バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
女性の5人にひとりは経験者
おしっこの通り道の、膀胱、尿道、腎盂・尿管と、男性の前立腺は、その名の通り「尿路」と呼ばれます。そして、この尿路に細菌やウイルスが感染して起こる感染症は、全て「尿路感染症」です。
- 膀胱で起これば「膀胱炎」
- 尿道で起これば「尿道炎」
- 腎盂で起これば「腎盂腎炎」
です。これ全部が「尿路感染症」です。
膀胱炎は、成人女性の5人にひとりは罹ったことがあると言われているくらい、女性に多い疾患です。
私は膀胱炎を通り越して、腎盂腎炎になったことがあります。
ドイツで働いていた時なので、家族も近くにおらず、かなり不安の中で過ごしましたが、あの時の体中の、特に腰の痛みは今でも忘れません。
膀胱炎の原因
膀胱炎のほとんどは、おしっこの出口(尿道の入口)から病原菌が侵入して、膀胱の内側を覆っている粘膜層に感染することで発症します。
男性よりも女性に膀胱炎が多い理由は、尿道の短さが原因しています。
病原菌が入り込みやすい状況
尿道から病原菌が入り込みやすくなる状況としては次のことが考えれられます。
- 下痢/便秘
- 水分不足
- おトイレの我慢し過ぎ
- 性行為
尿は体に溜まった菌や有害物質を洗い流してくれる役割をもっていますから、おしっこの量を減らしてしまうような水分不足や脱水状態は、菌が完全に洗い流されず、体内に残る可能性を高めます。
同様に、おトイレを我慢し過ぎると、菌が長い間排泄されないまま膀胱内に留まることになるため、繁殖する機会を与えてしまいます。
また、性行為の際には、パートナーに爪を切る・手を洗うなど、気をつけてもらうことで再発を予防できます。
入り込んだ菌が繁殖しやすい状況
入り込んだ菌が繁殖してしまう大きな原因のひとつは、免疫力の低下です。そのため、上の様な状況に加えて、次の様な状況が重なると膀胱炎が発症しやすくなると言えます。
- ストレス
- 睡眠不足
- 体力低下
- 疲労感がある
- 風邪/病気をしている
膀胱炎の症状
一般的に次のような症状が現れます。
- 排尿痛・・・排尿時、排尿後に痛みを感じる
- 残尿感・・・おしっこがまだ残っている感じがする
- 頻尿・・・・トイレに行ったばかりなのに、すぐに行きたくなる
- 白濁尿・・・尿が白く濁っている
- 血尿・・・・おしっこに血が混じっている
これに加えて、高熱や腰に痛みなどあれば、腎盂腎炎を発症している可能性が高いため、早急に病院を受診する必要があります。
尿道にも共生細菌(マイクロバイオータ)がいる
従来の医学では、尿道に共生細菌がいるとは考えられてきませんでした。
尿道は無菌だと医学部では学びます。
しかし、多くの人が私達の腸内には微生物が住んでいることを今では知っています。そして、腸内だけでなく、皮膚の上や様々な体の場所に微生物が住んでいることも知られてきています。
最新の高度な検出技術とDNAの解析技術によって、従来では検出できない程の極めて小さな微生物も発見することができるようになり、尿道が無菌だという認識が間違いであることが示めされました。
つまり、無菌のところに病原菌が入り込んで病気が起こるのではなく、共生細菌が住んでいるところへ病原菌が入り込み、その善玉・悪玉のバランスが崩れることによって、病気が起こることが判ってきたのです。
尿道に棲んでいるマイクロバイオータ(共生細菌)の種類、その顔ぶれの変化と、特定の病気との関係を調査する科学的調査が多く行われています。
女性の尿道に多い共生細菌
女性の尿道では、乳酸菌が最も多くみられる菌です。その他にも次のような菌が存在しています。
- ビフィズス菌
- 連鎖状球菌
- ブドウ球菌
- アエロコッカス菌
- ガードネレラ菌
年齢と共にこれらの尿道細菌の顔ぶれは変わっていきます。
膀胱炎にプロビオティクスは役に立つのか?
統合食養学のヘルスコーチとしては、膀胱炎の改善に、発酵食品やプロビバイオティクス(食べられる善玉菌のサプリメント)が役に立つのか知りたくなります。
乳酸菌の治療効果は不明
残念なことに、現在までの尿道マイクロバイオータに関する研究は、観察による発見が多くを占めていて、尿道疾患の治療として食事、特に発酵食品やプロバイオティクスの効果を調べたものはありません。
乳酸菌に予防効果
しかし、乳酸菌ベースのプロバイオティクスが、尿道炎症の予防に効果があることを示唆した研究がいくつかありました。
例えば、尿道炎の再発を繰り返している女性100名を対象に行われた研究では、次の2つのグループに分け、抗生物質による治療後、5日間毎日それぞれのカプセルを服用してもらい、その後、6日めからは週1回の服用を10週間続け、効果を比較しています。
- 乳酸菌を服用するグループ
- 偽薬を服用するグループ
結果、偽薬グループでは27%が再発してしたものの、乳酸菌グループでは15%の再発に留まったことが報告されています。
メタ分析を行った調査によっても、乳酸菌に予防効果があることが報告されています。
つまり、乳酸菌などのプロバイオティクスを食べることで膀胱炎の再発は予防できるということです。
急性膀胱炎の再発防止にクロレラ
サンクロレラ研究所が行った研究では、急性膀胱炎を繰り返す女性10名を対象にクロレラを摂取してもらったところ、再発が予防されたと報告しています。
被験者が10名と少なく、また単一群試験ですが、参考までここにお伝えしておきます。
クロレラの詳しい機能については『クロレラ』をご参照ください。
尿路感染症の治療後に続く痛みの原因
尿路感染症の治療後も骨盤の痛みや頻尿が続くことがあり、特に、再発を繰り返す人で顕著でしたが、その原因は不明でした。
2024年3月、米国デューク大学による研究によって、次のようなメカニズムが解明され発表されました。
- 尿路感染症が起こるたびに、細菌が付着した上皮細胞が剥がれ落ち、周辺の神経組織が著しく破壊される。
- すると、破壊された神経細胞の大規模な再生と、損傷した膀胱の迅速な修復プログラムが作動する。
- 修復の過程でマスト細胞が神経成長因子を放出し、感覚神経が活性化する。
- その結果、痛みや炎症の調節に関与する神経ペプチドSP(サブスタンスP)が放出され、神経が過敏になる。
病原菌に感染すると、病原菌と戦う免疫細胞が炎症を起こしているだけでなく、尿路の神経細胞や周辺細胞まで破壊されているとは驚きです。であれば、尿路から病原菌がいなくなっても(治療が完了した後でも)、神経や細胞は破壊されたままですから、その修復に時間がかかる(痛みが続く)のは当然なのかもしれません。
戦争が終わったらそれで終わりではなく、壊された街の復興が必要なのと同じですね。そして戦争が繰り返されれば、その復興により長い時間が必要になることも理解できます。
つまり、膀胱炎などの尿路感染症の治療後にも続く痛みは、体内で修復が行われているサインだったんですね。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
乳酸菌の再発予防効果は証明されたものの、治療する効果は、まだ、検証されていませんが、発酵食品を食べたところで膀胱炎が悪化するわけではないと思いますので、病原菌と戦う免疫力アップのためにも、腸内環境を良好にする乳酸菌を多く含む食品は、食べないよりも食べた方が良いのではないでしょうか。
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参考文献:
- “Bladder bacterial diversity differs in continent and incontinent women: a cross-sectional study”, Travis K Price, Huaiying Lin, Xiang Gao, Krystal J Thomas-White, Evann E Hilt, Elizabeth R Mueller, Alan J Wolfe, Qunfeng Dong Linda Brubaker, Am J Obstet Gynecol, 2020 Nov;223(5):729.e1-729.e10. doi: 10.1016/j.ajog.2020.04.033. Epub 2020 May 5
- “Use of Lactobacillus spp. to prevent recurrent urinary tract infections in females”, Qin Xiang Ng, Christina Peters, Nandini Venkatanarayanan, Yan Yih Goh, Collin Yih Xian Ho, Wee-Song Yeo, Review, Med Hypotheses, 2018 May;114:49-54. doi: 10.1016/j.mehy.2018.03.001. Epub 2018 Mar 5
- “Randomized, placebo-controlled phase 2 trial of a Lactobacillus crispatus probiotic given intravaginally for prevention of recurrent urinary tract infection”, Ann E Stapleton, Melissa Au-Yeung, Thomas M Hooton, David N Fredricks, Pacita L Roberts, Christopher A Czaja, Yuliya Yarova-Yarovaya, Tina Fiedler, Marsha Cox, Walter E Stamm, Clinical Trial Clin Infect Dis, 2011 May;52(10):1212-7. doi: 10.1093/cid/cir183. Epub 2011 Apr 14
- 「再発性尿路感染症、治療後も続く痛みの原因を解明か」、2024年03月14日、メディカルトリビューン
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング