心疾患予防の薬を服用している人は飲んではいけない3つのサプリメント

2021/03/23/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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サプリメントは「健康補助食品」

健康や若々しさを保つためにサプリメントが良い働きをしていると考えている人は多いです。確かにサプリメントのパッケージには、健康を約束するような文言が並んでいます。

でも、飲み方や作用をちゃんと理解していないと、健康を害してしまうものがあるんです。

健康補助”食品”

サプリメントはあくまでも「健康補助食品」です。食品です。医薬品ではありません。

表のパッケージにいくら魅力的な言葉が並んでいたとしても、その効果に、科学的な裏付けも安全性の保証もないまま販売されているものが多いんです。

成分にも保証はない

また、サプリメントの中にいったい何が本当に入っているかは誰にも分かりません。

なぜなら、サプリメントの製造工場には、医薬品製造工場ほどの厳しい基準が課されていません。そのため不純物が混入していることだってあり得るのです。

そうして、多くの消費者から重篤な副作用が報告されたで、消費者庁が販売の規制をするという後付けの保護しかありません。

皆さんもそうしたニュースを時々目や耳にしたことがありますよね?

犠牲者が多数出るまでサプリメントの安全性は誰も確かめてはくれないのです。

国民生活センターが時々、話題の成分について市販のサプリメントの調査をしていますが、それも既に販売されている商品が対象であり、発売前の安全性の確認ではありません。

(サプリメントの選び方については、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースの中で詳しく教えています。)

心疾患予防の薬を服用している人は飲んではいけない

今回は、心臓疾患予防にとってリスクとなり得るサプリメントについてお伝えします。

1. 紅麹

紅麹は、白米に育つ麹菌の一種です。

最近、赤色の合成着色料(食紅・赤色○号)の代わりに、天然の着色料として用いられることが多くなった菌です。私も赤く着色してある加工食品なら、合成着色料ではなく、紅麹で着色された食品を選んで購入します。

紅麹には、モナコリンKという活性成分が含まれていて、これは、コレステロール低下薬のロバスタチン(メバコール)の主成分と同じ物質です。

問題点:成分の量が安定していない

どのくらいの量のモナコリンKが、ひとつひとつの紅麹サプリメント錠に含まれているのかを知ることはできません。紅麹は自然食品ですから、その含有量にはバラツキがあります。

1つの製品として販売されていた同じ容器の中のサプリメント錠の中にも、モナコリンKをまったく含んでいない錠剤もあれば、医薬品と同じくらいの量を含んでいるものもあるでしょう。

既にスタチン系の医薬品を服用している場合、薬効成分の過剰摂取になってしてしまうこともあります。

過剰摂取による副作用には、筋肉痛だけでなく、命に係わるような筋肉組織の破壊も含まれます。心臓は、ほぼ筋肉でできています。心臓だけでなく他の臓器の多くが筋肉でできています。心臓のために飲んだサプリメントで心臓を傷めてしまうことになりかねません。

スタチン系の降圧剤を服用していない場合は、紅麹を服用しても心配ありませんが、成分量が安定していないので効果の保証はできません。

2. L-アルギニン

L-アルギニンはアミノ酸の一種です。血管を弛緩拡張させる一酸化窒素分子の材料となります。

そのため、L-アルギニンのサプリメントは、血行改善血圧改善勃起促進効果があるとして販売されています。

問題点:死亡リスクの上昇

「心疾患をもっている人は、
L-アルギニンのサプリメントを飲んではいけません。」

と、ハーバード大学メディカルスクールの助教授で、サプリメントを専門的に研究しているピーター・コーエン医師はおっしゃっています。

なぜなら、心臓発作サバイバーに対するL-アルギニンの効果を調べようとした研究がありましたが、この研究は、被験者が早期に6人も死亡してしまったことから、中止に追い込まれています。

そのため、次の医薬品を服用している人は、Lアルギニンのサプリメントを飲んではいけません。

降圧作用が過剰になるだけでなく、高カリウム血症を起こしたり、血栓の元となる体内/脳内出血を引き起こしたりするからです。

  • 降圧剤| L-アルギニンが血圧を危険なレベルまで低くしてしまう可能性
  • 抗血液凝固剤|L-アルギニンによって出血リスクが高まる可能性(体内出血→心筋梗塞、脳出血→脳梗塞)
  • ACE阻害剤|L-アルギニンが血中カリウム濃度を急上昇させてしまう可能性(吐き気、嘔吐、胃腸不良、しびれ、知覚過敏、筋肉・神経症状、不整脈等)

降圧剤などを服用していない健常者においてもL-アルギニンのサプリメントの服用に関しては注意をしていただきたいものです。

3. ニンニク

ニンニク系のサプリメントは、コレステロール値と血圧を下げると謳っているものが多いです。しかし実際にニンニクがコレステロールを下げるかを検証した研究の結果は一貫していません

生ニンニクでも、乾燥ニンニク粉末でも、熟成ニンニクエキスでも同じです。

ほんの僅かな研究だけが、ニンニクのサプリメントが血圧を僅かに下げたことを報告しているにすぎないと、コーエン医師はおっしゃいます。

問題点:成分の量が安定していない

ニンニクも自然食品です。そのため、例えニンニクに本当に降圧作用があったとしても、ひとつひとつのサプリメント錠に含まれる有効成分の量は一定ではありません。

現在までにニンニクの降圧作用について、確定できるデータはありませんが、効果がまったくないとも言えません。そのため、既に、心臓病予防のための医薬品を服用している場合には、薬の作用に影響を与える可能性があります。

次の医薬品を服用している人は、ニンニクのサプリメントを避ける方が賢明でしょう。

  • 降圧剤| 血圧の危険な低下
  • 抗血液凝固剤| 出血
  • コレステロール低下薬| 筋肉組織の破壊

医薬品を服用していない人は、服用して構いませんが、上記した理由により、効果の保証はありません。

健康や若々しさを保つためにはサプリメントだけではダメ

健康や若々しさを保つためには、サプリメントだけに頼るのではなく、複数のことを組み合わせて行うことが大切です。

例えば、

  • 健康的な食事(サプリメントは食事の代わりにはなりません。あくまでも補助食品です。)
  • 定期的な運動
  • 良質な睡眠
  • ストレスの解消

などです。

統合食養ヘルスコーチからの提案

「ニンニクのサプリメントを飲むことが、
ニンニクを食べること以上に効果があるという証拠を
私は見たことがありません」

と、コーエン先生はおっしゃいます。

統合食養ヘルスコーチの私としても、コーエン先生に賛成です。

心疾患予防のために、ヘルスコーチがお勧めできることは、次のような食材をお食事の中に積極的に取り入れることです。

  • 大豆や大豆製品
  • 鰹節、煮干し
  • ニンニク
  • 葉物野菜
  • アーモンド

有効成分の量が一定していないのは、天然成分でできているサプリメントも、自然食品も同じです。それならば、錠剤をポンと放り込むような味気ない生活ではなく、美味しく食事をする方が楽しいです。

既にお薬を処方されている人だって、1日3食は食べるのですから、その食事が症状の改善を後押ししてくれるものの方が、過剰摂取になるかもしれないサプリメントを飲むより、安全で安心です。

自然食品を食事としてバランスよく食べることで、何かの成分が過剰摂取になることは滅多にありません。

補足:カルシウムのサプリメントはどうなのか?

数年前、カルシウムのサプリメントが心臓発作の原因となることが発表され大きな騒ぎとなりました。その当時、カルシウムサプリメントは、更に脳障害とも関係していることが示唆されていましたが因果関係までは証明されていませんでした。(参考『カルシウムのサプリメントと心疾患、脳障害、アルツハイマー病、骨粗鬆症との関係』)

一方、ここ2~3年の間に、カルシウムのサプリメントが脳・神経疾患を起こす原因になっていることが認められ、逆に、心疾患リスクとの因果関係については否定されています。

そのため、今回の記事の中心としては取り上げませんでした。

しかし、このあたりの因果関係については、もうしばらく今後の研究報告を待ってから結論を出した方がよさそうに思います。

カルシウムの摂り過ぎが、高カルシウム血症を起こすことは確実ですし、そうなれば、吐き気、嘔吐、その他の神経疾患が起こります。また、カルシウムのサプリメントの過剰摂取による腎臓疾患と悪性前立腺がんとの関係性も新たに報告されています。

例え心疾患リスクを高めなかったとしても、脳疾患リスクや腎臓疾患、前立腺がんのリスクを高めるのであれば、どっちにしてもカルシウムのサプリメントは飲まない方が良いと私は考えます。

参考:『骨粗鬆症を予防して骨を健康にする食品は?ヒント:カルシウムじゃありません

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング