仕事で燃え尽きやすい人とは?これがあると燃え尽きにくくなる3つの存在

2025/02/18/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ハンガリーの国立ペーチ大学が2022年9月1日~11月1日に放射線科医と放射線技師を対象に行ったバーンアウト(燃え尽き症候群)に関するオンライン調査が2024年11月に発表されました。

研究の対象は、放射線科医と放射線技師でしたが、他の職業の人たちにも共通して言えることかもしれないと思いましたので、和訳要約してお伝えします。

研究では、燃え尽き(バーンアウト)の度合いをマスラック・バーンアウト・インベントリー(Maslach Burnout Inventory:MBI)を用いて評価しています。

今回の研究では、燃え尽き(バーンアウト)度は、次のMBIの3つの指標を総合して評価されました。

  • 離人症傾向: 自分の心や体から自分が離れ、第三者として自分自身を観察しているような感覚
  • 情緒的消耗感: 感情がすり減っていく感覚
  • 個人的達成感: 自分自身に対する満足感

離人症傾向と情緒的消耗感が高いほど、そして、個人的達成感が低いほど、燃え尽き(バーンアウト)度は高いと評価されます。

今回の研究は放射線科医と放射線技師が対象でしたが、この2つのグループ間では、燃え尽き度に有意な差はありませんでした。

そのため、燃え尽き(バーンアウト)の度合いへの、職種や職業による影響は少ないと研究者は考えています。

どんな職業でも燃え尽き症候群になる可能性があるということですね。

また、男女で燃え尽きの症状の現れ方が異なることが示されています。

  • 男性・・・女性よりも離人症傾向が高い
  • 女性・・・情緒的に消耗されにくいものの、個人的な達成感が低い

これはハンガリー人を対象に行われた研究ですから、ハンガリーの社会における男女平等の在り方・価値観などが結果に影響している可能性は否定できません。そのため、これが生物的な性差によるものなのか、社会的な刷り込みによるものなのか判別することは難しいですね。

ただ、女性の方がメンタルが強い(感情が擦り切れにくい)という結果には同感して笑いました。

燃え尽き症候群になりやすい状況や人には、次の傾向や特徴があることが明らかにされました。

キャリア初期と経験不足、これらは燃え尽き症候群のリスク要因でした。

キャリアの経験年数では、次の時期に燃え尽き症候群傾向(情緒的消耗感と離人症)が高くなることが示されています。

  • キャリアの1年目~5年目
  • キャリアの10年目~19年目

特に、キャリア若年期の男性で離人性傾向が顕著であることが示されています。

離人症傾向とは、自分のことなのに、まるで他人事のように感じることですが、他人事のようにふるまう態度も含まれるのでしょうか。時々、「いや、それ、お前のことだろ!」と言いたくなるような若者がいますが、あれは、バーンアウトの兆候、自己防衛反応なのでしょうか?

仕事を始めた最初の5年の間(特に3年目頃)に転職する人が多いこと、そして、10年目頃に再び転職する人が多くなる傾向があることと関係しているのかもしれません。

わたし自身も周りでも、キャリアの10年目にあたる20代後半~30代前半に自分のこれからのキャリアについて悩み、転職する人が多い印象をもっています。わたしは30歳目前の時に一旦離職して、大学院に戻りMBAを取得しました。

なお、勤続年数が長くなるにつれて、離人症傾向は有意に低下することも確認されています。

この研究に参加した30代(31~40歳)の人で、燃え尽き症候群のリスクが高いことが示されています。

特に、30代では、離人症傾向が高く個人的達成感が低くなる傾向があることが示されています。

週40時間以上の労働は、燃え尽き症候群の3要素全てにマイナスの影響を与え、週40時間以上働いている人の34.6%が燃え尽き症候群だったと報告されています。

週40時間とは、週5日として1日8時間です。つまり、週40時間以上とは、残業をしていることを意味します。

長時間労働が燃え尽き症候群と関係していることは想定の範囲ですが、長時間とまではいえないけれども残業を1時間でも日常的にしている場合には、燃え尽きる可能性が高くなるという結果です。残業が日常化している日本人でも同じ結果になるのか興味があります。

また、仕事量の増加も燃え尽き症候群に悪影響を及ぼすことが実証されています。仕事の要求が高まると、燃え尽き度が上昇します。

仕事量の増加と残業時間は必ずしも比例的ではありません。残業をしなかったとしても就業時間内での仕事量が増えれば、燃え尽きる可能性が高くなることを示しています。

本業以外に、副業をもっていない人は、燃え尽き症候群のリスクが高くなることが示されています。特に、情緒的消耗感が高く、個人的達成感が低くなることが示されています。

副業をしないと返って燃え尽きる可能性が高くなるというのは面白いですね。

バブル期を過ごした世代としては、仕事を掛け持ちすると返って燃え尽きる印象をもちますが、働き方改革が進んでいる現代の日本で副業を許可したり奨励する企業が増えてきていることを鑑みると、ハンガリーの研究結果と同じように、本業で燃え尽きないためには副業した方が良いのかもしれませんね。

研究者は、副業には次のような利点があるため、本業における燃え尽きの予防になるのではないかと述べています。

  • 経済的な安定と安心感
  • 役割の多様化と多様性が本業での仕事の単調さを軽減
  • 社会的な交流の幅が広がることで感情的なサポートや広い視野の獲得
  • 本業では得られない充足感

これら全てが本業で得られれば、副業は必要ないかもしれませんが、現実はそうではないこともこの結果は示していますね。

ペットを含めた家族構成が燃え尽き症候群のリスクに影響を与えることが明らかにされています。

  • 独身・・・独身者の22.9%が燃え尽き症候群の兆候あり
  • 子供なし・・・燃え尽き症候群3要素の全てにマイナスの影響があり、子供のいない人の22.5%が燃え尽き症候群の兆候あり

既婚者であっても子供がいない場合、燃え尽きの症状が高水準であることが示されています。

子供も、ある意味でストレス源になり得るのですが(笑)、それでも子供がいる方が、本業での燃え尽き予防になるというのは面白いですね。

研究者は、次のように説明しています。

子供の存在はモチベーション要因として機能し、
職業上の目標を達成するためのコミットメントを高め
責任感を育む可能性がある」

でも、これって「両刃の剣」にもなり得ませんか?

家族のためにとがむしゃらに働いて燃え尽きるお父さん・お母さんってたくさんいるように思うのですが・・、それでも子供はいた方がいいということでしょうか。

ペットも家族構成の一員として、ペットを飼っていない人の25.9%が燃え尽き症候群の兆候があり、ペットを飼っている人では、わずか8.7%だけに燃え尽き症候群の兆候がありました。

猫か犬かについては、いくつかの潜在的な要因によって、猫よりも犬を飼う方が感情的疲労と燃え尽き症候群を予防する力が高いことが示されています。

研究者は、その理由を次のように説明しています。

犬との仲間意識や友情は相互作用的で、社交的であることが多いため、
感情的な健康を高め、精神の快適さとサポートの源となる。
また、散歩に連れていくなどの定期的な運動など、
犬の世話をすることは、規則正しい生活リズムを生み、
そのことが毎日の目的意識に貢献し、
日常生活の単調さや変化の欠如に関連する
燃え尽き症候群を軽減している可能性がある。」

猫好きから一言言わせてもらうと(笑)、犬か猫か、ではなく、どっちがより好きかで燃え尽き予防効果が人によって異なるのではないかと思うのです。

犬は決して嫌いではありませんが、犬の社交性・友情表現がわたしには返ってしくこくて、うざく感じることが多いので、わたしの癒しにはなりません(笑)

まとめると、燃え尽き症候群になりやすい人とは・・・

30代で、独身で子供もペットもいない、
副業をせずに週40時間以上働いている人

あ、それ、30代の頃のわたしだ(笑)

逆に、バーンアウト(燃え尽き症候群)になりにくい個人的な達成感が高い人は、次のプロファイルに当てはまることが示されています。

  • 勤続年数20年~29年
  • 40代(41~50歳)
  • 子供がいる

また、感情的消耗と離人症傾向は、年齢と共に減少することが示唆されています。

とはいえ、40代になるまで、あるいは、勤続年数が20年を超えるまでの間に燃え尽きては意味がありません。

今回の研究結果を総括すると、30代までのまだキャリアが浅い若者に必要なことは次の3つ!

副業、子供、ペット

子供をもつハードルはかなり高めに感じますが、副業とペットはなんとかなりそうではありませんか?

試してみますか?

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

休暇に関連して起こる燃え尽き症候群については『ホリデー燃え尽き症候群』をご確認ください。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング