【限定公開】地球沸騰化で増える可能性のある危険な病気

2025/07/22/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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地球沸騰化によって、平均気温が高くなることで、さまざまな病気リスクが上昇することが次々と報告されています。

今回は、今後、猛暑が通常運転になる夏に備えて、熱中症以外にも気を付けなければいけない病気についてお伝えします。

地球沸騰化によって腎臓結石が起こりやすくなることは、以前、結石の種類ごとに詳しい改善法をについて『腎臓結石』に執筆しています。

ご確認ください。

熱帯夜によって睡眠の質が低下することは既に明らかにされています。たぶん、あなた自身も眠りが浅くなったり寝つきが悪くなることを実感しているかもしれませんね。

睡眠時間は十分とっているはずなのに、常に昼間に眠気があるような時は要注意です。

2025年、オーストラリアの国立フリンダー大学の医学・公衆衛生学部は、米国食品医薬品局(FDA)に承認されている睡眠時の呼吸を観察する装置を3年半以上使用した116,620人を対象に、外気温が夜間の無呼吸症候群に及ぼす影響を調査しています。

外気温が 6.4℃ の時と比較して、27.3℃ では、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが45%高くなることが示されています。

研究者は、産業革命以前の水準より1.8℃以上気温が上昇すると予測されるシナリオでは、2100年までに睡眠時無呼吸症候群のリスクは更に1.2倍~3倍に増加すると予測しています。

睡眠時無呼吸症候群は、肥満によって舌が喉に落ち気道をふさいでしまうことで起こりやすくなると言われています。肥満と肥満傾向にある人は、できるだけ速やかに改善しておくと安心です。

熱帯夜の脳卒中リスクについては、しばらく前から指摘されているのでご存知の方も多いかもしれませんね。

その脳卒中について、中国の200以上の脳卒中センター施設から収集した全国脳卒中レジストリ(BOSC)のデータを解析した結果が、2024年に発表されています。

急性の虚血性脳卒中リスクは、気温が高くなるとタイムラグなく(0時間で)、急上昇し、リスクが1.88倍(約2倍)になることが示されています。そして、リスクの上昇は、10時間後まで続きました。

また、気温が高くなるほど、急性期虚血性脳卒中のリスクが上昇していくことも確認されています。

猛暑で汗を大量にかくことになれば、脱水症状になりやすくなります。体が脱水状態になると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。その結果、脳梗塞が起こりやすくなると考えられます。

加えて、体の脱水によってリーキーガットが起こり、細菌が体内(血流)に侵入しやすくなると研究者は述べています。

すると全身に炎症性反応が起こり、血管の収縮や拡張、血栓の防止、動脈硬化の抑制など、血管の健康に重要な役割を担っている血管の内側の細胞(内皮細胞)が障害を起こします。その結果、プラークが蓄積しやすくなり、脳梗塞のリスクが高まると考えられています。

でも、水分不足や脱水症状は、脳梗塞の原因ではなく、引き金です。

脳梗塞の原因は、次のライフスタイルや疾患です。

  • 喫煙
  • 多量飲酒
  • 栄養不良
  • 身体不活動
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 心房細動
  • 大気汚染
  • など

地球沸騰化に向けて、根本的に上記したライフスタイルの見直しや病気の予防と改善が不可欠となります。

もちろん、水分補給をして、引き金をひかないことも重要です。

ただし、心房細動のある人は、むやみに大量の水を飲めば、心不全のリスクを高めてしまいますから、脱水しないように水を飲むことは大切ですが、大量に飲めば良いというものではありません。

既に、心疾患をおもちの方は、症状に適した適切な水分補給の方法について主治医にご確認いただくことをお勧めします。

心疾患の予防と改善のための食事については、『心疾患』に多くの記事を掲載していますので、ご確認ください。

台湾の奇美医院、台湾の国民健康保険研究データベース(NHIRD)を用いて熱中症と認知症との関連を分析した結果を2024年8月に発表しています。

2001~2015年までに熱中症も認知症もなかった同じプロファイルの約28万人と比較し、同期間に初めて熱中症と診断され、診断時に認知症ではなかった20歳以上の約7万人を2018年末まで追跡調査し、熱中症が認知症リスクの上昇と関連があることを明らかにしています。

高温による体調不良を起こしたことのない人と比べて、高温による体調不良を起こしたことのある人が後年に認知症を発症するリスクが、それぞれ次の通り有意に高くなることが示されています。

  • 熱中症になったことのある人・・・1.24倍
  • 熱射病になったことのある人・・・1.26倍

さらに、ラットを用いた動物実験では、熱射病を起こしたラットの脳の海馬には、次の変化が起きていることが観察されています。

  • 神経細胞障害
  • 神経変性
  • 神経細胞死(アポトーシス)
  • アミロイドβタンパク質(プラーク)の沈着

そして、動物行動試験によって、ラットに認知機能障害が起きることが明らかにされました。

ヒトにおいても異常に高い温度にさらされることで、海馬に障害が起きる可能性が指摘されています。

なお、熱中症予防と対処法については『熱中症予防と対処法』をご確認ください。

東京科学大学大学院公衆衛生学は、2011~20年に日本産科婦人科学会周産期データベース(日産婦DB)に登録された全出産のうち、全国11地域から温暖期(6~9月)の約69万件超の出産データを解析した結果を2025年5月に発表しています。

胎盤は、母親から赤ちゃんへ酸素や栄養を届ける重要な窓口です。

胎盤は出産後には子宮からはがれ落ちてしまうものですが、出産前に何の前触れもなく突然はがれ落ちてしまうのが「常位胎盤早期剥離」です。

猛暑日による常位胎盤早期剝離のリスクは次の通りでした。

  • 翌日・・・1.23倍
  • 2日後・・・0.84倍

猛暑日の翌日に胎盤剥離による流産リスクが高くなることが示されました。

母親の出産経験、年齢、胎児数との関連はありませんでした。

常位胎盤早期剝離は、全妊娠の約1%に生じる重篤な妊娠合併症です。妊娠32週以降に起こることが多いと言われていますが、妊娠中いつでも起こる可能性はあります。

常位胎盤早期剥離が起こる原因には、次の要因が関連していると考えられています。

  • 高血圧
  • 妊娠高血圧症候群
  • 喫煙
  • 前期破水
  • など

研究による胎盤剥離との関係について執筆したことのある記事をリンクしましたので、併せてご確認ください。。

常位胎盤早期剥離によって上昇する妊婦へのリスクは、次の通りです。

  • 播種性血管内凝固症候群 (DIC)
  • 腎不全
  • 早産
  • 窒息
  • 死亡
  • など

また、常位胎盤早期剥離によって上昇する胎児のリスクは、次の通りです。

  • 脳性麻痺
  • 発達障害
  • など

暑い季節に出産を控えている妊婦さんには、できるだけ快適な環境で過ごされることをお勧めします。そして、気温が非常に高かった日の翌日には特段の注意をして過ごされることをお勧めします。

でも、猛暑日は胎盤剥離の引き金ではありますが、胎盤剥離の原因ではありません

禁煙は当然のことながら、妊娠前から血圧が高め妊婦さんは、日常的に血圧管理に気を配って過ごすことが非常に重要だと言えます。

妊娠合併症のひとつ子癇前症については、『子癇前症』をご覧ください。また、高血圧の改善には『高血圧』に多くの記事を掲載していますので、ご確認ください。

米国メリーランド大学は、低中所得国42か国の約49万人の女性(平均年齢32.1歳)を対象に、干ばつや猛暑が親密なパートナーによる暴力を受けるリスクとの関連性について、大規模横断研究を実施し2025年8月に発表しています。

結果、親密なパートナーによる暴力の発生率は次の通りでした。

  • 全てのパートナーによる暴力・・・28.3%
    • 精神的暴力・・・16.8%
    • 身体的暴力・・・19.5%
    • 性的暴力・・・7.4%

異常高温は、いずれも暴力が発生するリスクの上昇と有意な正の関連を示しました。

また、異常気象が1か月続くと精神的暴力、12か月続いた場合には身体的暴力が増加することが示されています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング