バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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NHKの「100分de名著」
NHKの「100分de名著」で林芙美子の『放浪記』を採り上げていることに、たまたま気づき、観ることにしました。林芙美子も『放浪記』も好きです。
柚木麻子先生の忌憚のない芙美子愛溢れる発言に痛快な気分で、毎回、楽しみに観ていました。
「カフェエの女給を自殺に巻き込んだ人物が書いた文学と
カフェエの女給が書いた文学のいったい何が違うのか。
なぜ前者の方が名作だと言われるのか。」
最終回の最後の最後に柚木先生から飛びだした名言だと思いました。
高校1年生の時、大好きだった現国の先生が、「文学部の女学生はみな「太宰様、太宰様」と太宰教の信者ばかりでつまらない」と言った発言をされたことがあり、そんなに女子を虜にする太宰治の文学ってどんなものかと思い『人間失格』を読みました。
文学性など理解しない高校1年生だった私は、主人公に対して「こいつはクズだな」と思っただけで、何度も女給を自殺に巻き込んで殺し、自分だけは生き残ったこの人物の信者には、私はなれそうもないと確信しただけでした。
放浪記との出会い
『放浪記』は高校生の時に、大叔父が好きだと言うので読んでみることにした一冊でした。大叔父は、母の叔母(私の祖母の妹、大叔母)の夫で、東大に2度入学した奇人です。
身長が190cmもあって気難しくて、私には苦手な人でした。
母も大叔母も愛媛県出身で、母にとっては、近くにいる同郷の身内は大叔母しかいなかったため、時々、私達子供を連れて大叔母を訪ねていました。
たぶん、そんな機会のひとつだったと思います。なぜ、そんな話になったのか覚えていませんが、気難しい大叔父が芥川龍之介と林芙美子が好きだと言いました。特に林芙美子の『放浪記』が好いと。なかなか何かを誉めないこの大叔父が、好きだという小説ってどんなものなのかという好奇心で、『放浪記』を読んでみたのでした。ちなみに芥川龍之介は私も好きだったので既に何冊か読んでいました。
尾道で芙美子と出会う
尾道は芙美子が思春期を過ごした故郷です。
しまなみ海道ができるまでは、本土から愛媛県へ渡るには、尾道からフェリーに乗らなくてはなりませんでした。瀬戸内海に浮かぶ島のひとつが母の実家でしたから、毎年、夏に母の里帰りで家族で旅行した時は、必ず尾道で下車し、フェリー乗り場まで歩きました。
今はもう、フェリー乗り場は無くなってしまったようですが、私は記憶の中で駅からフェリー乗り場まで今でも歩けます(笑)
写真は、尾道の林芙美子の像と一緒に。大学を卒業した夏、初めて弟と二人だけで祖母に会いに行った時のものです。この時はまだフェリーしかありませんでしたから、フェリーの時間まで、私は林芙美子の、弟は大林監督の聖地を巡る尾道下車でした。
また、この芙美子の言葉通り、私にとっても数年ぶりの瀬戸内海でした。子供の頃は3時間もかかったフェリーでの船旅が、この時、高速船ができていて、たった1時間で祖母の島に到着したのが画期的でした。
この年の冬、私はドイツへ赴任することになります。
ちなみに私が着ているワンピースは、自分で縫ったものです!
林芙美子記念館
NHKの『100分de名著』に触発されて、そういえば、芙美子の記念館って行ったことがなかったと思い、猛暑の東京「外出はしない方が良い」というNHKのアナウンサーの声を後ろに行ってきました。
玄関
記念館の入口はこの直ぐ先にあり、本来使われていたこの入口からは今は入れないのですが、入るとそこから風情ある石畳の上り坂があり、玄関へと続いています。
玄関脇の庭
むちゃくちゃ素敵なお庭でびっくりしました。先月お伺いした牧野記念庭園のお庭よりも私的には好きな風情で、ものすごく驚きました。
そこで、いったいこれは林芙美子の趣味なのか、ボランティア学芸員さんにお訊ねしたところ、芙美子が住んでいた時は、芙美子が孟宗竹が大好きだったので、全面、竹林だったのだそうです。
芙美子の死後、画商を営んでいたご主人がお庭を今のように整備していったのだそうです。なるほど・・。あ~びっくりした(笑)
芙美子の書斎
目の前に庭を眺められる小部屋。当時は、竹を眺めていたのでしょうね。
裏山を裏庭に
ここ
たぶん、当時は、南東の方角が見渡せたのだろうと思うのですが、南東の方角に何を見ていたのでしょうね?
と、言っても、芙美子が生きていた時には、この裏山の庭はなく、雑木林だったそうですから、芙美子がここから何かを見たことはなかったのですが。
立派なケヤキ
展示室
なかなか良い1日でした。
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