バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
三賢人からキリストへの贈物
1月6日は、エピファニーでした。
日本語では公現祭、顕現日などと呼ばれ、キリストの誕生後12日目に東方の三賢人が贈り物を携えてやってきた日のことです。
そしてエピファニーは、クリスマスの最終日でもあり、クリスマスの飾りつけなどを片付ける日です。
日本では12月25日が過ぎると直ぐにクリスマスの飾りつけを外して新年の飾りつけを始めますが、本来、クリスマスの飾りは1月6日まで残しておくものなんです。
新約聖書には、
そしてその家にはいって、
マタイ伝2:11
母マリアとともにおられる幼子を見、
ひれ伏して拝んだ。
そして、宝の箱をあけて、
黄金、乳香(にゅうこう)、没薬(もつやく)
を贈り物としてささげた。
と、書かれています。
乳香(にゅうこう)はフランキンセンス、没薬(もつやく)はミルラのことです。
乳香(フランキンセンス)と没薬(ミルラ)は、神に捧げる香りとして神殿などで用いられ、当時、黄金に匹敵する貴重な香りでした。
3つの贈物にはそれぞれ次のような象徴的な意味があり、三賢人は、キリストがどれを好むかを試したのでした。
- 黄金は『偉大な商人』
- 乳香は『偉大な預言者』
- 没薬は『偉大な医者』
キリストは、乳香(フランキンセンス)を選びました。
今回は、『偉大な医者』という意味をもつ没薬ミルラについてお伝えします。
ミルラは、ヘブライ語で「苦い」という意味があります。キリストに贈られたことで、キリストのその後の人生が「苦い」ものになることを暗喩しているのではないかとも言われています。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
聖書の中のミルラ
聖書の中で、ミルラ(没薬)について書かれている箇所は、旧約聖書創世記37:25、出エジプト記30:23、エステル記2:12、詩編45:8、新約聖書マタイ伝2:11と、数か所に及びます。
例えば、旧約聖書には、
あなたの着物はみな、
詩編45:8
没薬、アロエ、肉桂(カッシア)の香りを放ち、
象牙の館から聞こえる緒琴はあなたを喜ばせた
と、書かれています。ちなみに「あなた」というのは「神」のことです。
今でもカトリック教会では礼拝の際にミルラが焚かれます。
古代エジプトでも太陽神の神殿の太陽崇拝の儀式として、1日に3度、香が焚かれていましたが、ミルラは正午に焚かれる香りでした。
ギリシャ神話の中のミルラ
ギリシャ神話では、ミルラの樹脂は、王女ミュラの涙とされています。
ミュラは絶世の美女でした。ミュラの母親は「私の娘は、アフロディテ(ヴィーナス)よりも美しい」と自慢し、そのことがアフロディテの怒りにふれ、アフロディテは、ミュラに呪をかけます。
呪いをかけられたミュラは、実父を愛するようになり、実父を欺き肉体関係をもちます。欺かれたことに気付いた父親はミュラを殺そうとしますが、周囲がミュラを逃亡させます。
砂漠を彷徨って、正気に戻ったミュラは、神々に許しを請い、神々はミュラをミルラの木に変えました。
ミルラの木になった後もミュラは涙を流し続け、その涙がミルラの樹脂だと言われています。
ちなみに、その時、ミュラは既に身ごもっており、ミルラの木が割けて生まれたのが、美少年アドニスです。アドニスは、その後、アフロディテに愛されることになります。恐るべしアフロディテ。全てを奪います。
なお、アフロディテについては『女性の中のアフロディテとプシュケ』もご覧ください。
ミルラの品質
ミルラは、ソマリア原産のミルラの木から採れる樹脂です。
乾燥によって樹皮が自然に裂けて滲み出した、「スタクテス」と呼ばれるものが最高級とされていますが、現代のミルラのほとんどは、樹皮にわざと傷をつけて商業的に樹脂を採取したものです。
うつ症状改善
やる気がでない、クヨクヨしてしまう、など、うつ症状に似た心の落ち込みの改善に効くと考えられています。
鎮痛作用
ミルラに神経障害性疼痛の改善効果があることが様々な研究によって示されています。
トリップ・ブイワン(TRPV1)と呼ばれる物質が活性化すると、感覚神経が発火(興奮)して、私達は痛みを感じます。
ミルラには、このTRPV1の発生を阻害する作用があることが明らかにされています。
殺菌作用/感染症予防
古代エジプトでは、ミイラを作る際、内臓を取り出したところにミルラやシダーウッドを詰め、腐り難くしていたそうです。「ミイラ」はミルラが転じた言葉だとも言われています。
更に、古代ギリシャでは、兵士たちは戦場にミルラを持って行き、傷の止血や化膿止めに使用していたそうです。
こうしたことから、紀元前から、ミルラが感染症予防に使われていたことが推察されます。
傷の治療
ちょっとした傷ならば、次のような方法で治すことができます。
- ミルラ精油を傷口に直接塗る
- ミルラの粉末を水で練ってペイスト状にして傷口に塗る
消臭作用
体臭や足の臭いなど、菌によって発生した不快な臭いは、ミルラ精油を用いることで殺菌・消臭することができます。
口腔内の抗炎症作用
口内炎や歯肉炎、歯周病、口臭など、菌によって発症する口腔内の疾患の予防と改善に効果があると考えられています。
ミルラの抗炎症作用については『マウスウォッシュ』をご確認ください。
コレステロールの減少
甲状腺ホルモン様の作用をもつ植物ステロイドのググルステロンが、中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させることが報告されています。
そのググルステロンがミルラに含まれています。
インド伝統医療のアーユルヴェーダでは、古くから、ミルラはその目的で使用されているため、ミルラを飲用することで、中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させる効果が期待できます。
血液サラサラ効果
ググルステロンには、血を薄くする作用があります。
そのため、動脈硬化の予防、高血圧予防、心疾患予防に期待できます。
一方で、ワーファリンなど抗血液凝固作用のある医薬品やNSAIDs(非ステロイド性解熱鎮痛剤)を服用している人には、ミルラの使用はお勧めできません。
去痰
呼吸器系の粘膜を抑制する作用があるため、痰や鼻水など、呼吸器系の粘液が過剰になって起こる不調や咳を改善します。
そのため、乾燥による咳には、逆効果になるので注意してくださいね。
がん予防
2015年に、抗がん成分であるシクロアルタン型トリテルペノイドが、ミルラに含まれていることが発見されています。
試験管試験では、前立腺がん細胞を死滅させたことが報告されています。
試験管試験での結果ですから、人体のがん細胞を死滅させる効果があるかはわかりませんが、ミルラに抗がん成分が含まれていることは確かですから、がん予防の効果は期待できるのではないでしょうか。
お肌老化予防・肌荒れ改善
古代エジプト人は、ミルラを美肌パックに使っていたそうです。
特に、お肌の老化予防効果があると考えられています。また、次のようなお肌トラブルの改善をすると言われています。
- 肌荒れ
- 吹き出物
- 湿疹
- ただれ
- ひび割れ
ミルラを使用する際の注意点
直接加熱厳禁
ミルラは、アロマオイル用のディフューザーを使うことができます。しかし、ミルラをディフューザーで使用する時は、直接加熱してはいけません。
ものすごく嫌な臭いになります。
妊婦さんは使用禁止
ミルラには子宮収縮作用があります。
そのため、早産や流産のリスクとなるので、妊婦さんは避けるようにしてください。
抗血液凝固剤を服用している人の使用禁止
ミルラには血液をサラサラにする作用があるため、抗血液凝固剤と併用することで血が止まらなくなったり、あざができやすくなったりする危険性があるため、併用はしないでください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
磔(はりつけ)にするためにキリストをゴルゴダの丘に連れて行く時、ミルラを混ぜたワインがキリストに渡されました。でも、キリストは飲みませんでした。(新約聖書マルコ伝15:23)
ミルラを混ぜた苦いワインを飲ませるという単なる嫌がらせのためだったのか、処刑後の死体が腐敗して感染症が蔓延することを防ぐためだったのかと思っていたところ、古代ユダヤ人は死刑囚の苦痛を和らげるために「ミルラ入りワイン」を飲ませる風習があったという記述を目にしました。では、そのワインは、ミルラの鎮痛効果のためだったということでしょうか。
キリストが誕生してから2016年経ちましたが、誕生の日に贈られた精油は、現代でも科学的にその効果が証明され、メディカル精油として認知されました。聖書に出てくるほどの太古の昔、紀元前の古代の人々が、こうした機能を既に知っていたという事実に驚くばかりです。
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参考文献:
- “Cycloartan-24-ene-1α,2α,3β-triol, a cycloartane-type triterpenoid from the resinous exudates of Commiphora myrrha, induces apoptosis in human prostatic cancer PC-3 cells”, Gao W, et al., Oncol Rep. 2015 Mar;33(3):1107-14. doi: 10.3892/or.2015.3725. Epub 2015 Jan 15.
- “GUGULIPID: a natural cholesterol-lowering agent“, Nancy L Urizar, David D Moore, Annu Rev Nutr, 2003;23:303-13. doi: 10.1146/annurev.nutr.23.011702.073102. Epub 2003 Feb 26, PMID: 12626688 DOI: 10.1146/annurev.nutr.23.011702.073102
- “Frankincense-Myrrh treatment alleviates neuropathic pain via the inhibition of neuroglia activation mediated by the TLR4/MyD88 pathway and TRPV1 signaling”, Yucheng Liao, Chao Guo, Aidong Wen, Min Bai, Zheng Ran, Junping Hu, Jingwen Wang, Jianhua Yang, Yi Ding, Phytomedicine, 2023 Jan;108:154540. doi: 10.1016/j.phymed.2022.154540. Epub 2022 Nov 12, PMID: 36379093
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング