ターメリックをもっとお料理に使った方が良い理由

2015/09/03/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ターメリックをお料理に使っていますか?

ターメリックを日々のお料理に使っているという人いらっしゃいますか?

ターメリックは、インドで良く使われているスパイスです。カレーの黄土色はターメリックの色素によるものです。

ここ最近(2024年)、SNSでゴールデンミルクが流行っていると耳にし、約10年前に執筆したこの記事を更新することにしました。実は、このブログでは、ターメリックを使ったミルクティ、つまり、ゴールデンミルクのレシピやその他のレシピも10年前から紹介していたんですよ。

ゴールデンミルクを既に愛飲しているという人も、ターメリックに馴染みがなかった人も、この記事を読んだら、もっとお料理に使いたいと思うこと間違いなしです。

裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

ターメリックは、生姜の仲間です。

インド伝統医療のアーユルヴェーダや東洋医学(中医学)では、薬として次の症状の緩和に何千年も用いられてきたスパイスです。

  • 皮膚疾患
  • 呼吸器疾患
  • 関節痛
  • 消化器疾患
  • など

東洋医学での生薬名は「ウコン」です。

「ウコン」なら知っているという人、いそうですね(笑)

二日酔い予防や二日酔い改善のための飲料に配合されているので、一度は飲んだことがあるという人は、多いかも?

ターメリックに関する様々な研究を統合した論文が、2007年10月の『Alternative & Complementary Therapies(代替&補完医療)』そして、2008年7月の『American Botanical Council(米国植物学審議会)』の機関誌『HerbClip(ハーブクリップ)』に民族植物学者であるジェームズ・デューク博士によって発表されました。

デューク博士は、700以上の研究論文をレビューし、その結果、既存の薬以上の効果をターメリックが発揮した病気についてまとめています。

それ以降も、ターメリックは過去数十年にわたってその健康効果が研究されてきました。2020 年には、次の効果があることが明らかにされています。

  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用
  • 抗菌・抗ウイルス作用
  • がん予防効果
  • 糖尿病予防効果
  • 下痢止め

ターメリックの主要な健康効果は、クルクミンと呼ばれる成分によることが確認されています。

クルクミンは、ターメリックに含まれている生物活性の高い(ヒトの体内での活用性が高い)物質です。

ターメリック重量の約2%~9%がクルクミンです。

デューク博士による論文によれば、2008年までにアルツハイマー病とターメリックに関する研究が50以上行われ、アルツハイマー病の引き金となる脳細胞のプラークであるアミロイドβタンパク質の合成をターメリックの成分が抑制できることが報告されています。

ターメリックとアルツハイマー病について詳しくは『アルツハイマー病・認知症(2)予防と改善の食事(つづき)』をご参照ください。

関節炎は、痛みと腫れ(炎症反応)を伴う疾患です。

関節炎に処方されることの多い鎮痛薬のイブプロフェンは、COX-2酵素を抑制することで痛みと腫れの両方を和らげます。

ターメリックには、抗炎症成分が20種以上も含まれ痛みや腫れや炎症を起こす、6種のCOX-2酵素を抑制することが示されています。

つまり、ターメリックは、医薬品イブプロフェンと同じ仕組みで痛みと腫れの両方を和らげることができると考えられます。

ターメリックの薬効成分のひとつ「クルクミン」を用いた臨床試験では、クルクミンが関節炎の症状を効果的に抑制したという報告が多数存在している他、変形性関節症の痛みを抑制できる可能性やリウマチ性関節炎の症状を緩和させられることが示されています。

米国の関節炎財団は、変形性関節症や関節リウマチの症状を抑えるために、一日2回500mg のクルクミンを摂取することを推奨しています。

がんとの関係

デューク博士による論文によれば、ターメリック/クルクミンとがんとの関係についても、2008年までに700を超える非常に多くの研究が行われています。

これらの研究はいずれも、クルクミンあるいはターメリックには、次のがんの予防や治療に効果があることを報告しています。

  • 大腸がん
  • 乳がん
  • 前立腺がん
  • 肝がん
  • 食道がん
  • 口腔がん

クルクミンに薬以上の効果があったと報告しているものもありました。

腸内の健康との関係

クルクミンが、病原菌が腸の内壁を破って体内に侵入することを阻止し、腸内環境を保護することが確認されています。

次のような大腸の炎症性疾患に対して、クルクミンには抗炎症作用があることが報告されています。

  • コーン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 過敏性大腸症候群など

ターメリックが、次の作用によって腸内環境の正常化を速めることが報告されています。

  • 腸内細菌の働きを促進
  • 腸内細菌によって造られる胆汁酸塩加水分解酵素を増加

クルクミンが腸内環境を素早く正常化することによって、腸内の神経系のがん細胞の成長、増殖、糖代謝、血管新生、抗アポトーシス作用を阻害することが観察されています。

肝機能との関係

2014年の専門誌『食物化学と毒物学(Food Chemistry and Toxicology)』掲載された論文は、クルクミンは、次の作用によって肝臓のミトコンドリアが機能不全に陥ることを防いでいると報告しています。

  • ヒ素、カドミウム、クローム、銅、鉛、水銀などによる肝毒性を減少
  • 組織学的傷害抑制
  • 過酸化脂質抑制
  • グルタチオン欠乏の阻止
  • 肝藏の抗酸化酵素維持

やっぱり、ターメリック(ウコン)は肝臓に良いんですね(笑)

甲状腺との関係

自己免疫疾患による甲状腺機能低下症(橋本病)にクルクミンが効果があることが示唆されています。

甲状腺腫瘍の予防 

グレイブ病などの治療に用いられる放射性ヨード療法の副作用による遺伝子へのダメージを抑制することが観察されています。

炎症の抑制 

自己免疫疾患で起こる炎症の抑制にクルクミンが有益であったことが報告されています。

特に、橋本病で過剰となるTh-1 サイトカイン(TNF-A, IL-1, 2, 6, 8, 12) を減少させ、抗炎症作用を発揮したと報告されています。

なお、甲状腺機能低下症の詳しい食事法については『甲状腺機能低下症の予防と改善(2)- 食事』をご確認ください。

ターメリックには、血糖値を下げる効果があることが明らかにされています。

そのため、血糖値を下げる効果のある薬を服用している人は、低血糖になる可能性があるため、ターメリックを使う際には注意が必要です。

ターメリックを日常的に食べている、あるいは、ターメリック/クルクミンのサプリメントを日常的に服用している人は、病院を受診する際には、お医者様に必ずその旨を伝えてください。

また、次の項目に該当する人は、ターメリックを食べる前に、あるいは、ターメリック/クルクミンのサプリメントを服用する前に、必ず、お医者様に相談してください。

  • 妊娠中または授乳中
  • 何等かの医薬品を服用している
  • 基礎疾患がある(糖尿病がある)
  • 胆嚢疾患がある
  • 血液凝固阻害剤を服用している
  • 手術を控えている
  • 化学療法を受けている

ターメリックが単なるサプリメントではなく、生薬だからこそ、注意が必要なんです。

ターメリックをお料理に使うには

ターメリックの約2%~9%がクルクミンです。ターメリック100gなら、2g~9gのクルクミンが含まれているということです。含有量に幅があるのは、ターメリックが自然食品だからです。

常に一定量のクルクミンを摂るのなら、サプリメントが便利ですが、統合食養学のヘルスコーチとしては、ターメリックをお料理に使って欲しいと願います。

ターメリックから、クルクミンの吸収を高めるには、「ピペリン」という成分を含む食品と一緒に食べることが効果的です。

黒コショウは、天然のピペリンです。

ターメリックと黒コショウを一緒にお料理に使うことをお勧めします。

ウコンとクルクミンは、FDA(米国医薬品局) によって「一般的に安全と認められている」と分類されています。

一日の安全量の目安: 8g(小さじ3杯)まで

通常のお料理に使うなら、小さじ1杯で十分です。

ターメリックやクルクミンのサプリメントで副作用が起こることは稀だと報告されていますが、多量に摂取すると次のような副作用が起こることがあることも指摘されています。

  • 腹痛
  • 吐き気
  • 下痢

どんなに良いものも、過ぎたるは及ばざるがごとし。大量にお料理に入れたら良いわけではありません。

ターメリックをカレーに入れるだけでなく、他のお料理にも使いたい人のために、いくつか簡単レシピをご紹介します。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング