バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
認知症予防の対策は国家戦略
最近、物忘れが気になりませんか?
この物忘れ、単なる物忘れなのか、認知症の始まりなのか、心配になったりしませんか?
今年(2015年)1月7日、厚生労働省は2025年までに、認知症患者は約700万人となり、65歳以上の5人に1人となるとの推計を発表し、それを受けて内閣総理大臣は、厚生労働大臣に、認知症予防の対策を加速させるように指示しました。つまり、認知症予防の対策は、国家戦略として取り組む最重要課題となったのです。
「まだまだ私は若いし、両親も元気だから関係ない」
と、思っている人もいるかもしれませんね。
でも、認知症になってからでは、その症状を改善することはとても大変です。認知症になる前に食生活やライフスタイルを改善しておくことが大切です。
そこで、アルツハイマー病と認知症の予防や改善に効果があると多くの研究が報告している食品について、Physicians Committee of Responsible Medicine(責任ある医療を目指す医師の会、以下PCRM)が推奨する食品やライフスタイルと併せ、最新の情報を今週から5回に渡ってお伝えしていきます。
第1回目の今回は、アルツハイマー病と認知症についての基本的な情報を整理してお伝えします。第2回目からは、食事や食品について3回に分けてお伝えします。そして、最後の5回目にライフスタイルについてお伝えします。
アルツハイマー病/認知症とは
アルツハイマー病と認知症は、脳の健康な細胞が退化していく進行性の病気です。その結果、記憶障害、行動障害、その他の認知機能に問題を生じさせます。
しかし、アルツハイマー病と認知症の真の原因は未だ不明です。
アルツハイマー病では、患者の脳で観察される炎症が大きな役割を果たしていると考えられています。
脳細胞の炎症によって、免疫性タンパク質であるアミロイドβタンパク質が異常発生し、脳内に蓄積することで、脳神経に重要な役割を果たしているタウ・タンパク質にも変異が起こり、それが、アルツハイマー型認知症を起こすと考えられています。
主な症状
アルツハイマー病の症状は、加齢によって起こるマイルドな記憶障害よりもシリアスです。症状は徐々に悪化していき、日常生活に支障をきたす程深刻なものになっていきます。
- 特に最近の出来事に関する記憶の喪失の加速
- 料理や電話をかけるなど、慣れ親しんだ物事の遂行困難
- 適切な言葉をなかなか見つけられない
- 抽象的な思考過程に困難を感じる、例、家計簿の帳尻を合わせられないなど
- 判断力の低下、例えば、季節に合わせた服装を選べなくなったり、散財してしまったりなど
- 物を紛失したり、不適切な場所に置いてしまう、例えば、車の鍵を冷凍庫に入れるなど
- 方向性の喪失、例えば、慣れ親しんだ場所で道が判らなくなるなど
- 率先性の喪失
- 気分や行動、性格の変化
アルツハイマー病や認知症の進行過程はひとりひとり異なります。
軽い物忘れは誰にでもあることですが、例えば、朝食に何を食べたか忘れたとしても、家族に何を食べたのか教えてもらったら思い出せるような場合は、大丈夫です。家族に教えてもらっても食べた記憶がない場合が問題となります。
リスク要因
イギリスのユニバーシティ・カレッジ・オヴ・ロンドン(UCL)のジル・リヴィングストン博士が2024年に発表した、アルツハイマー病を含む、エビデンスに基づく認知症のリスク要因には、次の14の因子があります。
認知症の14リスク要因
- 40代頃からの高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値
- 難聴
- 教育の不足
- 社会的孤立
- 頭部外傷
- 運動不足
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 高血圧
- 肥満
- 糖尿病
- うつ病
- 40代頃からの視力喪失
- 大気汚染
世界共通に最もリスクが高い因子は、上のリストの1と2で、このリスクを予防できれば認知症を7%予防でき、また、3.と4.のリスクを回避できれば、認知症を更に5%予防できると報告しています。
性差
上記以外では、女性の方が男性よりも認知症/アルツハイマー病を発症しやすいことが様々な国による調査によって報告されています。
性差が生まれる原は不明ですが、一般的に男性よりも高い女性の免疫力が関係していると考えられています。
配偶者/パートナーの心疾患発症
米国ボストン大学は、日本の全国健康保険協会(協会けんぽ)の医療レセプトデータを用いて、日本の高齢夫婦9万3,000組以上(平均年齢68.6歳)を対象に、2016年~21年の最長6年間の追跡調査を実施しています。
その結果、配偶者/パートナーが心血管疾患(脳卒中、心不全、心筋梗塞など)を発症しなかった人と比較し、パートナーが発症した人では、認知症のリスクが1.3倍になったことを報告しています。その結果は、性別や年齢に関係なく認知症リスクが上昇したとのことです。
あなたが心疾患になると、あなたのパートナーが認知症になる可能性が高まるということです。
遺伝子変異
また、アルツハイマー病と関係の深い遺伝子変異についても明らかにされています。
遺伝
血縁家族に発症者がいる場合にもリスクが多少高まります。遺伝性については『アルツハイマー病は遺伝するのか?』に詳しくまとめてありますので、ご参照ください。
その他
また、『アルツハイマー病が感染する可能性』についてもご確認ください。
認知症予防のサプリメント
認知症やアルツハイマー病が予防できると謳っているサプリメントがさまざま出回っていますが、FDA(米国食品医薬品局)がそうしたサプリメントについて警告を発表しています。詳しくは『このメーカーのアルツハイマー病予防サプリメントに要注意!』をご確認ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのご提案
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献:
- “Alzheimer’s Disease“
- “Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission”, Gill Livingston, et al, July 31, 2024, The Lancet Commissions, Volume 404, ISSUE 10452, P572-628, August 10, 2024, DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01296-0
- “Plasma Homocysteine as a Risk Factor for Dementia and Alzheimer’s Disease”, Sudha Seshadri, M.D., Alexa Beiser, Ph.D., Jacob Selhub, Ph.D., Paul F. Jacques, Sc.D., Irwin H. Rosenberg, M.D., Ralph B. D’Agostino, Ph.D., Peter W.F. Wilson, M.D., and Philip A. Wolf, M.D., N Engl J Med 2002; 346:476-483February 14, 2002DOI: 10.1056/NEJMoa011613
- “Significance of lutein in red blood cells of Alzheimer’s disease patients”, Kiko T, Nakagawa K, Tsuduki T, Suzuki T, Arai H, Miyazawa T, J Alzheimers Dis. 2012;28(3):593-600. doi: 10.3233/JAD-2011-111493.
- “Association of Cardiovascular Events With Spouse’s Subsequent Dementia”, Komura T, Tsugawa Y, Mayeda ER, Glymour MM, Inoue K, JAMA Neurol., August 26, 2024. doi:10.1001/jamaneurol.2024.2612
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング