サンタクロースについて子供たちとどう話したら良いのでしょうか?発達心理学者が答えます

2023/12/10/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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クリスマスが近づくにつれて、サンタの存在に疑問を抱き始めている年齢に達したお子さんをお持ちの多くの親あるいは保護者が直面する難しい問題は、子供たちにサンタクロースについてどのように説明したら良いかということではないでしょうか。

子供がサンタクロースの存在を信じる・信じないに関して、大きく積極的な役割を果たしているのは、大抵は、親/保護者です。

発達心理学者のキャンディス・ミルズ博士とタリア・R・ゴールドシュタイン博士がニューヨークタイムズ誌に、そんなテーマで寄稿していらっしゃいましたので、私の思い出なども取り混ぜながら、和訳要約してお伝えします。

楽しくて空想的な伝統が、子供を傷つける嘘になってしまうのはどんな時なのでしょうか。

そして、どうすれば、子供の気づきの衝撃を和らげることができるでしょうか。

発達心理学者として、私たちはこのような質問に長い間関心を持ってきました。

なぜなら、こうした質問は、子供にとっての想像性豊かな遊びの役割と、親がそれにどう参加するのが最善かという、より大きな問題を内在しているからです。

今月、私たちは、この問題に多少光を当てることができると信じる研究結果を発表しました。

クリスマスの伝統にサンタを含めるべきかどうかについては、各家庭で決めることですから、私たちが本質を決めつけることはできません。しかし、サンタクロースの真実を知ることは、必ずしも悲しい体験ではなく、ポジティブな体験にすらなり得るというのが、私たちが経験的に学習した見解です。

私たちの研究は、次の2つの調査で構成されています。

最初の調査では、過去3年以内にサンタが存在しないことを知った6歳から15歳までの48人の子供たちと話し、それがどのような体験だったのか尋ねました。

2つめの調査では、18歳から76歳までの成人383人を対象に、サンタクロースにまつわる幼少期の体験について、サンタクロースが架空の人物だと知ったときの気持ちなどを含め、話してもらいました。

私たちの主な発見の1つは、

たとえサンタの真実が失望するものだったとしても、
その感情は、ほとんどの場合、長続きしない

ということでした。

私たちが話を聞いた子供と大人の約半数は、悲しさや怒りなどネガティブな感情が起きたと報告しましたが、それらの感情は短期間に消える傾向があり、子供たちの注意は、贈り物や家族行事など彼らが楽しいと感じるクリスマスシーズンの他の側面にシフトすることがほとんどでした。

さらに、あなたの予想に反して、子どもの約半数と大人の約20パーセントが、サンタの真実を知ることができて良かったと報告しています。

考え続けてきた疑問がようやく解決して安心したという人もいました。複雑なパズルを解いた時のように誇らしく感じたという人もいました。

私たちの調査では、人々が自分で謎を解明したと感じた場合には、真実を知っても感情的な反応は、あまりネガティブにならないことがわかりました。

論理的な推論によってサンタが実在しないことを解明した子供もいました。例えば、一晩で何百万もの家をソリで訪問することは不可能だと認識するなどです。

観察によって解明したと報告した人もいました。例えば、サンタからのプレゼントの包み紙と同じものが、両親のクローゼットの中にあることに気づいたなどです。

論理的推論や観察を通じて徐々に真実にたどり着いたと記憶している大人は、突然に真実を知ったり、学校の友達や年上の兄弟姉妹から教えられて知った人と比べて、その真実にネガティブな感情を重ねて話す人が少ない傾向にありました。

「この方法なら、子どもたちがサンタの真実を一足飛びに受け入れられる」と、保証する十分な証拠はありませんが、次の3つの方法は、安心してお勧めできます。

まず、お子さんの心の自立を尊重してください。

子供が大きくなるにつれて、サンタの話をするのが難しくなります。子供は7歳か8歳頃、もちろん、年齢にはもっとばらつきがありますが、その頃にサンタの真実に気づく傾向にあります。

私たちの研究では、真実を知った年齢が高かった11歳~12歳の子供たちは、その真実に対してネガティブな感情だけを持つ傾向が高いことが分かりました。

子供の質問に耳を傾け、答え始める前に、子供が本当に知りたいことは何なのかを、あなたが正しく理解していることを確かめてください。

例えば、子供がサンタはどうやって狭い煙突を通り抜けるのかと尋ねたら、あなたには、嘘をつくかゲームを諦めるかの二択しかないと決めつけないでください。

子供に「君はどう思う?」と訊ねたり、「一部の人たち」が信じていることについて話したり、「興味深い質問だね」と疑問に思ったこと自体を肯定したりすることも検討してください。

例え、サンタの真実を知ることが、子供にとってネガティブな体験だったとしても、すべてが失われるわけではありません。

他の子供よりも、サンタについて嘘をつかれたことに敏感に反応する子供もいます。私たちが調査した大人の極一部(約6パーセント)の人は、真実を知ってから1年以上もネガティブな気持ちが続いたと報告しています。

ある人は、次のように説明しています。

「両親から裏切られたと強く感じました。
何年もの間、彼らは嘘をつき続けながら、私たちに嘘をついてはいけないと、どうしたら教えられるのか理解できませんでした。
彼らを偽善者だと思い、そのことに腹を立てていました。」

そのような場合には、子供の気持ちを受け止め、なぜクリスマスにサンタを取り入れたのか説明することで、ショックを和らげることができる可能性があります。サンタの伝統をこれからも他の人たちと続けていけるよう、手伝ってほしいと子供たちに呼びかける親もいます。

私たちの調査では、サンタの真実を知った時にネガティブな感情を抱いたと報告した人も含めて、子供と大人の大多数が、ご自分のお子さんたちとサンタを祝ったり、祝う計画を立てていました。

この報告に安心した人もいらっしゃるのではないですか?

このことにはサンタクロースを超えた教訓があります

幼児期のさまざまな空想的な思考を、どのように導いたら良いのか悩んでいる時にも、上記したのと同じ原則が適用できます。

あなたのお子さんには、想像上の友達がいて、歯の妖精を信じているかもしれません。それでいいんです。空想と現実の間の境界が曖昧なのは、幼児には普通なことです。

でも、他の多くのことと同様に、サンタについても、話の流れを子供に任せること、彼らの疑問を話し合いの出発点とすること、そして、子供たちひとりひとりの感受性を認知することは、全て、世界を創造的に楽しく探検する心の情操に役立ちます。

私が、サンタクロースが想像上の人物であることを受け入れたのがいつだったのか思い出せないのですが、逆に私がサンタクロースの存在に確信をもった時のことは、はっきりと覚えています。6歳の時でした。

2つ年上の従姉が言ったのです。「サンタクロースは本当はいないんだよ。」と。「プレゼントはお母さんたちが買ってるんだよ。」と。

でも、私はそれを信じることができませんでした。

だって、当時、自宅の屋根には煙突もあり、そこからサンタが来ることは父と一緒に確認もしていましたので(笑)でも、従姉の一言でサンタの存在への不安感、不信感ではなく不安感、が高まったのは事実です。

ただ、今回ご紹介した調査対象となった多くの人達のように、従姉の言葉を鵜呑みにすることもなく、だからネガティブな気持ちになることもありませんでした。ただ大きな「?」が頭に刻まれただけです。

そして半信半疑で迎えたその年のクリスマスの朝、目が覚めると、前の晩にはなかったオルガンがリビングに置いてあるではありませんかっ!

そして、私は確信しました。

「こんな大きなものを家の中に私に見つかることなく
隠しておけるわけがない。

こんな重たいものを一晩でリビングに運び込むことなんて
出来るわけがない。

こんな魔法はサンタさんしかできるわけがない。
やっぱりサンタさんはいるんだわ!」

この出来事が原因で、私はそれからもう数年くらい、サンタが実在していると固く信じていました(笑)

そして、いつ真実に気がつき、それを受け入れたのか思い出せないのです。思い出せないということは、たぶん、その頃には、私にとってその真実は、あまり重要なことではなく普通に受け入れられる程度のことになっていたのではないかと思います。

そして、高校を卒業する頃、「Yes, Virginia(はい、バージニア)」という新聞記事の存在を知ります。

皆さんはご存知でしょうか。米国の「ザ・サン」という新聞に1897年に掲載された有名な社説のことを。

8歳のバージニアという女の子から新聞社に手紙が届きます。

「友達がサンタクロースなんていないと言います。
お父さんは、もしサン紙にそう書かれていたら、そうなんじゃないか?と、言いました。

だから本当のことを教えてください。
サンタクロースはいるんですか?」

その手紙への回答として、掲載されていた記事のタイトルが

「Yes, Virginia. There is a Santa Clause.」
はい、バージニア、サンタクロースはいます。

でした。

記事はとても長いので、その一部だけ下に和訳を記載します。

(前略)

はい、バージニア、サンタクロースは存在します。彼は、愛や寛容や献身と同じように確実に存在します。それらは、豊富に存在し、あなたの人生に最高の美しさと喜びをもたらしてくれます。

(中略)

誰もサンタクロースを見た人はいません。でも、それはサンタクロースがいない証拠ではありません。この世界で一番リアルなものは、子供にも大人にも見えないものです

(後略)

1943年に「星の王子さま」を発表したサンテグジュペリも、この社説のことをきっと知っていたのではないかと思えてきます。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

現実的・物理的なサンタという人物の存在の有無への関心が、サンタが象徴する精神、例えば、愛や寛容や献身についての理解へ、さりげなくシフトさせることができたら、真実に直面した子供たちの心も少しは安らぐのではないかと思うのでした。

ちなみに、ドイツでは、クリスマスとサンタクロースは別々に扱います(笑)

クリスマスはあくまでもキリストの誕生を祝う静粛な行事であって、サンタクロースについては、12月6日の聖ニコラウス(サンタクロース)の日に、皆で甘いもの、主にキャンディなどを食べてお祝いをします。

何事もごちゃまぜにせずに整理整頓する「きっちりしたいので!」というドイツ人精神が表れていますね(笑)

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング