バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
夏に活躍するカレンデュラ
夏になると、外に出ることが多くなります。
キャンプに行ったり、公園で遊んだり。
すると、どこかに体をぶつけて青あざを作る機会も増えますよね(笑)
その時役に立つのが、カレンデュラで作るレメディです。
カレンデュラは医療用のマリゴールド
カレンデュラは、マリゴールドの一種です。
マリゴールドは、「黄金の聖母マリア」という意味をもつキク科のお花です。
マリゴールドの内、医療用に用いられるメディカル・ハーブをカレンデュラと呼びます。
ソフィアウッズ・インスティテュートのセルフドクター修了生のおひとりから、簡単な見分け方を教えていただきました。お店の園芸コーナーで販売されているものは普通のマリゴールド、ハーブコーナーで販売されているものがカレンデュラである確率が高いそうです。
ただ100%そうだと言い切れないこともあるので、販売員さんに学名を訊ね、学名に officinalis があるものが薬用になります。
カレンデュラの抗カビ・抗炎症・抗菌作用
カレンデュラには、抗カビ、抗炎症、抗菌作用があると考えられています。
お庭に植える時も、お野菜の周りにマリゴールドを植えると虫が来ないし、病気にならないと言いますよね。
カレンデュラの抽出液で作るレメディは、外用薬として、
- 小さな切り傷
- すり傷
- 肌荒れなどの塗り薬として最適です。
- オムツかぶれ
- ニキビ
- 漆かぶれなどアレルギー性の肌荒れの改善
のために用いられます。
キッチンを薬局にするのならカレンデュラを加える
キッチンを薬局にするのなら、カレンデュラを加えることをお勧めします。
ティーツリーの横にでも置いておくと安心です。
カレンデュラは、打ち身やすり傷のレメディとしてだけでなく、もっとシリアスな病気や傷にも役に立つことが報告されています。
今回は、カレンデュラを服用した時の効果と外用薬として用いた時の効果について、お伝えします。
(裏付けとなる研究論文を参考文献として最後に一覧にしています)
カレンデュラを服用する効果
潰瘍性大腸炎/逆流性食道炎の緩和
マウスと犬を使った実験によるもので、ヒトを対象とした研究ではないのですが、次の2つの方法でカレンデュラを用いた場合に、潰瘍性の胃腸炎や逆流性食道炎が緩和されたと報告されています。
- アルコール抽出したカレンデュラ抽出液を体重1kgに対して3,000mg 飲ませた場合
- カレンデュラ抽出液20%のジェルを浣腸した場合
がん予防効果
カレンデュラの様々な部位から抽出した抽出液(ルテインとトリテルペン配糖体)を用いて抗がん作用を検証した研究のレビュー論文がありました。そこに分かりやすい図が掲載されていましたので、和訳することにしました(上図)。
ちなみに、図内の「IC50」というのは、がん細胞を半減させるために必要な量です。
この時、メタノールまたは酢酸エチルによる抽出液に特に効果が高かったことが報告されています。沸騰したお湯で煎じた液を用いた研究では、IC50に必要な量は、750μg~2,300μg/mlとなり、メタノール抽出液を用いるよりも15倍~45倍の量が必要となることが示されています。
ただ、残念なことに抗がん作用の研究は、今のところ、試験管試験とマウスを用いた動物試験に留まっていて、ヒトを対象とした研究はありませんでした。ヒトを対象に行われているものは、後述する外用薬としてカレンデュラを皮膚炎の治療に用いた際の効果の検証だけでした。
なお、がん細胞に対する効果には、抽出液の量によって差があることが示されています。
マウスの体重1kgあたり
- 2.5mg~20mgでがん予防効果
- 25mg~50mgで抗腫瘍効果
- 250mg以上で腫瘍の転移阻害
体重55mg~5gでは毒性が生じなかったことが報告されています。
また、カレンデュラから抽出したルテインを食事に混ぜてマウスに14日間与えた後、ヒト乳がん細胞(BALB/c)と乳腺腫細胞(WAZ-2T (−SA))を移植し、腫瘍の増殖過程を70日間観察した研究もありました。
少量(食事の0.02%)のルテインで乳がん細胞や乳腺腫細胞の発症率を低下させることができたと報告しています。ルテインの量を食事の0.4%まで増やしても効果に差は生じなかったとのことです。
カレンデュラの女性ホルモン作用は不明
なお、カレンデュラには、女性ホルモン様の作用があるため、生理不順に良いとか、妊娠初期に多量に使用しない方が良い等と、書かれているサイトが多いのですが、科学的な論文の検索サイトPub Medでは、カレンデュラ/マリゴールドとエストロゲンなど女性ホルモンと直接に関係する論文をみつけることはできませんでした。
カレンデュラを飲食する方法
マリゴールドの全てが食用になるわけではありません。食用であることが確実なカレンデュラを購入してくださいね。
ハーブティにする
乾燥させた花弁にお湯を注いで、10分ほど置いてからハーブ・ティにします。
着色料として使う
生の花弁をサフランの代用として色付けに使います。
例えば、カシューナッツで作ったチーズの色付けなど。
そのまま食べる
生の花弁をそのままスープやサラダに散らして食べることもできます。
医療効果が期待できる量とは?
2019年現在、野菜と果物のルテイン含有量を調べた研究は、1件しかありませんでした。そして、ネット上でルテインに関して書かれた様々な記事は、ほぼ、この研究結果を引用している(数値が同じ)ことが判りました。しかし、残念なことに、その研究対象の中にマリーゴールド/カレンデュラはありませんでした。
そのため、2019年の時点では、その研究内で最も多くルテインを含有していると記載されていたケールを参考に試算した結果、ケールなら、7kg前後食べないと、がん予防効果を示すルテイン量にならないことが判明しました。
その後、2022年に発表された論文の中に、カレンデュラに含まれているルテインが発酵によってどれくらい増えるかを調べた研究を見つけました。その論文内に、発酵前のオレンジ色のカレンデュラの花弁には、1.1%のルテインが含まれているという記載を見つけました。
この量を元に以下、試算しなおしています。
がん予防に必要な量
がん予防には、マウスの体重1kgあたり2.5mg~25mg必要で、単純にヒトにも同じ量で効果があると仮定すると、例えば、体重50kgの人であれば、125mg~1,250mg 必要です。
オレンジ色のカレンデュラの花弁の1.1%がルテインだとすれば、花弁を 11g~114g必要とすることになります。
ケールを毎日7kg食べるよりは、簡単そうです(笑)が、毎日100gの花びらを食べ続けるのも、あまり簡単とは言えません。
がん予防のためには、花びらをそのまま食べるよりも、カレンデュラの抽出液を用いる方が楽かもしれませんね。ただ、研究者が用いていた、最も多くルテインを抽出できるメタノールや酢酸エチルは有毒ですから、吸いこんでしまったり、抽出後の処理ができないキッチンで用いることは、万が一口に入ってしまう危険もあり、お勧めできません。
代替として、ホワイトリッカーなどで抽出するのが良いでしょう。
また、がん予防効果については(研究がないので)不明ですが、後述するオイル抽出でもルテインを抽出することは可能です。オイル抽出したものなら、食用にしても安心です。
外用薬として用いる効果
手術後の傷の治りを促進
家庭の医学とプライマリーケア・ジャーナル(the Journal of Family Medicine and Primary Care)の2018年10月号に掲載された論文は、
帝王切開を受けた72名の女性の手術跡に、カレンデュラ・オイルを塗布した結果、
「カレンデュラ・オイルは、帝王切開による傷の治りを有意に速めた」
と報告しています。
放射線治療による皮膚疾患の緩和
がん治療などで使用される放射線治療によって95%の方が、皮膚に何等かの痛みを生じます。
カレンデュラに含くまれている多くのポリフェノールによる、放射線の皮膚毒性を緩和する効果について、臨床研究においても検証できたことが、2019年2月に報告されています。(上の図参照)
カレンデュラのレメディの作り方
外用として用いるカレンデュラのレメディは簡単にキッチンで作れます。
カレンデュラ・レメディクリーム
材料
- カレンデュラ抽出オイル
- 蜜蝋
作り方
- カレンデュラの抽出オイルを作る・・・花びらをエクストラ・ヴァージン・オリーブ油に2~3週間付け込む。もちろん、購入することもできます。
- 次の割合で混ぜるだけ
カレンデュラ抽出オイル:蜜蝋
4:1 または 3:1
- 蜜蝋を湯煎にかかて溶かし、そこにカレンデュラ抽出オイルを混ぜる。
- 固まる前に耐熱ガラス製の容器などに移す。
そこに、野生ラベンダー精油やローマンカモミール精油などを混ぜると万能です。
母の手術痕のためのクリーム
2019年5月に母が膝に人工関節を入れるための手術を受けました。そのため、母の膝の手術痕の治りを助けるためにカレンデュラクリーム(上写真)を作りました。
使用したカレンデュラ抽出油は、購入したものです。
オイル抽出よりも成分抽出が高いと言われるCO2抽出のカレンデュラオイルを購入し、国産蜜蝋で作りました。
石鹸にする
カレンデュラの抽出オイルを用いて石鹸にすることもできます。
カレンデュラを使う際の注意点
カレンデュラ/マリゴールドはキク科のお花です。
キク科の植物にアレルギーがある人は注意してくださいね。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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参考文献:
- “The impact of calendula ointment on cesarean wound healing: A randomized controlled clinical trial”, Fereshteh Jahdi, Akram Haghighi Khabbaz, Maryam Kashian, Mohsen Taghizadeh, and Hamid Haghani, J Family Med Prim Care. 2018 Sep-Oct; 7(5): 893–897, doi: 10.4103/jfmpc.jfmpc_121_17
- “A Review of the Use of Topical Calendula in the Prevention and Treatment of Radiotherapy-Induced Skin Reactions”, Kodiyan J, Amber KT, Antioxidants (Basel). 2015 Apr 23;4(2):293-303. doi: 10.3390/antiox4020293.
- “Calendula officinalis: Potential Roles in Cancer Treatment and Palliative Care”, Daniel Cruceriu, PhD, Ovidiu Balacescu, PhD, Elena Rakosy, PhD First Published October 5, 2018 , https://doi.org/10.1177/1534735418803766
- “Management of Acute Radiation Dermatitis: A Review of the Literature and Proposal for Treatment Algorithm”, Rosenthal A, Israilevich R, Moy R, J Am Acad Dermatol. 2019 Feb 22. pii: S0190-9622(19)30338-X. doi: 10.1016/j.jaad.2019.02.047.
- “Healing acceleration of acetic acid-induced colitis by marigold (Calendula officinalis) in male rats”, Tanideh N, Jamshidzadeh A, Sepehrimanesh M, Hosseinzadeh M, Koohi-Hosseinabadi O, Najibi A, Raam M, Daneshi S, Asadi-Yousefabad SL, Saudi J Gastroenterol. 2016 Jan-Feb;22(1):50-6. doi: 10.4103/1319-3767.173759.
- “Dietary Lutein from Marigold Extract Inhibits Mammary Tumor Development in BALB/c Mice”, Jean Soon Park Boon P. Chew Teri S. Wong, The Journal of Nutrition, Volume 128, Issue 10, October 1998, Pages 1650–1656, https://doi.org/10.1093/jn/128.10.1650, 01 October 1998
- “Carotenoid content of fruits and vegetables: An evaluation of analytic data“, Ann Reed Mangels, Joanne M Holden, Gary R Beecher, Michele R Forman, Elaine Lanza, Journal of the American Dietetic Association 1993:284-295
- “Enhancement of lutein content in Calendula officinalis Linn. By solid-state fermentation with lactobacillus species”, Zuha Rahman, Vidhu Aeri, J Food Sci Technol, 2022 Dec;59(12):4794-4800. doi: 10.1007/s13197-022-05565-3. Epub 2022 Aug 20, PMID: 36276532, PMCID: PMC9579218 (available on 2023-12-01)
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング