思い込みサイコー!「治っていると思い込むと治る」科学的効果の実践法

2024/11/14/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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プラセボ効果という言葉を聞いたことがありますか?

偽薬効果と日本語では呼ばれる現象です。

本物の薬を飲んだ時と同じ様な改善効果が、偽物の薬を服用した患者さんに現れる現象のことです。

そのため、医療や科学的な研究で、薬や食品や手法の効果を検証する時には、このプラセボ効果(思い込み効果)以上の効果があるかどうかが、効果の真偽の判断基準になります。

脳と体の強い結びつき

ハーバード大学提携ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターのプラセボ研究並びにセラピュティック・エンカウンター・プログラムの部長であるテッドJ カプチャック医師の、プラセボ(偽薬)効果についてのインタビュー記事が面白かったので和訳要約してお伝えします。

カプチャック先生は次のように述べています。

「プラセボ効果は、
効果があると信じるポジティブ思考以上のものです。
それは、脳と体の間には、より強い結びつきがあることを示すものです。」

脳の思い込みが体を癒す

プラセボ効果が起こるメカニズムは、まだ十分には理解されていません。

研究者達は、次の2つが主に関与していると考えています。

  1. エンドルフィンやセロトニンやドーパミンなど気分を改善する働きのある神経伝達物質を増加させる複雑な神経生物学的反応
  2. 気分、感情、自意識に関連する特定の脳領域の大きな活性化

これらの反応が同時に起こることで治療効果が生み出されると考えられています。

儀式が重要

「プラセボ効果とは、
脳が体に「状態は改善する」と、伝える手段です。」

そのためには、脳が神経伝達物質を集約して放出するだけでなく、「医療行為」という儀式が必要だと、カプチャック先生は説明します。

「偽薬と比較して、その薬に効果があるかどうかを確認する研究では、
被験者は病気を改善するために準備された環境で治療を受けます。
特定の時間に病院を訪れ、医療の専門家の検査を受け、
治療されたり、特殊な薬を受け取ったりします。」

これらの一連の行動が儀式です。

あなたの脳は意識的にも無意識的にも病気の改善にとって必要な手当てが行われていると感じるため、こうした儀式が体の状態に対する脳の認識と受け止め方に大きな影響を与えます。

つまり、例えば、占い師の言っていることを信じ込ませるためには、占いの内容だけでなく、薄暗い部屋で占い師がベールをかぶったり、バングルをじゃらじゃらつけていたり、水晶玉を撫でたりする一連の行為/儀式が重要だということになります。

話は反れますが、偽宗教にハマるのもこうした儀式効果が大きいのかもしれませんね・・・。

思い込みは治療を後押しする

こうした思い込み効果を活用して、既に、がん治療による痛みや疲労感や吐き気などの副作用の緩和ケアが行われています。

確かに、偽薬によって症状が軽くなるのであれば、肝臓に負担をかける鎮痛剤などの服用を減らせられ、長期に渡る治療にとって体への負担は少なくなります。(化合物である薬は全て肝臓を通ります)

しかも、プラセボ効果は、多くの臨床試験で、通常の治療と同じ期間に渡って有効であることが示されています。それが12週間であろうと、6か月であろうと、または1年であろうともです。

ドイツのドレスデン工科大学(Technical University of Dresden)が、成人を対象とした精神疾患の薬物治療でのプラセボの効果を、ランダム化比較試験90件9,985事例のシステマチックレビューとメタ解析を通して検証した結果、全9疾患でプラセボ投与による症状の改善が認められたことが報告されています。

プラセボによる改善効果は次の通りでした。

なお、効果量は「コーエンのd」で示されています。0 以上で効果に差があることを示し、賛否ありますが、一般的な判定基準は次の通りです。

効果大:0.8以上、効果中:0.5以上、効果小:0.2以上

  1. 大うつ病性障害(抑うつ気分、興味の喪失、睡眠障害、食欲障害など)・・・1.40
  2. 全般性不安障害・・・1.23
  3. パニック障害・・・0.92
  4. ADHD・・・0.88
  5. PTSD・・・0.84
  6. 社交不安症・・・0.72
  7. 躁病・・・0.68
  8. 強迫性障害・・・0.65
  9. 統合失調症・・・0.59

精神科の医師には、この結果を踏まえ、上記した症状のある患者には、薬ではなく、まずプラセボを処方するところから始めることを検討して欲しいですね。精神病薬は、大きな副作用と依存性が付きまとうものですから、プラセボで症状が改善するのなら、その方がずっと患者さんの幸福になるはずです。

偽物だと知っていても効果が現れる

今まで、プラセボ効果は、偽薬だと知らないから、本物の薬だと信じているから起こるのだと考えられてきました。

しかし、治療法や薬が偽物であると知らされても、プラセボ効果が現れることが新しい研究によって示されました。この方法はオープンラベル(非盲検)プラセボ試験と呼ばれています。

ジャーナル誌『ペイン(疼痛)』の2021年9月号に掲載された研究は、オープンラベルのプラセボ試験を用いた過敏性腸症候群(IBS)の治療について報告しています。

過敏性腸症候群(IBS)のケース

比較的重度のIBS症状を持つ約250人を無作為に次の2つのグループに分けて比較しています。

  1. 従来通りのプラセボ対照試験の形式に従い、被験者にどちらを渡しているかを伝えることなく、半数にペパーミントオイルを含む錠剤を、残りの半数にプラセボ(偽薬)を処方するグループ(ペパーミントオイルは、IBS症状の改善に効果があると考えられています。)
  2. それが偽薬であることを被験者に告げ、プラセボ(偽薬)だけを受け取るグループ

両方のグループ共に、1日3回、食事の30分前に錠剤を6週間服用してもらいました。

その結果、両方のグループで、大半の被験者のIBSの症状が、同程度に改善したことが報告されています。

腰痛、がん関連疲労、片頭痛、変形性膝関節症を対象に行われた、他のオープンラベルの研究においても、同様の結果が示されていると、カプチャック先生は言います。

「これは、今まで信じられていたプラセボ効果の発生の仕組みに対する
認識が大きく変わることを意味します。
多くの医師は、プラセボ効果を得るためには患者を欺くことが必要
と考えてきましたが、これらの調査結果は、
その認識が誤っている可能性を示唆しています。」

偽物だと判っていても騙される・・

偽物だと判っているのになぜ効果があるのか?

本物ではないことがわかっているのに、なぜ、プラセボ効果(思い込み効果)が現れるのでしょうか?

それには、たくさんの仮説が存在しています。

カプチャック先生は、今まで考えられてきたよりも「儀式」による効果が大きいのではないかと考えているようです。

「人々は、無意識のうちに、薬の服用と病気の改善を関連付けて
考えているのではないでしょうか。

それが本物の薬ではないことを知っていても、
定期的に服用するという行為自体が、病気は治っていくのだと
脳が信じるような刺激になるのではないでしょうか。

治療が儀式化されればされるほど、治療への信頼性と
重要性が高く感じられるようになると考えられます。」

その場のそれらしい雰囲気と、それっぽい行為が合わさると、そしてそれが繰り返されると、「胡散臭い」と思っていても、ヒトはコロッと騙されてしまうということなのですね・・。

自分で自分にプラセボ効果を起こすことはできるのか?

では、私達は、自分自身にプラセボ効果を起こすことができるのでしょうか。

「できるかもしれませんね。

偽薬は、病気を治すことはできませんが症状を改善するかもしれません。
しかしそれには、医者との強い絆と、医療行為という儀式が必要です。
腰痛にフリスクが効くと自分に言い聞かせても、
たぶん、効果は現れないと思います。」

と、カプチャック先生は言います。

信ぴょう性?同調性?

確かに、思い込みだけで全ての病気を治すことができる人はあまりいないだろうと、私も思います。

でも個人の思い込みの病気治癒促進効果は信じています。前向きな人の方が後ろ向きな人よりも病気の治癒が早いという話はよく耳にしますし。。

それに、唐突に自分だけで「フリスクで腰痛が治る」と思い込もうとしても、プラセボ効果は現れないと思いますが、もし「フリスクで腰痛が治る」と言うデマがSNSで広まったなら、「嘘でしょ~?」と思いながらも案外多くの人にプラセボ効果が現れる可能性は高いのではないかと思うのです。

だから、必ずしも「医師との絆」や「医療行為」でなくても、その人が信じられると感じさえすれば、ヒトはプラセボ効果を起こせるのではないかと、私は思います。

ただ、もちろん、そこにそれらしい儀式が加われば、効果の確実性は更に高まることも確かでしょう。

食事・運動・瞑想を行う過程に意味を持たせる

健康的な食事や運動や瞑想などのライフスタイルを生活の中に取り入れること自体が、プラセボ効果に似ているとカプチャック先生は言います。

「健康的な食事や運動や瞑想などの活動は、
それ自体が既に積極的な治療行為です。そして、
「こうした活動に効果がある」とあなたが信じて取り組むほど、
プラセボ効果を得られる可能性が高まります。」

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

健康的な食事・運動・瞑想が効くのはあたり前

カプチャック先生には申し訳ありませんが(笑)「健康的な食事・運動・瞑想」は、プラセボ(偽薬)ではありません。

薬食同源・医食同源

実際に効果が証明されている薬そのものです。

だから、効果があるのは当然のこと。

思い込む儀式が重要

でも、ただやるのではなく、「絶対に効果がある/効く」と信じて取り組むことが、より高い効果を生むこと、そして、「絶対に効果がある」と自分自身に思い込ませるための儀式が重要であることを今回カプチャック先生が教えてくれました。

つまりそれは、食事や運動や瞑想をする環境をそれっぽく整えたり、それに取りかかるまでの過程に特別な意味を持たせることが重要だということになります。

例えば、食材を選んだり、下準備や調理、盛りつけなどの一連の行為に、あなたなりの意味を持たせ、儀式化することが効果を生みます。食事を儀式にする簡単な方法については『食事で心と体をつなぐ7つの儀式』をご参照ください。

思い込みはタダですし、思い込むことで、心と体が健康になるのならサイコーです。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング