全てをそのアプリ?がやってくれるわけではありません。
例えば、食事に関するバイオ個性の見極めが、テクノロジーによって代替されることが可能になったとしても、統合食養学にとって、食事はセカンダリーフード(2番目に重要な食べ物)です。
統合食養学にとって最も重要な食べ物は、プライマリーフードと呼ばれる、心の栄養です。
ヒトは、心に栄養が満ちていると、心と体の両方が満たされます。でも実際の食べ物が真の意味で心を満たすことはありません。甘いものやアルコールは一時的に私達の心を満たすように感じますが、その効果が消えれば、本当の意味で心が満たされたわけではないので、また欲しくなります。
統合食養学のヘルスコーチングは、プライマリーフードを満たすことで、セカンダリーフードの乱れを整えていきます。統合食養学は、科学の先をいく新しい栄養学なのです。
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公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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シーガル博士のTED動画
元のスピーチをご覧になりたい方は、下のリンクをクリックしてください(英語とスペイン語の字幕あり)
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング